カジノで遊びましょう

どんな法律にも
得をする人 損をする人が生れます

博打を楽しむ人たち どちらになるのでしょうか


 
 
 
 
飲む打つ買うは 人の性(さが)
三っつそろって 究極のリゾート
カジノ法案が成立したら…  2014/11
年間数兆円の経済波及効果で国内景気は回復し、働く場も増え、増加する社会保障費の財源も確保、国際競争力もアップ……と良いことづくめのようだが、治安の悪化やギャンブル依存者急増の懸念も。果たして実態はどうか。
メリット[1] 
外国人観光客の増加&MICEの誘致促進 IRを国内に造れば、外国人観光客数は確実にアップする。世界中から人が集まるということは、カネとモノ、情報も集積するわけで、そうすればMICEの需要も必然的に高まり、さらに海外からヒト、モノ、カネ、情報が集まる。まさに好循環で、これは日本経済にとって大いにプラスだろう。
政府が音頭をとって推進する「ビジット・ジャパン」「クール・ジャパン」のお陰で、日本を訪れる外国人は2013年に年間1,000万人を初めて突破、2020年には同2,000万人という目標を掲げているが、これも東京五輪でほぼ確実視されている。
だが問題は、五輪というお祭り気分が冷めた後の景気の落ち込みで、これが悩ましい。IRは、その際に景気を持続させるブースターとしても考えられているのだ。
メリット[2] 
地域の雇用創出・経済波及効果・インフラ整備
仮にIRを国内に10ヵ所ほど造ったとして、その経済波及効果は年間3兆〜8兆円と言われている。GDP500兆円規模の日本経済を考えれば”焼け石に水”とも思えるし、この程度の年間売上高を叩き出す上場企業などザラ。
だが肝心なのは、IRは波及効果の裾野が広いということ。ホテルにレストラン、交通機関、土産物、娯楽と続き、さらにこれらを支える分野まで考えれば、ほぼ全業種に恩恵が行き渡る。
日本ブランドの美味しい農作物、魚介類のオーダーもアップするはずだ。またIRを訪れた外国人の多くは、周辺の物見遊山もするだろう。となれば各地の商店街も潤い、雇用も増える。
同じ”8兆円”でも、IRの波及効果で稼ぎ出したおカネと、1つのメーカーの年間売り上げを比べた場合、国のGDPに対する直接的な貢献度に大差はない。だが、別項でも詳述しているが、前者の場合、その恩恵は零細企業、小売店や一般庶民に広く浅く行き渡る。それはやがて消費に回り、景気の下支えとなる。一方後者の場合、下請け企業や従業員を通じて景気アップに貢献するものの、波及効果はごく一部。メーカーの多くは工場の海外移転を進め、国内の雇用増加は望み薄。加えて企業は利益の相当部分を内部留保に回すため、カネはなかなか市井に還流しない。つまりIRの方が、景気へのインパクトが大きいと考えられるのだ。
また、多くの来訪者をスムーズに輸送するために、既存空港はもちろん、鉄道や高速道路、港湾といったインフラの整備・拡張、さらには新規建設も必要になってくる。同様に多種多様な施設の新設も必須だ。これらには大量の鉄や資材と多くの建設従事者が投入され、これまた景気刺激策となる。
メリット[3] 
社会保障の財源確保
急増する年金、医療、介護・福祉といった社会保障費の財源確保のための裏ワザとして、政府はIRに期待を”賭けて”いる。
日本には将来、超少子高齢・人口減少社会が確実に訪れる。現在1億2,000万人強の人口も、2060年には約8,600万人にまで落ち込むことは確実。遠い将来の話に思えるが、今20歳代の人間が70歳を超えた頃の話だから、無縁ではない。
要するに”老人社会”となること。65歳以上の高齢者の割合は現在約25%だが、これがこの頃には4割になる。社会保障費もうなぎ上りで、現在の110兆円が200兆円を超えると見られる。
超少子高齢・人口減少社会では、高度経済成長は難しく、税収アップは至難の業。だからといってこれ以上安易に消費税アップを繰り返せば、かえって景気は落ち込み税収は下がる。また、法人税を上げれば優良企業からドンドン海外に逃げていく。国債で賄うにしても、1,000兆円に達した公的債務を考えるとこれ以上の増加は危険。
ということで、IRは”最後の切り札”なのだ。経済波及効果で満遍なくカネが流れこれが消費に回る。そうすれば政府も、消費税や所得税という形で国民から広く浅く財源を確保。加えてカジノで得た利益の相当部分も合わせ、これを社会保障費に充当するというシナリオだ。
しかもIRで大金を落とす人間は、国内外のセレブが主。蓄財している資金を吐き出させ、流動性として市井に還流させれば、経済は間違いなく活気づく、という計算だ。
「カゴに乗る人、担ぐ人、そのまたワラジを作る人」という格言があるが、まさにカジノは”カネを市中でいかに回転させるか”を追求した、究極のマクロ経済ともいえるのである。
デメリット[1] 
ギャンブル依存症が増加!?
カジノ解禁で最も懸念されているのが、「治安悪化」とともに「ギャンブル依存症」の”患者”の急増だ。家庭が崩壊、一般社会になじめない国民が急増し、賭け事を続けるために犯罪に手を染める者が巷にあふれるのでは……という不安である。
実際、厚労省が2009年に発表したデータによれば、日本の同依存者率は5.6%で、アメリカの0.6%、マカオの1.78%と比べて高く、警鐘を鳴らすマスコミも少なくない。だが解禁賛成派の一部は、「このデータは、医師が正式認定した患者の割合ではなく、本人や家族のアンケート調査に過ぎない」と反論する。
また、カジノで依存者が急増するという理屈は、そもそも本末転倒だ。すでに競馬や、パチンコ、宝くじといった賭け事が国内にあふれ、「他国よりも高率だ」と嘆くならば、国や自治体、業界団体はすでに抜本的な対策を大々的に行なわなければならない、ということだ。
タバコのパッケージのように、「ギャンブルのやり過ぎは健康を害し、家庭を崩壊させます」と大いにPRすべきだろう。カジノだけを悪者にするのは合理性に欠ける。
さて余談だが、天下の2大新聞、朝日と読売も、ことカジノに関しては、依存症の弊害を掲げて慎重な意見を紙面に掲げる。だが、彼らが傘下に収める各スポーツ誌や雑誌、TV・ラジオ局などは、競馬をはじめとする公営ギャンブルやパチンコ業界によって成り立っているといってもいい。
こうした事情を無視して、カジノ解禁による依存症の危険を訴えるのは、ダブルスタンダードだといえないだろうか。
デメリット[2] 
日本の治安が悪化する!?
カジノができると治安が悪化する、と考えるのはあまりにも早計で、ハリウッドのギャング映画の影響を受け過ぎている。日本が手本にしようとする、カジノのメッカ・ラスベガスは、
 1. 世界中のセレブが集まる紳士・淑女の社交の場
 2. FBI(アメリカ連邦捜査局)さえ徹底的に監視する厳重警備
の2点で、治安悪化とは無縁だ。
まず[1]だが、世界中の大富豪や企業経営者、アラブの王族たちが集まる場所なので、治安が悪いはずがない。実際、ベガスは全米で最も安全な町のひとつと評される。警官や警備員が街中を巡回し、泥酔者や行儀の悪い人間は直ちに排除される。至る所に監視カメラも置かれ、最新のIT技術で犯罪履歴のある者を瞬時にチェックするという。カジノ内は入場時の年齢制限はもちろん、服装チェック(ドレスコード)が常識。
また、カジノ側はすべてのスロットマシーン、カードゲーム場を監視、加えて顔認識システムなどを駆使し、不審者やイカサマ師を徹底的に洗い出す。この辺は映画『ラスベガスをぶっつぶせ』(2008年、アメリカ)に詳しい。不正行為を働いた人間はブラックリストに載り、日本の全カジノが出入り禁止となるはずだ。
一方[2]だが、FBIは、カジノという大金が動く場所を悪用し、麻薬組織や国際テロ組織が資金洗浄のために暗躍することを最も恐れている。国内でのカジノ解禁ともなれば、日本の警察もこの辺りも厳に取り締まるはず。それ以前に、FBI側がアメリカ並みの監視体制を求めてくるだろう。同盟国の賭博場が、国際テロ組織の温床と化していた、では洒落にならないからだ。
ちなみに、カジノ全体のセキュリティー・システム全体を構築できる企業として、パナソニックやNECが世界のカジノ業界から高い評価を受けている事実は、あまり知られていない。 
 
