権力に逆らえば 抹殺

世の中の常識 当り前
権力に逆らってはいけません 社会から抹殺されます
 
一強独裁  権力には
従い 忖度を尽くし
敬い 平伏さねばなりません


 
 

マスコミの踏絵 「加計学園疑惑」
 3/16
文科省、前川氏の授業の報告要求 名古屋市立中に、異例の調査 3/16
名古屋市内の公立中学校が2月、前川喜平・前文部科学次官を授業の講師に呼んだ後、文科省が市教育委員会を通じ、授業内容の確認や録音データの提出を求めていたことが分かった。国が個別の授業内容を調査するのは異例で、批判の声も上がりそうだ。
文科省や市教委によると、授業は先月16日、八王子中学校(同市北区)であり、前川氏は面識のあった校長から、総合学習の時間の講師に招かれた。生徒と保護者ら約500人を前に「これからの日本を創るみなさんへのエール」と題して講演し、不登校や夜間中学校、学び直しなどについて語った。
文科省は新聞報道で事実を把握。淵上孝・教育課程課長が上司の高橋道和・初等中等教育局長とも相談の上、同課の課長補佐が同19日、市教委に初めて電話で問い合わせ、今月1日には「授業内容を知りたい」とメールを送った。メール内容は前川氏が天下り問題で引責辞任し、出会い系バーを利用していたと説明し「どのような判断で依頼したのか」「どんな狙いの授業か」など15項目ほど質問。授業の録音データの提供なども求めた。
学校側は授業内容などの概略は報告したが、録音データの提供は拒否。文科省は市教委とメールで2回やりとりし「前川氏の背景の確認が必ずしも十分でなかった。もう少し慎重に検討が必要だった」との趣旨のことを伝えた。「こうした授業は問題ないのか」との質問もあったが、市教委は「問題ない」と回答したという。
淵上課長は15日、記者団の取材に「文科行政の事務方トップを務めた人で、かつ天下り問題で国家公務員法に違反して引責辞任した人。そういう人を授業に呼ぶ必要があったのか、事実確認する必要があった」と話した。授業内容は「特に問題ない」といい、問い合わせについて「異例ではない。現場にプレッシャーをかけた認識もない」と述べた。
市教委の幹部は「今までに聞いたことがない話で、文科省にはどういう意図で問い合わせをしてきたのか、あらためて聞きたい」と話した。校長は記者団に「市教委の見解と一緒。これ(講演会)は開かれた教育課程の一環」とだけ語った。
学校教育は、市町村教委が指導や助言をするのが原則。いじめによる自殺防止を防ぐなど緊急の必要がある場合以外は、国が学校の授業内容を調査することは基本的に認められていない。国が戦前、教育内容を統制していた反省から、法律で権限を制限している。
前川氏は昨年1月に発覚した天下り問題で、文科次官を引責辞任。同5月に加計学園を巡って「総理のご意向」などと記された記録文書の存在が明らかになると、会見で「公正、公平であるべき行政のあり方がゆがめられた」と発言し、国会にも参考人招致された。 
前川喜平氏授業で文科省、市教委に報告要請 中学校で講師 3/16
文部科学省の前川喜平前事務次官が名古屋市の公立中に講師として招かれた際の授業内容や録音について、同省が市教育委員会に報告を要請していたことが15日、分かった。国が個別の授業に絡み、講師の言動に関わる内容を細かく調べるのは異例とみられる。
文科省は取材に対し、報告の要請は地元紙で報道された内容や授業の狙いを確認するためだったと説明。担当者は「プレッシャーを与えたという意識はない。問題はなかった」としている。
文科省によると、2月中旬に前川氏がこの中学の校長に招かれ、総合学習の一環で講演したとの趣旨の記事が地元紙に掲載された。
文科省は今月1日、市教委に対し、前川氏が同省の組織的天下り斡旋(あっせん)問題で辞任したことや出会い系バーを利用していたことを指摘した上で、授業の内容や前川氏を講師として招いた経緯などについてメールで尋ねた。その際、授業内容の録音データがあれば提供するよう要請した。
市教委は、録音データは提出せず、授業内容や講師依頼の概略をまとめて報告したという。文科省の担当者は「授業の狙いや、それにふさわしい講師かを確認した」と話している。
地方教育行政法は、文科省が教育委員会に対し、指定する事項の調査を行うよう指示できるとしている。 
 3/17

 

