株価の波

株価
値上がりすれば 必ず値下がりします
波の周期のようなもの

最長8月頃まで 値下がりが続きます


「提灯理論」 素人の株式投資
 去年
貿易黒字 6年ぶり 16年度4兆円、震災後で初 2017/4/20
財務省が20日発表した貿易統計速報(通関ベース)によると、2016年度の貿易収支は4兆69億円の黒字となり、年度末に東日本大震災があった10年度以来、6年ぶりに黒字となった。3月の輸出は前年同月比12.0%増の7兆2291億円で、リーマン・ショックのあった08年9月以来の水準だった。中国向けの液晶デバイスなどがけん引し、アジア向けの輸出額が過去最高を記録した。
年度ベースの貿易収支は11年度から赤字が続いていた。東日本大震災で原子力発電所が停止し、火力発電所向けの燃料輸入が増えたためだ。16年度は原油相場の低迷と、対ドルで前年度比10%の円高になった影響で輸入額が減り、貿易黒字を回復した。
16年度の輸出は前年度比3.5%減の71兆5247億円。米国やサウジアラビア向けの自動車、欧州向けの鉄鋼が減少した。輸入は10.2%減の67兆5179億円だった。マレーシアやカタールからの液化天然ガス(LNG)輸入額が減ったほか、サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)からの原油輸入が減った。
足元の3月は輸出が好調だ。中国向けは前年同月比16.4%増の1兆2995億円で、5カ月連続の増加。2月に春節(旧正月)休暇後の反動増があった分、減るだろうとの事前予想を覆し、過去2番目の水準になった。自動車部品や電気回路の機器などは4割増えた。中国向けに加えて、タイ向けの鉄鋼なども好調で、アジア全体では日本からの輸出額が過去最大となった。
輸出は米国・欧州連合(EU)向けでも好調が続く。米国向けの輸出額は1兆3531億円と3.5%伸び、2カ月連続で増加した。日系企業の現地生産向け自動車部品や、原動機で2桁伸びた。EU向けはイタリアへの自動車輸出の伸びが寄与した。世界経済の追い風を受けて輸出に勢いがある。
一方、3月の輸入額は前年同月比15.8%増の6兆6144億円だった。原油市況が底入れし、サウジアラビアからの原油輸入額が増えた。オーストラリアからの石炭の輸入額が増えたことも影響した。輸出額から輸入額を引いた貿易収支の黒字は17.5%減の6147億円だった。2カ月連続の貿易黒字だが、好調な輸出を上回る輸入の伸びで、黒字額は縮小した。
16年度の対米の貿易黒字は6兆6294億円で、5年ぶりに減少した。大型車や鉄鋼などの輸出が減少した。トランプ政権は日本を多額の貿易赤字相手国の一つとみなす。日本から米国向けは、16年度通期で見ると自動車輸出が減り、足元ではトランプ大統領の意に沿う形で、現地生産向けの部品が伸びる構図だ。 
ブラックマンデーから30年、株価暴落の再来あるか 2017/10/20
1987年の株価大暴落から30年を迎えた19日、米国株は史上最高値を記録した。健全な企業業績と経済成長にもかかわらず、高騰するバリュエーションは、価格調整が迫っていることを意味するのではないかと投資家は危惧している。
たが、「ブラックマンデー」は今日、再び起こり得るのだろうか。現代の取引テクノロジー、株式市場の仕組みや投資資産の運営手法の変化を考えれば、1987年の暴落再発は想定しにくいだろう。それでも、慎重な投資家はその可能性を排除していない。
「われわれは、反応や過剰反応について、過去の過ちから多くを学んだ」と、オニール・セキュリティーズでニューヨーク証券取引所を担当するケン・ポルカリ氏は言う。
1987年10月19日、前週に発生したアジアと欧州市場での大幅な株価下落を受け、ダウ工業株30種.DJIは508ドル下落。下落率は22.6%で、1日の下落幅として史上最大となった。
現在でも1日最大20%下落することは可能だが、もっと秩序ある展開になると予想するのは、ワンダーリッチ・セキュリティーズのチーフ市場ストラテジスト、アート・ホーガン氏だ。
「われわれには、取引を一定時間停止して状況を分析し、通常取引を再開するための最善策を見極め、より落ち着いた対応をとる能力がある」と、ホーガン氏は言う。
1987年の暴落を受け、米証券取引委員会(SEC)は全銘柄が対象の「サーキット・ブレーカー」制度を導入し、ダウ平均が10%、20%、または30%下落した場合、強制的に一時取引を停止させるようにした。この制度が全市場で発動されたのは、1997年の1度だけだ。
サーキット・ブレーカー制度は2012年に改訂され、取引停止の発動基準を緩和した。また、ダウ平均に代わり、S&P総合500種.SPXをベンチマーク指標とした。
現在のルールでは、S&P総合500種が、米東部時間の午後3時25分までに7%下落した場合、取引は15分間停止する。取引再開後も下落が続き、まだ3時25分前であれば、下落率が13%に達した時点で再び取引が停止される。もし3時25分以降に下落が続いていた場合は、取引は継続される。だが下落率が20%に達した場合、時間帯に関わらずその日の取引は終了となる。
「業界は、87年から非常に大きく進歩している」と、コンサルティング会社TABBグループのラリー・タブ氏は言う。「規制当局は、不安定になる理由が何もない時には、市場が安定を維持していられるようなルールをちゃんと整備している」
市場の混乱を抑えるために導入された現行制度の多くは、2010年5月の「フラッシュ・クラッシュ」の後に導入された。この時は、ダウ平均が数分間の間に約9%にあたる1000ドル近く下落し、ふたたび短時間でほぼ回復した。
SECは2012年に「リミット・アップ、リミット・ダウン(値幅制限)」と呼ばれる規制を導入し、個別銘柄が直近の終値から一定の範囲を超えて変動した場合、その銘柄の取引を停止させた。
その後、2015年8月の市場混乱を受け、値幅の再設定と、取引再開に向けた手続きを定めることを余儀なくされた。その時は、中国経済の健全性への懸念からパニック売りが起きて買い手不足となり、ダウは取引時間中で過去最大となる1日の値下げ幅を記録した。
当日は455の個別銘柄と上場投資信託を巡る1250件以上の取引が停止となった。それによる市場の困惑が問題を悪化させたとみられ、一部の投資家は本来よりも低い価格での取引を余儀なくされた。
「どんなことでも起き得る」。エンパイヤ・エクセキューションのピーター・コスタ社長はこう話す。「コンピューター技術の導入と、それが市場を変えたスピードをみれば、何でも可能だ」
これまでに導入されたセーフガード機能が、1987年のような暴落の再発を防いでくれるだろう。だが、ダウ平均が18日、史上初めて2万3000ドルを突破し、高速自動取引が出現しているいま、一部の投資家は不安を隠せない。
「あの時のようなことが、起き得るだろうか」と、ローゼンブラット証券のゴードン・チャーロップ氏は、自問する。「そうだ、起き得る。だがそれがどう展開し、どんな結果になるのか。それこそ、彼らが投資する理由だ」  
11月貿易収支は6カ月連続黒字、中国向け輸出が過去最大を記録 2017/12/18
輸出から輸入を差し引いた日本の貿易収支は、11月速報で6カ月連続の黒字となった。市場予想は上回った。財務省が18日発表した。
背景
好調な海外経済にけん引され、輸出を中心に景気は堅調に推移している。政府の11月の月例経済報告は、景気は「緩やかな回復基調が続いている」との判断を6カ月連続で据え置いた。輸出はアジアや米国向けを中心に「持ち直している」とし、輸入は「持ち直しの動きに足踏みが見られる」としている。内閣府が8日発表した7−9月期の実質国内総生産(GDP、改定値)は速報値から上方修正され、年率2.5%増を記録。外需や設備投資が寄与し、7期連続のプラス成長となった。輸出は1.5%増と2期ぶりに増加。輸入は1.6%減だった。
エコノミストの見方
• 伊藤忠経済研究所の武田淳主席研究員は電話取材で「世界的な需要を受けた輸出の底堅い状態が続いていることが確認できた」と指摘。「輸入も拡大しているため、貿易黒字もそこまで拡大していない。基調としては前月とあまり変わらないが、良い部分がより際立っている」との見方を示した。
• SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミストは、発表後のリポートで「黒字確保は明確はポジティブ・サプライズ」とした上で、「世界経済の拡大に伴う需要増加及び輸出競争力を阻害しない為替水準が貢献し、日本の輸出は10ー12月期も増加基調を維持する」と予想した。丸山氏は、11月は祝日が多く輸出が数量面で減りやすいことから赤字を予想していた。
詳細
• 中国への輸出は過去最大の1兆3797億円、液晶デバイスなどの半導体等製造装置が68.9%増
• 中国からの輸入は11月として過去最大の1兆8107億円、新型アイフォーン発売で通信機が46.9%増
• 米国向け自動車輸出は3.1%増、数量は2.7%減少も円安で価格に反映 
12月貿易収支は7カ月連続黒字、輸出堅調−市場予想下回る 2018/1/24
輸出から輸入を差し引いた日本の貿易収支は自動車や鉄鋼の輸出が伸び、昨年12月速報で7カ月連続の黒字となった。市場予想は下回った。財務省が24日発表した。
キーポイント
•  貿易収支は前年同月比43.5%減の3590億円の黒字(ブルームバーグ調査の予想中央値は5350億円の黒字)−前月は1122億円の黒字
• 輸出は9.3%増の7兆3021億円と13カ月連続の増加−前月は16.2%増
• 輸出数量指数は4.5%増と11カ月連続の増加
• 輸入は14.9%増の6兆9431億円と12カ月連続の増加−前月は17.2%増
背景
世界経済の回復を背景に、輸出は堅調に推移している。日本銀行が23日に発表した経済・物価情勢の展望(展望リポート)は、現在の輸出は「増加基調にある」と分析。2018年度までの先行きについても「緩やかな増加を続ける」と予想した。海外経済の成長を受けた輸出の増加は19年度に入っても続き、「景気を下支えする」とみている。
政府の1月の月例経済報告は、景気判断を「緩やかに回復している」へと7カ月ぶりに上方修正した。輸出はアジア向けを中心に「持ち直している」とし、輸入は「持ち直しの動きがみられる」と分析した。
エコノミストの見方
• 東海東京調査センターの武藤弘明チーフエコノミストは電話取材で、米国を含め「グローバルな景気自体が上向いている」と分析した。数量ベースの輸出にも「今のところ鈍化の兆しは出ていない」とみている。輸入については、原油価格上昇に伴う増加を見込む。
• みずほ証券の末広徹シニアマーケットエコノミストは発表後のリポートで「好調な中国向けの一般機械や半導体関連の輸出に陰りがみられれば、貿易黒字は一段と縮小するだろう」との見方を示した。
詳細
• 12月の輸出は08年9月以来の高水準−トヨタの現地工場閉鎖でオーストラリア向け自動車輸出が増加
• 中国向けの輸出は過去最大の1兆5072億円−携帯電話の部分品や半導体等製造装置が寄与
• 17年の貿易収支は前年比25.1%減の2兆9910億円、2年連続の黒字
• 17年の輸出は同11.8%増の78兆2897億円、2年ぶり増ー輸入も3年ぶり増加
• 17年の中国向け輸出は過去最大、EUからの輸入も過去最大 
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12/28〜2/1 の日経平均
縦軸 直近1年の日経平均の平均株価(20,592円)に対する 当日の上下
横軸 直近1年の日経平均の平均売買高(1,735,081,000株)に対する 当日の比率
         「提灯理論」 素人の株式投資
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NYダウ急落、665ドル安=9年ぶり下げ幅
週末2日のニューヨーク株式相場は、良好な米雇用統計を受けて利上げペースが加速するとの思惑から急落した。優良株で構成するダウ工業株30種平均は前日終値比665.75ドル安の2万5520.96ドルで終了。下げ幅は米金融危機の影響が拡大した2008年12月以来約9年ぶりの大きさとなった。
ハイテク株中心のナスダック総合指数は144.91ポイント安の7240.95で引けた。
労働省がこの日発表した1月の雇用統計は、平均時給が大きく上がるなど良好な内容だった。これを受け、市場ではインフレへの懸念が強まるとともに債券が売られ、長期金利が上昇。連邦準備制度理事会(FRB)が今年3回を想定する利上げペースが速まるとの見方が強まった。金利上昇が景気を冷やすとの警戒感から株式が売られ、ダウは一時696ドル安まで下げた。 
株急落、金利上昇を嫌気−ダウ666ドル安
2日の米株式相場は大幅安。ダウ工業株30種平均は666ドル下げ、2016年6月以来の大幅下落となった。金融当局が利上げペースを速めるとの懸念が広がった。
   • 米国株は急落、ダウ平均は666ドル下げる
   • 米国債も下落、10年債利回りは一時2.85%を超える
   • NY原油は反落、シェール増産懸念に加えドル高や株安が重し
   • NY金は反落、週間では今年最大の下落−雇用統計が予想上回る
米雇用統計が堅調な内容となり、経済の力強さが示されたことから国債相場が大きく下げ、株式市場にも動揺が広がった。さらに、ダラス連銀のカプラン総裁が今年3回を超える利上げが必要になる可能性を示唆した後、国債・株式相場ともに下げ足を速めた。10年債利回りは一時、2014年1月以降で初めて2.85%を超えた。
S&P500種株価指数は前日比2.1%安の2762.13。ダウ工業株30種平均は665.75ドル(2.5%)下げて25520.96ドル。米国債市場ではニューヨーク時間午後4時53分現在、10年債利回りが5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し2.84%。S&P500種の週間下落率は3.9%に達した。
ニューヨーク原油先物市場のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は反落。シェール油増産懸念に加え、ドルの上昇や株価の下落が重しになった。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物3月限は前日比35セント(0.5%)安の1バレル=65.45ドルで終了。週間では1%下落。ロンドンICEの北海ブレント4月限は1.07ドル下げて68.58ドル。
ニューヨーク金先物相場は反落。週間ベースでは昨年12月初旬以来の大幅安となった。米国の雇用と賃金の伸びが加速したことから、利上げペースも速まるとの観測が強まった。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月限は前日比0.8%安の1オンス=1337.30ドルで終了。週間では1.5%下げて、昨年12月8日終了週以来の大幅下落。
ルートホルド・ウィーデンの最高投資ストラテジスト、ジム・ポールセン氏は「利回りは上昇し、インフレの兆候は幅広く強まっている。これら2要素の組み合わせが強まり始めている」とし、「それに加えて今回の雇用統計だ。これが決定的な一撃となり、きょうの相場の動きにつながった」と述べた。
S&P500種では主要11業種全てが下落。エネルギー株は4.1%安。決算が期待外れだったほか、原油相場の下落が影響した。テクノロジー株は売りが加速。ナスダック100指数は 個別株ではアマゾン・ドット・コムが大きく上げたものの、アップルは昨年10月以来の安値となった。  
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NYダウ急落で23000円の攻防へ 底値固めの日柄が必要か?
5日(月)の日経平均は、米国株急落を受けて続落の想定です。
週末の米国株式市場は、強い雇用統計の結果を受けた金利上昇をきっかけに急落しました。NYダウの下げ幅は600ドルを超え、1日の下落率は1年8ヶ月ぶりの大きさになりました。
週末の海外市場を織り込んだシカゴ日経先物は−360円の22960円で大幅続落でした。先週末に反落していたのでNYダウほどは下がっていませんが、直近安値と大台を割り込みました。
週明けは売り先行で下値模索になりそうですが、為替が1ドル=110円台を回復していますから、いったんは23000大台で下げ渋りそうです。
しかしながら、先週に割り込んだ25日線が下向きに変化し始めるため、トレンド転換が意識されそうです。そうなると、押し目買いから戻り売りにスタンスが変わってしまうので、底値を固める日柄調整が必要になってくると思われます。
今日(3日)は節分なので「節分天井 彼岸底」の格言が取り上げられそうですが、格言を参考にするなら、底値を固めるのに1ヶ月から1ヶ月半くらいの日柄調整を覚悟する必要があるかもしれません。 
国内株式市場見通し / 主要企業決算続くが、日経平均のけん引役は期待薄
先週の日経平均は下落。前週1月24日から、先週31日まで6営業日続落で下落幅は1000円を超えた。1日は7営業日ぶりに反発をみせたが、週末2日は前日の上昇部分をほぼ帳消しにするなど、調整色の強い相場展開だった。米国では長期金利の上昇基調が強まるなか、NYダウは昨年5月以来となる300ドルを超える下落をみせた。円相場は昨年9月以来の1ドル108円台に乗せる場面をみせるなど、外部環境の不安定さも積極的な物色を手控えさせた。
もっとも決算発表が本格化している中では機関投資家は積極的には動けず、先物主導のインデックス売買に大きく振らされやすい状況であろう。その決算ではあるが、足元で円安効果が消失したことからみれば、概ね良好な内容とみられる。しかし、業績期待は相当織り込まれており、コンセンサスも切り上がっていたことから、好決算ながらも出尽くし感につながってしまっている。
今週も主要企業の決算が続くことになるが、まずは2日の米国市場が大幅に下落しており、この影響から調整色が一段と強まりそうである。1月の米雇用統計は非農業部門の就業者数が前月比20万人増と、市場予想の18万人増を上回ったほか、賃金は前年比で2009年6月以来の大幅な伸びとなった。この結果を受けて10年債利回りが急上昇。利上げペースが加速するとの懸念から終日軟調な相場展開となり、NYダウは665ドル安と大きく下落し、25日線を一気に割り込んできている。シカゴ日経225先物清算値は23000円を下回っている。
長期金利上昇は、本格的な景気拡大とそれにともなう米国経済正常化の期待感が背景にあるとみられるが、これまでの世界的な株高は金融緩和政策からの金余りによる影響が一因だったこともあり、利上げペース加速への思惑から一先ずポジション圧縮によるマイナス面が先行しているようである。そのため、しばらくは目先的なボトムを探る相場展開に向かいやすいだろう。
また、今週も多くの企業決算が予定されているが、指数インパクトの大きいところでは、7日のソフトバンクG<9984>の決算がポジティブサプライズとなって日経平均をけん引するとは考えづらいところであろう。株価はボトム水準での推移をみせており、アク抜けにつながれば日経平均の下支えとして意識される。6日のトヨタ<7203>についても高値圏での推移が続いていることもあり、大きな反応は期待しづらいところであろう。ただし、ホンダ<7267>が上方修正を発表し、PTS(市場外取引)では4000円を回復、ADR(米国預託証券)でも上昇している。また、同じく上方修正を発表したソニー<6758>は、ADRで4%を超える上昇となった。決算後の好反応が続くようであれば、日経平均も足元のもち合いレンジでの底堅さが意識されよう。
とはいえ、25日線を大きく上放れる材料が見当たらず、しばらくはこう着感の強い相場展開になりそうだ。また、平昌五輪が開幕することから、市場参加者の株式市場への関心が薄れる可能性もあるだろう。とは言えソニーやホンダの市場反応を見る限りでは市場のセンチメントは然程悪くはないだろう。そのため、決算を手掛かりとした個別対応での日替わり物色が続く格好となり、その間、日経平均の底入れを探る展開といったところであろう。また、先物主導のインデックス売買の影響を受けない中小型株の好業績銘柄等へは、目先的な調整局面においての押し目買いの好機となる可能性がありそうだ。
その他、主な経済スケジュールでは、5日に1月米ISM非製造業景況指数、1月ユーロ圏サービス業・総合PMI改定値、12月ユーロ圏小売売上高、1月中国財新サービス業・コンポジットPMI、6日に12月米貿易収支、12月米求人件数、12月独製造業受注、12月豪貿易収支、豪中銀政策金利発表、7日に12月景気動向指数、12月米消費者信用残高、12月独鉱工業生産、1月中国外貨準備高、8日に1月都心オフィス空室率、米新規失業保険申請件数、9日に12月第3次産業活動指数、12月米卸売在庫が予定されている。なお、8日に米暫定予算期限切れとなる。 
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先読みの練習
日本の株価 明日は暴落ストップ安
普段の取引の半分以上は 海外投資家 日本でも売りに転じます
証券会社 顧客の不安を煽るでしょう
株価の上げ下げに無関心 取引量の拡大 手数料で儲けます
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NYダウ