 
安倍首相「カジノ法案」強行の背景にトランプの意向 6/15
安倍政権がまたもひどい強行採決をおこなった。昨日、「カジノ法案」こと統合型リゾート(IR)実施法案に反対して野党が石井啓一国交相の不信任決議案を提出したが、本日の本会議で与党の反対で否決。そのあと、衆院内閣委員会が開かれ、野党側は審議継続の動議を提出したのだが、自民党の山際大志郎委員長がこれを無視して、職権で法案を強行採決したのだ。
このカジノ法案は、刑法で禁じられている賭博場であるカジノを合法化して解禁させようというもの。安倍首相はこの法案について「観光立国の実現に向け、世界中から観光客を集める滞在型観光を推進する」と喧伝するが、自治体調査ではカジノ入場者の7〜8割が日本人と想定されており、ギャンブル依存症患者の増加が医師や専門家からも懸念が示されている。さらに、今回の法案では、「特定資金貸付業務」というカジノ事業者が客に賭け金を貸し付けることを認めており、多重債務者の増加も心配されているのだ。
その上、昨年に政府の有識者会議はカジノ施設の面積に制限を定めるべきだと提言し、政府も上限規制案を出していたが、与党協議でこれを削除。さらに、安倍首相は「独立した強い権限をもつ、いわゆる三条委員会としてカジノ管理委員会を設置し、世界最高水準のカジノ規制を的確に実施する」と豪語してきたが、6月8日の衆院内閣委員会では担当大臣である石井国交相が「カジノを管理するためにはカジノの実態を知っている人を任用することもありうる」と述べ、カジノ事業者が管理委員会事務局に入れる可能性を認めた。
ようするに、安倍首相が何度も繰り返してきた「世界最高水準のカジノ規制」の根拠はどこにもないどころか、管理委員会は「カジノ推進機関」として機能する危険さえ出ているのだ。
このように問題が次々に指摘されているにもかかわらず、衆院内閣委員会でのカジノ法案の審議時間は、野党が要求していた50時間には遠く及ばない、たったの18時間。そして、きょうの審議継続の動議を無視した強行採決……。与党には問題点や危険性を改めようという気がさらさらなく、「数の力で押し通す」ことしか頭にないのだ。
とにかく今国会でカジノ法案を成立させる──。安倍首相がここまで血道を上げる理由は、一体何なのか。じつは、カジノ法案の背景には、トランプ大統領と米国カジノ企業の意向があった。
「昨年2月、安倍総理がトランプ大統領との初の首脳会談をおこなった日の朝食会には、米国カジノ企業のトップ3人が出席していました。そのうちのひとりは、トランプ大統領の最大の支援者であります。安倍総理はその場で『カジノ推進の法律をつくった』と紹介しました。まさにカジノ企業の要求に応えるものでした」
昨日の衆院本会議でこんな指摘をしたのは共産党の塩川鉄也議員。
安倍首相が米国カジノ企業トップと会合をもっていた──。じつは、この朝食会は、全米商工会議所と米日経済協議会の共催でおこなわれたもので、ラスベガス・サンズの会長兼CEOやMGMリゾーツの会長兼CEO、シーザーズ・エンターテイメントのCEOなどが参加していた。そもそも、米日経済協議会は安倍政権に対して2016年の段階からカジノ法案の制定を要求しており、安倍首相が朝食会で会った企業の首脳たちはいずれも日本へのカジノ進出を狙っている。安倍首相がこのとき陳情を受けたことは間違いないだろう。
しかも、安倍首相にカジノ解禁を迫り、牽引してきたのは、トランプ大統領だ。昨年6月10日付の日本経済新聞には、こんなレポートが掲載されている。
〈「シンゾウ、こういった企業を知っているか」。米国で開いた2月の日米首脳会談。トランプ大統領は安倍晋三首相にほほ笑みかけた。日本が取り組むIRの整備推進方針を歓迎したうえで、米ラスベガス・サンズ、米MGMリゾーツなどの娯楽企業を列挙した。政府関係者によると首相は聞き置く姿勢だったが、隣の側近にすかさず企業名のメモを取らせた〉
トランプの話に「へいへい」と前のめりで御用聞きに成り下がる安倍首相と側近の姿が目に浮かぶエピソードだ。安倍首相はこの件を塩川議員に追及された際、「まるでその場にいたかのごとくの記事でございますが、そんな事実はまったく一切なかった」(6月1日衆院内閣委員会)と答弁したが、朝食会にカジノ企業トップが顔を揃えていたことは認めている。朝食会が日米首脳会談に合わせてセットされたことを考えれば、トランプ大統領がカジノ推進について首脳会談で畳みかけないわけがない。
さらに、安倍首相がカジノ解禁に突き進む理由はもう一つある。安倍首相は、カジノ進出を狙うセガサミーホールディングス会長の里見治氏と“蜜月関係”にあるからだ。
セガサミーといえばパチンコ・パチスロ最大手の企業だが、2012年に韓国のカジノ企業と合弁会社を設立し、昨年4月には韓国・仁川に大型カジノリゾートをオープン。カジノが解禁されれば、その恩恵を大きく受ける企業だ。実際、セガサミーは五輪東京招致のオフィシャルパートナーとなり、政界の“五輪開催のタイミングでカジノ合法化へ”という動きのなかでカジノ利権の主導権を握ろうと存在感を高めてきた。そうしたなかで、セガサミーは国内カジノ利権の主導権を握るため政界工作をおこなってきたと言われている。
そして、カジノ解禁に向けて里見会長が目をつけたのは、安倍首相その人だった。
ふたりの出会いは第一次安倍政権時だと見られ、2007年1月30日には赤坂の全日空ホテルで安倍首相と里見会長は会食をおこなっている。さらに政権交代によって下野してからは、さらにふたりの関係は密になったという。
そんな間柄を象徴するのが、2013年9月に開かれた、里見会長の愛娘と経産キャリア官僚だった鈴木隼人氏の結婚披露宴だ。ホテルオークラで開かれたこの披露宴には、森喜朗、小泉純一郎といった首相経験者や、菅義偉官房長官、茂木敏充経産相(当時)、甘利明経済再生担当相(当時)といった大物閣僚らが揃って駆けつけたが、そんななかで安倍首相は新婦側の主賓を務めている。
さらに、安倍首相は主賓挨拶で「新郎が政界をめざすなら、ぜひこちら(自民党)からお願いします!」と、鈴木氏にラブコール(「FRIDAY」13年10月4日号/講談社)。実際、翌年12月に行われた解散総選挙で鈴木氏は比例で自民党から立候補するのだが、このとき鈴木氏は初出馬ながら比例上位に選ばれ、当選を果たす。ここに安倍首相の根回しがあったことは想像に難しくない。事実、昨年の衆院選でも、安倍首相はわざわざ鈴木議員の選挙区に応援に駆け付けている。
また、2015年1月には里見会長の自宅に銃弾が撃ち込まれるという発砲事件が起こったが、このときこぞって週刊誌が“カジノ利権の争いが事件の背後にあるのでは”と書き立てた。鈴木氏の衆院選当選によって安倍首相と里見会長の関係がより深くなり、カジノが解禁されれば“参入業者の最有力候補”となる里見会長へのやっかみがあったのではないかというのだ(「週刊朝日」2015年1月30日号/朝日新聞出版)。
娘婿という身内まで政界に送り込み、カジノ解禁、そして安倍首相との関係を盤石なものとした里見会長。しかも、このふたりには、金をめぐるキナ臭い噂も流れている。
たとえば、「選択」(選択出版)2013年9月号の記事では、セガサミーの関係者が「安倍首相は、里見会長の元に直接訪ねてくるほどの間柄」と答えたり、セガサミー社員が〈業界団体の集まりで「安倍首相はウチが落とした」と公言してはばからない〉ことなどを紹介。その上で、里見会長の側近の一人が「参院選前に、里見会長は安倍首相に五千万円を手渡した」と吹聴している、と伝えている。
これが事実なのかは定かではないが、しかし、もともと安倍首相はパチンコ企業との癒着が指摘され続けてきた人物。父・晋太郎の時代から福岡、山口で多くのパチンコ店を経営する七洋物産は地元の有力スポンサーであり、安倍家は下関市の広大な自宅と事務所を同社の子会社であるパチンコ業者・東洋エンタープライズから格安で賃借。さらに自宅のほうは1990年に所有権が同社から晋太郎に移り、それを安倍首相が相続。地元では「パチンコ御殿」と呼ばれているというが、里見会長との蜜月の前からパチンコ業界との“下地”はこうしてつくられていたのだ。
このように安倍首相にとっては、カジノ解禁は支持者に利権をばらまくために必ず実行しなければならない宿願であり、いまはそこに“親分”であるトランプ大統領までがその背中を押している状態にある、というわけだ。だが、カジノ法案は前述したようにギャンブル依存という重大な問題を孕むだけでなく、反社会的勢力の温床になる危険性も指摘されている。だいたい、“誰かが必ず金を巻きあげられる”という不公平な仕組みを国が公認し、「成長戦略」にしようと目論むこと自体が社会的公正にもとる行為だ。
そうした反論にはまともに取り合わず、審議継続を求める動議さえ無視して強行採決する──。カジノ法案は高度プロフェッショナル制度の創設を含む働き方改革関連法案とともに、絶対に許してはいけない法案であり、廃案を求めるほかない。 
カジノ法案 衆院強行採決 6/17
衆院内閣委員会で、一昨日15日、安倍政権が成長戦略の柱としているカジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法案が、自民・公明両党と日本維新の会の賛成多数で可決されました。
審議が不十分として、立憲民主などの野党が強く抵抗しましたが、与党が強行採決しました。
与党は19日の本会議で衆院を通過させ、20日までの会期を延長して、今の国会で成立させる方針、と報じられています。
依存症などの心配が払拭されないまま、ギャンブルの法案を、なぜ強行採決しなければならないのか、理解に苦しみます。
法案のポイントは、
○ カジノや国際会議場、ホテルなどを一体として、全国で最大3ヶ所を整備。自治体が誘致を申請し、国が選定。
○ 日本人のカジノ入場は週3回、月10回まで。マイナンバーカードでの本人確認を義務化。入場料は6000円。
○ カジノ事業は免許制。国がギャンブル依存症対策などを事前調査。
○ カジノ収益の30%を国が徴収し、立地自治体と折半。観光振興などの財源に充てる。というものです。
カジノ実施法案は、各種の世論調査でも7割位が、今の国会で成立させる必要はない、としていて、世論の支持を得ていません。
法案には、カジノの利用者が事業者から条件付きで借金できる制度もあり、多重債務の心配もあります。
この法律の目的とされている経済効果も算出していない、ということです。
依存症の患者だった人は、整備箇所数や入場料などは、依存症の人にとっては利用の歯止めにならないと語っています。
依存症については、専門医や医療機関も少なく、心配なことばかりです。
安倍政権は、このカジノ法案だけでなく、働き方改革法案なども強行採決していて、最近では、会期末には必ず強行採決、となってしまっています。
弱すぎる野党の問題もありますが、参院選定数6増の公選法改正案も、全党一致のために議員の身分にかかわる法案は協議してきた慣例を破って、自民案を提出するなど、あまりにも力を過信した行動が多すぎると思います。
私たち有権者は、きちんと注視し、次の選挙に反映させる必要があると改めて思います。 
衆院委を通過、「カジノ法案」が生む経済的意味 6/18