前川氏授業データ要求 「まるで暗黒政治だ」野党が反発 3/17
文部科学省が名古屋市教委に対し、前川喜平・前事務次官が市立中学校で講師を務めた授業の内容や録音データの提出を求めた問題で、野党は16日、安倍政権の「体質」と関連付けて批判を強めた。
「教育現場に国家権力が介入してはならないのは基本中の基本だ」「政治家の関与はあったのか」
野党6党が16日に国会内に文科省職員を呼んで行った合同ヒアリングでは、批判が相次いだ。職員は調査の理由について「天下り問題などで国家公務員法違反に問われて停職相当とされた方(前川氏)が義務教育の中学校で教壇に立ったため」と語った。「初等中等教育局長までの判断で(市教委に)質問し、その後政務三役(大臣、副大臣、政務官)に報告した」と説明した。
昨年、前川氏は加計学園問題に関連して「公正、公平であるべき行政のあり方がゆがめられた」と発言し、政権批判を展開。希望の党の柚木道義氏は「発言があったからこそ報告を要求したのではないか」と恣意(しい)的な調査が行われた可能性を指摘。同党の山井和則氏が「今後前川氏を呼ぶなということか」とただすと、担当職員は「申し上げたような経緯(停職相当)のある方が授業をされ、事実を確認する必要があった。今後どうするかは仮定の話で差し控える」と述べるにとどめた。
林芳正文科相は16日の記者会見で「地方教育行政法で必要な調査をできると定めている。特定の児童生徒に不利益が及ぶ可能性がある場合に、個別に問い合わせることは一般的にある」と述べ、報告要求は法的には問題ないとの見解を示した。
野党は一斉に反発した。立憲民主党の辻元清美国対委員長は国会内で記者団に「文書は書き換え、それを告発した元官僚の言動はチェックする。まるで暗黒政治だ」と語って批判。元小学校教諭の那谷屋正義・民進党参院国対委員長は「安倍内閣そのものの姿勢が顕著に表れた。なぜ文科省が検閲しないといけないのか」と指摘した。希望の党の玉木雄一郎代表も党会合で「教育現場に萎縮効果を与える。民主主義の価値が安倍政権でどんどん壊されていっている」と語り、民進党の小川敏夫参院議員会長は党会合で「まさに安倍政権が国民を管理する方向に向いていることを裏付ける事実だ」と述べた。
与党も批判し、公明党の井上義久幹事長は会見で「私は非常に違和感を感じている。教育内容に影響を与え、疑問を持たれる行為は慎むべきだ。国が個別の教育内容に干渉してはならない」と話した。 
メール「前川氏の不適格示唆」 名古屋市教委が公開 3/17
文部科学省の前川喜平・前事務次官が名古屋市立八王子中の授業で講師を務めた経緯の報告と録音データの提供を文科省が市教育委員会に求めた問題で、市教委は16日、文科省とのメールのやりとりを公開し、記者会見して内容を説明した。文科省のメールは、天下り問題で次官を辞した前川氏の経歴などに触れ、講師を頼んだ理由を繰り返し聞くもので、市教委は「講師に適格ではないと文科省が考えている」と受け取れる文面だったと明かした。
文科省からの質問と追加質問、市教委からそれぞれへの返信のメール計4本などA4判22ページが公開された。
市教委によると前川氏は2月16日、八王子中の総合学習の公開授業で講演した。文科省から3月1日に最初のメールが届いた。15項目にわたり、前川氏を招いた経緯や目的、保護者の反応などを尋ね、録音データの提供も求めるものだった。前川氏が次官を辞職した経歴に加え、「いわゆる出会い系バーの店を利用」と言及し、「道徳教育が行われる学校の場」に前川氏を招いた理由を「具体的かつ詳細に」示すよう求めた。
授業の狙いについて、市教委は「前川さんの中学生時代、文科省時代、退官後の生き方をキャリアの参考にしてほしかった」との旨を3月5日夕に返信すると、追加質問が翌朝に届いた。再び経歴などを持ち出し「前川氏が、停職相当となった事実を校長は認識していたのか」と問うた。
八王子中の上井(うわい)靖校長は、前川氏を選んだ理由を再三問われたことから「そこを詳しく知りたいんだと感じた」と会見で述べた。また、「3年ほど前に聞いた前川氏の講演が非常に分かりやすく、聞き手にも考えさせる内容だった」ことから講師に選んだと説明した。
同席した市教委の藤井昌也指導室長によると、個別の授業内容について文科省からの問い合わせは異例。追加質問がすぐに届いたことで「あまりに早くて驚いた。すごい関心を持っている」と感じたという。一方で「我々は多様な観点を大切にしており、人選が間違っていたとは考えていない。今回のことが外部から人を招く障壁にならないように注意していきたい」と述べた。
録音データは前川氏の許諾がなかったため、文科省には渡していないという。
文部科学省内には驚きや戸惑いの声が広がっている。
ある中堅職員は「授業に文科省が口出しするのは、めったに使わない『奥の手』。学習指導要領に沿っていないなどの理由ならともかく、講師の人となりが気に入らないから調査するのはやり過ぎだ」と声を潜める。
前川氏は昨年1月、天下りあっせん問題で引責辞任後、学校法人「加計(かけ)学園」問題について「行政がゆがめられた」と官邸や内閣府を批判。事務方のトップだった前川氏を快く思っていない職員も少なくない。
別の幹部は「政府を支えていた一人なのに、今は政府批判ばかり。データの提出を求めたのはどうかと思うが、何を話したのか確認したかっただけではないか」と推測した。
一方、林芳正文科相は16日の閣議後記者会見で、文科省がデータなどの提出を市教委に求めたことについて「誤解を招きかねない面があった」として、担当の初等中等教育局長を口頭で注意したことを明らかにした。その上で「(市教委への)問い合わせは法令上、適切だった」と述べ、問題はなかったとの見解を示した。
文科省と市教委のメールの主な内容
3月1日夕(文科省→市教委)
<前川氏の適格性> 前川氏は文科事務次官という立場にいたが、天下り問題により辞職し、停職相当とされた経緯があります。報道などにより在任中にいわゆる出会い系バーの店を利用したことなどが公になっています。道徳教育が行われる学校の場に、また教育課程に位置づけられた授業において、どのような判断で依頼されたのか。
<保護者、生徒の反応> 前川氏の公開授業を行うことについて、事前または事後に保護者や生徒から意見や反応等はなかったのか。
<録音データ> 今回の前川氏の講演による授業について講演録や録音データ等があれば、ご提供ください。
3月5日夕(市教委→文科省)
<前川氏の適格性> 天下り問題は文科省ひいては国家公務員全体の問題であると認識しています。バーうんぬんは良心的な目的であったと報道されています。いずれも講演依頼する障害になるとは考えませんでした。
<保護者、生徒の反応> ポジティブな反応ばかりいただいている。
<録音データ> まとめたものはあります。録画したものはありますが、前川さんから許可はいただいておらず、ご提供は差し控えさせていただきます。
3月6日朝(文科省→市教委)
<前川氏の適格性> 前川氏は本人自らの非違行為を理由として停職相当とされたが、校長はこの事実をご認識されていたのでしょうか。道徳教育を行う学校において授業を行ったことについて、改めて校長の見解をご教示ください。
<保護者、生徒の反応> ネガティブな反応は全くなかったと理解してよろしいでしょうか。
<録音データ> 全て公開で開催されたものと理解しており、録画記録を外部に提出することについて本人の許可が必要とされる理由をご教示ください。「まとめたもの」はご提供いただけないでしょうか。
3月7日昼(市教委→文科省)
<前川氏の適格性> 辞任された以上のことは知りません。授業は(総合的な学習の時間であり)道徳ではありません。
<保護者、生徒の反応> まったくございません。
<録音データ> まとめたものは前川さんのご了解をいただいておりますのでお見せできます。 
国は教育に介入するな 3/17
国の嫌がらせではないかと思った人もいただろう。前川喜平前文部科学次官が中学校で講演した内容を教育委員会に問いただした問題だ。国が学校の授業に介入したと受け止められても仕方がない。
前川氏は2月、名古屋市立中学校に講師として招かれ、「これからの日本を創るみなさんへのエール」と題して、生涯学びながら生きる力の大切さなどを語った。
講演が行われたことを知った文科省は、その経緯や目的、内容などを細かく尋ね、講演録や録音データの提供を求めるメールを市教委に送っていた。
天下りに関与して辞職し、「出会い系バー」を利用したと報じられた前川氏が講師にふさわしかったのか。そんな問題意識に駆られたようだが、非常事態ではないにもかかわらず、国が個別の学校の授業を調べるのは行き過ぎだ。
戦前の軍国主義教育の反省に立ち、戦後教育の枠組みでは、国の主な役割は全国共通の教育基準を作ったり、教育条件を整えたりすることに限られている。教育内容には踏み込まないのが原則だ。
文科省から市教委への問い合わせについて、林芳正文科相は「法令に基づいた行為だった」と述べたが、外部から講師を招くたびに調査されては、学校現場は萎縮してしまう。国の顔色をうかがいながら授業をする光景は恐ろしい。
学校法人加計学園の獣医学部新設計画を巡り、前川氏は「総理のご意向」などと内閣府から文科省に伝えたとする文書の存在を認める証言をしたり、「行政がゆがめられた」と公言したりしていた。
文科省を去ったとはいえ、もしかしたら政権は、いまだに前川氏の振る舞いに警戒心を抱いているのではないか。官僚のみの意思で講演の中身を問いただす行動に出たのか。それとも、政治的な思惑がどこかに潜んでいるのか。
市教委の杉崎正美教育長は、前川氏の講演について「開かれた教育」の一環として、キャリア教育の視点で行われ、問題はなかったと言う。文科省の意図をあらためて確認する意向を示している。
文科省は学校の判断を十分に尊重した上で、誠実かつ丁寧に応える立場にある。問い合わせた初等中等教育局の担当者は「現場にプレッシャーをかけた認識はない」と答えたが、その感覚は国民から懸け離れている。
公教育の中核を担っているのは地域の学校だ。子どもたちの健やかな成長を願い、日々奮闘する現場をもっと信頼せねばならない。 
前川喜平前次官の授業を検閲要求! 3/17
 文科省の違法行為の背景に森友文書改ざん問題と同じ安倍政権への忖度
財務省の森友文書改ざん問題の裏で、文科省でもとんでもないことが起きていた。前川喜平前文科事務次官が公立中学校に講師として呼ばれたところ、文科省が名古屋市の教育委員会を通じ学校側を問い詰め、授業記録や録音データの提出まで求めた件だ。これは極めて異例のことで、教育の独立を阻害する公権力の圧力行為としか言いようがない。
報道によれば、愛知県の公立中学校は2月、「総合的な学習の時間」の一環として前川氏を講師に招いた公開授業を行った。前川氏は「これからの日本を創るみなさんへのエール」と題し、自らの不登校経験などを元に生徒へ生きる力の大切さなどを語った。政治的な話はなかったという。
ところが、この授業を知った文科省は、名古屋市教委に内容確認を要求。2度に渡って合計約30項目に及ぶ質問書を送りつけたというのだ。
その内容は〈授業を行った主たる目的は何だったのか〉などと詰問し、前川氏について〈いわゆる国家公務員の天下り問題により辞職〉〈いわゆる出会い系バーを利用〉と書いた上で、〈こうした背景がある同氏について、道徳教育が行われる学校の場に、また教育課程に位置付けられた授業において、どのような判断で依頼されたのか具体的かつ詳細にご提示ください〉と連ねるというもの。前川氏への人格攻撃によって公開授業を批判し、学校側に圧力をかける狙いは明らかだが、さらに文科省は講演録や録音データの提出まで迫ったのである。
まさに戦中の政府による検閲、思想統制を彷彿とさせるではないか。こんな介入が野放しにされれば、教育の現場が萎縮することは必至。当然、専門家からも文科省への厳しい非難が相次いだ。
たとえば日本教育学会会長の広田照幸・日本大学教授はNHKの取材に対し「明確な法律違反の疑いもないまま授業内容にここまで質問するのは明らかに行き過ぎだ」「国があら探しするような調査をかけることは教育の不当な支配にあたると解釈されてもおかしくない」と指摘。元文部官僚の寺脇研氏は、15日放送の『NEWS23』(TBS)で「教育の国家統制になっていくわけじゃないですか。その反省を基に戦後の教育が成り立っているわけだから、いわゆる役所がこれはやっちゃいけないということが壊れてきてしまっている。とにかく異常」と痛烈に批判した。
その通りとしか言いようがない。この問題発覚を受けて林芳正文科相は、「法令に基づいた行為だった」「必要に応じて事実関係を確認するのは通常のことだ」と開き直ったが、録音データの提出まで求める介入が「通常」でもなんでもないのはもちろん、この一件は法律や憲法に抵触する可能性が高い。
事実、教育基本法第16条では〈教育は、不当な支配に服することなく〉と明記されており、国側は個別の教育内容に踏み込まないのが原則だ。また、言うまでもなく憲法21条では〈検閲は、これをしてはならない〉と定められている。今回の前川氏の公開授業に対する政府側の詰問及び録音データ等の提出要求は、どう考えても教育を不当に支配しようという意図で行われた検閲に他ならず、行政による違法・違憲行為と断じざるを得ない。
一方で、安倍政権がいま、教育の独立を破壊しようと躍起になっている事実にも目を向ける必要がある。
実際、先月、自民党の憲法改正推進本部が大筋合意した改憲条文案では、現行憲法26条1項及び2項の「教育を受ける国民の権利」と「受けさせる国側の義務」に足して、〈国〉を主語とした〈教育環境の整備に努めなければならない〉なる第3項を新設した。一見、なんてことのない国の努力規定のように見えるが、騙されてはいけない。
実は、自民党案が加えた26条3項には、教育環境整備の趣旨として、〈国の未来を切り拓く上で極めて重要な役割を担う〉と記されている。少なくとも政府が「国の未来を切り拓く」なる建前で個別の教育へ介入できるという、危険な仕掛けになっているのだ。
さらに、ここで謳われている国側の義務は“国益”を鑑みた教育環境の整備義務と解釈できることから、いわゆる「後法は前法を優越する」の原則を曲解して第23条の「学問の自由」までもが空文化する懸念もある。いずれにせよ、戦争の反省から国による介入を制限したこれまでの教育関連法の根底を覆す、極めて危うい改憲案と言わざるを得ないだろう。
また、安倍政権といえば道徳の教科化などによる愛国的精神の強制はもちろん、具体的な教育への介入、監視・検閲の強化も明るみに出ている。たとえば、私立学校の歴史教科書の採択にあたっては、複数自民党政治家が「なぜあの教科書を採択したのか」と問い合わせて圧力をかけていたことが露呈。さらに、自民党がホームページで「子供たちを戦場に送るな」と言う教員を取り締まる“密告フォーム”を設置していたことも大きな問題となった。
そうしたこれまでの政府・自民党の動向を考えれば、今回の前川氏の公開授業に対する圧力もまた、安倍政権が目論む教育統制の延長線上と見るのが妥当だろう。
しかも、もう一つ気になるのは、この文科省の教育介入事件に、例の財務省公文書改ざん問題とよく似た構造が見え隠れすることだ。
まず、今回の文科省の圧力行為には、当の省内にも戸惑いが広がっているという。本日の毎日新聞は「講師の人となりが気に入らないから調査するのはやり過ぎだ」(中堅職員)、「これが当たり前になると、教育行政がおかしくなる」(別の中堅職員)という懸念の声を伝えた。
そして、16日に行われた野党6党による合同ヒアリングでは、文科省側は「政治家の関与はあったのか」「公安調査庁や首相官邸は絡んでいなかったのか」と問いただされたが、「確認する」としただけで否定しなかった。
繰り返すが、文科省が違法性のない個別の授業に対し、講師を個人攻撃し、学校側に録音データまで出させようとしたのは異例であり異常だ。文科省側は、初等中等教育局長までの判断で質問し、その後に大臣らへ報告したと言っているが、こんな問題化することが明らかな圧力行為を、教育局長クラスまでの判断で勝手に行うはずがない。
その背後には、加計学園問題で政府を告発した前川前事務次官に対する、官邸側の報復的見せしめ、そして、学校側に対し「前川のような人物に授業させるとどうなるかわかるな」という恫喝のメッセージがあったと考えるのが自然だ。しかし、名古屋市教育委員会が服従しなかったことで問題が早々に発覚し、あわてて、文科省の役人にすべてを押し付けようとしている。そんなところではないのか。
昨年、前川氏は国会で加計問題について「行政がゆがめられた」と断じたが、その政治的としか思えない“歪み”が、この一年あまり、各省庁で次々と顕在化している。防衛省の自衛隊日報問題、厚労省の裁量労働制データ問題、財務省の森友文書改ざん問題、そして文科省の授業検閲圧力問題……。いずれも人々の生活や生命を脅かす深刻な事案である。これらすべてが、安倍政権下で噴出したという事実を有権者は重く受け止めるべきだ。
今回の文科省検閲事件にあたっても、官邸や政治家の関与があったかどうか、徹底追及は絶対不可欠。国会も真相究明に全力をあげる必要がある。 
 3/18