日経平均  2/5
直近1年の日経平均   
12/28〜2/5 の日経平均
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日本株は主要国最弱に転落、円高懸念も再浮上 2/6
日本株が世界最弱クラスに落ち込んでいる。日経平均.N225は連日の急落で年初からの下落率は5%を突破。現地通貨ベースでみて主要国では最大級の下げだ。流動性が高く売りの対象になりやすい面もあるが、世界的な株安が深刻化する中で、外需減速の懸念も浮上。「世界の景気敏感株」という位置付けが裏目に出ている。
足元の企業業績は好調
足元の企業業績にまだ陰りはみられない。6日に第3・四半期決算を発表したトヨタ自動車(7203.T)も今期(2018年3月期)予想を上方修正した。SMBC日興証券の集計によると、2日までに決算発表を行った東証1部上場企業(金融除く)の4─12月期経常利益は前年同期比24.4%増。進ちょく率は85.5%と上振れが期待される水準だ。
バリュエーションも低い。日経平均の予想EPS(1株利益)は5日時点で約1568円。決算シーズンスタートとなった1月23日から約2.7%の増加だ。EPSが上昇し株価が下落した結果、日経平均の予想PER(株価収益率)は6日時点で13倍台後半まで下落したとみられている。
しかし、日本株のパフォーマンスは連日の大幅安で急速に悪化。年初来のアジア主要国の株価(現地通貨ベース)でみて最も下落率が大きいのは日経平均の5.07%。欧米は5日までのデータだが、日経平均を超える下げはデンマークやカナダなどしかない。
「東京株式市場は流動性が高く、HFT(超高速取引)などのメイン市場となっている」(外資系証券のHFT担当者)とされ、株価急落の際には売りが集中しやすい。業績拡大期待が強いなら、株急落局面では相対的に落ち込みが小さくてもよいはずだが、足元の市場での動きは異なる。
来期を見始めた市場
株価がさえない日本の好業績銘柄も目立ってきた。市場予想を上回る業績見通しを発表したファナック(6954.T)や信越化学工業(4063.T)は、初期反応こそ良かったが、その後急落。発表日(1月26日)から6日までファナックが9.3%安、信越化学が10.9%安と、同期間の日経平均の8.5%よりも大きい下落率となっている。任天堂などのパフォーマンスも日経平均より悪い。
それまでの株価パフォーマンスがよかったために、利益確定売りの対象になりやすい面もある。しかし、投資家の視線は、もはや今期ではなく来期に移っており、その来期の業績に警戒感が強まっていることが日本株の売り要因になっているという。
「(株価は)短期のセンチメントに振らされている部分もあるが、今期は良いとして、来期に向けて買う理由を見いだせない銘柄もある」とベイビュー・アセット・マネジメントのファンド・マネージャー、谷川崇人氏は指摘する。
今期の日本企業の企業業績を押し上げたのは、中国や米国などの海外需要だ。しかし、「米消費は株高による資産効果で押し上げられている可能性がある。株安で逆回転が起きれば経済に悪影響が及びそうだ」とBNPパリバ証券チーフエコノミストの河野龍太郎氏は懸念する。
円高懸念も再浮上
日本株についてまわる円高懸念も再び浮上してきた。ドル/円JPY=は株式市場と比べると、比較的反応は穏やかだが、12月日銀短観における大企業・製造業の想定為替レート(下期1ドル109.66円)を下回る水準にある。
JPモルガン証券・チーフ株式ストラテジストの阪上亮太氏は「日本企業の来期の会社計画の対ドル前提レートが105円程度なら、微増益にとどまる可能性もある」とみる。
海外投資家はすでに売り越しに転じており、1月2─4週の累計(現物と先物の合計)で2兆円近くに達している。2017年からのトータルでみれば、まだ6000億円程度の買い越しだが、2月に入っての急落で売り越しに転じた可能性は大きい。日銀は連日、ETF(上場投資信託)買いを入れているが、「落ちるナイフ」を止めるのは難しい状況だ。
世界の「景気敏感株」として世界同時好況を享受してきた日本株だが、ミョウジョウ・アセット・マネジメントCEOの菊池真氏は、足元の株安が半年先の景気減速を織り込んでいるとすれば「景気敏感業種のウェートが高い日本株は米国株より下げ幅が大きくなってしかるべき」と話している。  
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日経平均大引け 4日ぶり反発、35円高の2万1645円
7日の東京株式市場で日経平均株価は4営業日ぶりに反発した。終値は前日比35円13銭(0.16%)高の2万1645円37銭だった。6日の米国株高で、日本株への投資家心理の悪化に歯止めがかかり買いが先行した。日経平均は朝方に前日比743円高の2万2353円まで上昇した。だが、午後になると戻り待ちの売りが増え、日経平均は急速に伸び悩んだ。日中値幅(安値と高値の差)は726円で、6日の1198円に続き連日で荒い値動きだった。  
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NYダウ、大幅続落=1000ドル超の下げ
8日のニューヨーク株式相場は、長期金利上昇を嫌気した売りに押されて大幅続落した。優良株で構成するダウ工業株30種平均は前日終値比1032.89ドル安の2万3860.46ドルと、約2カ月ぶりの安値で引けた。下落幅は、過去最大だった週初め5日に次ぐ大きさ。ハイテク株中心のナスダック総合指数も急落し、274.82ポイント安の6777.16で取引を終えた。 
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12/28〜2/9 の日経平均
一時1ドル108円50銭前後へ下落、NYダウ急落でリスク回避姿勢 
9日の東京外国為替市場のドル円相場は、午前10時過ぎ時点で1ドル=108円81銭前後と前日午後5時時点に比べ70銭強の大幅なドル安・円高で推移している。
東京市場では午前8時50分過ぎに一時108円49銭まで円高が進行。前日のNYダウが史上2番目の下げ幅となるなか、リスク回避のドル売り・円買いが膨らんでいる。前日夕方に比べ1円近い水準まで円高が進んだものの、6日につけた108円45銭を割り込まず下げ止まったことから、午前9時以降は買いが優勢となり、108円80銭台に値を戻している。日経平均株価も前日比700円強下落した後、下げ幅を縮小しており、株式市場を横にらみする展開となっている。
ユーロは対ドルで1ユーロ=1.2254ドル前後と同0.0010ドル強のユーロ安・ドル高。対円では1ユーロ=133円36銭前後と同1円00銭前後のユーロ安・円高で推移している。 
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NYダウは330ドル高、非常に値動きの荒い展開
9日の米国株式相場は上昇。ダウ平均は330.44ドル高の24190.90、ナスダックは97.33ポイント高の6874.49で取引を終了した。トランプ大統領が2年間の予算合意に署名し政府機関の閉鎖が解消されたほか、昨日の大幅下落を受けた買い戻しから買いが先行。しかし、アジア・欧州株が全面安となったほか、長期金利や株式相場の変動率の上昇が嫌気され急落した。その後、大幅安から切り返すなど非常に値動きの荒い展開となり、引けにかけて大きく上昇した。 
株価暴落
2月第1週の株式市場は、米国での株価暴落を受けて、日経平均が一時600円を超す大幅な下げで始まった。このような株式市場の暴落があると決まって「識者」たちの「アベノミクス終了宣言」とでもいうべき発言が出てくる。この種の「識者」たちの発想の前提には、アベノミクスは株価と円安だけしかもたらしていないという「妄念」があるように思える。雇用改善や経済成長の安定化などはまったく考えの中に入っていないようである。
米国の株式市場は、トランプ政権の発足直後からの積極的な財政政策への期待の高まりや、イエレン前連邦準備制度理事会(FRB)議長の雇用を重視した金融政策の正常化路線を背景にして、かなり高いパフォーマンスをみせた。だが、よく検証してみるとトランプ政権の経済政策は実際には「何もしなかった」に等しい。
政権発足当初の「目玉」であった大規模なインフラ投資はまったく実施されていない。議会を通過した減税政策だが、これもまだ実施には移されていない。金融政策については、トランプ大統領がこの1年、イエレン議長に対して信頼を置いていたようには必ずしも思えない。だが、FRBは金融政策の「正常化」を目指して、雇用に配慮しながら利上げを継続するスタンスを変えなかった。つまり、FRBと政府との協調において、基本的にオバマ前政権のものを継承しただけである。
さらに、貿易面では環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)からの離脱に典型的なように、これまた「何もしない」戦略を採用した。この1年のトランプ政権の「何もしない」政策スタンスは鮮明である。むしろ何もしなかったがゆえにオバマ前政権の遺産を継承して、経済が好循環したのかもしれない。実際に先週の前半まで、NYダウ工業株30種平均はこの1年で3割ほど上昇していた。経済成長率、雇用、物価上昇率ともに改善を続けていた。
今回のNYダウの9年ぶりとなる大きな下落に、なにか経済的な意味があるかどうかはもう少し情勢を見てみないとなんともいえない。このNYダウの下落は、トランプ政権の「何もしない」政策スタンスにいよいよ国民が失望したのか、それともイエレン氏に代わって新しいFRB議長に就任したパウエル氏の金融政策へのかじ取りに、市場が不透明感を抱いたのだろうか。
トランプ政権の「何もしない」政策スタンスは減税政策で変わるだろう、という見方もある。ただし法人税の引き下げが経済成長を高める効果があるかどうかは、欧米の経済学者たちを中心に激しい論争がある。これは日本のケースだが、1990年代冒頭から今日まで、何度かの法人税の引き下げを行ってきた。だが、法人税の引き下げにかかわらず、その時々の日本経済の状態は悪かったり良かったりさまざまである。つまり法人税の引き下げと経済成長は、消費と投資増加という因果関係で結ばれていないかもしれない。
後者については、雇用を重視していたイエレン氏が金融引き締めとなるようなシグナルを発する政策を採用することはなかった。ただし、金融政策の「正常化」、すなわち金融政策の手段として名目金利のコントロールを明示的に回復することを狙った。イエレン氏は最近、テレビ番組に出演した際に、議長に再任されなかったことを率直に残念がっていた。今度のパウエル議長は当面はイエレン氏の手法を継承すると思われるが、イエレン氏ほどの実績を残せるのかどうか不透明感がある。この意味でトランプ政権側にも政策の不透明感、そしてFRBにも不透明感が消えない。これらが市場の懸念を生み出し、暴落に至ったのかもしれない。いずれにせよもうしばらく事態を見ないとなんともいえない。
もし仮に、1年経過したトランプ政権の成果への失望、そしてパウエル新議長が金融政策の正常化よりも金融引き締めに移行するのではないか、という懸念が相まって今回の株価暴落に至ったとしたらどうだろうか。日本株の暴落は今回だけの問題ではなくなるかもしれない。
ところで、日本経済は昨年の世界経済の堅調を背景にして、日本銀行の金融緩和政策の継続とともに実体経済を含めて堅調に推移した。ただし、インフレ目標の達成は今年も厳しい状況だろうし、その半面で完全雇用に到達してその後の安定的な賃金上昇などの所得拡大が本格化するまではまだ道半ばだろう。極度に悲観するのは禁物だが、楽観もできない。今回のような海外からのショックが長引けば経済が再び失速する可能性はある。だが、日銀の金融緩和の姿勢が変わらなければ、中長期的にはこれまた極度の悲観は禁物だろう。
現在、国会で与野党の論戦が展開されている。興味深い論点もあるが、少なくともマクロ経済政策については、与野党の論戦は不毛な状況が続いている。ひとつには民主党政権の後継政党たち(立憲民主党、希望の党、民進党など)といった「民進党なるもの」の経済政策が、単なるアベノミクスの全否定に傾斜しており、それが事実上のマクロ経済政策の無策に直結しているからだ。
立憲民主党の経済政策は、個別の再分配政策のメニューが並ぶだけである。消費税をいますぐに上げることはできないといいつつ、同党をはじめ「民進党なるもの」が国会で消費税凍結を最大の論争点にしている動きはない。むしろ相変わらずの森友学園・加計学園問題を主眼にした国会戦略を立てているようである。同問題についてはすでに多くを書いてきたのでいまここで再論はしないが、端的にいって不毛な時間潰しである。立憲民主党は実質賃金の引き上げを主張するが、それを実現する具体的な政策が不明である。
例えば、立憲民主党の主張には最低賃金引き上げが関係しそうだが、最低賃金は名目賃金である。ただし、過去の民主党政権のときよりも現在の安倍政権の下での方が最低賃金の引き上げ幅が大きい。どうして最低賃金の引き上げが安倍政権下で継続的に可能で、引き上げ幅も大きかったのだろうか。その理由は、労働需要(雇う側)がほぼ継続して拡大基調にあったからだ。労働供給(労働者側)のコストである最低賃金が引きあがっても労働需要側はそれを十分に吸収できる体力があったということである。そして労働需要を拡大する政策とは、これは安倍政権の下で採用された金融緩和政策に大きく依存している。
だが、立憲民主党などの「民進党なるもの」は、雇用の拡大は人口減少による人手不足だ、という偏見でとらえている。この「人口減少が雇用を拡大させた」や「もし金融政策に効果があるならばとっくに完全雇用が達成している」という意見は、極度の偏見である。おそらくこの種の主張は失業率と人口の動向しかみていないのだろう。安倍政権開始時の失業率は4・3%でそれが現状で2・8%の前後を推移している。この間、15歳以上65歳未満の人口総数である生産年齢人口は「人口減少」を示していて、約8000万人から現状では7600万人程度に減少している。このうち15歳以上で働く意欲と能力をもっている「労働力人口」は6542万人から6750万人超まで拡大している。
労働力人口は、就業者と完全失業者に分かれていて、安倍政権以降ではこの就業者の拡大と完全失業者の減少が続いている。就業者数は2012年12月の政権発足以降ほぼ一貫して上昇していて約6250万から現状では6540万人超にまで拡大している。ちなみに民主党政権時代はほぼ一貫して就業者数が減少している。他方で民主党政権時代は生産年齢人口も労働力人口も減少していた。つまり、民主党政権の時代では失業率が見かけの低下をしているが、それは労働力人口の減少を意味していたのである。これは職を求めている人たちが、厳しい景気のために職探しを断念している状況を意味する。
他方で、安倍政権では持続的に労働供給も増加している。これは景気の好転で職探しを再開している人が増加していることにある。このアベノミクスの労働供給の復活効果は大きく、そのため失業率に一層の低下余地があり、また完全雇用に時間がかかる背景にもなっている。もちろん、この労働供給の復活を十分吸収できるほど労働需要が活発であることが裏付けにある。そしてこの労働需要が拡大していることが、前述の最低賃金上昇を無理なく実現していることの背景にあるのである。
筆者はアベノミクスの全否定ではなく、このような効果の著しい金融緩和政策をさらに拡充しながら、消費増税の凍結や先送りよりもその放棄ないし減税など積極的な財政政策を勧めたい。だが、現状では国会では毎日のように「モリカケ」の掛け声などが大きいだけで、野党にはマクロ経済政策をよくしようという意思がまったくみられない。それを支持する「識者」を含めて、本当に懲りない人たちである。 
 2/12

 

NYダウ 24,601.27ドル 前日比+410.37ドル  
 2/13  
トランプ、貿易相手国に「相互税」推進へ 日本も標的に? 2/13
トランプ米大統領は12日、米国製品に関税を課している諸外国に対し、「相互税(reciprocal tax)」を推進する考えを示した。ただ、当局者らは、課税の構造や対象となる製品について詳細を明らかにしなかった。大統領はインフラ投資計画を発表するイベントで記者団に「人々が米国に来て好き勝手に金を盗み、米国人に膨大な関税や税金を課すことを認める一方で、相手国には何も課税しないという状況を続けるわけにはいかない」と強調した。
米国は「中国、日本、韓国などあまりにも多くの国に対して」多額の損を出しているとした上で「これらの国々は過去25年間好き勝手にしてきたため多少の困難を強いることになるが、われわれは政策を変更する」と表明した。
諸外国に対しは「相互税」を課すと説明。「一部はいわゆる同盟国だが、貿易においては同盟国ではない」とした。
ただ、米国の関税率を主要貿易相手国の水準まで引き上げることを意味するのかどうかは明言しなかった。政権当局者らの説明はまだない。
トランプ大統領は米オートバイメーカーのハーレーダビッドソンを不公正貿易の一例に挙げた。ハーレーは、タイ政府が米国製オートバイに60%の関税を課していることなどを理由に、タイ国内で工場を建設している。
米国はこれまで世界貿易機関(WTO)に対し、3.5%と比較的低い実行関税率を約束してきた。中国の9.9%、欧州連合(EU)の5.2%を下回る水準だ。一部の製品では格差はさらに広がっており、たとえば乗用車は米国の関税率が2.5%なのに対し、中国は25%、EUは10%となっている。
トランプ氏が、昨年の税制改革を巡る協議で議会共和党が採用を拒否した「国境調整税」を復活させる意向なのかどうかは不明。
トランプ大統領は昨年4月、フォックス・ビジネス・ニュースに対し、国境調整税の名称は好ましくないと指摘し、「相互税」と呼べば誰の怒りも買うことはないと述べていた。
トランプ氏は、この日のイベントに同席したロス商務長官に、相互税の案に賛成するかと質問。ロス氏は、「もちろん」と答えたうえで、米国は余りにも長い間、諸外国に対して通商上で譲歩してきたと指摘した。「一方的に多くを譲歩してきたのだから、当然取り戻す必要がある」との考えを示した。 
日経平均は189円高
13日午前10時50分時点の日経平均株価は前週末比189円69銭高の2万1572円31銭。朝方は、12日の米国株式が大幅続伸した流れを受け、買い優勢で始まり、寄り付き直後には一時2万1660円18銭(前週末比277円56銭高)まで上昇した。その後、戻り売りに2万1483円92銭(同101円30銭高)まで伸び悩む場面もあったが、徐々に持ち直し、2万1600円近辺で推移している。 

2017/2/7〜2/13 の日経平均
縦軸 直近1年の日経平均の平均株価(20,632円)に対する 当日の上下
横軸 直近1年の日経平均の平均売買高(1,735,805,000株)に対する 当日の比率
もうすぐ暴落しそう・・・
2月13日、日経平均は137円94銭安となりました。東証一部の業種別で見ると、全33業種中、値上がりしたのは5業種でした。残りの28業種が下落しました。
先週末から、NYダウは底固めが行われました。9日、12日と合わせて、NYダウは700ドル以上も上昇しています。米国株の下落が一服したので、本来であれば、日本株も強い動きになるはずでした。でも、13日の日本株は大きく下落。上海も、FTSEも、NYダウも、どこも上昇しているのに、「なんで、日本株だけ・・・?」と思った方も居るでしょう。
なぜ、日本株「だけ」上昇しないのか?
考えられる大きな理由の1つは、「円高」です。13日、ドル円のレートは、大きく円高へと振れました。レートは、13日18時時点で、1ドル=107円台後半です。外需株が多い日経平均は、円高によって押し下げられたのでしょう。
テクニカル面から考えてみましょう。ここ数日、繰り返しお伝えしていますが、日本株は「下落トレンドすれすれ」の危険状態だと思っています。信号機で言えば、「黄色信号」が灯っている状態です。なぜか? それは、「日経平均が75日線を割り込むと、一気に弱気になる傾向がある」からです。日経平均は、終値が75日線の上にあるときには、どんな株を買っても、勝ち目が強い傾向があります。しかし、これが一転して、終値が75日線を下回ると、何を買っても損する傾向があります。これは、過去のデータを基に得られた傾向です。これから更に、200日線を割り込むと、「超弱気」です。こうなってしまうと、もう手がつけられません。
気になるこれからの展望ですが、まだまだ「悲観的」です。円高が進行している上に、日経平均の先物も弱気です。よほど強い買い材料がないと、反発するのは難しいでしょう。このまま日経平均が、200日線を割り込むことになったら、うかつに株を買えません。・・・まぁ、これから先のことは、誰にも分かりません。個人投資家は、「何が起きても利益を出せる」ように、立ち振る舞い方を考えておいた方が良いでしょう。
かつてのリーマン・ショックのように、「2回目の暴落」「3回目の暴落」のように、何度も暴落がくる可能性もあります。しばらくポジションをおさえ、静観しておくのが無難だと思います。相場上昇が期待しづらい、今のような状況では、まだまだ下落していない株ほど、換金のために売られやすいと考えられます。よって、こういった銘柄には、注意しておく必要があるでしょう。 
 2/14
NY円、続伸 1ドル=107円75〜85銭、海外株安でリスク回避の円買い
13日のニューヨーク外国為替市場で円相場は大幅に続伸し、前日比85銭円高・ドル安の1ドル=107円75〜85銭で終えた。日本や欧州市場で株価が下落し、投資家が運用リスクを取りにくくなるとの見方から円高・ドル安が進んだ流れを引き継いだ。米株式相場が下げる場面で円買いが膨らみ、一時は107円40銭と2017年9月8日以来ほぼ5カ月ぶりの円高・ドル安水準を付けた。
米株式市場でダウ工業株30種平均が一時180ドルまで下げ幅を広げた。投資家が運用リスクを回避する姿勢を強め、円に買いが入った。米長期金利の指標である10年物の米国債利回りが低下(価格は上昇)し、日米金利差が縮小するとの観測も円相場を押し上げた。
買い一巡後は円の上値は重くなった。米株式市場でダウ平均など主要な株価指数が上昇に転じ、投資家のリスク回避姿勢がやや和らいだ。円が17年の高値である107円32銭を突破しなかったため、目先の利益を確定する目的の円売り・ドル買いが出た面もあった。14日には1月の米消費者物価指数(CPI)が発表される。発表後の米長期金利の動向を見極めたいとして、様子見姿勢も強かった。
円の安値は107円84銭だった。
円の対ユーロ相場は3営業日ぶりに反発し、前日比35銭円高・ユーロ安の1ユーロ=133円15〜25銭で終えた。日本や欧州の株安を受けた円買いが対ユーロでも優勢になった。ユーロは対ドルで3日続伸し、前日比0.0060ドルユーロ高・ドル安の1ユーロ=1.2345〜55ドルで終えた。英国の1月のCPIが前年同月比で3.0%上昇し、市場予想(2.9%上昇)を上回った。英イングランド銀行(BOE、中央銀行)の利上げペースが速まるとの思惑から英ポンドやユーロなど欧州の通貨がドルに対して買われた。ユーロの高値は1.2371ドル、安値は1.2327ドルだった。英ポンドもドルに対して買われ、前日の1ポンド=1.38ドル台前半から同後半に水準を切り上げた。 
株、一時2万1000円割れ 株安招いた円高の重荷
14日の日経平均株価は午後になって下げ幅を拡大し、心理的な節目である2万1000円を一時、下回った。東京外国為替市場で一時、1年3カ月ぶりに1ドル=106円台まで円高・ドル安が進み、輸出関連株にまとまった売りが出た。前日の米国ダウ工業株30種平均が3日続伸するなど世界的に株式相場は持ち直しつつあるが、日本株は円高に伴う業績懸念で逆行安を余儀なくされている。  
 2/15-16
 2/19

 

 2/20
 2/21
 2/22
 2/23

先が読めない おっかなびっくりの一週間
基本的には下落局面 変わりなし
 2/26

 

 2/27
 2/28

 

NYダウ

日経平均  2/28
直近1年の日経平均   
縦軸 直近1年の日経平均の平均株価(20,779円)に対する 当日の上下
横軸 直近1年の日経平均の平均売買高(1,708,715,485株)に対する 当日の比率
2/1〜2/28 の日経平均
 3/1

 