日本にカジノを中核とする統合型リゾートを建設する、通称「カジノ法案」が6月15日、衆院内閣委員会で賛成多数で採決されました。今後、衆参両院の本会議を通過できるかどうかはぎりぎりのタイミングです。一方、法案が具体化されたことで、いよいよ日本でもカジノビジネスが始まると期待する向きもあります。このカジノ、いったい誰がどのように儲けるのか、ビジネスチャンスの仕組みを解説したいと思います。
カジノビジネス参入の高い壁
カジノ法案がいよいよ国会を通過するかどうかの興味深い状況に来ています。国会の会期延長がどうなるか次第ではありますが、衆参両院の本会議で法案がぎりぎりで成立する可能性が出てきました。
仮に今国会で時間切れとなった場合でも、ここまで法案が具体化したので、いずれ同じ方向で日本のカジノは実現するという可能性も高まりました。
大規模なカジノ都市といえば、米国のラスベガスや欧州のモナコ、アジアではマカオ、シンガポールなどが有名です。街全体がきらびやかなネオンで輝き、そこでは毎晩のようにたくさんの客が集まり、巨額の賭け金が動く。まさに人間の欲望を具現化したような光景が繰り広げられるのが、グローバルなカジノリゾートです。
このカジノビジネスですが、基本的にはこの分野でノウハウを持つグローバルなカジノ運営会社でないと事業に参加できないといわれています。たとえば、カジノフロアの設計、ディーラーなど従業員の育成、さまざまな不正を防ぐための仕組みといったものは、新規参入者にはマネジメントするのは不可能です。
あのドナルド・トランプ大統領も不動産ビジネスからカジノ経営に参入しようとして、その専門性の壁に阻まれ、思ったほどの利益を上げられなかったこともありました。それくらいカジノは難しいビジネスです。
想定される運営企業は海外勢
こうした理由から、日本にカジノを中核とする統合型のリゾート施設が誕生したとしても、その運営を行うカジノリゾート会社は基本的に海外で実績のあるグローバルなカジノ事業者になるとみられています。
具体的には、サンズ、MGM、ウィンなど、ラスベガスやマカオといった世界のカジノでおなじみの企業ということになるでしょう。日本はカジノ法案にあるように、このカジノから上がる収益の30%を税金として納めてもらうとともに、世界的なカジノグループの集客力によって観光収入をさらに増やすというのが法案的な目論見です。
今回の法案では、全国で3ヵ所のカジノリゾートを建設することになっています。現時点で大阪、福岡、沖縄などの自治体が誘致に手を挙げています。
集客の核としてのカジノリゾートを地方都市が誘致するという動きがあるのは理解できますが、日本全体で経済効果を得るという観点でいえば、まず大都市を選ぶほうが実は重要です。つまり、東京や大阪にカジノリゾートを建設するほうが、地方に建設するよりも経済効果ははるかに大きいということです。
また、理念的には訪日外国人をカジノのターゲットにするといっても、ビジネスの観点では収益の中心となる顧客は日本人になります。
ラスベガスのように全米、そして全世界から顧客を集めることができる成功例があるとはいえ、後発のカジノリゾートがラスベガスのようになれると考えるべきではありません。少なくとも最初の段階では、中心となる顧客は大都市近郊のほうが集めやすいのです。
カジノビジネスの真の収益源は?
しかし、カジノができると、いったいなぜ経済が発展するのでしょうか。ギャンブルというのはあくまでゼロサムゲームですから、大勝する人が出る一方で大損する人も出ます。ですから、カジノ自体は何ら経済的な付加価値は生まないという意見があります。
しかし、行動経済学的にはそうではないのです。ここがカジノビジネスの最大のポイントです。ギャンブルで勝った人はかなりの確率で、ギャンブルで勝ったお金を消費に回すのです。あぶく銭はその場で使ってしまう、それが経済効果を生み出すのです。
先進国の経済では富の格差が大きな問題になっています。富裕層が増加して、中流層以下の人たちの所得が年々減少している。そのこと自体も問題なのですが、もう1つ経済的には大きな問題があります。
それは富裕層が意外とお金を使わないということ。超富裕層といっても、購入する自動車が中流層の10倍の台数だとか、旅行に行く回数が20倍だということはありません。1日に着る洋服の数は同じですし、食事の回数も同じです。
そこで富裕層が増大する社会では、富裕層にいかに今以上の消費をさせるかを考える必要が出てくるのです。そこにカジノの経済学的な価値があります。
だから、世界の統合型カジノリゾートには必ず富裕層がお金を使う施設がたくさん存在しています。消費の中核となるべき施設としては高価なブランドショップの直営店が一番有望でしょう。
そう考えると、日本のカジノリゾートが成功する一番のポイントは、東京や大阪など大都市の富裕層がたくさん訪れて、そこでお金を使ってくれることだと経済学的には結論づけられるのです。 
カジノ法案が衆院通過、今国会成立へ前進−立民など反対 6/19
衆院は19日の本会議で、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法案を賛成多数で可決した。今国会は20日までだが、政府、与党は会期延長を検討している。1カ月程度で調整との報道もあり、同法案は成立に向け前進した。
同法案は2016年に議員立法で成立したIR推進法に基づき、カジノ解禁に伴う法規制を定めた。日本人や国内在住外国人から徴収するカジノの入場料を1回6000円とするほか、入場回数を「週3回、月10回」に制限。カジノを開業できる業者は免許制とし、IRを整備できる区域は最大3カ所とした。
法案成立を前に地方自治体の誘致合戦は既に始まっている。北海道、大阪府、和歌山県、長崎県が取り組んでいるほか、愛知県なども検討している。
NHKは19日、IR整備法案などを今国会で確実に成立させるため、政府、与党が1カ月程度の会期延長も視野に詰めの調整を進めていると報じた。同法案に反対している立憲民主党の阿部知子・衆院内閣委員会筆頭理事は15日、カジノ解禁には国民の不安が渦巻いているとして、廃案に持ち込みたいと語った。 
カジノ法案が衆院通過 週内にも参院で審議入り 6/19
カジノを含む統合型リゾート施設(IR)実施法案は19日、衆院本会議で与党などの賛成多数によって可決され、衆院を通過した。
与党は週内にも参院で審議入りさせたい考えで、20日までの会期を延長して今国会成立を確実にする方針。立憲民主党などの野党はカジノ解禁に反発しており、参院でも激しく抵抗する構えだ。
15日の衆院内閣委員会で、審議不十分を訴える野党が委員長席に詰め寄る中、山際大志郎委員長(自民党)が採決し、自民、公明両党と日本維新の会の賛成多数で可決された。
カジノを刑法の賭博罪の適用対象から外して解禁することが柱で、全国3カ所を上限に国際会議場などの集客施設と一体で整備する。また、カジノ事業免許の取り消しなどの権限を持つ管理委員会を設置し、世界で厳しい水準の規制を適用する方針だ。 
衆院通過 大手IR「大阪詣で」 投資額1兆円規模も 6/20
カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法案が衆院を19日通過したことで、全国3カ所を上限に認定されるIRが大阪に誕生する可能性が高まってきた。カジノ解禁に賛否が分かれる中、世界の大手IR企業は“大阪詣で”を繰り返し、自社の構想をアピールしている。
「世界で最もユニークで壮大なIRを目指す」。マカオで世界最大のIRを経営するギャラクシー・エンターテインメント(香港)の幹部は4月、IRの大手6社が参加して大阪市で開かれた展示会を訪れ、意欲を語った。
大阪の政財界は、IRを大阪湾岸の人工島、夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)に誘致する。カジノに長く携わってノウハウを積んだ米国や香港の企業がIRの世界的な大手となっており、海外からの観光客が増え続けている大阪は「非常に魅力的な都市」(メルコリゾーツ&エンターテインメント幹部)。先進国で数少ないカジノ禁止国でもあり、解禁後は日本人も多く訪れるとそろばんをはじく。4月の展示会が大阪進出の地ならしであることは、衆目の一致するところだ。
3棟のビルの上に船が乗ったような斬新なデザインのIR、マリーナベイ・サンズ(シンガポール)を経営するラスベガス・サンズ(米国)も大阪進出をもくろむ。大阪に投資する総額は「1兆円規模の可能性はある」(幹部)と明言しており、カジノ以外にも巨大な国際会議場や展示場、劇場、宿泊施設などを造り、高い経済効果を与えるとアピールしている。
IR実施法案が成立すれば国内には他に2カ所できる可能性があり、マカオやシンガポールといった先行する競合都市に対しても、いかに独自の魅力を打ち出せるかが課題になる。各社は「大阪ならではのIRを目指す」としており、大阪に集積する医療産業を踏まえ、シーザーズ・エンターテインメント(米国)は「健康をテーマとした世界初のIR」の構想を明らかにしている。
「カジノによる売上高はIR全体の75%以上」(米国のMGMリゾーツ・インターナショナル幹部)になるため、IR全体に占めるカジノ部分を広く確保することが事業者にとって生命線だ。IR実施法案はカジノ面積の上限を「IR全体の3%」と定めており、MGMは全体の延べ床面積を100万平方メートル(阪神甲子園球場の約26個分)以上とし、カジノに3万平方メートルを確保する考えだ。 
一変した公明、カジノ法案に賛成 1年半前は反対議員も 6/20
カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法案が、国会会期末の直前に衆院を通過した。問題点は解消されないまま、法案の前提となるカジノ解禁法には反対した公明党議員も一転して賛成に回った。一方、批判を強める野党の結束には、ほころびもみられる。
起立採決となった19日午後の衆院本会議場。1年半前の風景から一変した。
2016年12月のカジノ解禁法案の採決時、公明党は自主投票とした。本会議場の公明党の席では、出席した33人のうち11人が座ったまま反対の意思表示をした。ところが今回、欠席した1人を除く27人全員が立ち上がった。
公明の支持母体である創価学会内では、解禁法を受けたカジノ実施法案への反対論は依然として強い。解禁法に反対した井上義久幹事長は、取材に対し「一議員としてはコメントしない」と話す。賛否を変えた議員がいたことについて、党内からは「支持者にはわかりにくく、ぶれたとみられてしまう」(中堅)との声も上がる。
なぜ賛成に転じたのか。 
「カジノ法案」が嫌われるワケ 6/21
カジノを含む統合型リゾート施設(IR)実施法案、いわゆる「カジノ法案」が多くの問題点を残しながら2018年6月19日衆院を通過した。同時に1か月の会期延長も決まり、政府・与党は何が何でも成立を目指す構えだ。
大阪府や和歌山県などカジノ誘致に意欲を示す自治体や、観光客の増加による経済効果に期待する経済団体など、カジノ法案に賛成するところもあるが、主要メディアはオール野党の状態だ。なかでも、働き方改革や原発再稼働などの問題では賛否が割れる大手新聞が、そろって社説で反対の論陣を張っている。なぜ反対するのか、どこに問題があるのか、大手各紙の社説を読むと――。
「人の不幸に頼るカジノが、成長戦略にふさわしいのか」