 

前川氏授業データ要求 文教族・自民議員照会 省は影響否定 3/18
文部科学省が名古屋市教育委員会に、前川喜平・前事務次官が市立中学で講師を務めた授業の内容の報告や録音データの提供を求めた問題を巡り、自民党文科部会に所属する衆院議員が文科省に授業の経緯を照会していたことが政府関係者への取材で判明した。文科省はその後に市教委に問い合わせており、議員の照会が影響を与えた可能性があるが、文科省幹部は「問い合わせたのは省としての判断だ」と説明している。
前川氏は2月16日、市立八王子中で総合学習の授業として講演。不登校の経験などに触れ、「自ら学ぶ力、考える力を身につけてほしい」と呼びかけた。
関係者によると、議員は2月中旬から下旬に複数回、文科省初等中等教育局に電話し、授業の内容や経緯について説明を求めた。同局は照会について、林芳正文科相ら政務三役に報告しなかったという。
市教委によると、文科省は今月1日、15項目の質問を列挙したメールを送信。天下りあっせん問題による引責辞任や「出会い系バーの利用」に言及して前川氏を招いた経緯や理由などを尋ね、録音データの提供を求めた。5日夕の返信を受け、6日朝には校長の認識など11項目の追加質問を送り、7日正午までの回答を要請した。市教委は16日、双方のメール計4本などA4判22ページを公開した。
文科省は16日の野党合同ヒアリングで、授業の様子を翌日報じた地元の中日新聞の記事が問い合わせのきっかけだったと説明。同時期に外部から照会もあったことは認めたものの、照会が誰からだったかについては「差し控える」と明らかにしなかった。「政治家の介入はあったのか」との質問には「確認する」と答えるにとどめ、「あくまでも私たちの判断」と繰り返した。
省内には「メールの質問事項は、官僚の文章には思えない」との声がある。職員の一人は「照会は執拗(しつよう)で対応に苦慮したと聞いている」と話した。  
大臣には事後報告 文科省「前川授業」内容調査の不可解 3/18
いったい誰がどんな目的で行ったのか――。前川喜平前文科次官が先月16日に名古屋市立中学校で行った授業をめぐり、文科省が授業内容などを学校側に問い合わせていた問題。16日、この問題について野党合同ヒアリングが行われ、参加した議員からは「教育現場への不当介入」との意見が噴出した。
文科省の初等中等教育局は今月1日から7日の間に、市教育委員会を通じて学校側に質問を2回メールで送付。15項目もの質問事項には、前川氏について<天下り問題により辞職><出会い系バーに頻繁に出入りしていた>――などの記述があり、学校側に<このような方>が授業を行った見解を聞いていた。
不可解なのは、この調査を文科大臣が事前に知らされていなかったことだ。ヒアリングに参加した同省担当者は「局長判断で調査を行った」「法的問題はない」などと説明したが、地方教育行政法の第53条には<文部科学大臣又は都道府県委員会>が<必要な調査を行うことができる>とある。要するに、文科大臣が調査の指示をできるのであって、省内の一部局に権限はないのだ。
公安調査庁や官邸、政治家から前川氏の授業を問題視するような問い合わせがあったかどうかについて文科省の担当者は「確認する」の一点張りだった。誰のどのような指示で行われたのか、究明はこれからだ。  
 3/19

 