本日の日経平均は343円安の2万1724円と大幅に続落しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。昨日の米国市場でダウ平均が400ドル安近い大幅続落となったことを受け、日経平均は167円安の2万1901円で寄り付きました。本日の日経平均は寄り付きが高値になると、ほぼ1日を通して下げ幅を広げる展開となりました。ほとんど反発することなく下げ幅を広げた日経平均は前場を353円安で終えました。日経平均は後場に入ると安値圏でもみ合いのようになりましたが、14時過ぎからさらに下げ幅を広げると一時は423円安まで下落しました。日経平均は引けにかけてやや持ち直しましたが、結局343円安と大幅続落で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆7893億円となりました。東証33業種は空運業を除く32業種が下落しました。中でも鉱業や機械、倉庫運輸関連、金属製品などが大きな下げとなりました。
明日以降もう一段の下げとなれば、2月14日につけた2万1000円どころの安値が意識される展開となりそうです。2万1000円どころの安値を割り込まずに反発し、いわゆるダブルボトムをつけにいくことができるかが3月の日本市場の注目ポイントの1つと言えそうです。今夜の米国市場では個人消費支出(PCE)やISM製造業景況指数の発表、再びパウエル新FRB議長の議会証言が予定されています。引き続き米国株式市場の動向が日本市場のセンチメントに大きく影響しそうです。 
 3/2
米ISM製造業景況感指数、2月1.7ポイント上昇
米サプライマネジメント協会(ISM)が1日発表した2月の米製造業景況感指数は前月から1.7ポイント上昇の60.8だった。2カ月ぶりの上昇で、2004年5月以来13年9カ月ぶりの高水準となり、ダウ・ジョーンズがまとめた市場予測(58.5程度)を上回った。
同指数は50が製造業景気の拡大・縮小の境目。指数を構成する5つの個別項目のうち「雇用」が5.5ポイント上昇の59.7となり、全体を押し上げた。「入荷遅延」と「在庫」も上昇した。一方「新規受注」と「生産」はいずれも前月に続いて低下したが、極めて良好であることを示す60台は維持した。
高水準の指数は、製造業が活況であることを示唆している。しかし、ウェルズ・ファーゴ証券のエコノミストは、足元の耐久財受注の軟化や、構成項目のうち「新規受注」と「生産」が2カ月連続で低下した点をあげ、「ビジネスの高揚感と実際のデータは一致していない」と指摘した。 
鉄鋼・アルミ輸入制限…トランプ氏表明 中国を標的
トランプ米大統領は1日、鉄鋼製品に25%、アルミニウム製品に10%の関税をそれぞれ課す輸入制限を発動する方針を表明した。来週、大統領令に署名する。対象国は明言しなかったが、主な標的である中国だけでなく、現時点では日本も含まれる公算が大きい。米メディアによると、米通商拡大法232条に基づく輸入制限発動を正式に決めれば1982年以来36年ぶり。対象国の反発は必至で、世界的な貿易摩擦に発展する可能性が高い。
トランプ氏は1日、ホワイトハウスで国内鉄鋼・アルミ企業幹部らとの会合を開き、「国防のために鉄鋼・アルミ企業が必要だ。両産業は久しぶりに保護され、再び成長していく」と語り、来週、輸入制限の発動を命じる大統領令に署名する考えを明らかにした。
米商務省は1月、国内関連産業の維持には生産拠点の稼働率を80%以上に高める必要があるとの報告書をまとめ、全輸出国を対象に鉄鋼には最低24%、アルミには最低7・7%の関税を課すなどと明記した複数案をトランプ氏に勧告していた。同盟国など特定の国を対象外にすることもでき、正式決定までに発動内容が変わる可能性もある。また、米メディアによると、中国の習近平国家主席の経済ブレーンである劉鶴氏が訪米しており、圧力をかける狙いもありそうだ。
トランプ政権は今年に入り、中国や韓国を主な標的に太陽光パネルや洗濯機の緊急輸入制限(セーフガード)発動を決定。続いて広範な産業に影響を及ぼす鉄鋼・アルミ製品の輸入制限に踏み切ることで、保護主義政策を本格的に実行に移すことになる。
中国商務省は2月、「中国の利益に影響を与える場合、必要な措置を確実に講じる」として対抗措置の実施を示唆。日本や欧州も発動回避を訴えている。実際に発動を決めれば、中国などが米国の措置を不服として世界貿易機関(WTO)に提訴したり、これとは別に農産物など米国産品の輸入手続きを滞らせたりして事実上の対抗策に出る可能性がある。米中両国を中心に互いに貿易を制限し合う「貿易戦争」に発展する恐れも出てきた。  
NYダウ、大幅続落=鉄鋼輸入制限を嫌気
1日のニューヨーク株式相場は、トランプ米大統領が鉄鋼とアルミニウムの輸入制限を発動する意向を表明したことを嫌気し、大幅続落した。優良株で構成するダウ工業株30種平均は前日終値比420.22ドル安の2万4608.98ドルで終了。ハイテク株中心のナスダック総合指数は92.45ポイント安の7180.56で引けた。 
NYダウ再び420ドル安、恐怖指数も上昇
米国株式市場でS&P総合500種とダウ工業株30種は1%超下落し、3日続落となった。トランプ大統領が鉄鋼輸入品に対し25%、アルミニウム製品には10%の関税を課す方針を来週発表することを明らかにし、価格上昇や貿易戦争への懸念が広がった。
投資家の不安心理の目安とされるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(VIX指数)<.VIX>は、終値としては13日以来の高水準となった。
自動車など、鉄鋼やアルミニウムの消費が多い企業の株価が下落した半面、鉄鋼やアルミ会社は大幅高。ゼネラル・モーターズ(GM)は4%安、フォード・モーターは3.0%安。USスチールは5.7%高。
ボーイングやキャタピラーなどの重機関連のメーカーは下落。原材料費の高騰や貿易障壁への懸念から売られた。ボーイングは3.5%安、キャタピラーは2.8%安。
ホライゾン・インベストメント・サービシズのチャック・カールソン最高経営責任者(CEO)は「(関税に対する)報復措置がどうなるのかが常に懸念材料となる。貿易戦争になった場合の基本的な問題は、改めてインフレ加速につながるということだ。価格はおそらく上昇するはずだからだ」との見方を示した。
S&P500種は26日終値から3.7%下落。1日の下げで3日続落となった。1%超の下落が3営業日続いたのは2016年1月以来初めて。
2月は10%調整しており、1月26日の最高値からはなお6%超下落した水準にある。
パウエルFRB議長の2月27日の議会証言を受け、今年4回の利上げが行われるとの観測が広がっていた。これに対しニューヨーク連銀のダドリー総裁は3月1日、4回の利上げが行われた場合でも「緩やか」な引き締めであるとの考えを示した。
だが、午後に相場の下落を招いたのは関税の問題だったという。
ジャニー・モンゴメリー・スコット(フィラデルフィア)の首席投資ストラテジスト、マーク・ルスキーニ氏は「これらの関税を課すリスクは、中国を中心に貿易相手国からの報復を招く恐れがあるということだ」と述べた。
ニューヨーク証券取引所では、値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.47対1の比率で上回った。ナスダックでも1.42対1で値下がり銘柄数が多かった。
S&P総合500種構成銘柄では、2銘柄が52週高値を更新し、25銘柄が安値を更新。ナスダック総合構成銘柄では43銘柄が新高値を付け、100銘柄が新安値を付けた。
米取引所の合算出来高は約90億株。直近20営業日の平均は84億株。 
〜2018/3/2 諸話
黒田日銀総裁:19年度ごろに出口を検討していること間違いない
日本銀行の黒田東彦総裁は2日、再任に向けた衆院議院運営委員会での所信聴取後の質疑で、物価目標2%の達成時期について「2019年度ごろには2%に達成する可能性が高いと確信している」と述べるとともに、19年度ごろに出口を検討していることは間違いないとの見通しを示した。黒田総裁は「現時点では私も含め政策委員は19年度ごろ2%程度に達するとみている」とし、「当然のことながら、出口というものをそのころ検討し、議論しているということは間違いない」と語った。日銀は1月の経済・物価情勢の展望で物価が「2%程度に達する時期は、19年度ごろになる可能性が高い」としている。
一方で、「今の時点で出口戦略をうんぬんすると、市場を混乱させる恐れもある」と述べ、「出口に差し掛かったところで、出口戦略についての議論を始め、必要な市場とのコミュニケーションを図っていくことになる」との認識を示した。
また、現行の金融政策からの出口戦略については物価2%の達成までかなり距離があることから、「直ちに出口を議論するのは適切ではない」とも指摘。日銀の財務にも配慮するが「最優先の使命は物価の安定」とし、出口の財務シミュレーションを示すことも適切ではないと語った。
黒田総裁は13年3月の就任直後に、安倍晋三政権のデフレ脱却に向けたアベノミクスの実現のために量的・質的金融緩和を導入。2年をめどに2%の物価目標を達成すると宣言した。その後、マイナス金利や長短金利操作などの施策を相次ぎ導入したが、5年たった今も道半ばだ。
黒田総裁は所信聴取で現行の金融緩和政策の下で「物価が持続的に下落するデフレではなくなっており、人々のインフレ予想も上向いている」と総括。その上で、「粘り強く緩和を続けることで物価目標を達成できる。総仕上げを果たすべく全力で取り組む」と述べ、当面、金融緩和政策を継続する方針を明確にした。
また、質疑では「アベノミクスは必要かつ適切な政策の組み合わせ」とし、金融政策と財政政策は「相乗効果を発揮している」と強調。一方で、デフレマインド転換に時間がかかり、物価はまだ弱めの動きが続いていることから、「必要あればさらなる緩和を検討する必要がある」と語った。
生鮮食品を除く消費者物価指数(コアCPI)の前年比が1%になれば長期金利を引き上げても良いのではないか、との質問に対しては、「途中で金利を上げていった時に、マインド転換が遅れてしまう恐れもある」とした上で、「現時点では慎重に考え、消極的に考えている」と語った。1月のコアCPIは0.9%上昇した。
指数連動型投資信託(ETF)の買い入れは、「ETFを購入していること自体は大きく株価に影響しているわけではない」と指摘。金融緩和全体の一環という位置付けで行っているため、ETF買い入れ額の縮小だけを「取り出して先に出口を議論しようとはならない」との考えを明確にした。
長短金利操作については、2%物価目標の達成まで「マイナス0.1%の政策金利や、0%程度の10年物国債の目標がずっと一切変わらないといっているわけではない」と言明。一方で、「ただそういうこともあり得るかもしれない」とし、「そこは毎回の会合で議論していく」との姿勢を示した。
また、黒田総裁は、政府が黒田総裁を再任させる人事案を国会に提出した2月16日の前夜に再任の要請があったことを明らかにした。その上で、過去5年間でデフレではない状況になったものの、政府もデフレ脱却宣言をしておらず、2%を達成できていない中で、「2%達成と総仕上げをぜひやって日本経済の持続的成長の一助になるようできたらとお受けした」と述べた。
1月失業率は2.4%、2カ月ぶり大幅改善−有効求人倍率は横ばい 
1月の失業率は2カ月ぶりに大幅改善し、24年9カ月ぶりの水準となった。有効求人倍率も前月から横ばいと44年ぶり高水準を維持した。2月の東京都区部の消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は8カ月連続で上昇。
キーポイント
• 有効求人倍率は1.59倍(ブルームバーグ調査の予想中央値は1.60倍)と前月から横ばい
• 完全失業率は2.4%(予想は2.8%)と0.3ポイント改善−前月は2.7%
• 東京都区部コアCPIは前年比0.9%上昇(予想は0.8%上昇)ー前月は0.7%上昇
• 生鮮食品とエネルギーを除くコアコアCPIは0.5%上昇(予想は0.5%上昇)ー前月は0.4%上昇
背景
雇用統計は歴史的な水準で推移しており、労働需給の逼迫(ひっぱく)が指摘されているが、安倍晋三政権が狙う、賃金アップから物価上昇への波及効果は限定的だ。全国CPIの先行指標となる東京都区部コアCPIが8カ月連続のプラスになったのは、ガソリンを含む石油製品の押し上げ要因が大きい。生鮮食品以外の食料も上昇し、全体を押し上げた。
1月の全国CPIは今回から1週間前倒しされ、先月23日に公表された。コアCPIは前年比0.9%上昇と13カ月連続で上昇したものの、上昇率は前月から横ばいで、1%を前に足踏みが続いている。コアコアCPIは0.4%上昇だった。
日銀は8、9の両日、現執行部の下で最後の金融政策決定会合を開く。黒田東彦総裁の再任と雨宮正佳理事と若田部昌澄早稲田大学教授を副総裁に充てる人事が国会で同意されれば、4月26、27両日の決定会合は新たな布陣で臨む。同会合では2020年度までの物価見通しが示される。「19年度ごろ」としている2%達成時期が再び先送りされるかどうかが注目される。
エコノミストの見方
• 大和証券の永井靖敏チーフエコノミストは電話取材で、失業率について「かなり強い数字。職を選ばなければ就業できる状態だったのが、企業の非正規枠の条件が良くなり、さらに就業しやすくなっている」と指摘。「企業も人手不足が受給制約要因になり、人を取らないと回らなくなっている」とも語った。
• バークレイズ証券の永井祐一郎エコノミストはリポートで、東京都区部CPIの見通しについて、現行の原油価格の水準(ドバイ、1バレル=62ドル程度)が維持されれば、「前年比で1%弱で推移した後、今年の7−9月期に前年比で1%程度のピークをつける」と予想した。
詳細
• 失業率は1993年4月に記録した2.3%に次ぐ水準、有効求人倍率は74年1月の1.64倍以来の水準を維持
• 東京都区部の総合CPIは前年比1.4%上昇
ドル・円が2週間ぶり106円台割れ、黒田総裁発言や米保護主義警戒で
東京外国為替市場のドル・円相場は約2週間ぶりに1ドル=106円台を割り込んだ。米国の鉄鋼とアルミニウム輸入に対する関税方針を受けた保護主義的な動きへの警戒感に加え、日本銀行の黒田東彦総裁による出口戦略を巡る発言が、ドル売り・円買いを加速させた。
2日午後4時9分現在のドル・円相場は前日比0.3%安の105円89銭。午前は106円29銭まで上昇した後、2月16日以来の安値となる105円94銭まで水準を切り下げ、再び106円台に戻すといった展開だった。午後に入ってからは、日銀総裁発言を受けて一時105円71銭まで下落し、日中の安値を塗り替えた。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は一時0.2%低下の1130.63まで下げた。
黒田日銀総裁は同日午後の衆院議院運営委員会で行われた所信聴取後の質疑で、金融緩和策からの出口戦略について、「現時点では私も含めて金融政策決定会合に臨む政策委員は、2019年度ごろには2%程度に達すると物価の動向をみているので、当然のことながら、出口というものをその頃検討し、議論しているということは間違いない」と発言した。
IG証券の石川順一シニアFXストラテジストは、黒田日銀総裁が、19年度に2%物価目標に達成する可能性が高いことや、同時期ごろに出口を検討との発言を材料視して円高圧力が高まったと指摘。「円金利が急騰し、日米利回り格差が縮小したことが材料。クロス円(ドル以外の通貨の対円相場)も円高に行っている」と述べた。 
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作チーフ為替ストラテジストは、「黒田総裁としては、19年度には物価目標2%達成ができているというのが建前。聞かれればそう発言せざるを得ない。トランプ大統領発言を受けた保護主義懸念と期末時期特有の円高のレパトリ(本国への資金環流)観測が強くて、放っておいても円高になりやすい時に、なぜこのような発言をしたのか分からない」と言い、「目先は、直近安値の105円55銭あたりが節目になっていて、そこを抜けると105円を試す動きに一時的になってしまう可能性がある」と述べた。
長期金利の指標となる新発10年債利回りは一時3ベーシスポイント(bp)高い0.08%に上昇。一方、日経平均株価は大幅続落。前日比542円83銭(2.5%)安の2万1181円64銭で取引を終えた。前日のダウ工業株30種平均は前日比420.22ドル(1.7%)安の24608.98ドルで引けた。
トランプ大統領は1日、ホワイトハウスに招いた金属業界幹部らを前に関税賦課を発表。鉄鋼輸入に25%、アルミニウム輸入に10%の関税を課す計画を明らかにし、来週正式に発令すると述べた。
JPモルガン・チェース銀行の佐々木融市場調査本部長は、米輸入関税発表を受けて、リスクオフの状況が強まっていると指摘。「米保護主義が強まるとドルは弱くなる傾向がある」と述べた。
投資家の増益・成長見通し、「ばら色」過ぎないか−ローブ氏が警戒感
ヘッジファンド運用のサード・ポイントを率いるダン・ローブ氏は1日、インフレと金利動向の注視を続ける中で、より大きな懸念は企業利益と経済成長に対し投資家が楽観的過ぎる可能性があることだとの認識を示した。
ローブ氏は再保険会社サード・ポイント・リインシュアランスの決算内容を説明する電話会見で、「今年と来年の利益の伸びについて、誰もがばら色の予想をしているが、それが実現するかどうかということがより差し迫った懸念だ」と語った。
「そうした予想が実現しないとは言わないが、雑音が混じりがちな最近の経済統計の一部を踏まえると、確実に何かがあるだろう。注目し続ける必要がある」と述べるとともに、「成長見通し」を検証することも等しく重要だと指摘。「成長が問題だとは言わないが、確実にわれわれが注視し続ける問題だ」と論じた。
日本生命:マスミューチュアル生命を1042億円で買収−窓販強化へ
日本生命保険は2日、マスミューチュアル生命保険を1042億円で買収することで合意したと発表した。メガバンクや証券会社の窓口で富裕層に対する保険販売に強みを持つマスミューチュアルを傘下に収め、窓販を強化する。
日本生命は、マスミューチュアル・インターナショナル(MMI)からマスミューチュアル株式85%を取得し、5、6月に子会社化、取締役や監査役を派遣する予定。MMIは15%の株式を保有し続け、井本満社長は留任する。2日会見した日本生命の三笠裕司取締役常務執行役員によると、今後、タイミングをみて商号変更を検討しているが、三井生命との合併や機能分離は検討していない。
16年7月に米マスミューチュアルから打診があったのが今回の経営統合の始まり。日本生命では営業職員による販売を前提にシステムなどが構築されており、多様かつ急速に変化する顧客ニーズへの対応が遅れがちだった。マスミューチュアル生命がグループに加わることで、幅広い商品を幅広い金融機関チャネルに迅速に供給することが可能になる。
一時払い商品での窓販シェアは17年12月末で、日本生命グループ5.8%、マスミューチュアル3.9%で合計9.7%。15年に買収した三井系金融機関に強い三井生命と、地銀に販売網を持つ日生本体に、マスミューチュアル生命のグループ3社体制で、中長期的に窓販市場を先導する地位確立を目指す。
ムーディーズ・インベスターズ・サービスの牧本聡一郎シニアアナリストは、今回の経営統合は、競合に比べて遅れている日本生命の銀行窓販チャネルを強化するため格付けにはポジティブとの見方を示した。また、買収金額は日本生命グループの純資産の1%程度に相当し、財務基盤への影響は限定的という。
マスミューチュアル生命は1999年に米エトナ・グループと資本提携した平和生命保険が前身。相続・贈与ニーズなど富裕層に訴求力のある商品や、顧客ニーズを迅速に捉えた商品供給力に強みを持つ。17年12月末時点での総資産は2兆8330億円。同年3月時点の社員数は426人。同社の井本社長は「当社が弱いのはブランディングとプレゼンス。日本生命と一緒に地銀を含めたいろいろな金融機関に広げていければビジネスのポテンシャルはまだ広がる」と述べた。
三笠常務は「当社の国内事業基盤強化はこれで終わったと思っていない」と述べ、引き続き拡大の機会を検討する方針を示した。マスミューチュアル生命株式の15%を保有し続けるMMIのエディ・アーメッドCEOは日本生命と「国内以外でも協業の可能性を模索していきたい」と述べた。
国内の人口減少や少子高齢化を背景に日本生命は15年3月、自社以外からの事業純利益を10年後に1000億円に増やすことを目指し、最大1兆5000億円の投資が必要と発表していた。三井生命保険を買収(約2800億円)に続き、海外では16年に豪生保のMLCを子会社化(約1800億円)、17年12月には米運用会社のTCWに出資(約550億円)している。
子供の学費、米5銘柄で貯める−元ヘッジファンド運用者ティルソン氏
元ヘッジファンド運用者のホイットニー・ティルソン氏は投資能力に自信があるのか、株式わずか5銘柄で自分の子供の大学資金を貯めるポートフォリオを構成している。
2月末の電子メールでティルソン氏は、50%をウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイに、25%を不動産会社ハワード・ヒューズに、残る25%を「均等に」アマゾン・ドット・コムとアルファベット、フェイスブックに投資していると明らかにした。
バークシャーについてティルソン氏は、バフェット氏(87)が少なくともあと5年は率いるとの見方を示した上で、株価は本源的価値を10%下回っていると指摘。アルファベットについては、数年前に懐疑的だった自身の見方は「これまでで最悪の読み」だったと認め、今では「地球上で最も偉大なビジネスの一つ」と考えていると述べた。
ティルソン氏は昨年9月、リターン低迷を理由にヘッジファンドのケース・キャピタル・マネジメントを閉鎖。昨年末に投資教育事業としてケース・ラーニングを設立した。
米鉄鋼・アルミ関税で明暗:JFE・神鋼は敗者、アルセロールは勝者 
トランプ米大統領が計画している鉄鋼輸入への関税25%とアルミニウム輸入への関税10%が導入された場合、世界的に大きな影響を及ぼす可能性がある。予想される代表的な勝者と敗者は以下の通り。
勝者:米鉄鋼メーカー
ニューコアやAKスチール・ホールディング、USスチールなど鉄鋼メーカーは恩恵を受ける見通し。これら企業は中国やロシア、韓国の同業企業と不公正な競争条件に置かれているとして、保護措置を求め積極的にロビー活動を行ってきた。予定されている関税率は米鉄鋼価格を押し上げる見込みで、メタル・ブレティンによると、業界ベンチマークの米国内熱間圧延鋼コイルの価格は関税導入を見込んで既に上昇し、1トン当たり約780ドルに到達した。
敗者:米国の近隣諸国
中国は長く、鉄鋼業界を脅かす存在であり、安価な製品を米市場に大量に送り込んでいると、政治家から非難されてきた。しかし対米輸出が最も多いのは中国ではなく、メキシコとカナダ、ブラジルだ。
敗者:アジアの鉄鋼メーカー
JFEホールディングスと神戸製鋼所の株価には既に影響が表れている。鉄鋼メーカー65社で構成されるブルームバーグ世界鉄鋼指数は1日まで3日続落した。
勝者:アルセロール・ミタル
アルセロール・ミタルも米国内で鉄鋼生産を行っている主要メーカーの1社。同社は長い間、自社のコア市場を守る保護措置を主張しており、関税は大きなプラスになり得る。しかしルールの適用の仕方次第では、コスト上昇につながり得る。
ソフトバンクのビジョンF:食事宅配「ドアダッシュ」への出資を主導
ソフトバンクグループの「ビジョン・ファンド」は、米サンフランシスコを拠点に食事宅配サービスを手掛ける新興企業「ドアダッシュ」への総額5億3500万ドル(約568億円)の出資を主導する。ドアダッシュが過去5年間に調達した資金のほぼ3倍となる。
セコイア・キャピタルやシンガポール政府投資公社(GIC)も加わる今回の出資は、ドアダッシュの価値を14億ドルと評価するもので、競争が激化する食事宅配サービスで同社に躍進の足掛かりを提供する。アマゾン・ドット・コムやグラブハブ、スクエア、ウーバー・テクノロジーズのほか、多数の新興企業が割引などの販促を通じて自社宅配アプリへの顧客やレストランの取り込みを図っている。
ソフトバンク側からマネジングパートナーのジェフリー・ハウゼンボールド氏、GICからはテクノロジー投資責任者ジェレミー・クランツ氏がドアダッシュの取締役としてそれぞれ加わる。
ドアダッシュの共同創業者であるトニー・スー最高経営責任者(CEO)は新たな資金を使って、現在550人の従業員に新たに250人を加えるほか、サービスを提供する米国とカナダの都市を現行の600から1600に増やす。同CEOは今年、海外展開を目指す意向を示したが、具体的な地域は明らかにしなかった。
ビットコイン取引の処理速度が向上−「セグウィット」の採用進む
仮想通貨ビットコイン取引の処理速度が改善されつつある。
ビットコイン取引の速度向上のためのソフトウエアアップグレード「セグウィット(SegWit)」の採用が進み、この技術を利用した取引がわずか3日間で3割以上増えたことが、「セグウィット・ドットパーティー」のウェブサイトで分かった。以下のチャートはセグウィットを利用した過去1週間の取引割合を示す。
仮想通貨取引所のコインベースとビットフィネックスが最近、セグウィットを導入し、採用に弾みがついている。取引の速度アップに伴い、昨年12月は55ドル(約5800円)に達していた取引コストが今では4カ月ぶり低水準の2ドルに下がった。ただ、1日当たり確認される取引件数も20万件前後と、昨年12月の水準の半分以下になっている。
プーチン大統領が米国を強く警告、年次教書演説で最新鋭核兵器を紹介 
ロシアのプーチン大統領は1日行った年次教書演説で、いかなる防御も打ち破れる数々の最新鋭核兵器を保有していると述べ、厳しい警告を米国に突き付けた。
プーチン氏は約2時間にわたった演説で「ロシアを抑え込もうとした取り組みは失敗した。現実を直視するがいい」と主張。水中ドローン、大陸間ミサイル、極超音速システムなどの新兵器を映像クリップで紹介し、これらの兵器は「隕石(いんせき)のように標的に向かう」と語った。
ロシアでは18日に大統領選挙が実施される。この選挙を大差で制し4期目に入るとみられているプーチン氏は、生活水準の向上やヘルスケア、インフラ支出増額で「飛躍的進歩」を果たすと約束するなど当選後の優先課題設定に今回の演説を活用した。その中で、いつになく軍事力を誇示し、米国に向けて厳しい言葉を浴びせた。
プーチン氏は核軍縮後退への懸念からロシアは米国にミサイル防衛システムを進めないよう長期間警告してきたが、「誰も耳を貸さなかった。今こそ聞くがいい」と発言。「われわれは誰も脅していない」と述べつつ、ロシアまたはその同盟国に核兵器が使用されれば、「速やかな反応」に直面することになるだろうとけん制した。
ブラックストーンのシュワルツマン氏、17年の手取り収入840億円 2018/3/2
プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社ブラックストーン・グループのスティーブ・シュワルツマン会長が2017年に得た手取り収入は7億8650万ドル(約840億円)に達し、自身の記録としては最高となった。1日提出された同社の年次報告を基に算出した。
シュワルツマン会長はブラックストーンを共同で創業。保有する同社株の配当が6億6100万ドルと収入の大半を占めた。残りは取引利益や給与、その他報酬から得た。シュワルツマン氏は16年に4億2500万ドルを受け取っていた。
株式や債券以外の資産を求める投資家は増えており、PEや不動産、ヘッジファンドへのアクセスを提供するブラックストーンなどには追い風だ。シュワルツマン氏の報酬は数年にわたり米主要PE投資会社の中でトップとなっている。 
 