カジノ法案に限っては、比較的政権寄りとみられている産経、読売を含め、朝日、毎日、日経、東京(中日)の主要6紙が「さまざまな弊害が指摘されており、慎重な審議が求められる」(読売・6月21日)として、今国会での性急な成立に批判的だ。
その理由については、まずカジノが本来もっている賭博性、不健全さを各紙とも一様に指摘する。
「そもそも、ギャンブルに入れ込んだ顧客の散財に期待するような成長戦略は健全とは言えない。持続的な観光振興のためには、街並みや食、伝統芸能など、地域の魅力を生かした、地に足のついた取り組みが求められる」(読売・2月27日)。
「人の不幸を前提とするカジノが、浮揚策として本当にふさわしいのか、誘致に熱心な自治体は冷静に考える必要がある」(朝日・4月5日)。
「日本では古来、賭博を禁じてきた歴史がある。これが社会の美風をつくってきた。賭博は自分の勤労によらないで、カネを得ようとするから、必然的に勤労の美風をも害するのである」(東京・4月6日)。
と、各紙は「賭博場に経済効果を期待するなんて、恥ずかしくないのか!」と言わんばかりだ。
特に問題なのは、パチンコ・パチスロに加えて、競馬・競輪など公営ギャンブルが盛んな日本は、世界でも有数の「ギャンブル依存症大国」なのに、なぜ依存症患者の増加に拍車をかけるカジノを造るのかという疑問だ。
「(依存症の)体験者によると、カジノの快感と喪失感はパチンコの比ではない。金額に比例して脳が刺激され、やめられなくなるという。誰にでもリスクがあり、治療には膨大な時間を要する」(朝日・5月22日)。
「約320万人と推計されるギャンブル依存症者の増加につながりかねない。対策として、日本人客の入場回数を『7日間で3回、28日間で10回』に制限する。さらに、1回6000円の入場料を徴収する。だが、この入場制限は不十分だ。上限まで通えば、ギャンブル依存そのものではないか」(毎日・4月29日)。
「(24時間営業の)カジノは、豪華な部屋で、高額な賭け金が動くゲームが、夜を徹して繰り返される。競馬やパチンコなどより、のめりこみやすい。この程度の規制では、依存症を根本的に防ぐことは難しい」(読売・2月27日)。
「(こうした規制について)自民党の一部から『過剰な規制だ』との批判が噴出しているのは驚く。1週間で3回も通うのは頻繁な利用だ。シンガポールでは、月6回以上の利用者に対し、カウンセリングを実施している。総合的な依存症対策にも視野を広げるべきだ」(産経・3月5日)。
カジノが負けた客に貸し付け、借金漬けにできる
そのうえ、カジノ事業者が、負けた客にカネを貸し付けることができるシステムも法案に盛り込まれた。国会審議の中で、野党側から「ギャンブル依存症に拍車をかける」と追及されると、石井啓一国土交通相は「(カジノの客は)富裕層......。定義ははっきりしませんが、かなりの富裕層に限定されるのではないか」と言いよどんだ。「では、どの程度の高額所得者か」とさらに追及されると、「国民の平均年収を勘案して......」と具体的な答弁をさけるありさま。
「カジノ事業者が客に金を貸せるというのも問題だ。運営する側が資金を用立てると、客を借金漬けに追い込む恐れがあるとして、(競馬・競輪などの)公営賭博では許されていない。整合性が問われる。政府は、本人の支払い能力を調べ、預託金をとったうえで貸すという。だが、詳細は法案が成立した後に政令で定めるという。これでは議論の深めようがない」(朝日・6月10日)。
カジノ法案には、このように一番肝心な「依存症対策」を含め、「成立後に規則や政令・省令で決める」というあいまいな項目が331もある。各紙とも、今のままでは「白紙委任」はできないと主張するのも無理はないだろう。
また、カジノ施設そのものが、決して地元の振興に役立っていないという指摘もある。
「1970年代にカジノが合法化された米ニュージャージー州のアトランティックシティーでは、大型カジノ施設ができた後、競争激化で閉鎖が相次いだ。街の活性化につながらず、貧困率も改善しなかった。韓国東北部のカジノ『江原(カンウォン)ランド』周辺では、地元住民の破産が増え、教育環境が悪化、人口が減少した」(朝日・4月5日)。
暴力団やマフィア対策に莫大なコストと人員
さらに、カジノ事業から暴力団やマフィアなど反社会勢力を排除する、実効性のある対策をとれるかどうかも疑問視されている。法案では、内閣府の外局に「カジノ管理委員会」を置き、開業を申請する事業者や機器製造業者については、財務状況に加え、役員らの訴訟履歴、交友関係をチェックする「背面調査」を行なうことになっているが......。
「たとえば経営陣や従業員らの過去の犯罪歴や交友関係といった事実を、どうやって調べるのか。この法案で、国民が抱くカジノへの不安や懸念が払拭されるとは思えない」(日経・4月28日)。
「調査はカジノ管理委員会が担う。前例のない業務だ。業者から広範な情報を提供させ、分析し、適格性を判断しなければならない。専門性の高い多数の調査員も必要になる。調査の実効性を確保できるのか、大いに疑問だ。入場客を限定し、業者への管理を強めれば、今度はカジノの運営が成り立たなくなるというジレンマがある」(読売・2月27日)。
もちろん、こうした調査には多額の人員とコストがかかる。
「政府はIRの利点をひたすら強調する。『ビジネスの起爆剤に』『地域振興、雇用創出が見込まれる』。しかし、実際には、治安の保持や依存症対策などに多くのコストがかかる。負の経済効果も計算に入れなければ、夢物語をばらまいているに過ぎない」(朝日・6月10日)。
これほど主要な新聞が一致して批判する政策も珍しい。各紙の世論調査をみると、59%(毎日)〜69%(読売)の国民が反対している。6〜7割だ。それでも政権・与党はカジノ法案を強行成立させる可能性がある。 
「生活保護でパチンコ」と日本版カジノ 6/22
貧困とギャンブルにカジノ法案はどう影響するか
2018年6月19日、カジノ法案(統合型リゾート(IR)実施法案)が、自民・公明・維新の賛成多数により衆議院を通過した。翌日の6月20日には、同日までの国会会期を7月20日まで延長することが、同じく与党などの賛成多数で可決された。今国会でカジノ法案が成立する可能性は、極めて高くなっている。
しかしながら、カジノ法案によって思わぬ巻き添えを食った人々がいる。生活保護で暮らす人々と、生活保護制度の運用に関わるケースワーカーたちだ。もはや忘れられていそうだが、2016年12月、維新は国会に「生活保護ならギャンブル禁止」という内容の法案を提出した。法案は成立しなかったが、翌年2017年1月、維新の丸山穂高議員が国会で行った質疑をきっかけとして、厚労省は全国の全福祉事務所を対象に、生活保護とギャンブルに関する調査を行った。
調査で判明したのは、「2016年度の1年間にギャンブル等を原因として行われた助言・指導・支持は約3000件」という事実だった。1件に生活保護で暮らしている人1名が対応しているとすれば、全受給者の0.15%に過ぎない。カジノ法案が浮上するたびに、生活保護とパチンコの関係が取りざたされてきたけれども、調査結果を見る限り、「生活保護がパチンコなどギャンブルの問題につながる」と考えることには無理がある。
むろん、ギャンブルの問題を抱えている本人や周辺にとっては、生活保護の利用状況と無関係に深刻な問題だ。少数だからといって無視できるわけではない。しかし日本では、ギャンブル依存症の治療や回復に必要な施設・団体・グループなどが全く不足している。数百万人と想定されるギャンブル依存性者に対し、治療施設のキャパシティは数千人分しかない。
今回はまず、競馬・競輪をこよなく愛好し、かつて東京の非合法賭博の現場で働いていた経験を持つケチャさん(仮名)の話を紹介したい。ギャンブルの現場を知るギャンブル愛好家だからこそ、見えるものがあるだろう。現在50代のケチャさんは、バリ島が大好きな日本人男性で、貧困問題にも深い関心を寄せている。
ケチャさんは開口一番、「日本のカジノは、まず経営が成り立たないでしょう」と語る。なぜだろうか。
元非合法賭博関係者が語る日本版カジノの怪しい見込み客
日本のカジノ法案がモデルとしているのは、シンガポールだ。シンガポールでは、2005年に法整備を行い、外国人を主対象とした統合リゾートの中にカジノを設置した。
「日本にカジノをつくって、海外から観光客を呼び込む計画と聞いていますが、カジノはすでに世界中にたくさんあるわけです。日本にわざわざ来るでしょうか。カジノが好きな外国人観光客は、最初から香港やラスベガスやシンガポールに行くんじゃないですか」(ケチャさん)
もともと日本に魅力を感じ、何回も来訪している外国人観光客は、日本にカジノがあれば行く可能性があるかもしれない。
「でも、日本に旅行に来ている人が、日本にカジノがあったら行くかどうかは調査されているのでしょうか。そんな調査結果は見たことがないです。たいていは、京都・富士山・ショッピングといったところではないでしょうか。カジノの需要があるとは、思えないんです。民間が勝手にカジノをつくって、思い通りの利益が上げられなくて、勝手につぶれるのならいいんですが、国のお金、税金をつぎ込むなんて、とんでもない話ですよ」(ケチャさん)
背景には、ギャンブル自体が斜陽産業化していることもある。パチンコ店もパチンコ人口も、減少が続いている。地方競馬や競輪場も、休止・廃止が続いている。
「結局、俺たちオッサンみたいな『男の娯楽は、飲む・打つ・買う』の時代じゃないんですよ。若い人のレジャーは多様化していますから」(ケチャさん)
加えて、若い人々はギャンブルに消費しにくくなっている。正社員になれても将来への不安から自由になれるわけではなく、不安定就労が一般的になっている現在、若い人々は「ギャンブルにお金を遣おう」とは考えにくいだろう。格差と貧困の拡大は、ギャンブルからもすでに見込み客を奪っているのかもしれない。
「そんなご時世にカジノができれば、若い人が物珍しさで行くことはあるかもしれません。でも、入場料が6000円かかるんです。地域によっては、交通費もかかります。いつまで、何回通えるんでしょうか」(ケチャさん)
もともとギャンブルを楽しんでいる人たちは、どうだろうか。
「ふだん競馬をやっている人なら、やはり最初、物珍しさからカジノに入ってみるかもしれません。でも、競馬に戻るでしょうね。入場料の6000円で馬券が買えますから。パチンコの人もそうでしょうね。近くにあるから交通費がかかりませんし」(ケチャさん)
外国人も来そうにない、日本人も来ないとなると、カジノへの需要そのものが実在しない可能性もある。さらに、ケチャさんには懸念がある。
暴力団より国の方が悪徳?カジノ法案で語られぬ「テラ銭」
「カジノは、すでに日本にあります。非合法ですけど。新宿や六本木のような街にあって、ゴージャスで楽しめます。暴力団が関わっていることが多いですけれど、手持ちの費用で楽しんでいる限り、怖いことは何もありません」(ケチャさん)
しかも、勝ちやすいのだ。非合法の地下カジノの「テラ銭(控除率)」は、おおむね10%。控除率は、競馬など公営ギャンブルで20〜30%、宝くじでは50%以上。「国の方が悪どくて、暴力団が良心的」とケチャさんは笑う。