国会で真相明らかに=河村名古屋市長 3/19
名古屋市の河村たかし市長は19日の記者会見で、文部科学省の前川喜平前事務次官が市内の中学校で行った授業の経緯を自民党の衆院議員が文科省に照会していたことについて「国会で真相を明らかにしてもらわないといけない」と述べた。市長は「議員が言わないとやらんわね」と指摘。議員の照会が中学校に対する文科省の問い合わせに影響を与えたとの見方を示した。 
自民議員、前川氏授業 文科省に照会 3/19
文部科学省の前川喜平前事務次官が名古屋市立中の授業で講演した内容を、同省が名古屋市教育委員会に報告するよう求めていた問題で、この報告要請の前に、地元の自民党衆院議員が文科省に、前川氏が授業に招かれた経緯などを複数回問い合わせていたことが18日、政府関係者への取材で分かった。
文科省は16日に開かれた野党6党の合同ヒアリングで、外部から照会があったことは認めたが、誰からだったかは「控えたい」とした上で「あくまで文科省初等中等教育局の判断で調査を決めた」と強調した。ただ、与党議員からの照会が市教委への報告要請の前だったことから、同省の判断に影響した可能性もある。
この議員は自民党の文部科学部会に所属し、文教政策と関わりがある。
前川氏は昨年1月に文科省の組織的天下り問題で引責辞任した後、学校法人加計学園の獣医学部新設を巡る問題で「行政がゆがめられた」と公に発言するなど、安倍政権に対する批判を繰り広げている。
前川氏が講演した中学校の授業は2月16日にあり、翌17日に中日新聞が内容を報じた。文科省は、この記事をきっかけに前川氏が講師として招かれていたことを把握したと説明。今月1日、学校が前川氏を招いた理由や授業内容を細かく尋ねる15項目の質問をメールで名古屋市教委に送った。
初中局は当初、調査に関して文科省の政務3役には相談せず、12日になって林芳正文科相に報告した。林氏はその際「メールの表現ぶりにやや誤解を招きかねない部分もあった」として、初中局長を口頭で注意した。
立憲民主党の福山哲郎幹事長は18日、前川喜平前文部科学事務次官の講演内容の報告を文科省が名古屋市教育委員会に求めたのに先立ち、地元の自民党衆院議員が同省に経緯などを照会していたことを批判した。「森友学園問題と根っこは同じで、政府、与党のおごりだ」と述べた。
共産党の志位和夫委員長も「やっぱり、あったのかという感じだ。与党の議員が問い合わせれば、事実上の圧力が働く」と強調。福山氏は「数を持っているからといって、与党議員が万能なわけではない。政治と官僚の関係を誤解している」と指摘した。いずれも東京都内で記者団に語った。 
自民議員、前川氏授業照会 報告要請前の文科省に 3/19
文部科学省の前川喜平前事務次官が名古屋市立中の授業で講演した内容を、同省が名古屋市教育委員会に報告するよう求めていた問題で、この報告要請の前に、地元の自民党衆院議員が文科省に、前川氏が授業に招かれた経緯などを複数回問い合わせていたことが十八日、政府関係者への取材で分かった。
文科省は十六日に開かれた野党六党の合同ヒアリングで、外部から照会があったことは認めたが、誰からだったかは「控えたい」とした上で「あくまで文科省初等中等教育局の判断で調査を決めた」と強調した。ただ、与党議員からの照会が市教委への報告要請の前だったことから、同省の判断に影響した可能性もある。
この議員は自民党の文部科学部会に所属し、文教政策と関わりがある。
前川氏は昨年一月に文科省の組織的天下り問題で引責辞任した後、学校法人加計学園の獣医学部新設を巡る問題で「行政がゆがめられた」と公に発言するなど、安倍政権に対する批判を繰り広げている。
前川氏が講演した中学校の授業は二月十六日にあり、翌十七日に中日新聞が内容を報じた。文科省は、この記事をきっかけに前川氏が講師として招かれていたことを把握したと説明。今月一日、学校が前川氏を招いた理由や授業内容を細かく尋ねる十五項目の質問をメールで名古屋市教委に送った。
初中局は当初、調査に関して文科省の政務三役には相談せず、十二日になって林芳正文科相に報告した。林氏はその際「メールの表現ぶりにやや誤解を招きかねない部分もあった」として、初中局長を口頭で注意した。 
前川前文科次官講演の調査問題「教育への国家統制、政権の体質」 3/19
参院予算委員会では森友問題だけでなく、前川喜平・前文部科学事務次官が名古屋市の中学校で講演した内容などを文科省が調査した問題についても質問が出た。民進党の難波奨二氏はこの問題について「国が学校現場に介入したとも受け取れ、教育への国家統制だ」と批判。その上で、「我が国は自由で民主的な社会。言論統制するような社会になっていくことは、ゆゆしき事態。安倍政権の体質そのものが、今回のこの案件も表れている」とただした。安倍晋三首相は「その件について私は承知していないので、答えようがない」と繰り返し、答弁は文科省の局長に任せた。文科省の担当者は、調査に政治家の関与があったとの報道については「文科省としての判断」と否定した。
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前川氏授業データ要求 名古屋市教委への質問添削 3/20
文部科学省が前川喜平・前事務次官の授業内容を報告するよう名古屋市教育委員会に求める前、文科省に照会したのは自民党文科部会長代理の池田佳隆衆院議員(比例東海)で、市教委への質問項目の添削もしていたことが取材で明らかになった。文科部会長を務める赤池誠章参院議員(比例代表)が文科省に照会していたことも判明した。
前川氏は先月16日、名古屋市立八王子中で総合学習の授業として講演した。政府関係者によると、同市を地盤とする池田氏は2月中旬から下旬にかけ、複数回にわたって文科省初等中等教育局に電話し、授業の内容や経緯の説明を求めた。赤池氏も照会したという。
文科省は今月1日、天下りあっせん問題による引責辞任や「出会い系バーの利用」に言及して前川氏を招いた経緯や理由を尋ね、録音データの提供を求めるなど15項目の質問を市教委にメールで送信。6日には校長の認識など11項目の追加質問を送った。関係者によると、池田氏は質問項目を事前に確認し、修正を求めたという。林芳正文科相は12日、「メールの表現ぶりにやや誤解を招きかねない部分もあった」として高橋道和・初等中等教育局長を口頭で注意していた。
毎日新聞の書面での質問に対し、池田氏の事務所は回答していない。赤池氏の事務所は20日に開かれる文科部会終了後に赤池氏が取材に応じるとしている。
一方、文科省は19日の野党合同ヒアリングで、前川氏の授業があったと把握したのは、翌日の先月17日にあった外部からの照会がきっかけだったと明らかにした。これまでは同日付の新聞記事で知ったと説明していた。この日は土曜で、「外部は政治家か」との質問には、市教委に問い合わせると決めた省の判断に影響を与えていないとして「答えは差し控えたい」と繰り返し、議員の複数回の照会についても答えなかった。
19日の参院予算委員会の集中審議で、安倍晋三首相は「今後とも文科省で法令に基づきしっかり対応してもらう」と述べ、市教委への問い合わせに問題はなかったとの認識を示した。民進党の難波奨二氏への答弁。  
前川氏の講演調査、野党が攻勢 赤池氏は会見で圧力否定 3/20
前川喜平・前文部科学事務次官の講演を文科省が調査していた問題で、自民党の議員の意見を質問に反映させていたことが20日、明らかになった。野党側は「異例の対応」と国会で追及している。一方、意見が反映された議員は自民党の会合を欠席し、姿を見せていない。
林芳正文科相は20日、文科省が名古屋市教育委員会に質問を送る前、自民党の池田佳隆衆院議員に質問を見せていたことを明らかにした。同日の参院予算委員会で、民進党の大島九州男議員は「政治家から問い合わせがあった時には調査をするのか」と文科省の対応に疑問を投げかけた。
大島氏は、質問のどの点を修正したのかも聞いたが、文科省の高橋道和・初等中等教育局長は「精査中。すみやかに確認する」と回答するにとどまった。
やはり、前川氏の講演について文科省に照会していた、自民党文科部会長の赤池誠章参院議員も20日午前、党本部で記者会見をした。天下り問題で懲戒処分相当とされた前川氏が公立の中学校で授業を行う点について、法令や教育上の問題がないか疑問に思い、「(天下り問題による)国家公務員法違反者が教壇に立てるのですか。確認をお願いします」と文科省幹部にメールを送ったことを明らかにした。
赤池氏は「立法府の一員として、(法令が)どう運用されているかを確認するのが我々の仕事」と述べ、文科省への圧力は否定した。この日は党文部科学部会の会合だったが、部会長代理の池田氏は欠席した。党関係者は「地元で予定があったため」と説明した。 
文科省に政治的働きかけなかったか、国会追及を 3/20
前川喜平前文部科学事務次官が愛知県名古屋市の公立中学校の公開授業で講演したことに、講演の録音提供まで求めた文部科学省の行為に、教育への政治介入との懸念や教育現場が委縮してしまうと危惧する声があがっている。国会でこうした調査がなぜ行われたのか、根拠や正当性、政治家の関与の有無についての議論が求められる。
前川氏は弁護士を通し19日までに「個別の学校の授業内容に対する国の直接的な介入は異例であり、教育基本法が禁じる『不当な支配』にあたる可能性が高い」とコメントを出した。前文科事務次官のコメントだけに指摘は重い。
また「文科省が自らこのようなことを行うとは考えられない」として「外部から何らかの強い政治的な働きかけがあったのだと思う」と提起した。
今回の文科省調査が地方教育行政の組織・運営に関する法律・48条に基づく「文科大臣は都道府県・市区町村に対し、都道府県・市区町村の教育に関する事務の適正な処理を図るため、必要な指導または援助を行うことができる」という規定に照らして、その目的に則る必要行為といえるものか、疑問が残る。
また同53条では「48条規定による権限を行うため必要があるときは地方公共団体の長または教育委員会が管理し、及び執行する教育に関する事務について必要な調査を行うことができる」としているが、そもそも48条の目的に則した調査行為か、政治的介入が疑われている。
民進党など野党6党は19日「教育現場不当介入問題野党合同ヒアリング」を開き、文科省が名古屋市教育委員会に対して前川氏の授業内容等の報告や録音データの提供を繰り返し求めたことに同省担当者から話を聞いた。
議員側から「前川氏の講演には文科省として問題はなかったということでいいのか」と質したのには、文科省担当者は「現時点で把握している情報によると、不適切なところは確認していない」と答えた。
一方で、前川氏が今後、別の学校が同様の授業に呼ばれた場合についての問いには「仮定の話に答えるのは難しい」と文科省担当者が答弁した。出席議員から「圧力だ」と指摘の声があがった。教育基本法の趣旨に照らして個別の授業に行政が関与しすぎるのは明らかに問題だ。 
教委への質問“議員コメント基に一部修正” 3/20
文部科学省の前川・前事務次官が公立中学校で行った授業について文科省が教育委員会に報告を求めた問題で、自民党の赤池部会長は、自らと池田部会長代理が文科省に対し事前に問い合わせていたことを認めた。一方、林・文部科学相は、池田議員からの事前のコメントを基に、教育委員会への質問内容を一部修正していたことを明らかにした。 林文科相「池田議員からのコメントも参考に質問内容を一部修正していますが、この修正はあくまで文科省の主体的な判断で行ったものであり、議員の指示といったようなものではない」 林文科相はこのように述べ、池田議員からのコメントを受け、文科省が今月1日に名古屋市教育委員会に質問状を送付する直前、質問内容を一部修正していたことを認めた。一方で、修正は文科省としての判断でおこなったものだと強調している。
「文科省へ問い合わせ」自民部会長が認める 3/20
文部科学省の前川・前事務次官が公立中学校で行った授業について文科省が教育委員会に報告を求めた問題で、自民党の赤池文科部会長は文科省に対し、事前に複数回、問い合わせていたことを認めた。 赤池文科部会長「(前川氏の授業について)これはどういうことなのだろうかということで、それを当日(文科省の)藤原官房長に土曜日でございましたので、ショートメールで事実確認をお願いした」 赤池部会長は、自らと池田部会長代理が、文科省が教育委員会に報告を求める前に、前川氏が授業に招かれた経緯などを文科省に複数回、問い合わせていたことを認めた。また赤池氏は、池田氏が教育委員会への質問内容について事前に報告を受けていたことも認めた。ただ、「池田氏は感想を求められて言ったが、内容の指示はしていない」と述べ、文科省に圧力をかけたことは否定した。
前川喜平公開授業 文科省が調査 3/20
前川喜平・前文部科学事務次官が名古屋市立中学校の公開授業で講演、文科省が根掘り葉掘り経緯と内容を市教育委員会に問うた。
天下り問題などに責任があった人物をなぜという建前だが、かねて行政と政治のゆがみを訴えた前次官ににらみを利かせたとしか思えない。授業はそれとは関係なかった。
学校の個別の授業に国が口を出す。その影は大きい。「戦後前例がない。日教組の『偏向教育』問題でさえ、いくら何でも、どの学校の何日の何時間目の授業は、と国がくちばしを入れることはなかった」と文科省OBは言う。
授業は総合学習。皮肉にも、教科にとらわれず成績もつけない、各学校が自由に創造できる学びの時間である。
戦前、国が強権的に教室に入り込んできた例として、1924(大正13)年、長野県の「川井訓導事件」が有名だ。修身で国定教科書を使わず、文学作品などを教材に子供らに考えさせた川井清一郎の授業に、国と県から派遣された視学委員らが横やりを入れ詰問、教科書を使えと追及した。川井は学校を去った。
この見せしめ効果は大きかった。大正デモクラシーを背景に広がった自由教育運動に陰りが差した。子供たちの実生活に根差した生活綴(つづ)り方運動も、指導の教員たちは思想犯扱いさえされた。
今回、文科省は前次官の授業に問題はなかったと結論づけるが、問い合わせメールのしつこさには「官僚が自主的に発したと考えにくい」という指摘もある。
実際、文科省が動く際に自民党衆院議員から省に繰り返し問い合わせがあった。省は「影響はない。あくまで問い合わせは省の局内の判断」と、政治は無関係と言う。
官僚はどっちを向いて何を守ろうとしているのか。
折しも「森友学園」への国有地売却文書改ざん問題について、与党はこれは財務省の一方的な不始末で、国会や政府をだまして隠蔽(いんぺい)を図ったものと主張している。
19日午前、森友問題を集中審議する参院予算委員会で、与党側から「安倍政権をおとしめる意図でもあるのか」と問われた財務省の太田充理財局長が、憤然たる面持ちを抑えかねるように言葉を重ねて答弁した。「私は公務員として仕えた方に一生懸命仕えるのが仕事。いくら何でもそれはありません、いくら何でも、いくら何でも」
政官界をめぐり、いくら何でもの異常な事態が起きている。官僚が内実を誠実に明かし、仕えるべき相手は、国民である。 
 3/21

 