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様子見の1週間
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今週も様子見
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G20 米輸入制限、各国に無力感も 撤回の兆しなく 3/20
主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は20日、2日目の討議を行う。ここまでの協議では、トランプ米政権の鉄鋼・アルミニウム製品の輸入制限をめぐり、多数の参加国が「内向き政策への懸念」を表明し、「反保護主義」でほぼ足並みをそろえた。ただ、米国が輸入制限の発動を撤回する兆しはなく、各国の間には無力感も漂っている。
木原稔副財務相は19日、記者団に「保護主義的な内向き政策は世界経済全体の縮小につながる。国内産業や消費者に悪影響を与え、どの国の利益にもならない」と訴えたことを明らかにした。20日公表される共同声明に「内向き政策に対する懸念が盛り込まれないことはあり得ない」と述べ、各国の結束を強調した。
ドイツのショルツ財務相も独メディアに「自由貿易という繁栄の基礎がリスクにさらされている」と語った。米メディアによると、日独のほか、ブラジル、イタリア、フランス、韓国、サウジアラビアも、米国の輸入制限発動に疑問を呈したという。
対米包囲網の様相となったが、ムニューシン米財務長官は19日の声明で「G20ではトランプ政権の経済政策を前進させることに注力する」として、政権の保護主義政策を修正するつもりがないことを表明し、各国のけん制を一蹴した。
昨年1月のトランプ政権発足以降、G20各国は繰り返し保護主義の弊害を訴えてきたが、トランプ氏の考えは変わらず、むしろ最近は対外強硬姿勢を強めている。
米国の輸入制限の発動阻止が望めない中、G20の傍らで、各国は自国の適用除外を働きかけている。ロイター通信によると、フランスのルメール経済・財務相は19日、記者団に「EU全体の完全な除外を期待する」と語り、ムニューシン氏との会談で除外を要請したことを明らかにした。ルメール氏は「(除外という)目的を達しなければならない。難しいが、実現できないわけではない」と述べ、除外獲得が現実的な目標だとの考えを示した。  
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 3/21
 3/22
トランプ氏、対中巨額関税に署名へ…貿易戦争か
米ホワイトハウスは21日、トランプ米大統領が22日(日本時間23日未明)に中国製品を対象に巨額関税を課す大統領令に署名する予定だと発表した。中国が米国の知的財産権を侵害していると判断した。中国の反発は必至で、米中2大国が貿易戦争に突入する恐れが一段と強まった。米ニューヨーク・タイムズなどは、関税の規模は年500億ドル(約5兆3000億円)相当になると一斉に報じた。中国が米国に多く輸出する電機、通信機器、家具、玩具など100品目を超える製品が対象になる可能性があるという。関税は不公正な貿易慣行に制裁を課す米通商法301条に基づく措置となる。
対中制裁関税、トランプ氏が署名 中国は報復辞さぬ構え
米トランプ政権は22日、中国による知的財産の侵害があるとして進めてきた「通商法301条」の調査に基づき、関税などの制裁措置についての大統領令に署名した。知財分野は米中による経済競争の「本丸」といえ、世界の二大大国が「貿易戦争」に陥りかねない。米政府高官によると、トランプ大統領は、米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表に新たな関税の検討を指示し、対象製品のリストを15日以内につくらせる。米政府は500億ドル(約5・3兆円)相当の新たな関税を目標とし、家電製品など約1300品目が対象となりそうだ。制裁案ができれば、企業など外部の意見を聴く機会ももうける。またトランプ氏はムニューシン財務長官にも、中国企業による米国への投資に対する規制強化策の検討を求め、60日以内に報告させる。さらに、トランプ氏はライトハイザー氏に対し、中国の不正慣行について世界貿易機関(WTO)の手続きに基づいて提訴する検討も指示した。日本や欧州連合(EU)との連携も視野にあるという。トランプ氏は大統領令の署名式で、米国の対中貿易赤字について「我々の世界の歴史の中で最大の赤字だ。制御できなくなっている」と強調。「これによって米国はずっと強く、豊かな国になる」と話した。トランプ政権は昨年から、中国が米国の知的財産を侵害しているとして、一方的な制裁が可能な「通商法301条」に基づく制裁措置を検討。鉄鋼やアルミ製品への新たな関税も23日から適用される。米の強硬策に対して中国商務省は22日、「必ずやあらゆる必要な措置をとり、断固として自身の合法的な権益を守る」とのコメントを発表。報復も辞さない構えを示した。
〈米通商法301条〉 外国による不公正な貿易慣行に対し、大統領の判断で一方的に関税の引き上げや輸入制限などの制裁措置がとれる。日米経済摩擦が激しかったレーガン政権時代の80年代以降に頻繁に使われたが、制裁に踏み切れば世界貿易機関(WTO)協定違反になる可能性がある。95年のWTO発足以降はほとんど使われていなかった。
世界を報復合戦に引きずり込む? 加速する米通商強硬策
「米国第一」主義を掲げる米トランプ政権のなりふり構わない通商戦略が、加速している。22日に中国を対象にした制裁措置を公表し、23日には鉄鋼・アルミ製品への新たな関税の発効も迫る。中国や各国の反発は必至だ。一定のルールの下にある世界の貿易体制が、報復合戦に引きずり込まれる恐れがある。「米国経済の最大の強みである知的財産を失っているのは、とても深刻な問題だ」。米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は21日、議会公聴会でそう訴えた。中国に対する「通商法301条」に基づく制裁措置について、「貿易の再均衡を保つうえで、長期にわたり最も重要なものとなる」と言い切った。
米、中国製品に25%関税 知的財産侵害で 中国「貿易戦争を恐れない」報復措置示唆
トランプ米大統領は22日、中国の不公正な貿易慣行によって米国の知的財産が侵害されたとして、中国の対米輸出品に25%の追加関税を課す制裁措置を決定した。最大で年500億〜600億ドル(約5兆3千億〜6兆3千億円)の中国製品が関税の対象となる見込み。中国による対米投資規制を強化し、中国を世界貿易機関(WTO)に提訴する方針も決めた。駐米中国大使館は「(米国との)貿易戦争を恐れない」との声明を発表。中国は報復措置も辞さない構えで、米中の2大経済大国の対立激化は必至だ。トランプ氏はホワイトハウスで指示文書に署名し、「膨大な額に相当する知的財産が(中国に)盗まれている」と述べた。制裁措置は不公正な取引慣行に対する制裁を認めた米通商法301条に基づくもの。中国に進出した米企業が中国側に技術移転を強要されているなどとして、昨年夏から通商代表部(USTR)が調査していた。大統領指示を受け、USTRが制裁対象の製品リストを15日以内に公表する。政権高官によると、ハイテク製品を中心に1300点に及ぶ。投資規制は財務省が60日以内に具体案を作成。WTOへの提訴は、中国が自国企業をライセンスの扱いで優遇しているためだとしている。同高官は中国が先端分野で国家指導のもと優位に立つ戦略を進めているとし、「中国による経済侵略から米国を守る」と述べた。
NY株急落、724ドル安 「米中貿易戦争」を懸念
22日の米ニューヨーク株式市場では、トランプ米大統領が打ち出した中国への制裁関税が「米中貿易戦争」につながりかねないとの懸念から、大企業でつくるダウ工業株平均が急落した。終値は前日より724・42ドル(2・93%)安い2万3957・89ドルで、1カ月半ぶりに2万4000ドルの節目を割り込んだ。下げ幅も2月8日(1032ドル)以来の大きさ。米政権は22日、「通商法301条」に基づき、中国からのハイテク製品など知的財産関係の輸入品について、関税を含む制裁措置に踏み切ると発表した。トランプ氏は600億ドル(6・3兆円)の輸入品に関税をかける意向を示している。中国は報復に出る構えで、世界1、2位の経済大国が貿易戦争に突入しかねないとの警戒感が市場に広がった。米国外でのビジネスの比重が大きい航空機大手ボーイングや、建機大手キャタピラーが大きく売られ、ともに5%超安となった。米投資助言会社のストラテジスト、ピーター・ケニー氏は「貿易に対し米政権がさらに強硬姿勢を強めていく一歩にも見える。米企業の利益に重大な影響が出る恐れがある」と話した。・・・
急落、724ドル安 米中の貿易摩擦不安強まる
22日のニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は急落し、前日比724.42ドル安の2万3957.89ドルで取引を終えた。1日の下げ幅としては1カ月半ぶりの大きさで、過去5番目。トランプ米大統領が中国製品に高関税を課すことを表明したことで、米中貿易摩擦の不安が強まり、売り注文が膨らんだ。またトランプ政権は23日に鉄鋼やアルミニウムの輸入制限を発動。建設機械のキャタピラーや航空機のボーイングは原材料の調達費がかさみ、その上貿易摩擦激化で海外販売も影響を受ける恐れがあるとして、両社の株は5%超下げ、相場の下げを主導した。 
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東京円、104円台に急伸 2016年11月以来の円高水準 米中貿易摩擦に懸念
23日午前の東京外国為替市場の円相場は、米中の貿易摩擦への懸念から円が買われ、一時1ドル=104円台に急伸した。米大統領選でトランプ氏の優勢が伝えられて、急速に円高が進んだ2016年11月以来の高値水準。午前8時現在は、前日比85銭円高ドル安の1ドル=104円83〜84銭。ユーロは1円61銭円高ユーロ安の1ユーロ=129円15〜16銭。 
東証10時 下値模索、下げ幅800円超 円高警戒で海外勢の売り
23日前場中ごろの東京株式市場で日経平均株価は下値模索となった。下げ幅を800円超に広げ、2万0700円台後半まで水準を切り下げる場面があった。円相場が再び1ドル=104円台まで上昇。日本企業の輸出採算が悪化するとの警戒感がじわりと広がった。米国と中国の貿易摩擦により世界経済が停滞するとの懸念もあり、海外投資家を中心とした利益確定売りの勢いが増した。円相場は朝方に1ドル=104円台まで上昇した後、いったんは105円台まで押し戻された。その後に再び円高方向に振れたことを契機に「海外投資家が売りを出した」(国内証券のストラテジスト)。業種別では商社や非鉄金属など資源関連株の一角にも売り圧力が強まった。JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も前場中ごろにかけて下げ幅を広げた。10時現在の東証1部の売買代金は概算で9180億円、売買高は5億2147万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は2026と、全体の97%強を占めた。値上がりは36銘柄にとどまり、変わらずは17だった。
第一生命HDや三菱電、信越化が一段安。京セラやホンダ、東京海上も下値模索となった。一方、関西電や東ガスが小高い。  

基本的には まだまだ下げ局面が続きます
底は 18,000〜18500 ? ( 5〜7月頃 )
貿易戦争話題が 一時的に下げを加速させただけ
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NYダウ

日経平均  3/30
直近1年の日経平均   
縦軸 直近1年の日経平均の平均株価(20,961円)に対する 当日の上下
横軸 直近1年の日経平均の平均売買高(1,671,655,600株)に対する 当日の比率
3/1〜3/30 の日経平均
多くの会社が決算月
もみ合いながら 薄化粧しました
来月 下げ基調は変わりません
 4/2

 


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 4/4
 4/5
 4/6
6日のNYダウは572ドル安、貿易戦争への懸念で全面安
6日の米国株式相場は下落。ダウ平均は572.46ドル安の23932.76、ナスダックは161.44ポイント安の6915.11で取引を終了した。トランプ大統領が中国からの輸入品1000億ドルを対象とした追加関税策の検討を指示したことで、対中貿易摩擦への警戒感が一段と高まり、終日大幅下落となった。3月雇用統計で非農業部門雇用者数が大幅減少となる一方で、平均時給の伸びは予想を上振れたが相場への影響は限定的だった。セクター別では全面安となり、特に半導体・半導体製造装置や資本財の下落が目立った。バイオ医薬品のインサイト(INCY)は、悪性黒色腫の患者に対するIDO阻害薬(癌腫瘍を守る酵素の働きを阻害する薬品)の臨床試験が目標に到達せず、20%を超す下落。半導体のエヌビディア(NVDA)は、空売り専門の調査会社シトロン・リサーチが同社株価が200ドルを割り込むとの予想を示し、軟調推移。クラウドベースの顧客管理ソフトなどのセールス・フォース(CRM)は、計25億ドルの無担保社債による資金調達を行い売られた。米長期金利の下落でゴールドマンサックス(GS)やJPモルガン(JPM)などの金融関連企業が下落した。来週から1-3月期決算シーズンに突入する。ファクトセット社の調査によれば、1-3月期のS&P500構成銘柄の利益は、6日時点で前年同期比17.1%の増益予想と、11年1-3月期以来の利益成長(前年同期比)となる見通しだ。
リスク回避の円買いに拍車がかかる
6日のニューヨーク外為市場でドル・円は、107円42銭から106円78銭まで下落し106円95銭で引けた。米国の3月雇用統計の非農業部門雇用者数が予想を下回ったほか、米中貿易戦争への警戒感が再燃し、米債利回りの低下に伴うドル売り、リスク回避の円買いに拍車がかかった。トランプ米大統領が「貿易戦争は若干市場に痛みを与える」と指摘したほか、ムニューシン米財務長官も潜在的な貿易戦争のリスクに言及したことが、投資家心理を悪化させた。ユーロ・ドルは、1.2220ドルへ下落後、1.2291ドルまで反発し、1.2280ドルで引けた。ユーロ・円は、131円62銭へ上昇後、131円17銭まで反落。ポンド・ドルは、1.4003ドルから1.4105ドルまで上昇した。ドル・スイスは、0.9649フランから0.9579フランまで下落した。
NY原油、大幅反落で62.06ドル、米中貿易摩擦による需要減少を警戒
NY原油先物5月限は大幅反落(NYMEX原油5月限終値:62.06 ↓1.48)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物5月限は前日比−1.48ドルの62.06ドルで通常取引を終えた。時間外取引を含めて一時61.81ドルまで売られた。米中貿易摩擦への懸念が再度高まり、世界経済の成長鈍化や原油需要の減少が警戒されたことが大幅下落につながった。クドロー米国家経済会議(NEC)委員長は6日、「米中間の通商問題は向こう3カ月以内に解決できる可能性がある」との見方を示したが、市場の警戒感は低下しなかった。米国株が大幅安となったことも嫌気されたようだ。 
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25日の東京株式市場で、日経平均株価は小反落した。ただ、一時前日比200円近く下落した後に下げ渋り、市場関係者は「地合いが悪化したわけではない」(大手証券)と前向きだ。米国株式市場で24日、ダウ工業株30種平均が400ドルを超える大幅安を記録した。東京市場もその流れを引き継ぎ、午前の取引では下値を模索した。しかし、円安傾向に支えられ徐々に底値を固め、「国内機関投資家の出遅れ株物色が続いていることを確認した」(銀行系証券)との声が上がった。もっとも、米株急落の要因は企業業績の先行き懸念によるもの。主要企業の決算発表が始まった国内でも、「今期の業績計画が物足りない」(中堅証券)とされた日本電産が下落。株価の底堅さのよりどころになっている堅調な企業業績に暗雲が垂れ込め始めたのも確かなようだ。 
 4/26
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NYダウ

日経平均  4/27
直近1年の日経平均   
縦軸 直近1年の日経平均の平均株価(21,217円)に対する 当日の上下
横軸 直近1年の日経平均の平均売買高(1,632,712,688株)に対する 当日の比率
4/1〜4/27 の日経平均
 5/1

 

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明日の見通し 週末で持ち高調整の売り、円安は下値支え要因に (17:09)
明日の株式相場見通し=週末に伴い持ち高調整の売り、円安は下値支え要因に  あす(18日)の東京株式市場は、手掛かり材料が不足するなか、週末に伴う持ち高調整の売りも想定されるため、日経平均株価は軟調な推移となりそうだ。ただ、米長期金利の上昇傾向が顕著となっていることから、外国為替市場で日米金利差拡大を見込んだ円売り・ドル買いが継続し、株価の下支え要因となっている。
市場関係者からは「きょうは前日の米国市場で米長期金利が上昇したことを受けて、円安・ドル高機運が強まった。米金利上昇に伴う運用収益の改善期待から大手金融株が買われ、円安で採算改善が見込める電機、機械など輸出関連株の一角が買われた。後場に入ると海外投資家からとみられる買いが株価指数先物に入り、現物株市場での指数のジリ高を牽引した。ただ、東証1部の売買代金は、2兆3870億円と盛り上がりに欠ける地合いとなった」との見方が出ていた。
17日の東京株式市場は終始買い優勢の展開となり、日経平均は引け間際に伸び悩んだものの、前日の下げ分を上回る上げ幅で着地した。日経平均株価終値は、前日比121円14銭高の2万2838円37銭と3日ぶりに反発した。
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NYダウ

日経平均  5/31
直近1年の日経平均   
縦軸 直近1年の日経平均の平均株価(21,448円)に対する 当日の上下
横軸 直近1年の日経平均の平均売買高(1,613,635,570株)に対する 当日の比率
5/1〜5/31 の日経平均
 6/1

 

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NYダウ

日経平均  6/29
直近1年の日経平均   
縦軸 直近1年の日経平均の平均株価(21,670円)に対する 当日の上下
横軸 直近1年の日経平均の平均売買高(1,580,856,964株)に対する 当日の比率
6/1〜6/29 の日経平均
 7/2

 


 7/3
日本株は続落、通商問題懸念や中国市場不安定−素材セクター中心売り 7/3
3日の東京株式相場は続落。米国と中国の通商問題への懸念が根深く、不安定な中国株動向に振らされ、午後の取引で一時下げ幅を広げた後、終了にかけ値を戻した。非鉄金属や繊維、化学株など素材セクター、海運や商社株など中国経済との関係性が濃い業種が相対的に安い。
TOPIXの終値は前日比2.49ポイント(0.1%)安の1692.80、日経平均株価は26円39銭(0.1%)安の2万1785円54銭。
りそな銀行アセットマネジメント部の黒瀬浩一チーフ・マーケット・ストラテジストは、「米国による6日期限の340億ドル相当の対中関税発動は回避できるのではないかとの見方もあったが、中国株の下げはこのまま行くだろうという読みの表れ」と指摘。日本は景気がさえない中、貿易摩擦を補うような景気対策も行っておらず、人民元安をきっかけに「低迷する中国株に引っ張られだした」と言う。
米供給管理協会(ISM)が2日に発表した6月の製造業景況指数は、60.2と前月の58.7から上昇。受注や生産、雇用指数などの堅調維持が確認された。
2日の米国株が切り返したことを好感し、きょうの日本株はプラス圏で始まったが、買い戻しは続かず、中国上海総合指数が下げ基調になるとともに失速。人民元安に歯止めがかからない中、上海総合指数と香港ハンセン指数が直近安値を付けるなど不安定さを見せ、日経平均は午後の取引で一時下げ幅が200円を超えた。
米国のISM製造業指数では、足元の堅調な景気状況が再確認された半面、入荷遅延DIの急上昇で全体指数が押し上げられるなど、鉄鋼・アルミニウムをはじめとする貿易問題がサプライチェーンの混乱につながりつつある兆しもうかがえた。米輸出企業は議会に対し、トランプ米大統領の関税発動を抑えるよう期待しているものの、貿易専門家やロビイストらは議会が近くトランプ大統領の阻止に動く可能性は低いと指摘している。
大和証券の高橋和宏株式ストラテジストは、「米国では中間選挙を控え、トランプ大統領の行動を政治的に引き留められる期待が次第になくなってきている」とみる。今週末の米中の関税発動期限を過ぎても、「欧州や日本との貿易問題は続く。欧州と関税競争となれば、英国のEU離脱をめぐる国民投票時のような一時的混乱のリスクを考えておく必要がある。日本にとっては自動車への課税が最悪シナリオ」とも話した。
もっとも、大引けにかけ中国株が下げ渋ると、日本株も下げ幅を縮めて終了。SMBC日興証券投資情報部の松野利彦氏は、「間もなく発表が始まる米企業の4ー6月期決算は良好で、日本企業も為替安定から悪くなく、業績面から見た日米株のバリュエーションは一時期に比べ安くなっている」と指摘。米国と中国が500億ドルの25%関税、2000億ドルの10%関税を互いに実施しても、「米国への影響はGDPの0.2%程度でそれほど大きくはない。6日を過ぎれば、ある程度の落としどころが見えてくるのではないか」と予想していた。
東証1部33業種は非鉄金属、海運、精密機器、繊維、その他金融、ゴム製品、卸売、不動産、建設など21業種が下落。上昇は石油・石炭製品、空運、保険、鉱業、証券・商品先物取引、電機など12業種。売買代金上位では、ゴールドマン・サックス証券が投資判断を弱気に下げたキヤノン、銅市況の下落も響いた住友金属鉱山が安い。マッコーリーキャピタル証券が判断を上げた富士通、JPモルガン証券が強気判断に上げたミネベアミツミは高い。 
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お休み
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 7/31

 

NYダウ

日経平均  7/31
直近1年の日経平均   
縦軸 直近1年の日経平均の平均株価(21,855円)に対する 当日の上下
横軸 直近1年の日経平均の平均売買高(1,551,395,891株)に対する 当日の比率
7/2〜7/31 の日経平均
 8/1

 