「カジノ法案で、テラ銭の報道を見かけないのが気になります。もし、地下カジノより高いとしたら、今回のカジノ法案のもとで作られるカジノに行ってみて夢中になったお客さんは、より儲かりやすい地下カジノに流れるかもしれません」(ケチャさん)
と言っても、自分の手持ち資金を賭けている限り、暴力団が関わっている非合法の地下カジノだからと言って、危険に巻き込まれることはない。
「危ないのは、賭け金がなくなったお客さんにお金を貸す場合です。そこから非常にマズイことになる例はあります。俺がいた店では貸していませんでしたが」(ケチャさん)
今回のカジノ法案では、賭博業者が客に賭け金を貸し付けることが盛り込まれている。当初、日本人は対象としない方針と説明されていたが、条件を設けて日本人も対象とする内容へと変容してきている。
「ギャンブルは、自分の収入の範囲でやるべきもの。借りて賭けちゃ絶対ダメです。それを国が認めるなんて、信じられませんね」(ケチャさん)
ギャンブル依存症で生活保護費を使い果たす人々の深刻
それでもカジノには、「一攫千金」の可能性という魅力がある。
「でも、日本のカジノは儲かるんでしょうか。ちゃんとリサーチしたんでしょうか。今でも非合法の地下カジノがあるのに、合法カジノに客が流れることがあるんでしょうか。地下カジノを厳しく取り締まることができれば話は別ですが、取り締まられた店舗や経営者をトカゲの尻尾のように切って生き延びる仕組みができています」(ケチャさん)
報道では伝わってこない情報が数多くある中で、ケチャさんはやはり将来性を問題にする。
「とにかく急いでいて、計画性が見えてこない感じもします。政府は『成長戦略』と行っていますけれど、成長しないでしょうね」(ケチャさん)
ギャンブル人口は減少傾向とはいえ、現在の日本にはギャンブル依存の問題が存在する。生活保護で暮らす人々がギャンブル依存の問題を抱えている可能性は高くはないが、本人にとっては深刻な問題だ。
数十年にわたって関西の生活保護の現場でケースワーカーとして業務にあたり、現在は支援団体で貧困問題に関わるOさんは、生活保護で暮らすギャンブル依存症者たちの金銭管理も行っている。むろん、本人たちに依頼されてのことだ。生活保護費を預かり、生活費を日割りで渡している。
それでも、渡した数十分後に「また、パチンコでスッてしまった」と泣きながらやってくることがあるそうだ。自助グループ「ギャンブラーズ・アノニマス(GA)」を紹介するなどの対応もしているが、参加し続けられるとは限らない。
「日割りで生活費を渡すという方法がギャンブル依存の問題を解決しているとは思えませんが、誰かが金銭管理をしないと、保護費全額が支給から1日か2日でなくなってしまうという現実があります。ご本人とお付き合いしながら、どうすればいいか共に考えています」(Oさん)
生活保護と日本版カジノはどちらが税金のムダ遣いか
なぜ、ギャンブルに依存するのか。何かに依存しなくてはならない状態になってしまうのか。その原因から解決できれば理想的なのかもしれない。
東京の生活保護の現場で長年働いてきたケースワーカーJさんは、以下のように語る。
「時間を有効に管理できない人は、安易にギャンブルに手を出しやすいんです。時間を有効に管理するには、高い能力が必要です。ギャンブル以外の時間の過ごし方を見つけ、時間を管理する能力を高めるために、専用の自立支援プログラムが必要なのかもしれません」(Jさん)
日本版カジノに期待できる経済効果は薄そうだ。様々な問題が予想されるが、対策は全く追いついていない。
そんな状況の中、参議院でカジノ法案の審議が始まる。 
希望の党・行田邦子幹事長「パチンコという存在と正面から向き合うべきだ」 6/24
与野党9党の幹部は24日のNHK番組で、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法案をめぐり議論した際、希望の党の行田邦子幹事長が「ギャンブル依存症の多くが、パチンコ・スロットと関連している」と述べ、「パチンコという存在と正面から向き合うべきだ」と発言した。
行田氏はこの問題に関し、「皆さん、あまり指摘をされないんですが」と前置きし、「パチンコは風俗営業として認められていますけども、パチンコという存在と正面から向き合っていくことも考えるべきであると思っております」と述べた。
自民党の柴山昌彦筆頭副幹事長は法案の成立に全力を挙げる考えを表明。立憲民主党の福山哲郎幹事長は法案の廃案を主張し、今後も加計学園問題を徹底追及すると主張した。
柴山氏は「労働法制の大改革である働き方法案と、観光政策の目玉のIR法案は早期に成立させたい」と強調。
福山氏は「カジノや過労死を増やす法案を通すための延長はあり得ない。加計問題では加計孝太郎理事長の国会招致を求めていく」と述べた。
共産党の小池晃書記局長は日本人客のカジノ入場を週3回、月10回までとしたIR法案に関し「3回も入ったら入り浸りだ。何の制限にもなっていない」と指摘した。自由党の森裕子幹事長代理、社民党の吉川元・幹事長も加計問題やIR法案への政権の対応を非難した。 
カジノ法案参院へ 地域振興につながらない 6/26
カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法案は自民、公明両党と日本維新の会などの賛成多数で衆院を通過し、審議は参院に移る。
安倍政権が成長戦略に掲げ、一部の自治体が誘致に動くカジノだが、真の地域振興につながるのだろうか。
カジノのビジネスモデルは単純に言えば、賭博場を設けて客を賭け事に興じさせ、手数料を取って収益とする。客が多く入り、賭け金を積むほどもうかる仕組みである。
ラスベガスを典型とする統合型リゾートは展示会や国際会議で人を集め、宿泊費を抑えるなどして長く滞在させてカジノへ誘導する。日本の案と同様に国内客などから入場料を取る韓国やシンガポールではカジノ内の飲食を無料または安価にして集客する。海外のカジノ事業者は誘客戦術でしのぎを削る。
これを日本国内に置き換えればどうなるだろうか。IRの展示場やホテルがカジノへの誘客のために価格を安く設定すれば、周辺に波及し、廉売競争が始まるかもしれない。カジノが飲食を無料化すれば、客は周辺の飲食店から流れるだろう。いずれにしても、地域経済に悪影響を与えることは否めない。
安倍晋三首相はIRについて「世界中から観光客を集める滞在型観光を実現する」と述べた。しかし、IR誘致に積極的な大阪府や北海道などの自治体は7割5分から9割を日本人客が占めると試算する。外国人観光客がそれほど伸びないとなれば、成長戦略にはつながらない。2017年の訪日外国人観光客は推計2869万人で、6年連続で過去最多を更新した。IRがなくとも、日本観光は伸びている。
加えてカジノ事業者に利用者への貸し付けを認めている点も問題だ。「負けが込んだ」利用者が金を借りてさらに深みにはまる。ギャンブル依存症を助長しかねない。刑法が禁じる賭博を合法化するIR法案であるが、衆院では依存症対策一つでも十分な審議がなかった。
日本のIR導入には外資系企業が熱い視線を注ぐ。カジノの運営ノウハウを持つ外資系企業にとって、日本は未開拓市場だ。県内でも昨年、中国のカジノ企業がシンポジウムを開くなど動きを活発化させている。
国はカジノ収益の30%相当を納付金として徴収し、入場料収入と合わせて立地自治体と折半することで税収増をうたう。
しかしギャンブル依存症の増加やマネーロンダリング(資金洗浄)の恐れ、暴力団の関与、治安悪化、青少年への悪影響など数々の課題への具体的対策は示されないままだ。地域経済へのメリットが見えない中で、弊害だけを背負わされる懸念がある。
このままでは民衰え、益は海外に流れ、地域振興につながらない。良識の府は悪法を成立させるべきではない。 
ゴリ押しカジノ法案への警告 6/26
今年6月19日、衆院本会議で「カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法案」が、自民、公明、日本維新の会などの賛成多数で可決。参院に送られた。
国会は7月22日まで32日間、会期を延長することが決定され、カジノ実施法案はこの会期内に成立する見込みとなっているが、野党は依然として反発を強めている。
この法案で特に問題となっているのが、「カジノ事業者が利用者に賭け金を貸す制度」が盛り込まれている点だ。「特定金融業務」と呼ばれているこの制度は、一定の頭金をカジノに預け、審査が通れば、多額のギャンブル資金を、2ヶ月間は利息なしで借りられるという、とんでもない制度だ。
依存者はお金を借りてまで負けを取り返そうとする
第三者による貸し付けを防ぐために、官僚が考えたシステムだというが、ギャンブルに熱中している人にお金を貸すという制度は、危険きわまりない。しかも、6月16日の朝日新聞によれば、このカジノでの借金は、借り入れを年収の3分の1までに制限する貸金業法の「総量規制」も適用されないという。
負けが込めば込むほど異常な精神状態に陥り、お金を借り手でも取り返そうとするのが、ギャンブラーの習性だ。そんなギャンブル依存者に金を貸し付ける制度まで用意して、その人の人生を破綻させることへの責任は、いったい誰が取るのか。
マカオのカジノでギャンブルをするためにファミリー企業から総額106億円を借り、特別背任容疑で有罪判決を受けた、大王製紙の井川意高・前会長も、マカオのカジノで負けた時に、ジャンケットと呼ばれる人たちから金を借りていた。数千万円、1億円という額を、利子なしで借りることができたと、井川氏は著書『溶ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録』(幻冬舎文庫)の中で書いている。
その井川氏が、ダイヤモンドオンライン(2018年4月10日付)に掲載されたインタビューで、今回のカジノ法案の賭け金貸し付け制度について、こんなふうに語っている。
「カジノで地獄を見るのは、負けたときに現地でお金を借りるからなのです。/カジノを含む統合型リゾート施設(IR)実施法案の議論が進んでいますが、官僚も議員もカジノで遊んだことのない人が議論しているのは問題です」
「カジノ狂いになった人間からすれば、数千円の入場料はどうかと思います。カジノに足を踏み入れた時点で入場料分の負けが発生しているわけですから、それを取り返そうと熱くなってしまう」(編集部註:原文から改行を省略)
ギャンブルで100億以上もの借金を作った人物の話だけに、説得力がある。経済効果ばかりを口にする官僚や議員たちは、どれだけギャンブルの恐ろしさを分かっているのだろうか。
ギャンブル依存の恐ろしさを描いた小説や映画は、古今東西、枚挙にいとまがない。今回はそんな中から、ひとつの漫画作品を紹介しよう。漫画家・吉沢やすみの娘である大月悠祐子による漫画『ど根性ガエルの娘』である。
『ど根性ガエル』という大ヒット作の作者である作者の父・吉沢やすみは、1982年、連載3本と読み切り10本の依頼を抱えながら、プレッシャーに心を壊し、突然失踪する。
その間、吉沢は、所持金3万円を元手にギャンブルをして渡り歩いたが、最初は勝って勝ちまくったという。しかしそのお金もいずれはつき、街を放浪する生活に。音信不通となった家族のもとに戻ったのは、数ヶ月後のことだった。
家庭に戻ってきてからも、吉沢は「ギャンブル依存症の父」そのものである。漫画家としての仕事はほとんどなくなり、時には清掃やガードマンの仕事をしていた。