前川氏授業に自民が照会 今の党体質が表れている 3/21
意見が合わない者は敵と決めつけて認めようとしない。そんな安倍晋三内閣と自民党の体質を如実に表していると言えるだろう。
前川喜平前文部科学事務次官が行った授業内容を報告するよう文科省が名古屋市教育委員会に求めた問題で、自民党文科部会長らが同省に経緯を何度も照会し、質問内容の添削まで行っていたことが分かった。
これは教育への政治介入にほかならない。前川氏を講師に招いた理由や授業内容を細かく市教委に問い合わせたのは「省独自の判断」と説明してきた文科省の姿勢にも大きな疑問を抱く。
照会していたのは自民党の赤池誠章参院議員と池田佳隆衆院議員の若手2人だ。赤池氏は文科行政に影響力を持つ同部会の会長で、池田氏も会長代理を務めている。
驚くことに文科省は池田氏に対して市教委に送る質問項目を事前に示し、その意見を聞いて質問内容を一部修正したという。林芳正文科相はなお「法令に基づいて実査した」と説明しているが、むしろ実態は議員側の主導だったのではないか。
そもそも2人はなぜ、こうした行動をしたのか。加計学園問題で前川氏が安倍政権への批判を強めているからだとしか理由は考えられない。
自民党では2015年、安倍首相に近い若手議員が開いた会合で、当時の安全保障法制議論に関連して、政権に批判的な報道機関に圧力をかけるべきだとの意見が噴出し、講師として出席した作家が沖縄の新聞2紙を「つぶさないといけない」と発言して大きな問題となった。
今回もそれに似ている。自民党の若手は言論の自由が民主主義に不可欠というイロハが分かっていないのではないか。まるで戦前の言論統制への回帰を狙っているかのようだ。
政権を批判する者に圧力をかけようとするのは、安倍首相の「1強」が続く中、首相におもねる空気が、若手らの間に広がっていることとも無縁ではなかろう。
18歳投票に合わせ、高校を中心に学校現場では現実の政治を学ぶ授業が既に始まっている。今回の救いは、文科省から求められた前川氏の授業の録音データ提出を学校や市教委が拒んだことだ。だがこれでは、教育現場は萎縮するばかりだろう。  
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文科省による前川氏授業調査 政治の「不当な支配」か 3/22
文部科学省が自民党国会議員の指摘を受け、前事務次官の前川喜平氏が講師を務めた授業を調査した問題で、前川氏は「教育基本法が禁じる『不当な支配』に当たる可能性が高い」としている。この問題の背景を探ると、「戦後レジームからの脱却」を掲げた第1次安倍政権による同法改正に行き着く。
文科省が問題視したのは、名古屋市立中が前川氏を講師に招いた先月16日の「総合的な学習の時間」だ。自民党文科部会長の赤池誠章参院議員の問い合わせを受け、名古屋市教育委員会に「前川氏は天下り問題により辞職し、停職相当とされた経緯がある」などと説明を求める質問状をメールで送った。
1947年制定の教育基本法は「教育は、不当な支配に服することなく」と定めている。吉田茂内閣が46年に設けた教育刷新委員会での「今回の敗戦を招いた原因はせんじ詰めれば教育の誤りにあった」(幣原喜重郎元首相)という問題意識から盛り込まれた。
戦前は天皇が「臣民」の徳目を説いた教育勅語を足がかりに、軍部が国家主義的な教育を押しつけた。47年の衆院教育基本法案特別委員会で、旧文部省は不当な支配に関し「従来官僚とか一部の政党とか、不当な外部的な干渉によって教育の内容がゆがめられた」(辻田力調査局長)と説明。教育現場の自主性を何より重視していた。
林芳正文科相は今のところ「必要に応じて教委に問い合わせや事実確認をするのは通常のこと」と法令上の問題はないとの立場だ。ただ、自民党でも「あんなに細かい問い合わせはダメだ。現場への圧力になる」(閣僚経験者)と疑問視する意見は強い。文科省のホームページも同法の意義に関し「党派的な不当な支配の介入があってはならない」との解説を掲載している。
元文科官僚の寺脇研京都造形芸術大教授は「内容が法律や学習指導要領に反しているならともかく、市教委が適切と判断して認めたことを、さらに問い合わせるのは異常だ」と疑問視する。
第1次安倍政権下の2006年の改正では「不当な支配に服することなく」に続く規定が「国民全体に対し直接に責任を負って行われる」から「法律の定めるところにより行われる」に置き換えられた。従来は教育の政治からの中立性を保障する規定だったが、多数決による政治の力で左右される事態も予想され、「国家権力が教育内容に介入することも可能になり、抑制の歯止めが失われる」(日本弁護士連合会)と懸念が出ていた。
このため、当時の伊吹文明文科相が国会で「不当な支配かどうかは司法で最終的な結論が出るのが日本の統治システムだ」と確認する場面もあった。
文科省は最初に授業を問題視した自民党の池田佳隆文科部会長代理に相談し、質問を追加していた。池田氏は「安倍チルドレン」とされる衆院当選3回。一方、前川氏は加計学園問題を巡って政権への批判的なスタンスを崩していない。藤田英典共栄大教授(教育社会学)は「文科行政への政治の圧力が強まり、全体にモラルが崩れつつある印象を持つ。教育現場の専門性と良識に基づく裁量に委ねるのが基本で、外からの圧力はあってはならない」と指摘した。
文部科学省の前川喜平・前事務次官は21日、長野市内で講演。「メールは、威嚇効果を狙ったともとれる内容で前代未聞だ。『政治家が関与しているのでは』と思ったら、やはりそうだった。文科省も情けない。うまくかわすべきだった」と述べた。
講演後に報道陣の取材に応じた前川氏は、林芳正文科相が調査について「文科省独自の判断」と主張している点は「説明が破綻している。政治家にやらされたのは明らかだ」と話した。 
前川問題、文科省は質問修正前と修正後の開示を 3/22
前川喜平前文部科学事務次官が愛知県名古屋市立中学校の公開授業の行使に招かれ、講演したことに対し、文部科学省が講演内容や講演録音まで地元教育委員会に求めていた問題で、20日の参院予算委員会で自民党文部科学部会長の赤池誠章参院議員(比例代表)と部会長代理の池田佳隆衆院議員(比例東海ブロック)が文科省に調査を求めていたことがわかった。
しかも文部科学省は調査の前に質問内容を池田議員に提供し、事実上、質問内容の添削までさせていた。林芳正文部科学大臣は「池田議員から2点コメントがあった」とし「そのコメントを参考にして質問内容を一部修正した」とした。
文科省の今回の調査を巡っては、文科省事務方トップだった前川氏自身が弁護士を通したコメントで「個別の学校の授業内容に対する国の直接的な介入は異例であり、教育基本法が禁じる『不当な支配』にあたる可能性が高い」と指摘。
そのうえで「文科省が自らこのようなことを行うとは考えられない。外部から何らかの強い政治的な働きかけがあったのだと思う」と提起していた。
実際、文科省は独自の判断で行ったとしながらも、問い合わせた政治家に質問内容を示し、修正したもので調査していることからみれば、政治家の圧力による影響を受けたのではとみる方が自然だ。
政治的圧力を受けていないということであれば、どこを、どのように修正し、質問の文言を変えたのか、文科省は元の質問と修正後の質問内容を国会で明確にすることが必要だろう。
あわせて、事務方トップだった前川氏は「個別の学校の授業内容に対する国の直接的な介入は異例」と指摘しているが、林文科大臣は記者会見で「個別の例は差し控えますが、こういうことはあったと承知をしている」と過去に事例があった旨を記者団に答えている。
国会の場で、過去にこうした事例が実際にあったのか、また何例あるのか、明らかにすることも、文科行政への政治介入疑念払拭には必要だろう。 
 3/23

 

前川氏の授業、自分の子供に受けさせたいですか? 3/23
「問い合わせ」の何がけしからんのか
前文部科学次官の前川喜平氏が名古屋の公立中学校で授業を行い、文部科学省が教育委員会に問い合わせを行ったことについて、「教育の中立を侵すもの」という批判が出ている。
特に文科省にそれをやらせた自民党の国会議員はけしからんと。
いったいどこがけしからんのでしょうか?ただ聞いているだけで圧力をかけている訳ではない。
前川さんは教育基本法16条の「不当な支配」に当たると言ってるが、どこが不当な支配なのでしょうか。
前川氏は公立学校で授業をするにふさわしい人なのか
前川さんは、してはいけない天下りをやらせて文科省を辞めさせられた人。出会い系バーに「若い女性の貧困調査」と称して通っていた人。
こんな人が果たして公立の中学校で授業をするにふさわしい人なのか。僕は是非政治家や文科省に調べてほしいと思う。その結果を、子の親として知りたいと思う。
と言うか、自分の子どもにこんな人の授業を受けさせたくないんです。私立学校で何を教えようが知ったこっちゃない。
籠池さんの幼稚園にはちょっとびっくりしたが、まあ私立なので自分の子を入れなければいいだけのこと。
でも公立はそういうわけにはいかない。
もし僕が名古屋に転勤したら娘はあの学校に通い、前川氏の授業を強制的に受けさせられたかもしれない。それは困る。中学生の娘には、出会い系バーに通うおじさんに接してほしくないのです。
少しは自分でものを考えろ
教育の中立性というのは何をやっても自由ということではない。間違った教育をしていないか、国民は監視する義務と権利がある。
この件で文科省に確認した自民党の赤池さんと池田さんの二人の議員は、何の間違ったこともしていないので、言い訳などせず堂々としているべきだ。
左翼の人や野党や安倍政権を嫌いなメディアが文句を言うのはいつもの事だが、そうでない人たちまでが無自覚に「教育に干渉するな」と騒いでいるのを見ると、「少しは自分でものを考えろ」と言いたくなる。 
 3/24

 

前川氏講演は「時間の無駄だった」参加高校生が激白 3/24 
組織的天下り問題で文部科学事務次官を引責辞任した前川喜平氏(63)が、2月に名古屋市の公立中学校で行った授業内容を自民党議員が文科省に照会、同省が市教育委員会に問い合わせたとして騒ぎになった。その2日後に前川氏が同市内の私立高校で行った講演について参加した高校生から不満の声があがっている。講演時間の半分以上が「安倍政権批判」に終始していたというのだ。
前川氏は2月16日、名古屋市立八王子中学校の授業で講演を行ったが、18日には同市内の私立高校で開かれた「第25回授業改革フェスティバル」にも参加していた。
体験授業や展示など多くの課外授業のトリを飾ったのが、前川氏や、ゆとり教育を推進したことで知られる元文科官僚の寺脇研氏(65)らによる講演だった。
パンフレットには「これからの日本と教育、そして私学の進むべき道を徹底討論する」とあったが、参加した高校生によると、約2時間のうち前川氏が半分の1時間を使って講演したが、持ち時間の半分以上は、加計学園の獣医学部新設問題について「いまの首相が一個人として、とある学園の理事長に斡旋(あっせん)利得をはたらいた」「細かな情報が官僚だった頃に内部で噂されていた」などと発言、名指しこそしなかったものの安倍晋三首相批判を繰り返したという。行政や教育の取り組みについては「取って付けたような内容だった」。
政権批判が続いたため、「隣同士で話す生徒や、最前列で寝ている生徒もいた」。また、高校生のための講演だったはずが、「出席した多くは教職員や一般人だった」という。
高校生は「正直、時間の無駄だった」と感想を述べた。
前川氏の動向に詳しいとして話題になったツイッターの匿名アカウント(現在は非公開)は《八王子中学校で生徒たちに話ができたのは楽しかった》《18日の授業フェスでは、言いたい放題言わせてもらった》とつぶやいている。 
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前川・前事務次官中学校講演 文科省の難癖メールを学校長らが論破 3/25
名古屋市立中での前文科省次官の講演がヤリ玉に
「オイコラに回帰しそうな文科省」。3月17日付の朝日新聞朝刊「朝日川柳」に掲載された一句である。この川柳にある通り、加計学園問題で「行政が歪められている」と証言し、安倍政権を公然と批判した文部科学省の前川喜平前事務次官が名古屋市の公立中学校の授業で講演したところ、同省はこの人選に難癖をつけるようなメールを市教委に送り付け、報告を求めたことが大きな問題になっている。
国から「圧力」を受けた中学校長や市教委はさぞかし萎縮しているかと思いきや、そうではなかった。毎日新聞17日付電子版に載った両者のメールのやりとりからは、同省による教育現場への行き過ぎた介入ぶりとともに、校長らが同省の執拗な問い合わせにも臆せず回答し、見事に論破していることが読み取れる。
前川氏を悪者扱いし学校側に執拗な質問
前川氏は2月16日に名古屋市立八王子中学校の総合学習の授業で講演し、全校生徒約300人のほか保護者や校下の市民ら約200人が受講した。これを報道で知ったという文科省教育課程課が、授業内容に細かく立ち入る質問や講演の録音提出を求める異例のメールを同市教委に送付している。
両者のメールの全文を掲載した毎日新聞電子版によると、同省からの問い合わせは追加分も含め26項目わたり、「具体的かつ詳細にご教示ください」と半ば命令口調で回答を求めるなど、高圧的で執拗で内容だ。
何より、特徴的なのは前川氏を悪者扱いしている点。「天下り問題により辞職し、停職相当」「出会い系バーの店を利用」していることなどを強調し、「こうした背景がある同氏」に「どのような判断で講師を依頼したのか」と詰問している。
さらに同省は、「様々な人の生き方を学び、自分の生き方を考える」ことを目標とする同校の総合学習の授業内容自体に立ち入り、1前川氏のどのような生き方を生徒に学ばせたかったのか2保護者らにも公開した理由は何か3受講した生徒や保護者らの反応はどうだったか−などの質問をぶつけている。
実際の講演は生徒の学習意欲高める内容
講師への謝礼などの質問を含め、文科省の嫌がらせとも思える問い合わせだったが、授業を行った当事者の上井(うわい)靖・八王子中校長は気負うこともなく淡々とメールで回答。
まず、前川氏の人選については「天下り問題は、文部省ひいては国家公務員全体の問題」「バー云々については、良心的な目的であったことが報道されている」「いずれも今回の講演を依頼する障害になるとは考えなかった」と、しっかり切り返す。
さらに、生徒・保護者らの反応や授業の目的・内容では、(1)生徒から「不登校の出来事を教えてもらい、人は変わることができると分かった」「いくつになっても(夜間中学などで)学びたい人がいることが分かった。
中学生の僕も一生懸命学ぼうと思った」などの感想があった(2)受講した生徒や保護者、地域の人からは講演に対する否定的な反応は一切ない3地域の人々が「開かれた学校」として学校に関心を持ってくれている−ことなどを紹介し、前川氏の講演は授業目的にかなった内容であったことを報告。「政治的な偏向」などを突きたかったであろう文科省の思惑は見事に論破された形だ。
教育現場への不当な介入には今後も警戒が必要
その後、今回の講演を自民党の国会議員が問題視し同省に働きかけたことが報じられる一方、前川氏は18日の記者会見で、文科省が個別の授業内容に踏み込むのは「禁じ手」と断じている。教育基本法にも抵触する教育現場への不当な介入には、今後も警戒が必要だ。 