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トルコリラの反発でリスクオフ一服 8/15 16:00
昨日はリスクの巻き返しの一日だった。アジア時間からすでにその傾向はあった。肝心のトルコリラ相場はそれほども動いていないのだが、日本株などが先に大幅上昇を演じてしまっている。確かにお盆休み中なのでマーケットは薄いと言えば薄い。
そして実際に欧州序盤でトルコのマザーマーケットがスタートしてみると、トルコリラは心持ち、値を戻してきたのだ。値を戻すといっても、これまで値下がりした分に比べると微々たるものだ。
それでもマーケットに安心感を与えるには十分だった。ユーロ円も堅調な地合いであって、BRXIT以降の61.8%戻しの126.75レベルも超えてきたのだ。ちょっとユーロ円を戻り売り使用と思っていた私も、手が引っ込んだ次第だ。
しかし結果的にはユーロ円の頭は重たかった。ユーロ円は127.00を手前にかなり抵抗を示したのだ。そしてトルコリラも動きを止めたようだ。すでにリスク回避の方向で、つまりユーロ円を売りたくて仕方がなくなってきていた。
しかしながらここで売ってしまうと、拙速かもしれない。ニューヨーク序盤の動きと、米国株のオープン状況を確認してからショートメークしよう。そう考えて少し待つことにした。
米国株はストロングにスタート。それでマーケット全体は大きくリスクテークに傾いた。ちょっとクロス円の下がる地合いではなさそうだ。結果的には為替相場はドルの全面高に触れることとなった。
ユーロドルは今年の最安値を更新してきて、1.1331まで差し込んでいる。これだけ指向性があるのであれば、ユーロ円を狙わずにユーロドルをストレートにやっていればよかった。
今晩は経済指標がいくつか出るが、最も重要なのは小売売上高だろう。果たして先日に出たGDPの消費部分の高さを裏付けているデータとなるのかどうか。大幅な法人税の減税があったのは事実だが、それがこんなに早くもトリクルダウンしてくるものかどうか。
事前の予想ではプラス0.3%とかなので、何も従来と変わらない水準なのである。昨日はドルが買い進まれたので、その分のポジション調整を誘う契機にもなるかもしれない。この指標発表の前後は要注意である。 
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NYダウ

日経平均  8/31
直近1年の日経平均   
縦軸 直近1年の日経平均の平均株価(22,107円)に対する 当日の上下
横軸 直近1年の日経平均の平均売買高(1,519,998,869株)に対する 当日の比率
8/1〜8/31 の日経平均
 9/30

 

NYダウ

日経平均  9/30
直近1年の日経平均   
縦軸 直近1年の日経平均の平均株価(22,365円)に対する 当日の上下
横軸 直近1年の日経平均の平均売買高(1,501,847,071株)に対する 当日の比率
9/1〜9/30 の日経平均
 10/31

 

NYダウ

日経平均  10/31
直近1年の日経平均   
縦軸 直近1年の日経平均の平均株価(22,494円)に対する 当日の上下
横軸 直近1年の日経平均の平均売買高(1,490,210,321株)に対する 当日の比率
10/1〜10/31 の日経平均
 11/30

 

NYダウ

日経平均  11/30
直近1年の日経平均   
縦軸 直近1年の日経平均の平均株価(22,450円)に対する 当日の上下
横軸 直近1年の日経平均の平均売買高(1,463,816,062株)に対する 当日の比率
11/1〜11/30 の日経平均
 12/28

 

NYダウ

日経平均  12/28
直近1年の日経平均   
縦軸 直近1年の日経平均の平均株価(22,331円)に対する 当日の上下
横軸 直近1年の日経平均の平均売買高(1,463,203,973株)に対する 当日の比率
12/1〜12/28 の日経平均
 1/31

 

NYダウ

日経平均  1/31
直近1年の日経平均   
縦軸 直近1年の日経平均の平均株価(22,063円)に対する 当日の上下
横軸 直近1年の日経平均の平均売買高(1,443,929,916株)に対する 当日の比率
1/4〜1/31 の日経平均
 2/28

 

NYダウ

日経平均  2/28
直近1年の日経平均   
縦軸 直近1年の日経平均の平均株価(21,992円)に対する 当日の上下
横軸 直近1年の日経平均の平均売買高(1,408,244,355株)に対する 当日の比率
2/1〜2/28 の日経平均
 3/29

 

NYダウ

日経平均  3/29
直近1年の日経平均   
縦軸 直近1年の日経平均の平均株価(21,993円)に対する 当日の上下
横軸 直近1年の日経平均の平均売買高(1,395,443,729株)に対する 当日の比率
3/1〜3/29 の日経平均
 4/26

 

NYダウ

日経平均  4/26
直近1年の日経平均   
縦軸 直近1年の日経平均の平均株価(22,003円)に対する 当日の上下
横軸 直近1年の日経平均の平均売買高(1,373,514,257株)に対する 当日の比率
4/1〜4/26 の日経平均
 5/31

 

NYダウ

日経平均  5/31
直近1年の日経平均   
縦軸 直近1年の日経平均の平均株価(21,892円)に対する 当日の上下
横軸 直近1年の日経平均の平均売買高(1,365,495,195株)に対する 当日の比率
5/7〜5/31 の日経平均
 6/28

 

NYダウ

日経平均  6/28
直近1年の日経平均   
縦軸 直近1年の日経平均の平均株価(21,765円)に対する 当日の上下
横軸 直近1年の日経平均の平均売買高(1,335,118,867株)に対する 当日の比率
6/3〜6/28 の日経平均
 7/31

 

NYダウ

日経平均  8/2
直近1年の日経平均   
縦軸 直近1年の日経平均の平均株価(21,700円)に対する 当日の上下
横軸 直近1年の日経平均の平均売買高(1,307,465,015株)に対する 当日の比率
7/1〜7/31 の日経平均
 8/30
NYダウ

日経平均  9/3
直近1年の日経平均   
縦軸 直近1年の日経平均の平均株価(21,965円)に対する 当日の上下
横軸 直近1年の日経平均の平均売買高(1,294,535,331株)に対する 当日の比率
8/1〜8/30 の日経平均
 
 
 
 
 
 
 
 
ソフトバンク上場 頭の体操 思いつき 2018/11/26
ソフトバンクGの子会社 知りませんでした
携帯価格の値下げ問題 当面 伸びしろなし
今が山でしょう
経営者は孫正義代表
何となく日産ゴーン会長とダブって見えてきます
 


 
2018/2-
 

 

●農林中央金庫
1923年(大正12年)に設立された農業協同組合、森林組合、漁業協同組合の系統中央機関の役割を持つ金融機関であり、国内最大規模の機関投資家である。海外では日本最大のヘッジファンドとして名高い。略称は農林中金。
特殊法人であったが、1986年(昭和61年)に特別民間法人となり、農林中央金庫法を根拠法とする純粋な民間金融機関となった。
1990年代後半より、貸出利率は下落し貸付業務は徐々に魅力をなくした。そのため、潤沢な資金を背景にヘッジファンドとして転換を遂げた。米国一流大学のMBA取得者約300人を抱える有価証券投資部門を擁し、ロンドン、ニューヨーク、シンガポールを拠点に海外積極投資を展開している。
銀行免許を持つ金融機関でありながら金融庁ではなく農林水産省の所管となっている。約3,200人の職員で、JAバンクから上がってくる約80兆円の貯金を各県の信用農業協同組合連合会(県信連)を通して運用するため、有価証券投資、法人向け大口貸付業務が主流業務となっている。そのため、農業団体等の第一次産業事業への貸付は全体のポートフォリオの5%に満たない。
現在、JAバンクの本部としての管理、コンサルティング業務を行う傍ら、県信連との経営統合を進めており、これまで青森県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、栃木県、群馬県、千葉県、富山県、岡山県、長崎県、熊本県の各県信連との経営統合を完了した。
概要
農業協同組合(JA)、漁業協同組合(JF)、森林組合(JForest)その他の農林水産業者の協同組織の金融の円滑化を目的として、貯金の受け入れ、資金の移動や貸付、手形取引、有価証券運用および、根拠法である農林中央金庫法で定める業務を行っている。設立当初は資本金の半分を政府出資により賄い、また、監督行政面でも役員の全員を政府が任命するほか、監理官による監督を受けるなど政府機関的色彩が強かった。その後、組合金融の発展に伴い次第に政府機関的性格は薄れ、政府出資については1959年に消却完了している。その後、1986年の金庫法改正により完全民間法人化した。
系統金融機関における主たる業務として、系統組織、法人向けの融資や預金受け入れ(預金総額のうち8割強が会員からの受け入れである)を標榜しているが、近年においては国内最大規模の機関投資家としての側面を大きくしている。
割引農林債券「ワリノー」および利付農林債券「リツノー」「リツノーワイド」と呼ばれる金融債を発行していたが、リテール向けについては、2006年3月27日をもって売出しが終了した。なお機関投資家向け募集形式では継続されている。同年9月に期限付劣後債をユーロ市場で発行する事を発表。広く海外や国内の金融機関から資本調達する事で、系統組織に依存しない機動的な態勢を強化する目的とされる。
投資信託や定期預金の新規受付も徐々に停止し、債券がすべて償還されてから約2ヵ月後の2011年5月23日以降は、個人名義の口座がすべて本店へ移管され、個人顧客の取引チャネルは本店窓口とテレホンバンキングのみとされた。支店も地元のJAビル内に空中店舗化され、その一部については口座店が本店に移管されている。また2016年3月末を以て、既存顧客の投資信託の受託を終了し、モルガン・スタンレー系などの一部のファンドを除き、既存顧客(主に個人)の投信取引をみずほ証券に継承させた。
小切手法(昭和8年法律第57号)の第59条、および「小切手法ノ適用ニ付銀行ト同視スベキ人又ハ施設ヲ定ムルノ件」(昭和8年勅令第329号)によると、農林中央金庫は銀行と同視されるため、小切手金の支払人たる資格を有することとなる。
貸付・有価証券投資
1980年代後半のバブル景気時代には住宅金融専門会社(住専)に多額の貸し込みを行っていた。リスクの大きい物件の不動産融資に傾注していた住専は1990年代に入り、バブル崩壊とその後の平成不況による地価下落・住宅価格下落で破綻し、農業協同組合等の系列金融機関(JAバンク系)も破綻は時間の問題となっていた。しかし、1996年の第136回国会、通称住専国会における特定住宅金融専門会社の債権債務の処理の促進等に関する特別措置法の制定に伴い、国費により住専の債権が買い取られたことにより救済され、破綻を免れた。
○その過程で、農水省経済局長は大蔵省銀行局長との会談にて「農林系金融機関の返済を優先する」との覚え書きを得ている。
1986年(昭和61年)9月の農林中央金庫法の改正による特別民間法人化、2001年(平成13年)の金庫法全面改正を経て経営体制の大幅刷新、および投資銀行へと大きく舵を切り、資金余剰で金利の低い国内金融を縮小し、金利の高いアメリカ合衆国連邦政府を中心とする外国債権購入・外国債券投資を増やした。
○この転換は、連邦準備制度の金利引き上げと円安傾向と相まって、利ざやが大きく巨額の利益をもたらした。しかし、2007年後半からアメリカ合衆国のサブプライムローン問題の顕在化で、これまでとは逆の連邦準備制度理事会の金利引き下げと米ドル安トレンドとなり、2008年(平成20年)3月期の最終利益は過去最高を達成したものの、日本の株価の値下がりの影響による870億円余りの損失と合わせて2743億円の損失も計上することとなった。
○2008年(平成20年)度に入って、サブプライム住宅ローン危機はさらに深刻化、金融危機が米連邦住宅抵当公庫(ファニー・メイ)や米連邦住宅金融抵当公庫(フレディ・マック)の旧連邦政府系金融機関にも及び、ファニー・メイの株価だけでなく両社発行の社債価格も大幅に下落した。両者の社債を三菱東京UFJ銀行の保有額を超え、日本最大の5兆5000億円を保有する農林中金は、再び不動産金融で危機を迎えるのか予断を許さない状況だったが、政府管理下に置かれて元利払いが継続されるため、この問題は乗り越えた。9月中間決算で証券化商品の評価損として810億円を処理した。  
投資ビジネス
JAバンク・JFマリンバンクの運用の最終的な担い手として中長期的に安定した収益を追求 / 高度なリスクマネジメントで国際分散投資を通じ、中長期的な安定収益を確保
私たち農林中央金庫は、JAバンク・JFマリンバンクの資金を最終的に運用する役割を担っています。このため、投資ビジネスでは中長期的に安定した収益を確保し続けていくことを究極の目的として、スケールメリットを活かした効率的な運用を行っています。低金利時代に入った20年ほど前からは、この目的を実現するために、グローバルな金融市場においていち早く「国際分散投資」を実施してきました。ニューヨーク、ロンドン、シンガポールの海外拠点を活用して、グローバルなネットワークを構築するとともに、投資にあたっては、1つの資産に集中投資するのではなく、リスク・リターン特性の異なる複数の資産に分散投資することで、ポートフォリオ全体のリスクを抑制しています。特に外貨建資産の運用については、変動の大きな為替リスクを極力ヘッジした形で実施しています。私たちは収益の安定化を極限まで追求するために、投資手法やリスクマネジメントについて不断の見直しを行い、国際分散投資の高度化に挑戦し続けています。 
 

 

●平成30年3月期 決算概況 (平成29年4月1日〜平成30年3月31日)
1 経営成績に関する定性的情報
当年度の世界経済は、底堅い景気回復を続ける米国・欧州経済に牽引され、全体として緩やかな成長が継続しました。
米国経済は、雇用・消費を中心とした内需の伸長を背景に底堅い景気拡大が続き、欧州経済につきましては、内需主導の循環的な景気回復が継続しました。中国経済につきましては、規制強化等の構造改革を要因とした小幅な景気減速が見られ、新興国経済につきましては、グローバルな景気回復を背景とした輸出拡大等により、全体として成長が続きました。こうしたなか、日本経済は、生産・輸出主導で引き続き持ち直していますが、賃金の伸びは緩慢であり、物価上昇は低位に留まりました。
金融市場につきましては、上半期において地政学リスクの高まり等から一時的に長期金利が低下しましたが、下半期以降、米国における金融緩和政策の正常化等を背景に長期金利が上昇し、株価が調整する局面も見られました。結果として、年度を通じては、長期金利・株式が上昇したほか、為替は円高となりました。米国におきましては、堅調な経済指標を受けて、合計3回の政策金利の引き上げが実施されました。日本におきましては、長期金利は年度を通じて低水準で推移しました。
このような環境において、連結経常利益は前年度比430億円減益の1,710億円、親会社株主に帰属する当年度純利益は前年度比585億円減益の1,476億円となりました。
当金庫単体においては、資金収支を安定的に積み上げるべく財務運営を行った結果、資金利益は、前年度比1,013億円減少の1,729億円となりました。
与信関係費用は、与信先の業績改善等による引当金の戻入のため、40億円の収益計上となりました。
有価証券関連損益は、前年度比149億円減少の228億円の有価証券売却益等(純額)を計上し、有価証券の価格下落等による償却・引当金は前年度比7億円増加し、7億円の費用計上となりました。
以上の結果、経常利益は前年度比544億円減益の1,588億円、当年度純利益は前年度比734億円減益の1,299億円となりました。また、業務純益は417億円となりました。
2 財政状態に関する定性的情報
連結会計年度末の連結総資産は104兆9,277億円で前年度末に比べて2兆1,349億円減少いたしました。
当年度末の当金庫単体の総資産は、前年度末に比べて2兆3,948億円減少の103兆4,176億円となりました。純資産の部は、前年度末比2,849億円減少の6兆6,540億円となりました。
主要な勘定残高につきましては、資産の部では貸出金が前年度末比2,059億円減少の11兆7,426億円、有価証券が前年度末比9兆7,754億円減少の52兆3,327億円となりました。負債の部では預金が前年度末比3兆9,196億円増加の65兆8,238億円となり、農林債が前年度末比6,493億円減少の1兆7,744億円となりました。 
●平成30年3月期 第3四半期決算概況 (平成29年4月1日〜平成29年12月31日)
1 経営成績に関する定性的情報
当第3四半期累計期間における損益につきましては、連結経常利益は前年同期比678億円減益の1,672億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比558億円減益の1,331億円となりました。当金庫単体においては、資金収支を安定的に積み上げるべく財務運営を行った結果、資金利益は前年同期比834億円減少の1,378億円となりました。与信関係費用は、一般貸倒引当金繰入を主因に、21億円の費用計上となりました。有価証券関連損益は、前年同期比208億円減少の413億円の有価証券売却益等(純額)を計上し、有価証券の価格下落等による償却・引当は前年同期比11億円増加し、11億円の費用計上となりました。以上の結果、経常利益は前年同期比722億円減益の1,589億円、四半期純利益は前年同期比692億円減益の1,182億円となりました。また、業務純益は628億円となりました。
2 財政状態に関する定性的情報
当第3四半期末の連結総資産は113兆4,212億円で前年度末に比べて6兆3,585億円増加いたしました。当第3四半期末の当金庫単体の総資産は、前年度末に比べて6兆1,625億円増加の111兆9,750億円となりました。純資産の部は、前年度末比1,864億円増加の7兆1,254億円となりました。主要な勘定残高につきましては、資産の部では貸出金が前年度末比1,359億円減少の11兆8,126億円、有価証券が前年度末比2兆7,419億円減少の59兆3,663億円となりました。負債の部では預金が前年度末比4兆1,053億円増加の66兆95億円となり、農林債が前年度末比4,865億円減少の1兆9,372億円となりました。 

 

●平成29年3月期 決算概況 (平成28年4月1日〜平成29年3月31日)
1 経営成績に関する定性的情報
当年度の世界経済は、底堅い景気回復を続ける米国経済に牽引され、全体として緩やかに上昇しています。米国経済は、雇用・消費を中心とした内需を背景として、底堅い景気拡大が続いており、欧州経済については、内需を主導とした循環的な景気回復が継続しています。中国経済は、成長が鈍化するなか、政策対応により下げ止まり、新興国経済については、資源価格の底入れ等により、持ち直しが見られます。こうしたなか、日本経済は、輸出主導で持ち直しつつありますが、個人消費が力強さを欠く等、緩慢な成長に留まっています。金融市場においては、上半期においてEU離脱を巡る英国の国民投票結果を受けたリスク回避の流れを受け、一時的に長期金利低下・株安・円高となる局面もありましたが、下半期以降、米国大統領選挙を契機に、米国を中心として大幅な長期金利上昇・株高・円安が進行し、年度を通じても、長期金利・株式は上昇、為替は円安となっています。その中で、米国は、堅調な経済指標を受けて、2回の政策金利の引き上げを実施しました。日本においては、昨年度の日銀のマイナス金利政策導入を受けマイナス圏にあった長期金利も、僅かながらプラスに転じています。このような環境において、連結経常利益は前年度比1,108億円減益の2,140億円、親会社株主に帰属する当年度純利益は前年度比651億円減益の2,061億円となりました。当金庫単体においては、資金収支を安定的に積み上げるべく財務運営を行った結果、資金利益は、前年度比745億円減少の2,743億円となりました。与信関係費用は、一般貸倒引当金繰入を主因に、27億円の費用計上となりました。有価証券関連損益は、前年度比180億円増加の377億円の有価証券売却益等(純額)を計上し、有価証券の価格下落等による償却・引当金は前年度比11億円増加し、軽微な費用計上となりました。以上の結果、経常利益は前年度比1,087億円減益の2,133億円、当年度純利益は前年度比681億円減益の2,034億円となりました。また、業務純益は1,235億円となりました。
2 財政状態に関する定性的情報
連結会計年度末の連結総資産は107兆627億円で前年度末に比べて5兆8,798億円増加いたしました。当年度末の当金庫単体の総資産は、前年度末に比べて5兆6,823億円増加の105兆8,124億円となりました。純資産の部は、前年度末比1,945億円減少の6兆9,390億円となりました。主要な勘定残高につきましては、資産の部では貸出金が前年度末比5兆9,672億円減少の11兆9,485億円、有価証券が前年度末比3兆7,785億円増加の62兆1,082億円となりました。負債の部では預金が前年度末比3兆656億円増加の61兆9,042億円となり、農林債が前年度末比7,092億円減少の2兆4,238億円となりました。 

 

●平成28 年3月期 決算概況 (平成27年4月1日〜平成28年3月31日)
1 経営成績に関する定性的情報
当年度の世界経済は、米欧中心に緩やかな成長が続いたものの、中国や資源国の成長鈍化等を受けて、全体としては足踏み状態となりました。米国経済は、消費・住宅投資を中心とした底堅い内需を背景に、緩やかな景気拡大が続き、欧州経済にも循環的な景気回復がみられました。一方で、中国やその他の新興国では、成長鈍化が目立ちました。こうしたなか、日本経済は内需・外需ともに低調となり、足踏み状態で推移しました。金融市場では、米欧長期金利は米国の利上げ開始見込み等を背景に上昇する局面もありましたが、中国経済への懸念や原油価格下落等を受け、年度末には年度当初の水準まで低下しました。日本の長期金利は低水準で推移した後、日銀のマイナス金利政策導入を受け、これまでに例のないマイナス圏まで低下しました。株式市場も中国経済への懸念や原油等資源価格低迷を受けて調整し、日本・欧州・新興国では水準を切り下げました。外国為替市場では、世界経済の不透明感を背景にした米国の利上げペース鈍化観測等を受けて、平成28年初めから円高が進行しました。このような環境において、資金収支を安定的に積み上げるべく財務運営を行った結果、当金庫単体の資金利益は、前年度比1,095億円減少の3,488億円となりました。与信関係費用は、与信先の業績改善等による引当金の戻入のため、193億円の収益計上となりました。有価証券関連損益は、前年度比195億円増加の197億円の有価証券売却益等(純額)を計上し、有価証券の価格下落等による償却・引当金は前年度比29億円改善し、11億円の収益計上となりました。以上の結果、経常利益は前年度比1,821億円減益の3,221億円、当年度純利益は前年度比1,329億円減益の2,715億円となりました。また、業務純益は2,257億円となりました。
2 財政状態に関する定性的情報
当年度末の当金庫単体の総資産は、前年度末に比べて6兆5,116億円増加の100兆1,300億円となりました。純資産の部は、前年度末比981億円減少の7兆1,336億円となりました。主要な勘定残高につきましては、資産の部では貸出金が前年度末比2兆198億円減少の17兆9,158億円、有価証券が前年度末比1兆4,088億円減少の58兆3,297億円となりました。負債の部では預金が前年度末比5兆3,523億円増加の58兆8,385億円となり、農林債が前年度末比4,312億円減少の3兆1,330億円となりました。連結財務諸表につきましては、当金庫単体の計数の比率が極めて高くなっております。当連結会計年度末の連結総資産は101兆1,829億円で前年度末に比べて6兆6,331億円増加いたしました。損益状況につきましては、連結経常利益は前年度比1,896億円減益の3,249億円、親会社株主に帰属する当年度純利益は前年度比1,400億円減益の2,712億円となりました。 
 
 2017  

 