しかし『ど根性ガエル』のキャラクターがCMになってお金が入ったりすると、またすぐにギャンブルにつぎこんで、仕事もやめてしまうのだという。複数のカードを作って限度額いっぱいまでお金を借り、結局、妻がその借金を肩代わりしたこともあった。
『ど根性ガエルの娘』は、まだ1巻までは「家族の再生の物語」という美談風にまとめられていた。しかし、2巻以降は「家族で起こっていたことを正直に描きたい」という作者の思いから、さらにディープな「家族の愛憎の物語」となっている。
いい話に収めたい版元との意見の相違もあったようで、現在は当初刊行されていたのとは別の出版社より刊行されている。
この漫画は、子どもの財布からもお金を盗むという、ギャンブル依存の父を持った家族の地獄絵図の物語であると同時に、それでも家族であることをやめなかった愛の物語としての側面も持っている。
自分と同じ漫画家という道を選んだ娘に対し、「自分のことを好きに描いていい」という吉沢は、孫と遊び、家族のためにカレーを作る人間味あふれる父親だ。
しかし結局、吉沢はその後もついに雀荘通いをやめることはなく、2016年、雀荘で牌を持ったまま脳卒中で倒れ、緊急入院する――。
いまは懸命のリハビリ中であることが『ど根性ガエルの娘』にも描かれているが、娘の大月悠祐子は、そんな父の赤裸々な姿とともに、父娘の長年の深刻な葛藤も描き続けていくようだ。
さて、いま国会で審議されているカジノ法案――。入場料6000円や入場は1週間に3回までといった規制を設けるとうたっているが、ギャンブル資金の公的貸し付け制度まで用意するのだから、依存症の火に油を注ぐことは明白だ。これ以上不幸な家庭を増やさないためにも、いまからでも真剣に法案の是非を考え直すべきである。 
カジノ法案 6/29
国民の理解得られていない
カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法案が衆院を通過し、論戦の舞台は参院に移った。ギャンブル依存症が深刻化すると野党は激しく抵抗したが、与党は数の力で押し切った。安倍晋三首相は「IRで地域が活性化され、日本全体の経済成長につながる」と力説。会期も延長し、今国会で成立させる構えだ。しかし政府が「世界最高水準」と胸を張るカジノ規制には疑問が噴き出し、国民の理解は得られていない。
世界最大規模も可能
自治体間の誘致合戦は熱を帯び、海外のカジノ事業者は1兆円以上の投資をぶち上げた。共同通信の世論調査では、ほぼ7割の人が「法案を今国会で成立させる必要はない」と答えている。依存症拡大の不安や経済効果への疑問などが背景にあるとみられる。
ところがカジノの面積の規制は当初より基準が緩やかになり、場合によっては世界最大規模にすることさえ可能だ。客がカジノ事業者から掛け金を借りるという競馬や競輪などの公営ギャンブルで認められていない制度まで導入される。いずれも大きな論点になる。
政府、与党は成立の二文字しか眼中にないようだ。国会での議論を軽んじてはならない。疑問や批判と向き合い、依存症対策を練り直す必要がある。
面積について、法案は国際会議場やホテルなども合わせたIRの延べ床面積の「3%以下」と規定。当初の政府案は「1万5千平方メートル以下かつ、IR全体の3%以下」だったが、与党協議を経て比率規制のみが残った。これによりIR全体を大きくすればカジノの面積は広がり、シンガポールやラスベガスをしのぐ世界最大規模にすることもできる。「面積に上限を設けると、観光先進国への目的達成を制約する」と政府は説明する。
甘すぎる依存症対策
しかし、依存症対策の点で問題が多い。事業者の貸付制度は外国人観光客と、事業者に一定の預託金を納める日本人客が対象で、日本人客は「富裕層」に限られると政府は強調する。借金がかさんでも黙認するような制度の是非については十分議論すべきだろう。
カジノを賭博罪の例外として合法化する根拠にも批判がある。カジノは刑法で禁じられている賭博だが、依存症対策で社会還元が求められるなど「公益性」が確保され、違法性は問われないと説明される。収益の30%が国や自治体に納められ、依存症対策や観光振興に充てられるとはいえ、客の獲得に躍起になるのは目に見えている。公益性と矛盾しないか慎重に見極める必要がある。
法案は日本人客の入場を週3回、月10回までとするなど一定の制限を設けているが、実効性には疑問が残る。カジノ入場者の7、8割は日本人客という自治体や民間の予測もあり、依存症の影は大きくなりつつある。依存症対策が甘すぎる。政府はこうした負の側面についても説明を尽くすべきだ。 
日本のカジノ法案に外国企業が高揚しない理由 6/29
日本では6月19日、カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法案が衆院本会議で可決された。さらに、同法案の成立を目指して通常国会の会期が7月22日まで延長された。だが、世界中のどのカジノ運営会社も、業界の最後のフロンティアともいえる日本の計画について、あまり高揚感は持っていない。
それでも、日本が世界第3位の経済大国にふさわしい魅力的なIR、訪日外国人を年間およそ6000万人に倍増させ、外国人旅行者数で世界第5位になることを目指せるIRを生み出すコンセプトを検討することはないのだろう。政府IR推進会議の美原融委員は、政府の方針が変わることはないと明言している。
IR法案の成立に向けた日本政府のアプローチには、矛盾した部分がある。シンガポールの象徴的なIR施設、マリーナベイ・サンズに示されるIRの経済効果やイメージ向上効果を期待する一方で、賭博を巡る問題への警戒感を強めている。
また、これまでの複数の調査からは、日本国民の3分の2がカジノ合法化に反対であることが分かっている。パチンコ業界と組織犯罪や北朝鮮への送金との関連性が指摘されることが、ギャンブル全般に対する国民の否定的な見方につながっている(業界関係者は、そうした関係があったのは遠い過去の話だと語る)。
日本のIR実施法案には、シンガポールと同様にカジノの面積を施設の延べ床面積の3%までとすることや、国内在住者からは6000円の入場料を徴収すること、国内に整備するIRは3カ所、運営事業者3社までとすることといった制限が盛り込まれている。
外国のカジノ運営会社の中には、東京や大阪などの大都市圏での整備が認められるIRであれば、100億ドル(約1兆1000億円)を投資する用意があると明言しているものもある。ゲーミングライセンスを取得した企業はIRの整備が認められた地域での事業の独占権を得ることから、ライセンス取得に向けての競争は激しいものになるだろう。
だが、一度ライセンスを獲得してしまえば、そのIRがその後の向上や改善につながる競争圧力を受けることはない。5月に行われたジャパン・ゲーミング・コングレスに出席したモルガン・スタンレーの香港のマネージング・ディレクター、プラヴィーン・チョーダリーは、「市場に競争がなければ、日本は自国にふさわしく、素晴らしいIRを実現することはできない」との見解を示した。
チョーダリーは、1社が100億ドルをかけて一つのIRを整備するよりも、3社がおよそ30億ドルずつを出資する方がより多様性のある施設にできるとの考えだ。
調査・コンサルティング会社グローバル・マーケット・アドバイザーズのブレンダン・バスマンは、大阪の夢洲や東京・横浜などに複数の事業者を開業させれば、より多額の投資と多くの観光客を呼び込むことができると指摘する。
「カジノの面積に関する制限はそのままでも、1カ所のIR施設に…複数の事業者の開業を認めれば、投資額は100億ドルを大幅に上回ることになるだろう」
ウィン・リゾーツ・ディベロップメントのクリス・ゴードン社長によれば、カジノ運営会社であるウィン・リゾーツは、「1棟の建物ではなく、エンターテイメント地区をつくりたい」という。
また、シンガポールのカジノ関連規則について助言を行ったスペクトラム・ゲーミングのマネージング・ディレクター、フレッド・ガシンは、「複数のホテルやゲーミング施設が一つのIRに集まることで、一定の相乗効果がもたらされ、それがそのIR全体に利益をもたらすことになる」と述べている。  
カジノ法案の成立確認=自公党首 7/3
安倍晋三首相は3日、公明党の山口那津男代表と首相官邸で会談し、カジノを中核とする統合型リゾート(IR)実施法案の今国会成立を確認した。首相は「(自らが出席する)質疑が予定されるので、しっかり臨みたい」と語った。山口氏が官邸で記者団に明らかにした。 
カジノ法案参院審議 依存症助長する貸し付けは問題 7/3
参院で、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法案の審議が本格化する。新たな焦点として、カジノ事業者が客に金銭の貸し付けができる業務が浮上している。客が負けた分を取り戻そうとして借金を重ね、ギャンブル依存症を助長する危険性がある。競馬や競輪などの公営ギャンブルでは認められていない。政府は導入の必要性を明確に説明しておらず、容認できない。
依存症対策に関しては、具体的な取り組みを含む331項目が国会審議の不要な政省令などに委ねられており、どこまで歯止めがかかるか不明だ。衆院では野党の強い反対を押し切って採決が強行された。このままでは国民の理解は得られない。参院では依存症対策について徹底した審議を求めたい。
貸し付け業務は、客が賭け金を調達しやすいよう海外のカジノで導入されている。法案では外国人観光客のほか資金力がある日本人客を対象としている。日本人客は一定額以上の預託金を事業者に納め、事業者は顧客ごとに返済能力を調査して限度額を設定する。2カ月以内は無利息で、その後は「違約金」として利子が生じる。
政府は対象が「富裕層に限られる」と説明するが、預託金の額は今後政令で定めるとしている。低水準に設定されれば、借り入れできる客の対象が広がり依存症のリスクが高まることが危惧される。
富裕層は、カジノに使う金額が大きいだけに依存症の弊害はより深刻となる。大王製紙(四国中央市)の元会長がかつて、海外のカジノで借金を重ね巨額背任事件で実刑となった例もある。カジノ来場者は、外国人中心でなく日本人が7〜8割を占めるとの予測もある。退職金などでまとまった資金を持つ高齢者が、貸し付けのターゲットとなる可能性もある。
カジノ事業者が貸金業法の対象外である点も大きな問題だ。借り入れを年収の3分の1までに制限している法の網がかからず、利用者の借金が膨らんで多重債務に陥る懸念が拭えない。
射幸心をあおるレベルが異なるルーレットやバカラといったゲームの種類も検討はこれからだ。カジノの面積に関しても具体的な上限を削除し、「IR全体の3%以下」と規定したため巨大な施設の設置も可能となった。法案は未定の項目や抜け穴が多く、政府の言う「世界最高水準の規制」からは程遠いと言わざるを得ない。
そもそも、刑法で賭博を犯罪として禁止しているにもかかわらず、カジノを合法とする理由についても説明が尽くされていない。政府は公益性を理由としているが、運営するのは民間企業であり、具体的な事業計画も描けない現状では経済効果すら試算できていない。事業者の利益を優先するような法案となることは許されない。参院審議では、IRの是非を改めて問い直してもらいたい。 
 