 

 
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前川氏講演内容調査は学校・生徒・保護者の主体性と言論侵害の思想調査 4/3
文部科学省前事務次官前川喜平氏が今年2018年2月16日に名古屋市立八王子中学校の授業で講演を行った。 
前川講師問題 中学校授業で行った講演要旨(毎日新聞2018年3月16日)
今の肩書は、自主夜間中学のボランティアなどのほか、国会参考人というのもある。奈良県で生まれ小学生の時に東京に引っ越した。学校になじめず登校しようとすると体調が悪くなった。不登校の気持ちは分かる。
小、中学生の頃は引っ込み思案だった。人間は自分で自分の性格を変えられる。たくさんの人の前で平気で話せるようになった。
自動運転やロボット技術の進展で、今ある仕事の半分は30年以内になくなる可能性が高いと言われる。生涯にわたって学ぶ力がないと。学ぶ力や考える力を中学生や高校生の間に身に着けてほしい。
日本人だけでなく、いろいろな文化を持った人と一緒に社会をつくっていくことになり、対等に認め合うことが大きな鍵になる。
夜間中学は義務教育の内容を全ての人に教える場所として非常に貴重だが、公立は全国に31校しかない。公立夜間中学を全国につくる活動をしている。(共同)

この講演に対して2018年3月1日、文部科学省の課長補佐からこの学校を所管する名古屋市教育委員会宛てに前川喜平氏が天下り問題で辞任したことや、出会い系バーの店を利用していたことを指摘、「道徳教育が行われる学校にこうした背景のある氏をどのような判断で授業を依頼したのか」、さらに存在するなら録音の提供等15項目に亘って質問、文書で回答するよう求めるメールが届いた。
15項目の質問内容と3月6日付の2度目の質問内容は趣旨が難解な一部を除いて下記マスコミが伝えている。各質問と市教委の各回答を対置させているが、回答はアクセスして知って貰うことにして、意図・目的を知って貰うために質問だけを抜き出すことにした。
文科省の質問と名古屋市教委の回答(全文)(中日新聞/2018年3月17日) 
質問1 八王子中学校における総合的な学習の時間では、全体計画における全体テーマを「さまざまな人の生き方を学び、自分の生き方を考える」と設定されていますが、今回の前川氏の講演による授業は、同氏のどのような生き方を学ぶことをねらいとし、また生徒はどのような生き方を考えていくことをねらいとして実施されたのか具体的かつ詳細にご教示ください。特に、総合的な学習の時間は、各学年ごとにそれぞれの取り組みを行っているにもかかわらず、この授業は3学年一斉に行っていますが、各学年ごとに同氏を招いたねらいは何か、具体的にご教示ください。
質問2 今回の前川氏の講演による授業を行った主たる目的は何だったのか。生徒たちに何を伝えたかったのか。そしてこれはどのように達成されたのかご教示ください。
質問3 前川氏は文部科学次官という教育行政の事務の最高責任者としての立場にいましたが、いわゆる国家公務員の天下り問題により辞職し、停職相当とされた経緯があります。また、報道などにより次官在任中にいわゆる出会い系バーの店を利用し、そこで知り合った女性と食事をしたり、時に金銭を供与したりしていたことなどが公になっています。こうした背景がある同氏について、道徳教育が行われる学校の場に、また教育課程に位置づけられた授業において、どのような判断で依頼されたのか具体的かつ詳細にご教示ください。
質問4 一般的に、ある方の生き方に学ぶことをねらいとする場合、その方のそれぞれの生き方などを詳しく説明した上で授業に臨むことになると思われますが、今回の前川氏の授業に当たって、同氏の経緯について、生徒にあらかじめ(あるいは事後に)説明をした上で授業に臨んだのでしょうか。その場合、具体的にはどの程度の経緯を説明されたのでしょうか、具体的かつ詳細にご教示ください。
質問5 今回の総合的な学習の時間における前川氏の講演を「全校一斉総合」として、保護者やマスコミ等にも開いた公開授業としたと承知していますが、一般的に、同校では総合的な学習の時間の授業をこのような形で公開されるのでしょうか。また、今回公開したねらいや意図は何でしょうか。具体的かつ詳細にご教示ください。
質問6 さまざまな人の生き方を学ぶ観点から、同校の総合的な学習の時間において、前川氏以外にもいろいろな方から話を聞く機会があったと思われますが、具体的にどの学年の学習で、具体的にどのような方からどのようなねらいで話を聞く機会があったのか、具体的かつ詳細にご教示ください。
質問7 前川氏以外に外部講師を招いている場合、今回と同様に公開授業として行ったのかそうでないのかご教示ください。また、公開とした理由(あるいは公開としなかった理由)も併せてご教示ください。
質問8 前川氏を同校に外部講師として依頼したのは、具体的にはいつ頃かご教示ください。特に、報道によれば、3年ほど前から校長が前川氏と面識を得て昨年から依頼をしていたとのことですが、これは事実でしょうか。また、校長は個人的な関係を基に招いたということでしょうか、ご教示ください。
質問9 前川氏の公開授業を行うことについて、事前または事後に保護者から意見や反応等はなかったのかご教示ください。
質問10 前川氏の公開授業を行うことについて、事前または事後に生徒から意見や反応等はなかったかご教示ください。
質問11 今回の前川氏の講演による授業について、講演録や録音データ等がありましたら、ご提供ください。
質問12 前川氏を講師で招いた際の交通費や謝金の支出はあったのかどうか、あった場合、それらの金額はいくらか。また、それらの経費はどこから出ているのか、具体的にご教示ください。また、同氏以外の外部講師の交通費や謝金の扱いはどうなっているかも併せてご教示ください。
質問13 報道によれば、前川氏は今の肩書を聞かれ「国会参考人です」と答えたとありますが、これは事実でしょうか。また、この国会参考人とは、いわゆる天下り問題または加計学園の問題に関して国会に招致されたことを指したものと考えられますが、こうしたことが授業の場において話されたことについて、校長はどのように認識し、どのように生徒や保護者に説明したのか、具体的かつ詳細にご教示ください。
質問14 報道によれば、今回の授業には、生徒約300人以外に保護者ら200人が訪れたとありますが、これは事実でしょうか。また、「保護者ら200人」とありますが、このうち、保護者はどの程度参加し、保護者以外としてはどのような方がどの程度参加されたのでしょうか、また、動員等が行われた事実があったかなかったか、明確にご教示ください。
質問15 学校設置者の名古屋市教育委員会として、上記の経緯を含め、今回の前川氏の講演による授業をどのように判断しているか、お考えをご教示ください。
6日付2度目の追加質問
質問1 「天下り問題は、文科省ひいては国家公務員全体の問題であると認識しています。(中略)いずれも今回の講演を依頼する障害になると考えませんでした。」とありますが、前川氏は、いわゆる天下り問題について自らが直接関与したことが認められ、省全体の責任者としての責任のみならず、本人自らの非違行為を理由として停職相当とされましたが、校長はこの事実をご認識されていたのでしょうか。
質問1−2 質問「1」にあるような責任を問われた方が学校において授業を行ったことに関する名古屋市教育委員会としての見解を具体的にご教示ください。
質問2 回答3(5日付)について
「また、バーうんぬんについては、良心的な目的であったことが報道されています。いずれも今回の講演を依頼する障害になると考えませんでした。」とありますが、報道の中には、出会い系バーに、頻繁に出入りしていたことや教育行政のトップとして不適切な行動であること、「文部科学省は青少年の健全育成などを所管しているのだから、そのトップは当然、一般よりも厳しい倫理行動規定を自ら課さなければならない。違法な店ではなかったとしても、国民から不適切な行動だと言われても仕方がなく、疑われるような行動は取るべきではない」といった報道も見られます。これらの報道について、校長は認識されていたのでしょうか。また、これらの報道を含めて考えた場合、今回前川氏を招いた判断は校長としてどのように認識されているか、改めて具体的にご教示ください。
質問2−2 質問「2」について、名古屋市教育委員会としての見解を具体的にご教示ください。
質問3 回答4(5日付)について
「生徒には先入観や思い込みなしで話を聴いてもらおうと意図したので、事前に特定の事柄だけを詳しく説明する必要はないと考えました。」とありますが、実際に生徒には事前または当日に、前川氏をどのように紹介されたのか、具体的にご教示ください。全く肩書や経歴などは触れないで紹介されたのでしょうか。
質問4 回答4(5日付)について
「保護者や関係者向けの案内に、簡単なプロフィルは載せました。」とありますが、「簡単なプロフィル」とは具体的にはどのようなものでしょうか、具体的にご教示ください。
質問5 回答6(5日付)について
木村泰子氏、西川千雅氏、防災ジレンマゲーム“クロスロード”、水野孝一氏、避難所運営ゲーム“HUG”体験を招いた授業について、これらの方は全て総合的な学習の時間において招かれたのか、道徳の時間で招かれたのか、それぞれご教示ください。回答6の文面からすると、今年度の総合的な学習の時間で招かれたのは前川氏のみとも読み取れるのですが、それでよろしいでしょうか。
質問6 回答6(5日付)について
木村泰子氏、西川千雅氏、防災ジレンマゲーム“クロスロード”、水野孝一氏、避難所運営ゲーム“HUG”体験を招いた授業については、保護者や地域住民はどれほどの人数が参加されたのか具体的にご教示ください。
質問7 回答9及び10(5日付)について
保護者及び生徒からはポジティブな反応ばかりとのことですが、ネガティブな反応は全くなかったと理解してよろしいでしょうか、ご教示ください。
質問8 回答11(5日付)について
本授業は、マスコミなどにも全て公開で開催されたものと理解しており、録画記録を外部に提出することについて、本人の許可が必要とされる理由をご教示ください。また、「まとめたもの」についてはご提供いただけないでしょうか。
質問9 回答13(5日付)について
「肩書は?」と前川氏に尋ねたのは、どのタイミングであったのかご教示ください。(冒頭の校長による前川氏紹介の際か、司会による質疑応答の際か)
質問10 回答13(5日付)について
「『国会参考人』と答えられたことについて、特に、つっこんだり、説明したりせず、全くスルーしました。」とのことですが、「国会参考人」という言葉は生徒たちには何の注釈もなく受け入れられ、理解される用語でしょうか、ご教示ください。
質問11 回答14(5日付)における「大人200人のうち、学区・北区内住民約100名、教育に関心のある方約40名について」
(1)これらの方々には、どのようにして授業の案内を出されたのか、具体的にご教示ください。