●「地域に寄り添い、地域を守る」フィンテックつくる 2017/9/21
農林中央金庫 執行役員 荻野浩輝氏
フィンテック(金融とテクノロジーの融合)をテーマとするグローバルイベント「FIN/SUM WEEK 2017」の開催を機に、参加団体のキーパーソンに注目テーマや最新動向、新分野を切り開く意気込みを聞いた。農林中央金庫 デジタルイノベーション推進部長の荻野浩輝氏は銀行・金融業界だけでなく物流や第一次産業など幅広い分野に変革をもたらすフィンテックの可能性を高く評価しながら、地域を守る視点で活用していくと強調する。
地域貢献とデジタルへの思いを胸に初代部長に就任
農業協同組合(JA)などにより構成されるJAバンクの全国組織である農林中金の市場運用資産規模は、実に約70兆円にも上る。国内最大級の機関投資家である農林中金がフィンテックに熱いまなざしを向け始めた。今年7月、金庫内に「デジタルイノベーション推進部」を設置、荻野氏が初代の部長に就任した。
「グループ内でフィンテックが話題に上り始めたのは2年ほど前。最初は関係する部署から人を集めたワーキンググループで週1回話し合っていたのですが、本格的に動かなくてはならないと判断してフィンテックの専門組織を設けました。組合員の農家から『農業法人のバックオフィス業務をフィンテックで効率化できないか』と言った声が寄せられるなど、フィンテックへの関心は徐々に高まってきています」
1965年愛知県生まれ。同志社大卒業後、農林中金に入庫。システム企画部や企画管理部経営データ統括室など主にシステム部門を歩いてきた。デジタルイノベーション推進部長の直前の役職は企画管理部部長(データマネジメント担当)。
就職にあたり農林中金を志望した理由は、社会や地域に貢献する特別な使命を持つカッコよさに強く惹かれたから。その思いは、東日本大震災や熊本地震後にJAバンクが行った支援を通じてより強くなった。実際、JAバンクは計100台程度の移動店舗車両を導入する計画に取り組んでいる。移動店舗車両では貯金の入出金などの金融業務が可能で、地震などで支店やATMが被災した際には周辺地域から支援に向かえるほか、普段は店舗のない過疎地を巡ることで、顧客の利便性を高めるのが目的。全国規模の金融グループが移動店舗を大規模に導入する珍しいケースだ。「東日本大震災の時に移動店舗車両が威力を発揮し、実際に被災地からは感謝の声が多く寄せられました。地域に貢献し、地域を守るというJAバンクの存在意義を改めて感じました」。
業務システムや経営データ管理など、主に社内に向けていた目を外に向ける。「インターネットビジネスに直接関わるのは2000年に米カリフォルニア大に留学して以来です。当時の米国はシリコンバレーを中心したネットバブル・ITバブルの絶頂期で、グーグルやアマゾンなどのITベンチャーの急成長を目の当たりにするなど、いろいろ勉強になりました。その体験をようやく活かせるとワクワクしています」。
インターネットビジネスの可能性を考えるには柔軟な思考が必要だ。現状で便利だと感じられる状態がそのまま未来も続くとは限らない。むしろ未整備で不便な状況が一気に飛躍を遂げるきっかけになるかもしれない。
「留学で暮らした2年間の米国生活が考え方の根底になっています。金融サービス面でみると、日本はインフラが高度に整っています。それに比べて米国はインフラが整備されていないところがあり、人々がストレスを感じていただけに、いち早くオンラインバンキングに取り組むことができた。デジタル化には現状を大きくひっくり返す力がある。巨大なITビジネスが形成された今後は、イノベーションが求められる時代です。どんな新ビジネスが出現するかは予想がつきませんし、予想がつくものは大したものではありません。今年、誕生10年を迎えたiPhoneを例にとると、アップルは顧客やユーザーが求めるものを作ったのではないはずです。ユーザーがどう使うか分からないけれども、必ず世の中を変えていくと考えたのでしょう。フィンテックも世間に知られ始めてまだ数年ですが、これから生まれるものは世の中を大きく変える可能性があります」。
デジタル化が進んでも地域の生活のプラットフォームであり続ける
JAバンクは全国津々浦々に約8000の店舗を抱えている。メガバンクと比較すると店舗の数は一ケタ多い。
「他の金融機関に比べて店舗を維持するコストがかかることは確かです。だが、地方の店舗が採算が合わないからという単純な経営判断で廃止することはできません。どんなに過疎が進みつつある地域であっても金融サービスを放棄するわけにはいかない。そうしたJAバンクの使命は何が起こっても変わりません。農林中金がフィンテックを考える際に大事にするべきなのは、情報通信技術(ICT)によるデジタル化と人が関わる部分のメリハリだと思います。欧州では、デジタル化で置き換える業務とフェースツーフェースの業務を並立させていくと言っている金融機関もあり、農林中金も方向は同じです」。
フィンテックで農林中金が見つめる目は国内外の金融機関、大手企業、スタートアップ企業だけではない。むしろ、自らの基盤である地域を深く掘り下げる方向にも向けられている。農林中金は7月、金庫内に「JAバンク資産形成推進部」を設置し、JAバンクによる農業者向け資産形成コンサルティング機能をサポートする体制をスタートさせた。
「地域農家の資産運用だけでなく、農家の高齢化に対応してスマホで手軽に操作できるツールなどを開発していきます。農家の高齢化で遺産相続や後継者不足などの問題が深刻化しており、このまま放置しておくと地域そのものが崩壊しかねません。総合事業体としてのJAは現在でも地域の生活に不可欠なプラットフォームを提供しています。経済のデジタル化が進んだとしてもJAは地域と第一次産業を支えるプラットフォームであり続け、家族をつなぐ、世代をつなぐ仕組みを担っていくのが我々の使命だと考えています。フィンテックやアグリテック(農業とテクノロジーの融合)の進展で、もっと地域を創生する仕組みをつくれるかもしれません」。
荻野氏が「FIN/SUM WEEK 2017」で注目するイベントの1つが、世界の大学生・大学院生が参加し、与えられたテーマのソリューションアイデアを競う「アイデア・キャンプ」だ。「地方創生」などのテーマに対し、学生チームがどのようなソリューションを出してくるかに期待感が高まるという。
「地域の現状に対する危機感はJAグループ全体が共有しています。地域に寄り添い、地域と第一次産業を守るという使命をフィンテックでどう実現していくか。FIN/SUM WEEK 2017が多くの人に地方創生の新しいアプローチを考えるきっかけになってほしいと思っています」という。 
●農林中金 1100億円減益−16年度決算 2017/5/26
農林中央金庫は5月25日、平成28年度(2016年度)決算を公表した。経常利益は2140億円を確保したが、外貨調達費用が増加し前年度にくらべて1108億円減少した。ただ、計画では1500億円程度の経常利益目標としていることから高水準を実現。自己資本比率も24.39%と高水準を維持した。
「JAは総合事業が大原則」と語る河野理事長 28年度は経常収益は前年度比774億円の1兆3653億円だったが、経常費用が1883億円増加し1兆1512億円となったことから経常利益は▲1108億円の2140億円となった。
経常費用のうち資金調達費用が1428億円増加した。円の調達費用は横ばいだったが、ドルの調達費用は米ドル金利の上昇が影響した。純利益は▲651億円の2061億円となった。2期連続で減益となったが、記者会見で河野理事長は29年度も「1500億円程度の経常利益確保をめざす」と話した。
また、昨年6月から食農ビジネスとして農業と食品産業などを横断的に結びつける食農法人営業本部など4本部制を導入した成果を強調した。
とくにJA全農との協調した英国卸売会社(SFG社)の買収による輸出拡大対策などは、JAグループとして成果が見込まれるとして今後とも生産者手取りの向上につなげていくとした。また、農業法人への融資も28年度で新規に241社で実績をあげたほか、系統全体での農業貸出しも3500億円となり「これまでにない画期的なことではないか」と話した。
一方、JAの信用事業譲渡問題については「あくまでもJAが総合事業をやっていくのが大原則」と強調した。ただ、信金、信組などと同等のリスク管理態勢を実現することがJAに求められていることから、
「その実現がJAにとって難しいという判断をすれば一義的には合併によってそれをクリアすることになり、合併が難しければ信用事業譲渡という代理店方式が仕組みとしてあるためその選択をするということになる」とのJAグループとしての基本方針を指摘するとともに、「代理店方式は目的ではなくあくまでも手段。JAの事業がやりやすくなるための手段であり選ぶのはJA」とJAの自主判断であることを強調した。そのため信連や農林中央金庫が各JAに今後の経営についてのシミュレーションを9月までに提示し、それをもとに31年の5月末までに各JAが判断することにしている。河野理事長は「かりに事業譲渡を選択するJAがあれば信連と農林中金で全力で支援していかなければならないと考えている」と話した。 
●農中理事長が9年目突入か「特例活用」で続投強行 2017/4
農林中央金庫はJAグループから大量の資金を集め、総資産100兆円超を誇る国内最大級の機関投資家である。だが、その経営実態はあまり知られていない。実は経営トップには、河野良雄理事長(68)が内規に反して8年近くも居座り続ける。このため、政界や金融界からは「きちんとガバナンスが機能しているのか」(自民党農林族議員)といった疑問もぶつけられている。かつて農中の理事長ポストは農林水産省の最有力天下り先であり、事務次官経験者の「指定席」だった。しかし、天下り批判を浴びて同省は指定席を失い、代わって生え抜きの河野氏が2009年に棚ボタで理事長に就任。以来、農業金融の最高権力者として君臨する。農中には理事長任期について、「原則2期6年」という内規がある。このため河野氏も2015年6月の通常総代会で退任するとだれもが予想していたが、同氏は続投を強行した。
トップメッセージ
農林中央金庫は、「農林水産業者の協同組織を基盤とする金融機関として、JA(農協)、JF(漁協)、JForest(森林組合)など会員のみなさまのために金融サービスを提供することにより、農林水産業の発展に貢献するとともに、国民経済の発展に資すること」を目的としています。
農林中央金庫法第一条にあるこの社会的役割は、私たち役職員の一人ひとりが、どのような分野で仕事をしていても忘れることのない、唯一無二の使命です。
そしてその使命を果たしていくため、食農ビジネス、リテールビジネス、投資ビジネスの3つのビジネス領域で様々な活動をしています。
当金庫はこのような金融機関として、多様なステークホルダーのみなさまの信頼を得て、経済・社会の持続的な発展に貢献していくことをCSRの基本としています。
引き続き、当金庫は着実に自らの使命を果たしてまいりますとともに、農林水産業の現場にある会員と相互に連携しながら、CSRに取り組んでまいります。
ステークホルダーのみなさまにおかれましては、忌憚のないご意見、ご指導を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
   2017年7月 代表理事理事長 河野良雄 
 2016  

 

●進次郎氏も“不要論”急に唱え 官邸が農林中金60兆円を狙う 2016/1/23
安倍首相と急接近と読売新聞(21日付)に報じられた小泉進次郎・自民党農林部会長。読売は農水改革を進める上で、「安倍・小泉」ラインの思惑が一致と書いたが、となると進次郎議員が今月13日、「農林中金はいらない」と急に不要論を唱え始めたのも何やら怪しい。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の買入れ余地も限界に近づき、官製相場の“実弾”が尽きつつある中、官邸が「農家の貯金」に触手を伸ばしているためだ。
21日も日経平均株価は昨年来安値を更新し、1万6000円割れ寸前まで落ち込んだ。
「テクニカル指標では明らかに売られ過ぎのサインが出ている。なのに反発しないのは、市場心理を好転させる材料が一つも見当たらないからです。私は近いうちに1万4500円まで下がると分析しています」(エモリキャピタルマネジメント代表の江守哲氏)
このまま3月期末に突入すれば企業決算はメタメタ。さらに売りが売りを呼ぶ展開となる。そこで官邸が目をつけたのが「農家の貯金」だ。世界屈指の機関投資家といわれる農林中央金庫に株を買い支えさせるつもりらしい。
「農林中金は60兆円を超える運用資産がありますが、運用比率は債券が67%で国内株式は3%に過ぎない。これをGPIFと同レベルの25%まで引き上げさせれば、約13兆円が株式市場に流れ込みます」(金融関係者)
特殊法人だった農林中金は20年前に民営化されたが、現理事長の前までトップはすべて農水次官の天下り。銀行免許を持つ金融機関なのに、所管は金融庁ではなく農水省だ。今、その農水省が官邸の“農政叩き”に怯えている。
「官邸にとってTPPに反対姿勢を貫くJAグループは目の上のタンコブといえます。だから昨年、JA全中の権限縮小などを盛り込んだ改正農協法を成立させました。JAグループが弱体化すれば、その延長線上に農水省の弱体化があるのは間違いない。次第に官庁としての存在意義が失われていくでしょう。かつての運輸省や労働省のように解体再編論が浮上するかもしれません。農水省は何としても“お家取りつぶし”を免れたい。官邸の意向をくんだ農水省が、“積極的な株式投資”を農林中金に促す可能性はあります」(政治評論家・伊藤達美氏)
つまり、進次郎議員の「いらない」発言は農林中金に投資を促すプレッシャーの一環とみられている。
年金の次は、汗水流して働いた農家のお金が“バクチ”につぎ込まれることになりそうだが、そんなことが許されるのか。
「株価の底割れが止まらないのは、GPIFによって歪められた官製相場を外国人投資家が完全に見限ったからです。相場全体が奈落の底に向かっているところに農家マネーを投入したところで焼け石に水だし、余計に投資家の不信感を募らせるだけ。まったくのムダです」(株式評論家・倉多慎之助氏)
万策尽きた「安倍ギャンブル相場」。JAグループは一丸となり、参院選で安倍政権に鉄槌を下した方がいい。 
●小泉進次郎氏が批判する「農林中金」、いったいどんな金融機関なの? 2016/1/20
自民党の小泉進次郎・農林部会長が「農林中金はいらない」と発言したことが波紋を呼んでいます。現在の融資姿勢は農家のためになっていないということを批判したのですが、果たして農林中金とはどのような金融機関なのでしょうか。
小泉氏は14日、記者団に対し「貸出残高のうち農業の融資に回っているのは0.1%だ」と述べ、農業への貢献が少ないと批判しました。
農林中央金庫(農林中金)は、かつては特殊法人でしたが、現在は民間金融機関となっており、JAバンクグループの一角を構成しています。もともとは、農林水産業におけるメインバンクとして、農林水産業を支援する目的で設立されました。しかし、実際には各地のJAバンクに預けられた預金を集め、一括運用する機関としての役割が濃くなっています。
JAグループは農家から90兆円ほど預金を集めていますが、このうち約50兆円が農林中金に集められ、集中的に運用されています。農業従事者から集めた預金を適切に運用することも支援策の一環ですし、農家への直接的な支援は各地のJAバンクなどが行っていますから、同行が何もしていないというわけではありません。しかし、見方を変えれば、JAバンクの経営を助けているだけという解釈もできますから、農家のためになっていないという小泉氏の発言にも一理あるわけです。
農林中金は、各地のJAバンクから資金を集めるという事業構造ですから、黙っていても預金を獲得できるという、銀行マンにとってはまさに夢のような会社といってよいでしょう。一般的な銀行はボーナス時期に合わせてキャンペーンを打ったり、退職金をもらうサラリーマンの家庭に何度も足を運んだりと、預金を集めるために相応の努力をしています。銀行業務の中でもっとも重労働である預金獲得をしなくてもよいので、金融業界において農林中金はあこがれの存在でもあり、半分やっかまれる存在ともいえます。
こうした恵まれた環境は運用の面でも発揮されています。集められた預金は、一般的な融資ではなく、多くが有価証券に投資する形で運用されています。農林中金は世界でも屈指の機関投資家といわれており、農林中金からの運用委託や売買の注文を獲得しようと、各金融機関が激しい営業攻勢をかけています。
もっとも農林中金は、ただ黙って座って他の金融機関からの営業を受けていればよいというわけではありません。JAグループの経営は近年苦しくなっており、集めた預金を高い利回りで運用しなければならないというプレッシャーにさらされています。このため時には行き過ぎた運用を行ってしまうこともあり、米国の住宅バブルの崩壊では、巨額の損失を計上した過去もあります。 
 2015  

 

●最大リスクは「米ドル金利の上昇」 2015/6/22
農林中央金庫の斎藤真一専務は、当面の資金運用について「最大のリスクは米ドル金利の上昇だ」との認識を示し、米国債券の動向に細心の注意を払っていく方針を示した。運用好調で前期(2015年3月期に)に最高益を更新した農林中金の約65兆円に上る運用資産の過半は米ドル建てとなっている。
農林中金は全国の農業協同組合(JAバンク)の中央機関。運用部門担当の斎藤専務は15日のブルームバーグとのインタビューで、米ドル金利について「去年よりは今年の方が金利が上がるリスクの切迫感は高い」と指摘。「年内に利上げはありうべしと思いながら運営しないといけない」と述べた。
農林中金の15年3月期決算は、円安を背景に外国債券の配当や利息収益が膨らんだことを主因に純利益が前年同期比2倍以上の4113億円と過去最高を記録した。市場運用資産約65兆円の通貨別割合は、日本円の30%に対して米ドルが56%と過半数を占めており、米金利の上昇は国債価格下落などを通じて運用戦略やその結果に影響を及ぼす。
斎藤専務は今期の運用方針について、「石橋をたたきながらも大胆に投資していくコーシャスリーセレクティブだ」とし、金利上昇観測のある米債券については「極めて短い年限への投資にならざるを得ない」と述べた。農林中金は毎期、農協からの2−3兆円に加え債券償還分と合わせ数兆円規模の新規投資を行っている。
保守的戦略
3月末の運用資産は国内債24%、外債43%、株式5%など。有価証券の評価益は外債や投資信託などその他が1兆円超増加したが、日本国債は489億円だった。斎藤専務は日本国債について「積極的に投資できない」とし、その代替先としては「ドルとユーロで探すしかないが、円とする場合は日銀の当座預金に置いておく」と述べた。
日経平均株価 が年初から15%上昇する中、斎藤専務は株式での資金運用について、株式保有リスクを自己資本に反映するバーゼル規制の強化見通しや収益の振れなどにも考慮し、「より多く株にアロケートしていくことにはならない」と述べた。ただ、「極端に増えたり減ったりしない」と現状を維持する方針を示した。
今秋にも上場予定のゆうちょ銀の預金限度額引き上げなど業務拡大について斎藤専務は、「明確に反対」と主張。農林中金の運用資産の源である農協の預金業務に「多大な影響を及ぼすことになる」との懸念を表明した。安倍晋三政権が進める農協改革も農林中金の業務に影響を与える可能性があるとして注視している。 
●農林中金、7期ぶり最高益 15年3月期 2015/5/22
農林中央金庫が22日発表した2015年3月期の連結純利益は14年3月期比2.6倍の4113億円と、7期ぶりに最高益になった。長期金利の低下(債券価格の上昇)や株価上昇などの市場環境の改善で運用収益が拡大した。今後は高収益を背景に、農業向け貸し出しの拡大を目指す。
資金運用収益が1兆337億円と29%増えたことが好業績の主因。総資産は15年3月末時点で94兆5497億円と1年間で14%増えた。運用資産は7割が外貨建てで、円安で金額が膨らんだ影響も大きい。ただ15年9月から米国が0.25%の利上げを3回実施すると想定しており、金利の上昇などで16年3月期は経常減益を予想している。
農中は2008年の米リーマン・ショック後、証券化商品などの価格下落で赤字に転落した経緯がある。その後、運用手法を見直したため、足元では08年と同規模の危機が起きても含み益が残るという。 
●60年ぶりの農協監査制度改革
 全中の監査権廃止で日本の農業の何が変わるのか
2015年2月8日に、政府と全国農業協同組合中央会(以下、全中と表記)の間で全中がこれまで、全国各地にある700に上る地域農協に対して独占的に有していた監査権を廃止することで合意がまとまりました。また、この他にもいくつかの改正点が合意されました。ところで、この結果、何がどう変わるのでしょうか?今回は、私たちの食という生活の基本にかかわるものでありながら、あまり馴染みのない農協および、全中という組織について、全中が担ってきた監査権や、監査法人の説明も交えながらわかりやすく解説いたします。
全中と農協と農家の関係
全中とは
全中は、昭和29年に農協法に基づいて設立された組織です。その当時、経営に行きづまる地域農協が多くあったことから、農協の指導監督の役割を担って誕生しました。そのため全中は、それぞれの地域の農協に対して監査権や、指導権という強力な権限を有していました。今回の改正ではこの、権限の一部が廃止されたり、新たな組織に移譲されるものです。
農協とは
農協とは、戦前から存在する農家を支援する組織です。当初は作付のアドバイスや、農業に必要な資材の販売などを通じて日本の農業を支援してきました。やがて、農家向けの保険や金融の商材を取り扱い始め、現在では非農業従事者であっても、準会員としてこれらの金融サービスを受けることができます。かつては多くの農家が加入していました。しかし、現在は高齢化や、販売チャンネルの多様化に伴い、農協に属さない農家や、一部の資材を購入するだけなど部分的に関わるだけの農家も登場しています。
今回の合意で全中と農協の関係で変化する2つのこと
今回、政府の規制改革会議が検討し提言したJAの改革案が合意されたことにより、全中と地域農協の関係が大きく変化します。
監査権の廃止
全中が地域農協に対して持っていた監査権が廃止されました。そして、全中の監査部門は、新たな監査法人として独立します。その結果、各地域の農協は自分たちの組織の監査役を、一般の監査法人からも選べることになり、選択肢が広がります。一方、全中から独立した監査法人も地域農協が選ぶ監査法人の選択肢の一つとなります。
監査法人とは何か
ところで、今回全中から新たに独立する監査法人とは通常の法人と何が違うのでしょうか。
監査法人と一般の法人の違いは、監査法人の場合は所属する社員に最低5人の公認会計士が必要な点です。
監査法人とは、昭和41年の公認会計士法の改正により創設された、組織的監査の担い手のことです。監査法人制度ができる以前の上場企業の監査は、個人の公認会計士によって行われてきました。しかし、昭和の時代の不況による倒産が相次ぐ中で、多数の粉飾決算が明るみに出ました。
そこで、監査を個人ではなく組織的に行うことで、監査業務の信用度や公正さを高めるような制度が創設されました。このような経緯があるため、監査法人を設立するには5人以上の公認会計士が必要になります。
今回の改正点は3つ
今回の改正点は監査権の廃止、指導権の廃止、準会員の利用規制の見送りの3つです。最後に、改めて何が変わるのかを振り返ってみましょう。
1.全中の農協への監査権の廃止と監査法人の設立
地域農協の監査を行えるのはこれまで全中だけでした。しかし今回の改正で、全中の監査権が廃止され、代わりに新たな監査法人が設立されることになりました。今後、地域農協は自分たちの監査を、一般企業と同様の監査法人か全中から独立した監査法人かどちらに依頼するか選べるようになります。
2.全中の農協への指導権の廃止
全中が地域農協に対して持つ指導権の廃止です。これは、農協法に根拠がある権限で、これにより全中は、農協の組織、事業、経営に対し、大きな権限をふるってきました。この指導権も今回の合意により廃止されました。具体的には、法務、税務、会計、経営管理、内部統制、コンプライアンス等についての指導をする権利が廃止されます。これは、全中から県ごとの団体を経て、下部の地域農協まで貫かれた指揮命令系統が見直されることを意味します。つまり、地域農協は指導を受けなくてもよくなり、今までよりも自由に活動をすることが可能になりました。全中が指導することで、全国的に統一された行動を取ることが可能でしたが、一方で各地の農協が独自に工夫した施策を行いにくいというデメリットもありました。今回の改正では、この地域農協が独自に工夫をする自由度が上がるものになります。
3.準組合員の利用規制の見送り
今回の改正には、準組合員の利用規制をかけることが盛り込まれていました。準組合員とは、農家にその資格がある正組合員に対して、農家でない組合員を指すことです。しかし、この改正点については、今回は見送られました。規制が検討された理由としては、農家でない人たちが農協の金融部門を利用するために準組合員となる例が多くあるためです。本来農家のための組織である農協の会員に、農家ではない人が増加することで農家のための施策が取りにくくなることなどが懸念されています。今回見送られた規制内容は、正組合員の事業利用の2分の1を超えてはならないというものです。しかし、この規制を適用することで準組合員数が圧倒的に多い農協にとっては死活問題になりうるので、今回は見送られました。