 
 
 
 
 


2018/7
 
●統合型リゾート(Integrated Resort、略称:IR) 
地方自治体の申請に基づきカジノの併設を認める区域を指定して設置される、国際会議場・展示施設などのMICE施設、ホテル、商業施設(ショッピングモール)、レストラン、劇場・映画館、アミューズメントパーク、スポーツ施設、温浴施設などと一体になった複合観光集客施設のこと。
マカオやシンガポールなど、近年に統合型リゾートを設置した外国都市が国際的な観光拠点として多数の観光客を進める中で、訪日外国人観光客(インバウンド)を集めるプロジェクトの一つとして、日本国内への統合型リゾート設置が注目されている。しかし現行の日本の法制度ではカジノが違法とされているため、統合型リゾートの推進にあたっては、カジノの法制度化が大前提とされていた
2016年(平成28年)12月15日の衆議院本会議で「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」(IR推進法)が成立、カジノの法制度化への道が開かれることになった。気軽に何処にもあることで日本でギャンブル依存を産み出してきたパチンコ店の数は日本では1995年をピークに減少を続け、2016年のIR法成立によって対策が厳格化して射幸性の高いものを禁止して顧客の減少に拍車が掛かって2017年時点で10000店を割る直前となっている。
メリット
○ 国内外からの観光客の誘致やMICEの振興
○ カジノ税収入など国家や地方自治体への新規財源の創出や赤字国債の削減による財政健全化。
2017年のカジノ税収は2016年から18.2.%増加して、日本円で約1兆2343億円で、歳入の割合は79.66%を占めている。マカオ政府の歳出は約1兆0206億円なので財政収支は86.2%増加して約5304億円の財政黒字である。2018年には一月で約1091億円のカジノ税収があり、マカオでは歳入の約8割がカジノ税による収入である。マカオはカジノ税で財政収支黒字なため、2018年にも11年連続で現金支給し、5年連続で約12万円を国民に支給している。
○ 地域での雇用促進や経済波及効果
○ パチンコが若者から高年齢層まで全国各地で「いつでも・どこでも・気軽に」遊戯できる全国各地にあるのに対して、カジノは特定の場所にしか設置が出来ないため、カジノ解禁がパチンコへの「遊技者減少」と「規制強化」につながること
デメリット
○ カジノ解禁によるギャンブル依存症問題
これには「遊技」という欺瞞的な扱いで、パチンコ・パチスロという賭博場が庶民の生活圏である駅前など何処にでもある先進国は日本だけである。パチンコのため、他の先進国の10倍の割合のギャンブル依存症がいるという指摘がある。 

 
●カジノ法案は安倍首相からトランプ大統領への“貢ぎ物”  
国会で審議中のカジノ法案。日本経済に大きなプラスとなるという試算もあるが、安倍首相が“親分”であるトランプ大統領に捧げる“お友達案件”だった!?
トランプ大統領と、“カジノ王”アデルソン会長は一体
「カジノ法案は、安倍首相からトランプ大統領への“貢ぎ物”でしかない。最大の献金者であるカジノ王こと、『ラスベガス・サンズ』のアデルソン会長の意向に沿ったものといえます」
こう話すのは、『中日新聞』の元ニューヨーク支局長で、20年以上米国取材を続けるジャーナリストの北丸雄二氏。
「『外国人観光客を増やす。成長戦略の柱』と安倍首相は言っていますが、カジノがなくても外国人観光客はすでに急増しています。カジノ産業が日本になぜ今、必要なのかと言うと、システムも機械も持っている米国カジノ資本を儲けさせるためとしか考えられないのです」
「トランプ大統領最大の献金者であるアデルソン会長は、米国とイスラエルの二重国籍を持つユダヤ系米国人。トランプ政権の内幕を暴露したノンフィクション『炎と怒り』にも、『極右の親イスラエル派』として登場しました。トランプ大統領が強行したエルサレムへの大使館移転を後押し、中東政策に大きな影響を与えたことが紹介されています。
今年6月に米朝会談が開かれたシンガポールでは、サンズが運営する『マリーナベイ・サンズ』を金正恩氏が見学したことから、『サンズの北朝鮮へのカジノ進出を睨んでシンガポール開催となったのか』という見方が流れたほど。それほど『トランプ大統領とアデルソン会長は一体』と見られているのです。
中間選挙の献金も行うアデルソン会長の意向を受けて、トランプ大統領が安倍首相に要請、カジノ法案成立に突き進んでいるという構図が明らか。しかもこの法案が成立すれば、進出するのはサンズなど米国カジノ業者であるのは確実です」(北丸氏)
2016年12月に成立したIR整備推進法案は、いま審議中の実施法案を1年程度以内に提出することを約束したものだった。IR法案自体は、以前から提出されては廃案になる店晒し状態が続いていたが、トランプ大統領と安倍首相の面談以降、急速に進みだしたのは紛れもない事実だ。
「カジノ法案作りました」と安倍首相が“親分”に報告
トランプ大統領の意向が安倍首相に伝えられた場面を『日経新聞』はこう伝えている。
「『シンゾウ、こういった企業を知っているか』。米国で開いた(2017年)2月の日米首脳会談。トランプ大統領は安倍晋三首相にほほ笑みかけた。日本が取り組むIR整備推進法案を歓迎したうえで、米ラスベガス・サンズ、米MGMリゾーツなどの娯楽企業を列挙した。政府関係者によると首相は聞き置く姿勢だったが、隣の側近にすかさず企業名のメモを取らせた」(2017年6月10日付『日本経済新聞』)
この記事について、塩川鉄也衆院議員(共産党)が国会で追及したが、安倍首相は事実関係を否定。しかし安倍首相は“親分”のトランプ大統領との会談前に開かれた朝食会で「カジノ推進法を作った」と報告、そこにはアデルソン会長に加えて米国カジノ大手のMGMリゾーツやシーザーズ・エンターテイメントの経営者も参加していた。“米国益実現”のために汗をかいていることを伝えたといえるのだ。北丸氏はこう語る。
「この日経の記事は、去年10月16日の『ワシントンポスト』でも紹介されました。その中で、元サッカー選手のベッカム氏がサンズの広報大使として来日、プロモーションを行ったことや、アデルソン会長が来日して松井一郎府知事と面談、推進法成立の際に設けられた『カジノ面積上限規制』に懸念を表明したことも報じられています。『面積が狭いと十分な投資ができない』と日本の規制に横槍を入れたのです」
カジノ実施法案の担当者を直撃「規制緩和は海外カジノ業者のため?」
日本のカジノ業者が「アデルソン会長の力は絶大だ」と漏らす通り、いま審議中のカジノ実施法案から、面積の上限規制は消え去っている。そこで、法案を担当する特定複合観光施設区域整備推進本部事務局の中川真次長を直撃した。
――カジノの面積の上限規制撤廃など規制が緩くなったのは、自民党からの要望があったからですか。
中川次長:我々が与党と法案を調整する際の参考資料として提示したものを今日提示したというだけで、たしかに与党にも審査をしてもらった形で法案としています。
――推進法の時代にはなかった面積の上限規制撤廃や、貸付可能になるなど、カジノ業者がより儲かるための規制緩和を進めたきっかけは与党との調整だったと。
中川次長:議員内閣制でやっていますから、当然、国会に政府として法案を提出する際には、提出した法案を与党がサポートしていただける法案にするのは当たり前の話です。
――トランプ大統領の献金者の「サンズ」が日本市場に参入して、安倍首相とトランプ大統領との蜜月関係をもとに決まったという指摘を野党国会議員がしていますが。
中川次長:われわれはまったく承知していないし、そんなことはまったくコメントをする立場にありません。
――6月12日の野党共同の会見でも、トランプ大統領の献金者のカジノ業者と安倍首相との関係の話が出ていました。
中川次長:そういうご意見があるということで、我々としては「ああ、そうなのですか」という話ですから。
――「結果的に海外のカジノ業者が儲ける」という話は出なかったのですか。
中川次長:海外のIR業者がやるという話は決まっていません。どうなるかということを、我々がコメントをする立場にはありません。

中川次長は「与党協議の過程で上限規制がなくなった」と話すだけで、「いつ誰がどういう理由で上限規制撤廃を求めたのか」については答えようとしなかった。アデルソン会長の要請との関連性についても聞いたが、「ノーコメント」とのことだった。
安倍首相が“親分”であるトランプ大統領への大口献金者がより儲かるような規制緩和を進めたのではないかという疑惑が、野党各党からも出てきている。終盤国会でのカジノ実施法案の動向が注目される。  (2018/7/10)

 
●カジノ法案情報  
2016年12月、統合型リゾート(IR)整備推進法案、通称「カジノ法案」が成立しました。長らくカジノを違法としてきた日本にカジノが誘致されるということで動向が注目されていたこの法案ですが、ギャンブル依存症や治安に対する懸念から反対の声も未だに多いのが現状です。カジノ法案が成立し、これから日本のギャンブルはどうなっていくのか?日本初のカジノはいつどこにできるのか?など、気になるポイントをまとめてみました。
そもそもカジノ法案とは
カジノ法案(統合型リゾート(IR)整備推進法案)とは、正式名称を「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」といい、簡単に言うと「これから統合型リゾート(IR)を作っていきましょう」という法律です。カジノ法案と呼ばれていることから誤解されがちですが、単にカジノを作るための法律ではないのです。この統合型リゾート(IR)はどういった施設かというと、国際会議場・展示施設といったいわゆるMICE施設、ホテル、劇場、映画館、アミューズメントパーク、ショッピングモール、レストラン、スポーツ施設、スパなどの温浴施設、カジノを一区画に含んだ複合観光集客施設です。
さまざまな商業施設を展開することで、カジノに興味のない人にも楽しめます。カジノ目当ての人以外にも多くの集客が見込めるのが統合型リゾートの特徴です。
[ MICE施設 / MICEは会議(Meeting)、研修旅行(Incentive Travel)、国際会議(Convention)、展示会・イベント(Exihibition/Event)の頭文字をとったもの。MICE施設とはこれらの催しを行う施設のことを指します。]
政府がカジノ法案を成立させた目的は、観光客を集めるため!
日本は現在、一部の例外を除いてギャンブルは違法となっています。日本ではギャンブルを長らく違法としており、江戸時代には既にギャンブルを禁止する法律があったほど。なぜ今になって、カジノを含む統合型リゾート(IR)を作ろうと政府は動き出したのか?
その大きな目的と一つが、外国人観光客を集客し、日本経済を活性化させることです。日本は、いまだ停滞している経済状態を打破するため、観光大国としての地位を確立することを目指しています。中国人観光客が日本製品を根こそぎ買っていく姿を「爆買い」と称して話題になったのはまだ記憶に新しいですが、その経済効果は非常に高いものでした。もっと外国人観光客に日本に来てもらうにはどうすればいいか?という問いの答えの一つとして、政府はカジノ法案を提案したというわけです。
カジノ法案はなぜ反対されている?デメリットは?
どんなものにもメリットがあれば必ずデメリットが存在するものです。ましてやカジノ法案(統合型リゾート(IR)整備推進法案)には成立した今でも根強い反対意見があります。その理由として最も大きなものは、ズバリ「ギャンブル依存症への懸念」。日本で合法的にカジノが遊べるようになることで、ギャンブル依存症が増加するのではないかということです。政府もギャンブル依存症対策の重要性は認識しており、入場規制などを検討しています。また、これに伴い今までほとんど対策されていなかった競馬やパチンコといった既存のギャンブルに対する依存症対策も行っていくようです。ギャンブル依存の他には、「治安悪化の懸念」「マネーロンダリング(資金洗浄)の場となる危険性」といった問題もあります。こうした問題に対してどのような対策をとっていくのか、政府の動きに注目が集まっています。
[ マネーロンダリング(資金洗浄) / マネーロンダリングとは、犯罪など非合法的な手段によって得た資金を普通に使用できる資金に転換していくことを言います。日本語では資金洗浄とも。カジノはこのマネーロンダリングに利用されやすく、たびたび問題になっています。]
カジノはいつオープンするの?カジノ法案の今後の流れ
カジノ法案(統合型リゾート(IR)整備推進法案)が成立した今、気になるのは「いつカジノがオープンされるのか」ということですよね。識者の予想では、2025年前後になるのではないかと言われています。当初は2020年の東京オリンピックに合わせてオープンを、という話でしたが、今は不可能とされています。というのも、カジノ法案というのはあくまで「統合型リゾート(IR)を作るために整備を進めましょう」という法律で、統合型リゾート(IR)に対する考え方や方針などの大枠を取り決めるためのものです。カジノオープンに向けて次の段階に進むには、より具体的な内容に踏み込んだ統合型リゾート(IR)実施法案を成立させる必要があります。この実施法案は上手くいけば1年以内に成立される見込みです。この実地法案が成立してからも、法律の整備やカジノの候補地の決定、施設の設計や施設建設などやることは山積み。カジノオープンまでの道のりはまだ長いようです。
気になるカジノの候補地!有力なのは東京、大阪、長崎
カジノ誘致の候補地として立候補しているのは、北海道、東京都、神奈川県、大阪府、長崎県、沖縄県です。中でも特に有力とされているのは、東京、大阪、長崎の3箇所。東京はホテルや会議場があるお台場や青海地区を候補として挙げています。やはり日本の首都ですし、アクセスも非常に良いため集客しやすいということで有力な候補です。大阪もアクセスがよく、また2025年国際博覧会(万博)の誘致を決定したことから、カジノと万博の相乗効果で関西全体の経済活性化をしたいという狙いもあり、カジノ誘致に積極的な姿勢をみせているようです。しかし、既にある程度経済が潤っている都心に誘致するよりも地方都市に誘致したほうが地域の活性化に繋がるという意見もあります。そこで有力視されているのが長崎県です。長崎県は佐世保市にあるハウステンボス周辺を候補に挙げています。これからさらに名乗りを挙げる地域が出て来ることも十分に考えられます。日本初のカジノは一体どこにできるのか、楽しみですね。
本場カジノをスマホで体験できる!?「オンラインカジノ」
日本からでもスマホやPCから本場カジノの興奮が味わえるゲーム、それが「オンラインカジノ」です。ルーレット、ブラックジャック、スロットなどカジノでおなじみのゲームが楽しめるのはもちろん、ディーラーとライブカメラを通して対戦できる「ライブカジノ」では、まるで本場カジノにいるような臨場感を味わうことができます。日本ではまだ法律で認められていないカジノですが、オンラインカジノは海外で国のライセンスを得て合法的に運営されています。 