どの質問を取っても、学校・生徒・保護者に任せるべき主体性(自分の意志・判断で行動する態度)を侵害している。「質問1」を例に取ってみる。
質問1 八王子中学校における総合的な学習の時間では、全体計画における全体テーマを「さまざまな人の生き方を学び、自分の生き方を考える」と設定されていますが、今回の前川氏の講演による授業は、同氏のどのような生き方を学ぶことをねらいとし、また生徒はどのような生き方を考えていくことをねらいとして実施されたのか具体的かつ詳細にご教示ください。
特に、総合的な学習の時間は、各学年ごとにそれぞれの取り組みを行っているにもかかわらず、この授業は3学年一斉に行っていますが、各学年ごとに同氏を招いたねらいは何か、具体的にご教示ください。 (以上)
〈同氏のどのような生き方を学ぶことをねらいとし、また生徒はどのような生き方を考えていくことをねらいとして実施〉したのかどうかは学校・生徒・保護者に任せるべき主体性の範囲にとどまる。当然、文科省に対して、「余計なお世話だ」と言うことができる。
〈各学年ごとに同氏を招いたねらい〉にしても、学校・生徒・保護者の主体性に任せるべき事柄であろう。
例え学校が決めた講演内容と講演者であったとしても、適・不適、あるいは妥当・非妥当は生徒・保護者が自らの意志・判断で主体的に評価づけるべき事柄であって、生徒・保護者の大多数が不適・非妥当と評価したとき、いわば学校の主体性に信用が置けなくなった場合、講演内容と講演者を決めた当事者である学校自身に善処を求めるべきであって、この求めに対して学校が対応不能を来たしたとき、学校を管理・指導する立場の教育委員会の出番となって、その主体性に基づいて問題解決を図るべきで、そこでも問題解決ができなければ、県教育委員会、さらに文科省と進むべきであって、文科省が最初から学校・生徒・保護者の主体性を侵害する形でいきなり問い質していい事柄ではないはずだ。
学校・生徒・保護者の主体性の侵害は学校教育の侵害に当たる。教育行政を所管する文科省が学校教育の侵害に足を踏みコム逆説は許されないはずだ。
文科省の質問メールは学校・生徒・保護者の主体性の侵害=学校教育の侵害に終わらない。学校と前川喜平氏の思想調査となっている。このことは「質問3」に象徴的に現れている。
〈前川氏は文部科学次官という教育行政の事務の最高責任者としての立場にいましたが、いわゆる国家公務員の天下り問題により辞職し、停職相当とされた経緯があります。また、報道などにより次官在任中にいわゆる出会い系バーの店を利用し、そこで知り合った女性と食事をしたり、時に金銭を供与したりしていたことなどが公になっています。
こうした背景がある同氏について、道徳教育が行われる学校の場に、また教育課程に位置づけられた授業において、どのような判断で依頼されたのか具体的かつ詳細にご教示ください。 〉――
「国家公務員の天下り問題により辞職し、停職相当とされた」人物、「次官在任中にいわゆる出会い系バーの店を利用」した人物、「そこで知り合った女性と食事をした」人物、そこの女性に「時に金銭を供与したりしていた」等の人物評価は前川氏の性格の一つと見ている犯罪性の指摘であって、講演者の犯罪性を指摘して、「道徳教育が行われる学校の場に」、さらに「教育課程に位置づけられた授業に」講演に招いた『判断」を尋ねているのは学校の思想調査そのものであろう。
前川喜平氏が持つと見ている犯罪性の指摘にしても、その思想を問題視しているのであって、前川喜平氏に対する思想調査を自ずと提示していることになる。
また文科省がメールで“学校の思想調査”を行うことになった発端はマスコミ記事を纏めると、講演を報じた中日新聞を読んだ自民党文科部会長で参議員議員の赤池誠章が文科省官房長の藤原誠に「内容を確認してみてはどうか」と連絡、文科部会長代理で衆議院議員の池田佳隆から記事の提供を受けて名古屋市教育委員会に電話で授業内容を確認、その報告を赤池誠章と池田佳隆に行い、さらに質問内容を両氏に見せた上で2カ所についての両氏のコメントを参考にして質問を作成したことから始まっている。
要するに自民党の赤池誠章と池田佳隆が前川喜平氏の思想を問題視して講演に招いた八王子中学校の思想調査を行うに至った。と言うことは、自民党の二人は学校の思想次第で文科省の力を借りて言論を侵害する意図を内心に隠していたことになる。
赤池誠章も池田佳隆も政策や歴史認識が安倍晋三に近いということだから、当然の行動であり、その行動に文科省が逆らえずに言論侵害の手助けをしかかっていたと言える。
文科相の林芳正は2018年3月16日の記者会見で誤解を招いた点は認めたものの、調査自体は適切だったと述べている。
記者「文科省が個別の授業について問合せをしたり調査したりするということは異例ではない、通常のことだということでよろしいでしょうか。それが一般的なことだとして、何か根拠法令にそういったものがあるのでしょうか」
林芳正「授業内容を調査するということは、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第48条というのがございまして、文部科学大臣は都道府県又は市町村に対し、学校の教育課程、学習指導、その他学校運営に関し、指導及び助言を与えることができるとされております。その権限を行うために必要があるときは、同法第53条1項に基づきまして、必要な調査を行うことができるとされております。従ってこういう条文上、個別の授業内容についてもこれらの規定に基づいて国が調査を行うことは可能であると考えております」
「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」
第1章 総則
(この法律の趣旨)
第1条 この法律は、教育委員会の設置、学校その他の教育機関の職員の身分取扱その他地方公共団体における教育行政の組織及び運営の基本を定めることを目的とする。
第48条 地方自治法第二百四十五条の四第一項の規定によるほか、文部科学大臣は都道府県又は市町村に対し、都道府県委員会は市町村に対し、都道府県又は市町村の教育に関する事務の適正な処理を図るため、必要な指導、助言又は援助を行うことができる。
第53条1項 文部科学大臣又は都道府県委員会は、第48条第1項及び第51条の規定による権限を行うため必要があるときは、地方公共団体の長又は教育委員会が管理し、及び執行する教育に関する事務について、必要な調査を行うことができる。
第51条 文部科学大臣は都道府県委員会又は市町村委員会相互の間の、都道府県委員会は市町村委員会相互の間の連絡調整を図り、並びに教育委員会は、相互の間の連絡を密にし、及び文部科学大臣又は他の教育委員会と協力し、教職員の適正な配置と円滑な交流及び教職員の勤務能率の増進を図り、もつてそれぞれその所掌する教育に関する事務の適正な執行と管理に努めなければならない。

この法律の趣旨は第1条で、〈地方公共団体における教育行政の組織及び運営の基本を定めることを目的とする〉と規定することで、国または地方公共団体が公教育のための諸条件を整備・確立し、教育政策を運営することが役目の教育行政を対象としていることになり、第48条で、〈都道府県又は市町村の教育に関する事務の適正な処理〉を対象に〈必要な指導、助言又は援助を行うことができる〉と定め、第53条1項で、〈地方公共団体の長又は教育委員会が管理し、及び執行する教育に関する事務〉を対象に〈必要な調査を行うことができる〉とし、第51条で教育に関する事務を各自治体教育委員会相互連絡調整や教職員の適正な配置と円滑な交流及び教職員の勤務能率の増進等に置いて、これらの事務の適正な執行と管理を求めている。
当然、「必要な指導、助言又は援助」、あるいは「必要な調査」とは「教育に関する事務」を対象にした規定であって、授業内容やカリキュラムについてではない。
その証拠に検索文字で確認しただけだが、この法律のどこにも授業内容やカリキュラムの適否に触れている箇所は一つとして存在していない。ましてや思想調査を「必要な調査」の一つに加えてなどいない。
要するに思想的にも政治的にも安倍晋三と極めて近親性を持った自民党保守の赤池誠章と池田佳隆が自らの思想に基づいて前川喜平氏の思想とその思想を許容した学校の思想を問題視して、その問題視に文科省が呼応して講演内容を調査、何らかの不備を見つけたら、学校を批判して前川氏の学校での講演を断とうとしたということであろう。
赤池誠章と池田佳隆、文科省が首尾よく目的を果たしていたなら、学校・生徒・保護者に任せるべき主体性の否定と前川氏や学校に対する言論侵害を否応もなしに現出させることになっていたはずだ。 
文科省回答「納得できない」=前川氏授業問題で河村市長−名古屋 4/3
文部科学省の前川喜平前事務次官が名古屋市立中学で行った授業をめぐる問題で、同市の河村たかし市長は3日、市庁舎内で記者団の取材に応じ、市の質問状に対する同省からの回答について、「納得できない」と反発した。
河村市長は「道徳とは何かについて文科省が一定の価値判断を示し、調査できることになれば、思想統制につながる」と批判した。事実関係を十分調査せず前川氏を招いたとされた点も、「あたかも何も知らなかったような書き方は間違っている」と指摘した。
今後の対応については、「誰が(当初の問い合わせメールを)作ったのか国会で明らかにしてほしい」と述べ、国会での審議に期待を示した。再度質問状を送付する可能性にも言及した。 