今回の合意は、全中の1954年の発足から数えて60年ぶりの日本の農業における歴史的な改革となります。
普段の生活ではあまり意識しない、農協と全中の関係ですが、私達の食生活に大きく影響する分野でもあります。この制度改革が、日本の農業の未来に対してどう影響するのか、今後も注目していきましょう。  
●農林水産業の将来を描くバンカーたち 2015/1/16
名前は知っているが、どんな金融機関なのか分からない――。農林水産業者や金融関係者でも、部分的には接することがあっても、全体像が掴みづらいとされる農林中央金庫。JA(農協)、JF(漁協)、JForest(森組)の全国機関として、メガバンクに匹敵する90兆円を超す総資産を有している。
農林水産業や地域の発展に貢献する一方、有価証券等運用資産は59兆円にのぼり、各国の資産運用会社がこぞって相談に訪れるといわれる世界的な機関投資家としての側面も持つ。農林中央金庫(以下、農林中金)で異なる業務を担う2名のバンカーに、知られざる金融機関の果たす役割を聞いた。
日本の農林水産業に、どのように貢献しているのか?
−農林中金は、農林中央金庫法第一条に「金融の円滑化を通じて農林水産業の発展に寄与する」のが目的の1つと謳われています。農林水産業に対してどのようなサポートを進めているのですか。
豊島 融資や出資といった金融面に加えて、輸出や販路拡大、6次産業化をはじめとする非金融面のサポートにも力を入れています。貸出については、日本の農業関連融資額4兆円弱のうち、7割に相当する2.5兆円はJAバンク(JA、信農連、農林中金)が担っています。ここ数年、日本では農家の高齢化や後継者不足により生じる耕作放棄地を、地域の大規模農家や農業法人等が借り受け、規模拡大していくケースが増えています。個々の農家への融資は各JAが対応しますが、農業法人向けなど金額的に大きな融資は各県信農連(信用農業協同組合連合会)や農林中金が役割分担をしてカバーします。私が所属する農林水産環境統括部では、こうした貸出を含めた農林水産金融の機能強化に関する企画や進捗管理、部門統括を担います。
−農林水産金融の機能強化とは、具体的にどのようなものですか。
豊島 (1)担い手への支援(2)事業力強化支援(3)地域活性化支援――。大きく3つの柱で取り組んでいます。例えば、(1)担い手への支援では技術力のある農業法人を対象に出資を行う「アグリシードファンド」を立ち上げ、125案件(2014年9月末)への出資が実現しています。出資により財務基盤を強化することで、規模拡大に伴う設備投資の負担や農業特有の天候不順、市況変動のリスクに備えることが可能となるため、大変好評です。このほかにもニーズにあわせた各種ファンドがあり、担い手を貸出と出資の両面で応援しています。(2)事業力強化支援は、平たく言えば販路拡大や所得増大のお手伝いです。輸出サポートでは、アジア最大級の食の商談会である香港フードエキスポへの出展や輸出セミナーを開催し、取引先を海外バイヤーに紹介します。また、生産者が企業と連携し、加工、販売まで行う「6次産業化」については、生産者と二次・三次産業者とのビジネスマッチングや事業計画の策定支援、資金面を支援するファンドの立ち上げなど、多様なサポートを行っています。(3)地域活性化支援では、地域の雇用創出や活性化に繋がる再生可能エネルギーの導入促進や、食農教育の応援として小学校への教材本139万冊の贈呈などを行っています。
−農林中金の業務内容は、どういった点で他の銀行と異なると感じますか。
豊島 とにかく業務の幅が広い。系統組織のサポートや貸出、市場運用、システムなど多岐に渡ります。甲府事務所での勤務では、JAや信農連の貯金・貸出部門の企画・実践から、リスク管理の高度化、不祥事防止のための事務指導まで、経営から各部門業務の全領域を一手にサポートすることが仕事でした。営業第五部では、静岡地区の法人営業を担当していましたが、地域にはそれぞれ強みのある農林水産業があり、付随した産業があります。静岡県の焼津には、マグロ漁船など船舶専門のエンジンメーカーがあるくらいです。地元の産業を熟知しているからこそ、個々のビジネスマッチングにも広がりが生まれると思っています。
ー差し支えなければ、農林中金に入庫されたきっかけを教えてください。
豊島 大学時代に東京から北は稚内、南は鹿児島までバイクで日本一周の旅をして、地域の温かさに触れた経験が強く印象に残り、メガバンクでの法人融資の経験を生かした地域貢献ができればと思いました。中途だといじめられるかなと思ったのですが、肩透かしでした(笑)。温厚で自由に意見を交わす。こんな社風が自分に近しいのか、嫌な思いをしたことは一度もありません。農林水産業は、地方の地域コミュニティーを維持する生命線でもあります。収益面だけではなく、農林水産業の発展や地域社会への貢献度を業務の重要な判断基準に据えている点が、農林中金での仕事の醍醐味であり、やりがいにつながっているのだと思います。
農林中金の法人営業は、他の銀行とどこが違う?
ー農林中金の「法人営業」が果たす役割を教えてください。
松本 農林中金には、JAなどの系統組織から預かった預金を運用して安定したリターンを返す大きな役割があります。この運用は、債券や株式、クレジット、オルタナティブ等への国際分散投資と一般法人や公共法人、農林水産業者、系統団体等への貸付等で行われています。特に、一般法人向け融資を「法人営業」と位置付けています。農林中金の法人営業は、一般的な商業銀行のそれとは、2つの側面で異なります。まずは、貸付の対象がグローバル展開をしている日本の大企業中心である点。もう1つは食や農林水産業、流通に関連したメイン先企業が多い点です。
ー法人営業の貸付における特徴を聞かせてください。
松本 1つはダイナミックな海外展開です。プロジェクトファイナンスやM&Aファイナンスから食農ビジネスの海外進出サポートまで幅広い業務を対象とします。日本の成長戦略として、農業ビジネスの海外進出への期待は高まっています。例えば、JAの食材をアジアのスーパーマーケットで販売したり、オーガニック野菜を作る技術そのものを輸出し、タイやマレーシアで生産する事例もあります。もう1つは、農商工連携です。農林中金には、JAや全農をはじめ系統の膨大なネットワークと創立91年の歴史の中で築き上げた法人顧客ネットワークがあります。M&Aやアライアンスに留まらず、食と農を媒介にお客様をつないでいく志向は、他の銀行との大きな違いです。
ー農商工連携では、どのような事例があるのでしょう。
松本 電鉄会社の取り組みは象徴的です。沿線住民の株主や利用者が多い電鉄会社にとって、沿線地域の魅力向上は共通の経営課題です。沿線地域の農作物の収穫体験や水揚げされる魚介類の試食会などのイベントを行ったり、駅舎での農作物販売や外食店出店といった農林中金のネットワークを活かした支援を進めています。銀行員ではあるけれど、事業家的な発想を求められるのが農林中金の法人営業の特徴と言えるでしょう。また、いたずらに信用リスクを取らず、系統組織全体を俯瞰して預金者や出資者への利益貢献を考えるという基本に忠実な点も特徴です。さらには、農林水産業と産業界の双方に太いパイプを有する農林中金の果たすべき役割として、「グローバルベースの農商工連携」は、重要なキーワードです。
ー融資先の企業から、農林中金はどう評価されていると感じていますか。
松本 極めて中立的な金融機関であり、どの会社からも相談しやすいポジションではないでしょうか。安定した資金の供給が期待できる信頼感の強さも特筆できると思います。一般の商業銀行であれば、金融市場に何かあれば、それなりに経営は揺れるものですが、経営の軸足にブレがないことも特長です。背景には、農林中金やJAなど系統組織が持つJAバンクシステムへの貯金者からの信用があります。
ー農林中金の組織としての特徴を聞かせてください。
松本 農林中金は、資金量の大きさの割に人員は少なく、マーケット部門(運用資産59兆円)のフロントで200名ほど、法人営業部門(貸出残高6兆円)で200名ほどに過ぎません。他の銀行では、次長や副参事役で担当するような日本の名だたる企業を係長年次になる前の20代の担当者のうちから任されます。組織が小さい分、職員一人ひとりの役割が大きく、組織がフラットな分、コミュニケーションがシンプルで情報がすぐに共有でき、意思決定もスピーディーです。例えば、農林中金には世界中の運用会社が、アドバイスを得るために日々、相談に訪れます。私たちは、恐らく世界で売られているほぼすべての金融商品の動向を知っています。まさに世界の縮図です。こうした情報は、担当者であっても接する機会が多く、融資先に世の中の動きを伝えるうえでも大変役立ちます。農林中金は、新卒・中途や出身大学などに関係なく、人物や能力を見てもらえるので、組織に埋もれることがありません。プロフェッショナリティは当然要求されますが、様々なキャリアコースがあり、インタラクティブに結び付いています。専門性の高い業務であっても、派生する情報を一定程度知らなければ、その専門性も生かせないのが、いまの金融業界です。幅広い業務にかかわるさまざまな職員と知り合いになれ、公平に仕事のチャンスが巡ってくるのは農林中金で働く醍醐味と言えます。 
 2014  

 

●ヘッジファンドである農林中央金庫 2014/12/15
各農協にはJAバンクと呼ばれる金融機関が設けられています。その他にも、JF(漁協)等の農林水産関係の金融機関がありますが、JAバンクの規模が突出しています。これらの金融機関を束ねる上部機関が特別民間法人である農林中央金庫です。
農林中金は、農林中央金庫法に基づき、農林水産業へ資金の提供する公的な性格をもつ金融機関です。
しかし、資本金に政府出資がない特別民間法人であり、総資産80兆円超、資本金3兆円超にもなる巨大組織でメガバンクとも肩を並べる存在なのです。ゆうちょ銀行には及びませんが、三菱東京UFJフィナンシャル・グループを上回るのです。
ところが、JAバンクには、農家から集めた預金を農業に貸し付けることができないという構造的な欠陥があるのです。日本農業は衰退傾向にあり、資金需要は決して高くありません。そもそも、数十兆円もの資金需要などあり得ません。
JAバンクは貯金だけは伸びるが、本来の目的である農業向けの貸付は縮小する構図となっているのです。これはかなり致命的です。
ですが、集めた資金を運用しなければ金融機関として成り立ちません。そこで、JAバンクは大半の資金を農林中央金庫に委託し、資金運用を任せているのです。これは「系統預け金」と呼ばれます。
ところが、農林中金も農林漁業の分野に貸付できるわけではありません。かといって、企業への貸付や世界的なプロジェクト・ファイナンスに参加するノウハウや基盤もありません。規模は大きくとも所詮は二流の金融機関なのです。
農林漁業分野への貸付は総資産額の3割未満にすぎません。しかも、最近は地方銀行も農林漁業分野への貸し付けを積極化しており、ますます厳しい状況となっています。
そこで、農林中金が力を入れているのが、有価証券及び金銭信託への投資です。農林中金が日本最大の機関投資家と言われる所以です。
バブル崩壊後の1995年、住専7社が経営破綻し、金融危機が表面化しました。住専(住宅金融専門会社)とは、個人向けの住宅ローンを取り扱う貸金業、ノンバンクの一業種です。
バブル崩壊後、土地価格が下落し住専が経営破綻しましたが、その借入残高13兆円の実に43%が農林系金融機関が融資したものだったのです。そのままでは農林系金融機関が経営危機に陥り、金融不安となってしまうため、不良債権処理に公的資金の注入が実施されました。
この際、多くの批判が巻き起こり、国会審議は紛糾して「住専国会」と呼ばれたことは有名な話です。
さらに最近では、農林中央金庫はサブプライムローンにも多額の投資を行い、リーマンブラザーズの経営破綻に端を発した世界的な金融危機で8兆とも10兆とも言われる巨額の損失を発生させているのです。
こうなってくると、農林中金は機関投資家というレベルを超え、ヘッジファンドと言うべき存在です。
しかも、サブプライムローンによる巨額の損失を穴埋めするため、全国のJAから1兆円強の増資を募り、資本増強を行っているのです。
本来、農林業関連の資金需要に応えてその発展に寄与するはずの農林系金融機関が、農林業とは関係のない分野に投機的に投資されている現実があるのです。
しかも、農林中央金庫は銀行免許を持ったまぎれもない金融機関ですが、金融庁ではなく農水省の所管となっていて、金融庁検査も実施されないのです。まして、マネーゲームに失敗して巨額の損失が発生しているのですから、なおさら金融庁検査の必要性は高いはずですが、農水省は頑なに拒んでいます。
それは、農林中央金庫は農水事務次官の有力な天下り先だからです。金融庁に干渉の余地を与えると、農水王国が侵食されるため、なんとしても守ろうとするのです。
JAバンク、農林中金=農協マネーにメスを入れて抜本的改革を断行する必要があります。
政府は、全国に約700ある地域農協が住宅ローンなど金融事業から撤退するように促す方針を示していますが、今こそ、農協から金融部門を切り離して、独立採算性にするべきです。
そして、農水省の所管からも切り離して金融庁検査を定期的に行うべきです。最終的には、特別民間法人である農林中央金庫を株式会社化して完全民営化すべきです。
特別民間法人とは、民間の一定の事務・事業を公共上の見地から実施する法人と位置付けられていますが、実態は特殊法人と大してかわりません。こうした法人は天下り官僚の巣窟となっています。
そもそも、農林中金は銀行免許をもった機関投資家というのが実態で、特別民間法人とはいえません。他の金融機関と同様に株式会社化すべきです。
株主によるチェック機能を働かせると共に天下り利権を打破して組織を刷新するのです。民営化された日本政策投資銀行や商工組合中央金庫と統合させて、金融機関としてのノウハウを一から鍛え直すべきです。
金融業者と保険業者には、預金者保護と決済システムにおけるリスク遮断のため、他業禁止措置が適用されるのが普通ですが、JA農協だけは例外扱いとなっています。
存在意義がなくなり、投機に走って莫大な損失を出した農林系金融機関=農協マネーによって日本の金融システムが危機に陥るなどあってはならないことです。暴走した農協マネーに日本経済が道連れにされないようにするためにも、JA農協から金融を分離し、農林中央金庫にメスを入れる改革を断行すべきです。
政府は、農業改革の実行に取り掛かっており、農協改革がその目玉となっています。もちろん、それも重要ですが、農協マネーにメスを入れなければ、膿を出し切って日本農業の再生に結びつけることはできません。農水王国の解体にまで踏み込まなければ、改革が成功したとは言えないのです。
農協との大戦争を戦っている今こそ、農水王国の暗部を炙り出して叩き潰す好機です。国民も強力に援護射撃する必要があります。  
 2013

 

●知られざる巨大金融機関・農林中央金庫 2013/8/19
未曾有の大震災から2年余。被災地の復興への取り組みを金融という切り口で見つめたときに、必ずと言っていいほどその存在が浮かび上がってくる農林中央金庫。
その一方で、国際金融の中心・ウォール街では、日本を代表する機関投資家としてその名を知らない者はないとも言われる。まったく様相の異なる事業領域でビッグプレーヤーとして活動する農林中央金庫とは、いったいどんな金融機関なのか。
漁協関連の信用事業や東日本大震災後の漁業復興支援に取り組んできた田口琢也さん、海外投資や財務運営に従事してきた今井成人さんの2人に、農林中金の2つの顔と、それぞれの役割について話を聞いた。
― 田口さんは東日本大震災以降、復興支援の業務に携わってきたそうですね。
田口 私は、水産業という切り口で被災地の復興支援に取り組んできました。大震災で大きな被害を受けた沿岸部は、水産業が産業の柱であり、これを立て直すことが不可欠です。なかでも漁業は、漁船・漁具や養殖場に投資をし、長い期間をかけて回収していくという装置産業的な要素が特に強く、金融の役割は極めて重要です。沿岸漁業のメインバンクである漁協自身が大きな被害を受けたため、その経営安定が地域の金融円滑化に不可欠ということで、漁協に対する資本増強に取り組みました。また、多くの漁業者が津波で漁船・養殖施設を失い、ローンだけが残ってしまう、いわゆる二重債務問題に陥ってしまいました。こうしたなかで、必要な資金をできるだけ早く、かつ少ない負担で提供することが、漁業・養殖業の速やかな再スタートに不可欠との認識で、漁業者向け金融支援の制度設計にも携わりました。
― 被災地はまだ支援が必要な状況ですか?
震災以降、現地には何度も足を運んでいますが、震災から2年半近くが経過しても、津波被害・地盤沈下に見舞われた漁港は、あまり復興に手をつけられていないところも多く、水揚げにも不自由しています。ワカメやノリなど1年で収穫できる養殖産品については、震災前の状況に戻りつつありますが、収穫に時間がかかるカキの養殖場や、水産加工施設などの本格的なインフラ整備はまだまだこれからです。低利での資金供給、利子補給など、多様な金融支援を通じて、息の長い支援をしていくことが私たちの務めだと思っています。
― 一方で、今井さんは、田口さんの仕事とは大きく異なるグローバル投資業務に携わってきたそうですね。一般にはあまり知られていない、機関投資家としての農林中央金庫についてご紹介下さい。
今井 農林中央金庫は57兆円という非常に大きな資金を、国内外の様々な対象に投資しています。私は、主にクレジットオルタナティブ資産への投資業務に携わった後、その経験を活かす形で組織全体の財務運営を担ってきました。国内最大級の機関投資家であるだけに、マーケットダイナミズムを直に感じる業務であり、いかにリスクを的確にコントロールして収益化していくか、という観点でこの組織を見つめてきました。
― 変化の激しいマーケットで収益を上げ続けるのは、簡単なことではないと思いますが?
今井 ご指摘のとおり、グローバルな経済・社会情勢や金融環境等によってマーケットは大きく変化するため、過去の経験則や成功体験のみにすがっていては、安定した収益を上げることはできません。農林中金は、全く知らないもの、未知のものに対してユニバースを広げていくことに柔軟です。そして、新しい領域・地域に投資を行う際には、例えば地の果てであっても、人の知見を借りてそこに乗っかるという安易な方法ではなく、現地に行き、情報を集め、徹底的に分析して納得できるものだけに投資していく姿勢が根付いています。効率性から考えるとデメリットもありますが、「手間を掛けてでも、きっちり収益を上げて責務を果たそう」という哲学が浸透しているので、一人一人が担うミッションは自ずと大きくなります。
― 現地に足を運び、地域に寄りそって発想する田口さんの立場からは、国際金融業務はまったく別の次元のように見えませんか?
田口 「金融を通じて日本の漁業を支える」ことに誇りと自負を持っていますが、私自身は、直接的に「お金を稼ぐ」業務に従事しているわけではありません。農林中金が系統の農林水産業のために役立てるのは、投資や運用による収益があってのことであり、役割分担とはいえ、それを担っている人たちに対しては敬意を持っています。日々の業務で、農協・漁協からの信頼を寄せられるたびに、投資・運用業務の重みを感じ、農林中金としてしっかり磨いていかなければならないと感じます。
― 今井さんが巨大な資金を動かす中で、農林水産業について考えることはあるのでしょうか?
今井 先ほども触れたとおり、日々、アクティブに頭を使っているのは、きちんとリスクをコントロールし、収益を産むためにどうすべきかということです。ただ、農林水産業について考えない日はありません。突き詰めれば「そこに還元するために自分の仕事がある」ということは、常に意識しています。
― お2人とも転職で農林中金に入庫されました。それぞれ、どんなところに魅力を感じたのでしょうか?
田口 入庫前は政策金融に携わっていたこともあり、単純に収益を追及するだけではなく、社会に対する貢献が実感できる仕事にやりがいを見出したいという考えは以前から持っていました。農林水産業の発展への貢献を組織の目的に掲げる農林中金ならば、これまで培ってきた金融の知識・ノウハウを活かせるだけでなく、仕事を通じて社会へ貢献している実感も得られ、高いモチベーションを持って働くことができるのではないかと考えました。
今井 以前から、国際的な金融業務で自分のキャリアを積んでいきたいと考えていました。農林中金には大量の資金があり、私が入庫した15年前は、海外運用を拡大させていく局面だったので、活躍できる舞台があるのではという期待を持っての転職でした。
―都市銀行・証券会社でも国際金融業務はありますが、敢えて、農林中金を選んだのですか?
今井 外資系金融機関などからもお誘いがありましたが、私にとっては「農林水産業というバックボーンがあり、金融を通じて農林水産業に貢献できる」などレゾンデートルがはっきりしている点が魅力でした。単に運用益をどれだけ上げられるかというだけではなく、「誰のお金を預かり、何のために投資・運用するか」が、他の金融機関よりもずっと明確で、納得できるものでした。
― ただ、農林水産業は後継者不足や、国際競争などの面で必ずしも勢いがありません。
今井 確かに、産業としてのあり方、人口動態の問題など、難しい局面にあると思います。だからこそ、金融の面では「農林中金に預けておけば大丈夫」と思ってもらえるようでありたいし、少しでも農林水産業を側面から支えられる存在でありたいと思います。
― 農林中金で働くことのメリットはどんなところにあるとお考えですか。
今井 多様な投資対象に対して、果敢に取り組んでいます。「これは無理」という否定の発想ではなく、「調べてみよう」「考えてみよう」というところからスタートして、可能性があるものを追究できる土壌があるということは、大きな醍醐味です。また、全国の農漁協を通じて預かった巨額の資金を動かし、確実に収益を上げていくためには情報が命です。国際金融のビッグプレーヤーとも対等に付き合い、最先端の情報を常に収集できるような体制を構築しています。現場のセクションヘッドから部長・役員に至るまで、情報を貪欲に取りに行き、しっかりと共有していかなければなりません。少数精鋭だけに、30歳代前後の中堅クラスでも大きな責任を負うことになるので、仕事のダイナミズム、面白みは格別です。
田口 農林中金は農林水産業を担う系統組織の全国機関として、収益による貢献だけでなく、資金の融通や信用事業の推進企画、健全性確保のための施策、金融規制・制度改正対応などに、非常に高い期待を寄せられています。期待の裏には、当然、大きな責任があるわけですが、それだけに仕事への誇りや働きがいを実感する機会が多いと思います。こうした地域に密着した業務でも「ユニバースを広げる」という意識は強く持っています。農林中金が、農林漁協系統組織の代表として、日々変化するビジネス環境に適合した施策を打ち出していくことが、農林水産業や地域社会をより良いものにしていくことにつながるという思いを持って仕事に取り組んでいます。 
 2012

 

 
 2011

 

●農水省はスピード認可 天下り先確保の思惑 2011/9/4
72年ぶりのコメ先物復活の影には省益維持を目指す農林水産省の思惑がちらつく。農水省は「あくまで試験上場」と繰り返し、積極的に後押ししたわけではないとの姿勢を強調する。だが上場申請から認可に至るまでの期間はきわめて短かった。上場に反対の農協と意見を擦り合わせた様子は見えない。認可のレールは最初から敷かれていたように映る。
自民党の農水関係議員は「農水省は天下り先確保を優先した」と話す。 
 2010

 