 
●カジノ法案成立で最も損をするのは誰か?
今国会でカジノを含む統合型リゾート(IR)実施法案が議論され、諾否が問われることとなると思うが、このIR法案の最大の焦点となっているものは何と言っても「ギャンブル依存症対策」である。
ところが、このギャンブル依存症対策について与野党ともども「しっかりやる!」と掛け声はかけるが、中味が一向に伴わない。与党は「IR実施法案を通過させるための言い訳程度の対策作り」に必死であり、野党は「IR実施法案を通過させないために、ギャンブル依存症対策を進めさせない」という、日程人質作戦に打って出ているとしか思えず、非協力的な態度が目につく。
与野党ともに「ギャンブル依存症で苦しむ人のために対策を!」と声高に叫びながら、どちらも政治的駆け引きに必死であり、当事者と家族は置き去りという展開になっている。一足先に与野党全議員の賛成を得て温かく見守られながら成立したアルコール問題の対策法案「アルコール健康障害対策基本法」とは雲泥(うんでい)の差で、我々ギャンブル依存症の当事者や家族は声が届かないもどかしさを感じている。
一般の方には、分かりにくいと思うが、IR実施法案の前に国会には「ギャンブル等依存症対策基本法」が提出されている。これは、パチンコを含めた既存ギャンブルに対する依存症対策基本法である。この基本法が通らぬ限り、IR実施法は通さないというのが与党の建前にあるため、政府はこの法案の通過を急ごうとしている。
しかし現在、この法案は野党だけでなく、既存ギャンブルの側も行く手を阻んでいる。当然ながら、既存ギャンブルは、極力対策を小規模に押さえたいと考えるわけだが、時節柄、表立って依存症対策に非協力的な態度は取れない状況にある。
公営ギャンブルにとってはカジノのとばっちりを受けた形だが、我々にとってはカジノのおかげで、依存症対策が推進するという皮肉な結果になっている。中でも、公営ギャンブルは「いかに真摯に対策に向き合っているように見せるか?」ということに腐心しているとしか思えない対策案が次々に浮上してきている。
例えば、日本中央競馬会(JRA)は昨年末から、本人や家族からの申告でインターネットでの競馬投票券販売を停止する措置を取った。しかし、ネット投票を停止しても、競馬場や場外馬券場に行けば購入できてしまうという批判を受け、このたび競馬場や場外馬券場でも申告があれば、入場を禁止できるという措置を決めた。
ところが、その防止策が「家族から提出された顔写真でチェックする」という実にお粗末なもので、実効性があると思えない上に、個人情報の管理や人権への配慮という点でも疑問に思わずにはいられないやり方を打ち出してきたのである。本格的に依存症対策に取り組むのであれば、入口ゲートで防止できるようなシステム化を図るべきである。
また、パチンコを含め公営ギャンブルでも盛んに「依存症対策の相談窓口を作る」「電話相談を受ける」など、最も対策をやりやすく、産業側の売り上げダメージの少ないものを作り、対策推進をアピールしているが、このような窓口はすでに精神保健センターや保健所、または当会のような民間団体など、既にさまざまな拠点で行われており、効果のほどは限定的になると言わざるを得ない。
では、カジノの依存症対策はどのようなものが挙がっているのか。これが実に不可解な対策で、「カジノの入場料を6千円にする」「カジノへのアクセス制限として週3回まで、月10日以内とする」というものなのである。
よく考えてほしい。週末2回しか行われていないJRAですら依存症は大きな問題となっているのである。我々の所には「競馬の借金のために会社のお金を横領した」「不動産を担保に入れてまで、競馬で借金をしてしまった」といった相談は決して珍しくないのである。
それなのに、週3回に限定することにどんな意味があると政府は考えているのだろうか。また、「カジノに来て数万円から数千万円の遊びをしよう」という人に、入場料を6千円程度取ったからといって、抑止力になるのか、甚だ疑問である。
その上、「カジノが国内に何カ所作られるのか?」といった重要なポイントはいまだ明確にされていない。エビデンスもない依存症対策を、華々しく打ち上げ、いかにも依存症対策を厳格にやっているかのように見せるイメージ戦略に、我々としては誤魔化されたくないと思っている。
では、求められる依存症対策とはどのようなものか。そもそもギャンブル依存症は特効薬があるわけでも、「これだ!」という治療法が確立されているわけでもない。2014年にIR法案が初めて衆議院に提出されるまでは、ギャンブル依存症対策は議論の対象にすらならず、もちろん国や地方自治体、医療機関などでもほとんど対策はなかった。そのため、日本ではギャンブル依存症の当事者と家族が中心になって対策を行ってきた経緯がある。
今からおよそ30年前の1989年に、ギャンブル依存症当事者の自助グループ「GA」が生まれ、その2年後1991年にはギャンブル依存症者の家族の自助グループ「ギャマノン」が誕生した。そこから当事者や家族が支え合い助け合う形で、きめ細かい支援を行い、わずかに理解のある医療従事者とともにさまざまな困難事例を解決してきた。
つまり、自助グループはIRの議論とともに、にわかに誕生した専門家と名乗る医療従事者や研究者、そして行政よりもはるかに多くの事例を持つ、ビッグデータの役割を果たしているのである。だからこそ、この当事者や家族の知識や経験を生かし、ギャンブル依存症対策はネットワークを作る形で、網目状に作られていくべきなのである。
例えば、家庭内で暴言・暴力、脅しなどで毎日のように金銭を要求し、断れば暴れることを繰り返しているような依存症者に対しては、「介入」が必要であり、警察や精神保健センター、保健所や医療が連携し、入院や回復施設への入寮へと促すべきである。
また、横領や窃盗や万引きなどの事件を犯してしまった場合は、弁護士、刑務所、更生保護施設との連携、失踪した場合は警察との連携、自殺未遂の際には救急病院から精神病院への連携などが欠かせないのだが、残念ながら、これらさまざまな連携やセーフティーネットはまだほとんど機能していない状況にあり、家族は理解のない対応にさらされ右往左往している状況である。
ここまで深刻な問題になっていなくとも、多重債務の対処の仕方や、家族は本人にどう関わっていけば良いのかといった、基本的な知識を相談担当者には理解してもらう必要があるが、その基本的なこともまだ行き渡っていない。
さらに、家族が本人の勤める会社に休職を申し出た際も会社側に理解がなく、なかなかスムーズにいかないのが現状である。そして何よりも根本的な問題として「ギャンブル依存症が病気で、相談できる」ということが知れ渡ってないため、問題が重篤化しているという啓発不足も否めない。
また、入場制限のような業界側への規制を強化するなら、経験上、一番効果が上がるのは「本人及び家族申告による入場規制」だと思う。特に「家族の申告による入場制限の条件をどのようにするのか?」をカジノを含め既存ギャンブルも足並みそろえて明確にしていただきたい。加えて、カジノでは入場制限が決定した人に対して、マイナンバーで排除するようだが、その条件を「既存ギャンブルにも当てはめるのか否か」、これは重要なポイントである。
このように真に必要なギャンブル依存症対策とは多岐にわたり、簡単に作ることはできない。関係各所との繋がりや、人材育成、何よりも支援の経験というものが必要になってくる。これらの対策を日本の隅々にまで行き渡らせるには、予算の確保が肝心であり、その予算はギャンブルの売り上げを国が吸い上げた中から「ギャンブル依存症対策費に何%を回すか?」ということを決定する必要があると思う。
ギャンブル産業がもうけるだけもうけて、負の部分はすべて税金に押し付けるという、この国の悪しき慣習をここで終わりにすべきではないだろうか。この国にはギャンブル依存症がすでに蔓延している。この上、カジノという新しいギャンブルができることで、さらにギャンブル依存症者が蔓延してしまったら、被害を受けるのは国民なのである。
これらギャンブル産業による負の側面をこれ以上拡大させないためにも、これまでの我々の長年の経験に基づいた、幾重にも重なる、効果あるギャンブル依存症対策が導入されるよう、世論にも応援していただきたいと願っている。