 

 
 
 

 

前川喜平
日本の文部科学官僚。文部科学省官房総括審議官、官房長、初等中等教育局長、文部科学審議官(文教担当)、文部科学事務次官を歴任。
奈良県御所市生まれ。小学校4年時の1963年に一家で東京へ転居し、1967年に麻布中学校・高等学校へ入学。1973年に東京大学へ入学し、1979年に同大学法学部を卒業して文部省に入省した。
1981年に結婚。1986年9月、宮城県に出向し同県教育委員会行政課長。1989年2月、在フランス大使館一等書記官。1992年3月、文部省に戻り同省官房政策課政策調査官。1993年4月、同省官房政策課政策企画官。
1994年6月、文部大臣与謝野馨の秘書官事務取扱として、「文部省と日本教職員組合(日教組)との歴史的和解」に関わる。1995年10月、同省教育助成局財務課教育財務企画室長。
1997年7月、文化庁に出向し同庁文化部宗務課長。1998年7月、高等局主任視学官兼中央省庁等改革推進本部事務局参事官。2000年6月、文部省に戻り同省教育助成局教職員課長。2001年1月、中央省庁再編に伴い所属が文部科学省に変わり、同省初等中等教育局教職員課長。2001年7月、同省初等中等教育局財務課長。2004年7月、同省初等中等教育局初等中等教育企画課長。
2010年7月、大臣官房総括審議官。2012年1月、官房長。2013年7月、初等中等教育局長。2014年7月、文部科学審議官。2016年6月、文部科学事務次官。2017年1月20日、文部科学省における再就職等規制違反を受け文部科学事務次官を退任。
加計学園問題を巡る発言
加計学園問題を巡り、2017年(平成29年)5月25日に記者会見を行い、加計学園による獣医学部新設の件で、内閣府から文科省に「私が在職中に専門教育課で作成されて受け取り、共有していた文書であり、確実に存在していたものだ」「私が発言をすることで文部科学省に混乱が生じることは大変申し訳ないが、あったものをなかったことにはできない」などと述べ、文部科学省で作成された文書であると主張した。
国家戦略特区として今治市と加計学園が選定された経緯については、「結局押し切られたことについて事務次官だった私自身が負わねばならない責任は大きいと思っている」「極めて薄弱な根拠で規制緩和が行われた。公平、公正であるべき行政の在り方がゆがめられたと思っている」などと発言し、国会の証人喚問を受けてこれらの内容を証言する意向を示した。
文部科学省は当初、調査したが該当する文書の存在は確認できていないとしていたが、同年6月9日、1度目の調査結果が発表された後、複数の現役職員から文科省の幹部数人に対し、文書は省内のパソコンにある、といった報告があったものの、こうした証言は公表されず、事実上、放置されていたことが明らかとなり、再調査の結果、6月15日に「官邸の最高レベルが言っている」「総理のご意向だ」などと言われたなどと記録された文書14点の存在を確認したことを公表した。
再調査結果の公表を受け、前川は6月23日に記者会見を開き、文科省について「一定の説明責任は果たし、隠蔽(いんぺい)のそしりから免れたのはうれしく思うと述べ、松野博一文科相も大変苦しいお立場なので、敬意を表したい」と述べた上で、「こうした文書が次々と出てくることで、国民の間で疑惑は深まっており、内閣府や首相官邸が様々な理由をつけて事実を認めようとしていないことは、不誠実であり、真相の解明から逃げようとしている」と発言した。
前川の「行政がゆがめられた」との主張に対し、内閣官房長官の菅義偉は「まったく当たらない」と反論。文部科学大臣の松野博一は「文科行政がゆがめられているという認識はない。適正な手続きで国家戦略特区が進められている」、総務大臣の高市早苗は「ゆがめられる恐れがあるなら、官僚のトップとして意見の食い違う他省と話し合うべきだ。理解できない発言だ」、地方創生担当大臣の山本幸三は「天下り問題を問われて辞めた方だ。文科省の信頼失墜の責任もあるのではないか」などと批判した。また、農林水産大臣の山本有二は前川の「農水省が獣医の将来需給を算出しなかった」との発言について「熱心に聞いていただいたかと(疑問に)思う。もっと真剣にやっていただきたかった」と非難した。
文書の出所について、前川は6月23日の記者会見で「『総理のご意向』と書かれた文書は、前川さんが報道機関に流したのか」との質問を受け、「情報の流出元については私はコメントしない、ということでご理解いただくしかない。」と答えた。7月10日の参議院閉会中審査では平井卓也の「『総理のご意向』というような文書、これは前川さんが流出元ではないかと報道されているが、まさかそんなことはないと思う。そのことについてイエスかノーかでお答えください」との質問に対し、前川は「文書の提供者が誰であるかということについては、お答えを差し控えさせていただく」と述べた。
7月24日の衆参予算委員会閉会中審査で、小野寺五典の質問に対し前川は内閣総理大臣補佐官の和泉洋人から9月9日に国家戦略特区の獣医学部新設について「文部科学省の対応を早く進めろ」という指示を受け、「総理は自分の口からいえないから代わりに私が言うんだ」という話があったと証言した。これに対し和泉は「一般論としてスピード感をもって取り組むことが大事だと言っただけなので、具体的なことについて、加計学園等には一切触れていない」と証言し、小野寺の再質問に前川は「その時点において獣医学部を作りたいという意向を持っていたのは学校法人は加計学園のみ」であったため、「加計学園しかない」という文科省内で存在していた「共通の理解」として「加計学園」という個別の指示であると受け止めたと発言した。小野寺が9月9日の時点で京都産業大学の獣医学部新設検討の件も存在していたことを指摘すると、前川は「京産大が意向があるということは確かにあったが、具体化したものはなかった。むしろその時点で具体的な計画として意識していたのはやはり今治市の加計学園しかなかった」「国家戦略特区における獣医学部の新設という話になれば、これはとりもなおさず加計学園のことだろうという認識はもっていた。従って、獣医学部の話だということはニアリーイコール加計学園のことだろうという認識はもっていたのは事実だ」と述べた。
また、同日の審査で、前愛媛県知事の加戸守行が、審査前の取材時にテレビ局から見せられた前川のインタビュー映像において、前川が第1次安倍内閣のもと加戸が教育再生実行会議の委員になった理由を「あれは安倍首相が加戸さんに加計学園の獣医学部の設置を会議で発言してもらうために頼んだんですよ」と述べていたことについて、その場で記者に否定し「安倍首相が加戸氏に頼んだ」という部分は全国放送されなかったと主張した上で、「(前川氏は)安倍首相をたたくために、全国に流れるテレビの取材に応じた。私の取材ができていなければ、流れていたかもしれない」とし、「なぜ虚構の話をするのか。作り話をしなければならない彼の心情が理解できない」と前川を批判した。これについて、前川は「誤解だ。『総理に頼まれてその発言をした』と言った覚えはない」と述べている。教育再生実行会議の議事録によると、加戸は「加計学園」に関する言及は一度も行っていない。
人物
座右の銘は「面従腹背」。教育基本法改正や道徳の教科化は「やりたくない仕事」だったという。
実家は旧秋津村の地主で、祖父は産業用冷凍機メーカー前川製作所の創業者である前川喜作。
秋津村周囲には被差別部落があり、被差別部落の住民たちが不当に扱われているのを目の当たりにして、地主の子でありながら子供心に社会構造の矛盾に気付き、弱者へ寄り添った考えに目覚める。
父親は奈良県出身だが、母親は東京育ちだったため、奈良県にいた子供時代、外で友達と遊ぶときは土地の方言を使い、家で親と話すときは東京の言葉(それも女性が使う言葉)を使っていた。
進学した麻布中学校・高等学校には学園紛争の波が及んでおり、「自分の正義は自分でつかむしかない」という信念を培ったという。父や祖父の影響で仏教に興味を持ち、大学時代は仏教青年会で活動していた。
文部科学省事務次官の退官後、週に1回、厚木市と福島市で自主夜間中学校の講師として活動している。「人にはいくつになっても学ぶ権利があり、学べる手立てが講じられるべきだ」との考えから、夜間中学は義務教育の最後のよりどころであるとして、夜間中学の拡充を訴えている。
天下りあっせん問題
2017年2月7日の衆議院予算委員会では他の関わったOBや現役の文部科学省の官僚と共に招致されて、前川は「文科省と日本政府への(国民の)信頼を損ねた。万死に値する」として謝罪した。
2017年1月上旬、文科省から官邸側へ前川の定年延長の打診がされたが官房副長官の杉田和博が「前川氏は責任を取って辞めるべきで、定年延長は難しい」と回答し、前川から「せめて(定年の)3月まで次官を続けさせてほしい」という要求があったが杉田が「こうした問題に関する処分は、まずは事務方のトップが責任を取ることを前提に議論しないといけない」と無理であることを直接伝える。1月20日に辞任が認められ、その際に文部科学省全職員へ、自身を反面教師とし遵法意識の徹底に努めるべきとするメールを送信していることが、朝日新聞で報じられている。前川は「引責辞任は自分の考えで申し出た」と主張する一方、官房長官の菅義偉は「私の認識とは全く異なる」「当初は責任者として自ら辞める意向をまったく示さず、地位に恋々としがみついていた。その後、天下り問題に対する世論の厳しい批判にさらされ、最終的に辞任した」と述べている。退職金は2月17日付で支払われ、前川と同じ勤続条件37年で事務次官で自己都合退職の場合の支給額は約5610万円であると報じられる。
一連の問題を巡り、前川は2017年1月に2ヵ月間減給10分の1の懲戒処分を受けた。さらに同年3月、天下り斡旋の違法行為による停職相当の懲戒処分が発表された。
前川は後に、2017年6月23日の日本記者クラブの記者会見で、「再就職等監視委員会の指摘を受けて、改めて違法行為というものが明るみになって、その時点で私は違法行為についての認識をするに至ったということですから、知っていたのに是正しなかった、ということは当たらないと思っております」と発言している。
また、文部科学省事務次官の退職意向を申し出た日付について、前川は2017年1月5日であると述べているが、文部科学大臣の松野博一は同日について「京都視察で10人近くが常に一緒にいた。込み入った話を受けられる状況ではなかった」と述べ、前川の主張を否定している。5日当日の松野のスケジュールは、朝から夕方まで「文化庁の京都市内の移転対象4カ所の視察」に行き、前川ら文科省の幹部職員10名程度が帯同したまま昼食を取り、夕方には次の場所に移動したと述べている。松野は、前川から辞意を意向を聞いたのは1月中旬頃であったと述べている。 
 
 
 
 
 
 
 

 


 
2018/4