●世界金融ショックに翻弄された農林中金 2010/2
かつては運用資産61兆円のうち25兆円を海外の有価証券投資に向けていたのだから、金融危機の影響を大きく受けるのは当然だろう。黒字化した今こそ、本来の役割を見直す時だ――
金融危機と政権交代のダブルショックから回復
「今、最も気がかりなのは3月末の株価ですね。株価は市場の体温のようなもの。その動向から目が離せません」
農林中央金庫(農林中金)の河野良雄・理事長は、こう親しい記者に語ってみせた。農林中金にとって、この1年半はまさに市場との格闘であった。昨年4月に初のプロパー理事長に就任し、再建を託された河野氏。2007年の副理事長就任時から展開していた全国の信連、農協幹部との会合はリーマン・ショックを機に一転して、巨額な運用損失の謝罪と増資の要請に切り替わった。一時体調を崩し、胃の大手術を経験した河野氏にとって、その激務は想像を超えるものだったろう。
元来、ネアカの河野氏は屈託ない笑顔を絶やさないが、「理事長にとって気が休まる日は1日とてなかった」と周囲は振り返る。その労は今、ひとまず報われようとしている。
農林中金が2月23日に発表した09年4〜12月期の経常損益(単体)は1,326億円の黒字となった。市場環境の好転を受け、保有国債など有価証券の売却益を1,615億円計上したほか、有価証券の評価損益が09年3月末比で1兆965億円余り改善。懸案の自己資本比率は18.29九%、Tier1比率も13.00%(速報値)と、国際的にみても高い水準を維持している。
依然として有価証券等の評価損益はマイナス9,963億円と水面下にあるものの、4兆9,095億円もの自己資本の厚みがあり、フロー収益の改善は継続している。保守的に見積もった10年3月期の経常利益目標(500億〜1,000億円)は期中で達成し、大きく上振れすることは確実視される。「根雪のような有価証券の評価損を完全に払拭するには、今しばらくの時間が必要であろうが、世界的な金融危機の収束に合わせ、農林中金はV字回復へと向かっている」(金融筋)といっていい。
農林中金が存亡の危機に瀕したのは、08年9月のリーマン・ショックに端を発する世界的な金融市場の機能麻痺だった。その様相は、国家管理された数多くの欧米の投資銀行の姿にオーバーラップして見えた。そこに政権交代を目前にした民主党の圧力が加わる。長年にわたり自民党と親密な関係にあった農林系統金融機関、その頂点に立つ農林中央金庫は、民主党にとって選挙を前に自民党の経済失政を問う格好の攻撃材料と映った。民主党の強硬姿勢は、上野博史・理事長(当時)の国会招致にヒートアップしていった。
08年10月31日、衆議院財務金融委員会に参考人として呼ばれた上野理事長は、野党議員から厳しい質問を浴びせられた。民主党の古本伸一郎議員は、「農林中金は運用資産61兆円のうち、貸し出しは10兆円弱にすぎず、預貸金利鞘は0.01程度と極端に低い。その一方で、有価証券へ36兆円も投資しており、うち25兆円は海外の有価証券投資で占められていることは問題」と指摘した。また、「上野氏を含め、歴代理事長には農林水産省の事務次官経験者が天下り、その在任期間は8〜10年と長期に及んでいる」ことを糾弾した。「上野理事長は、(農林中金)経営は安定しているとおっしゃるのであれば、金融機能強化法の枠組みに入ることを自ら辞退されてはどうか」と詰め寄った。
民主党には、政府・与党が12兆円の枠を設けて金融機関へ公的資金を予防的に注入する金融機能強化法の主対象は地方銀行などの地域金融機関と説明されているが、真の狙いは、有価証券投資で窮地に立っている農林中金の公的資金による救済ではないかとの思いがあった。「自民党と農林中金との間で公的資金注入の密約があるのではないか」(民主党議員)という疑念にほかならなかった。なぜなら、今回の改正金融機能強化法は、08年3月末に失効した旧金融機能強化法と異なり、公的資金を受けたとしても経営者の責任は(一律に)問われない。地域金融機関への注入にまぎれて農林中金に巨額な公的資金を注入する、これが政府・自民党の本当の狙いというのが民主党の読みであった。
サブプライム・ショックで高格付け神話は崩壊
08年11月27日、日銀記者クラブで決算会見に臨んだ上野博史・理事長の心中は苦渋に満ちていた。
「(業績悪化は)100年に1度の世界的な金融市場の混乱によるものだが、リスク管理体制に不十分な点はなかったか、反省すべきは反省する」
かつて農水省の事務次官として、ガットウルグアイラウンドでのコメの開放問題など、幾多の修羅場を潜り抜けてきた自負を持つ上野氏。その言葉の端々からは「このまま屈するわけにはいかない。難局は必ず乗り越える」との強い意志が感じられた。
農林中金がこの日発表した08年9月中間期の決算は、純利益が前年同期比92%減の104億円に落ち込んだ。金融市場の混乱による有価証券価格の下落で1,017億円の損失処理を行った結果で、9月末の有価証券の含み損は1兆5,737億円と、08年3月末の実に3.6倍に膨らんだ。この半年間の価格下落がいかに激しかったかが窺える決算内容だった。
これら時価が取得原価である簿価を下回る含み損は、すぐさま損失処理を行う必要があるわけではないが、先行きの不透明さは市場環境を勘案すると、さらなる減価の可能性は高く、自己資本の目減りを補う資本の充実が不可欠となっていた。資本増強は含み損を処理してなお、10%を大きく超える自己資本を維持すること。その額は1兆円を超える規模になることは避けられなかった。
農林中金が資本増強を余儀なくされた背景には、いうまでもなく資産の7割を占める巨額な市場運用資産があった。36兆円もの有価証券投資のうち、サブプライム問題の影響を受ける証券化関連商品の残高だけでも、08年9月末で6兆8,230億円。内訳は、資産担保証券(ABS)が2兆8,805億円、住宅ローン担保証券(RMBS)が7,554億円、商業用モーゲージ担保証券(CMBS)が6,701億円、債務担保証券(CDO)が2兆4,416億円、その他752億円であった。
農林中金が保有する、これら証券化関連商品のほとんどは、AAA格の最上級格付けのシニア債であって、本来の市場環境であればデフォルト・リスクは限りなくゼロに近いはず。価格の低下も限られた範囲に収まるはずであった。しかし、サブプライム・ショック後、ずさんな格付けの実態や不透明な商品設計が明らかになるにつれ、高格付け神話は崩壊していく。疑心暗鬼が支配した証券化市場では取引が成立せず、価格そのものが消滅していった。この時、農林中金が保有する証券化商品も時価が算出できない状態に陥ったものと思われる。 
 2009

 

●「霞が関の赤っ恥」井手農水次官 2009/8
農林水産省の井出道雄事務次官が後ろ指をさされている。金融筋では、井出氏が農林中央金庫に、農水省元次官の小林芳雄氏を「厚遇」するよう圧力をかけたことは周知の事実だ。農中理事長は長らく農水次官経験者の指定席で、小林氏は前理事長の上野博史氏の後釜と目されていた。ところが、米金融危機の難を受けた農中は09年3月期に巨額赤字に転落。引責辞任する上野理事長の後任が再び次官OBの天下りでは持たないため、生え抜きの河野良雄副理事長を昇格させた。これに腹の虫がおさまらないのが井出氏。「理事長に代わるポストはないのか」と揺さぶりをかけ、副理事長に小林氏をねじ込もうと画策した。農中は全国農業協同組合中央会(JA全中)の向井地純一専務理事を副理事長に起用し、井出氏のゴリ押しを封じた。
それでも井手氏は諦めない。今度は農中傘下の農林中金総合研究所に目をつけ、その理事長ポストを要求。農中側が譲歩し、総研が定款変更をして社長の上に理事長を設け、小林氏を迎えることで話がつきかけた。ところが、このあまりに露骨な天下り劇がマスコミに報じられて最終的には官邸からストップがかかり、白紙撤回となった。
事情を知る関係者は「農中を見下した井出氏の態度は恫喝まがいだった」と憤る。井出氏は「我が省から働き掛けは一切していない」と会見でシラを切ったが、「官邸の手を煩わせながら開いた口がふさがらない」(内閣官房筋)と、政府筋からも批判された。
井出氏は前任の白須敏朗氏が汚染米事件で更迭された後を受け、昨年9月に次官に就任。石破茂農水相の下で同省の信頼回復を図る役回りだが、まじめな志が感じられない。
話は昨年12月19日に遡る。「思い出したくない宴会だった」(省幹部)。場所は農水省3Fの「農政クラブ」。井出氏を囲み、午後6時半に始まった酒盛りは日付が変わる頃まで続いた。クラブといっても夜の盛り場のそれではなく、新聞、テレビの記者が詰める省内の記者室だ。部下である幹部職員やホステスならぬ女性記者に囲まれ井出氏はヘベレケ。自らの出世話に酔いしれた。
この日、政府は緊迫していた。日本が農業分野で孤立した世界貿易機関(WTO)ドーハ・ラウンド閣僚会議の年内開催に向け、外交交渉の大詰めに入っていた。同日午前、全国の農家3千人が日比谷公会堂に集結し、「安易な妥協はするな」と怒声を上げていた。外務省は深夜まで情報収集に追われ、経済産業省は状況説明のレクを開いていた。ところが、当の農水省は、事務次官が記者と酒に興じていたのだ。
石破農水相が目指す減反緩和も自民党農水族の猛反発で先送りになりそうだ。掛け声倒れの改革論議を振り返り、ある政府関係者は「A級戦犯は農水族ではなく、むしろ井出氏」と批判する。
石破農水相は信頼を置く針原寿朗総括審議官にプロジェクトを一任。「チーム針原」は農水族の罵声を浴びながら減反緩和を目指したが、井出氏は助け舟を出すでもなく高みの見物を決め込んだ。議論に加わった他省の幹部は「前線部隊が火だるまになっているのに本隊から応援がなかった」と批判する。
さらに、井出氏の政治的センスは驚くばかりだ。6月18日の記者会見で、民主党の農業政策を「スピード感が足りない」「現実的でない」などと批判、民主党を激怒させた。「この時期に、なぜ」。「殿、ご乱心か」。省内からも不信の声が上がったが、井出氏は想定問答を見ながら話しており、振り付けをした事務方のセンスも尋常ではない。
トップの体たらくを見透かすように、省内では労組のヤミ専従や秘書課長による文書改竄、米麦調査での虚偽報告など不祥事が続いている。引責辞任や更迭の続出で幹部人材が払底し、今夏の異動もままならない有り様だ。
本来なら真っ先に井出氏が引責しそうなものだが「今は無理。政権交代した時に差し出すクビがなくなる」と、多くの幹部が真顔で言う。首筋が寒いのは井出氏だけではなく彼らも同じだ。改革派の元次官は「次官も局長も民間公募にしたらいい。農水省はとうに終わっている」と切り捨てた。 
●農林中央金庫の子会社に天下りポスト増設か 巨額赤字も何のその? 2009/6/8
これが2009年3月期に5721億円の純損失を出した農林中金の子会社で行われるべき経営再建のための対策なのだろうか。

農中子会社へ「天下り」か 元農水事務次官  
農林中央金庫が、子会社である農林中金総合研究所(農中総研)理事長に、農林水産省の元事務次官で現在、農中総研顧問の小林芳雄氏を起用する方向で調整に入ったことが8日、分かった。監督官庁幹部の「天下り」への批判が高まるのは必至だ。
理事長職は廃止されているが受け皿ポストとして社長の上位に復活させ、小林氏を格上げする方針とみられる。
農林中金、日本中央競馬会、旧農林漁業金融公庫(現日本政策金融公庫)の首脳にはこれまで農水省次官経験者が就任してきたが、「天下り」批判などから最近は就任を見送ってきた。
農林中金は2009年3月期決算で、純損益が過去最悪の赤字を計上して13年ぶりに赤字転落。経営立て直しが急務となる。この時期に、顧問より報酬が高いとみられる理事長職を置き、事務次官経験者を就任させることについて関係者は「監督官庁との関係悪化を避けることが狙い」と指摘している。
農林中金は元農水事務次官の上野博史・前理事長が辞任。小林氏は上野氏の後任候補とみられた時期もあったが、4月に生え抜きの河野良雄副理事長が昇格していた。

農水省にとって農林中金、日本中央競馬会、旧農林漁業金融公庫の「御三家」の首脳ポストは大物次官OBの指定席であった。
その中で農林中央金庫は理事長職への天下り批判の高まりと巨額赤字に転落を受けて今年度から初めて「生え抜き人事」を実行している。
この状況下で子会社であるとはいえ再び天下り用のポストを設け、報酬を上げようとしていることに強い憤りを感じる。
しかもその理由は「所管官庁との関係悪化を避けたい」とのことで単なるお役所勤めの縄張り争いに過ぎない。
この危機感の無さはどこから来るのだろうか。
世界中の大手金融機関はサブプライムローン問題に端を発した金融危機で巨額の投資損失を被った。現在その穴埋めのために資本調達に奔走している。
農林中央金庫も国内では突出した巨額損失を出した。しかしJA(農協)、信農連という身内から1.9兆円もの出資で支えてもらったのだ。
この結果、財務基盤は厚みを増した。2009年3月末の自己資本比率は2008年3月末の12.55%から15.65%にハネ上がった。また中核的な自己資本であるTierI比率も9.37%から9.61%に上昇した。
今期計上した巨額損失と2009年3月末の「その他有価証券」の含み損1.5兆円(税効果分除く)を計上しても補える計算だ。
しかし運用資産60兆円のうち、有価証券の利回りは大幅に低下しているのが現状である。また2009年3月末の有価証券全体の含み損は2008年9月末の1、57兆円から2兆円に拡大している。
果たして今後はどうなるのか。身内のお金を借りるといっても限度があろう。あらゆる取り巻き連中を巻き込んだ後には「どうもすいませんでした」との謝罪が聞こえてきそうだ。
経営再建が道半ばであるにもかかわらず新たにポストを設け、給与をアップするなどと民間では絶対にありえない。
やはり経営の感覚、世間の常識というのがわかっていないのか。
政府は3月、退職後の公務員の天下りについて、省庁によるあっせんを年末に廃止する政令を閣議決定している。年末までの駆け込み寺と映るのだが。 
●収益細る農林中金、証券化商品の塩漬けも 2009/6/3
世界中の大手金融機関が、巨額の投資損失を穴埋めするために資本調達に奔走する中、身内のJA(農協)、信農連から1・9兆円もの大規模な出資と、劣後ローン拠出でガッチリ支えてもらった農林中央金庫--。
2007年3月期には米国の証券化商品を中心とするクレジット投資で、単体で3656億円の経常利益を上げ、08年3月期も3527億円を稼いだ。だが5月27日に発表した09年3月期決算は一転、経常損失6127億円、純損失5675億円に転落した。
一方で、3月末の自己資本比率は08年3月末の12・55%から15・65%にハネ上がった。中核的な自己資本であるTierI比率も9・37%から9・61%に上昇。今期計上した巨額損失と、3月末の「その他有価証券」の含み損1・5兆円(税効果分除く)を計上しても、それを補う増資の効果があるためだ。
初の生え抜きトップ(農林水産省の天下りでない)河野良雄理事長は決算発表の席上で「系統組織への運用収益や機能の還元」を強調した。
今後、JAから上がってくる38兆円もの貯金に対し「奨励金」と称するプレミアム金利(利幅は開示していない)を付したうえで、毎年500億〜1000億円と経常利益は薄いものになる。
含み損は2兆円に拡大
運用資産60兆円のうち、有価証券の利回りは大幅に低下している。外貨の調達コスト約9兆円は下がっているものの、09年3月期は有価証券の売却・償却損、与信費用などの損失合計6957億円を除いても、経常段階で830億円の利益しか上がらなかった計算だ。売却して現金化した資産や新規資金は、安全資産での運用にシフトする方針だから、さらに収益は縮む。
昨年9月末以降には、変動利付国債や、償還蓋然性が高いと監査法人から認められたABS(資産担保証券)やCLO(ローン債務担保証券)の時価評価について、ブローカーの提示する価格から理論価格に変更して9269億円も評価損益をカサ上げした。さらに実に14・4兆円分もの「その他有価証券」を、評価損益の開示が不要な「満期保有目的の債券」に保有区別を変えて塩漬けにしている。
それでも3月末の有価証券全体の含み損は、昨年9月末の1・57兆円から2兆円に拡大した。農林中金では「時価が下がっただけで、裏付けとなるキャッシュフローは大半が健在。満期まで待てば損が出ずに戻ってくる」と見る。ただ景気の悪化次第では、キャッシュフローが毀損することもありうる。さらに時価が下がれば、追加の減損処理を迫られるリスクがある。農林中金は、まさに正念場を迎えている。 
●農林中央金庫、純損失5721億円  2009/5/28
農林中央金庫が海外資産投資の損失拡大で赤字に転落した。農林中金は、農協、漁協などのお金を投資運用をする組織だ。
昔も赤字に転落したことがあった。
住専問題
「バブル期に不動産融資にのめり込んだ住専7社に、信連(信用農業協同組合連合会)などの系統金融機関は5.5兆円貸し込んだ。これが回収不能になれば、全国の信連がバタバタ倒産してしまうピンチ。農協を救済するために税金が投入され、信連は5,300億円だけ放棄することで政治決着した。」
税金を投入することの是非で激論が交わされた末の結論だった。農林族議員のがんばりのおかげだという。果たして農協には6850億円の税金が投入された。
それで農協が破綻せずに済んだのは確かだが、このことが原因で、農協は農政に口出しをできなくなったのではないか、と先崎千尋は「農協に明日はあるか」で述べている。そもそも、農家のための機関である農林中金は、農林水産系の会社に投資することが本分で、住専のように投機目的に資金を運用するのは許されない。みたいなことを、先崎をはじめとして「本来の農協の姿」のビジョンを持つひとは主張している。
そのバブル時の危機の反省を活かして2002年につくられたのが、JAバンクだ。それ以前は農林中金、信連、農協それぞれの金融機関に分かれていたのを一体化させた超巨大金融機関。JAバンクになって投機的な資金運用に拍車がかかった。住専問題でよせられた批判への回答は、そもそも投機的資金運用をやめるのではなくて、もっと大規模に投資をすることだった。
といって、それを責めれるかというとそんなことはない気がする。
「農協マネーを集めたのはいいが、溢れるばかりの資金の運用は農林中金にとって悩みの種。農林中金の役割は法律上「農林水産業への資金の提供」であるが、農業・漁業は衰退、企業からの資金需要も低い。となれば、有価証券で運用するしか手はない。」
農林中金の有価証券投資額は、日本生命や三菱UFJを上回る。その大規模でハイリスク、ハイリターンな資金運用が、サブプライムローン問題のあおりを受けた。農林中金はまた危機に瀕している。また税金の投入を受けるだろう。
たぶん根本的な問題は、「農業・漁業は衰退、企業からの資金需要も低い」ということなのだろう。こんなにもお金があるのに、こんなにも第一次産業は衰退してゆく。その不思議なもどかしさの中で、農協も、農協を批判する人も、答えを見つけることができないでいる。  
●農林中金の巨額な増資 2009/3/16
「農林中央金庫(農林中金)が1兆9000億円の緊急増資」「理事長が辞任」―こんなニュースに、農家の間から「なにがあったんだ」と心配や不安の声があがっています。JAバンクの要、農林中金に、いったいなにが起こっているのでしょうか。問題点をさぐってみました。
アメリカ発の金融危機のなか
Q なぜ増資にいたったのでしょうか。
A それは、アメリカ発の金融危機のなか、証券運用で1兆9000億円を超える膨大な含み損を発生させたためです。サブプライムローンで経営不振に陥ったアメリカの住宅金融2社の債権保有額は、国内でダントツの3兆5000億円(08年9月末)で、表2のように、農林中金はハイリスク・ハイリターン(利ざやも大きいが損失の危険も高い)というギャンブル性の高い有価証券に80%近くの資金を投じています。しかもその70%近くの21兆円が海外の証券です。そもそもこの資金は、全国の農協や漁協からの預け金で、しかも模範定款例で「余裕金の3分の2以上」を(農協から信連または農林中金へ)預けるよう義務付け、資金運用に制限が加えられているのです。
   ギャンブル性高い証券で大損 農協・信連から強引な資金調達
農民・漁民からの大事な資金を
Q 経営陣の責任が問われますね。
A そのとおりです。全国の農民や漁民から預かった大切な資金をいわばギャンブルに手を出して失敗したのですから、その責任は重大です。しかも表2のように、農林漁業のために貸し出されている資金はわずかに6%で、60%以上が一般 企業向けになっています。理事長の上野博史氏はその責任をとって3月で辞任するそうですが、数億円と言われる退職金を返上するとか、そういう話は聞かれません。農林中金の理事長職は、上野氏を含めずっと農水省からの天下りです。そういう点で、農水省の責任も問われています。
厳しくカギをかけられた資金…
Q 多額の増資になるわけですが、どのように調達するのですか。
A 緊急増資は、農林中金への信連(都道府県にある信用農協連合会)や農協の預け金のなかから、振り替えて実施されますが、その名目は、「後配出資」か「劣後ローン」という2つの方法で行われます。信連や農協にとっては、払い戻しが困難な、厳しく鍵をかけられた資金といえます。また、すでに農林中金と統合して信連がない県や、証券運用で多額の損失を生じている信連もあります。静岡や広島、大阪などの信連では、300億円を超える評価差損を発生させています。また、経営難で250億円の資本投入で支援を受けている千葉県信連にまで239億円の出資が要請されており、なりふりかまわぬ「取り立て」といえます。
資金調達にこまった農協では…
Q 農協や農家組合員には、どんな影響がありますか。
A 北海道信連では、07年度決算で290億円の損失を出したことから、いま会員農協に300億円の増資を呼びかけています。こうした時に、農林中金の増資でさらに出資しなければならなくなります。茨城県信連では、農林中金の増資に備えて、農協から借り入れて4年間で150億円の増資を行うそうです。このように、農林中金の増資は信連へ、さらには農協へと及んでいます。このため、資金調達にこまった農協のなかには、農家が毎月キチンと決まった金額を返済しているにもかかわらず「すぐに残り全額を返せ」といった“貸しはがし”を強要している例もみられます。
   経営陣は説明責任果たせ 農家にしわ寄せするな
農林漁業発展のための融資こそ
Q 今回の増資にあたっては、何が問われているのでしょうか。
A 一つは、農林中金の経営責任をはっきりさせることです。そのために、農協や農家組合員にキチンと説明すべきです。二つ目は、増資を理由に、貸しはがし・貸し渋りなど農家にしわ寄せをさせないことです。農林中金の設立目的は「農林水産業の発展に寄与し、国民経済の発展に資すること」(農林中金法1条)です。農家から集めた資金を余裕金として信連や農林中金に運用を任せるのではなく、農林漁業発展のための融資に力を注ぐなど、農協の信用事業を組合員が主役の事業に改めていくことが求められています。 
●国際運用を止められないワケ、「身内」増資で損を穴埋めだが... 2009/3/9
初の生え抜きトップ誕生--。2月20日、農林中央金庫は1・9兆円もの巨額増資と同時に、4月1日付で上野博史理事長が退任し、生え抜きの河野良雄副理事長が昇格するトップ人事を発表した。
理事長は上野氏まで農林水産省事務次官が歴任してきた。信用農業協同組合連合会(信連)や農業協同組合(農協)も、かつては農水省とのパイプ役を期待していた。ところが最近では、身内の信連や農協からも「天下りを受け入れ続けるのか」と批判が出るようになったという。
農林中金は海外の証券化商品への投資により、2008年9月末時点で有価証券全体では約1・6兆円もの含み損を抱えている。減損損失で減った自己資本を穴埋めし、さらに将来の損失に備えるため、かねてから都道府県単位での農協の連合組織である信連と一部の農協から出資を募る計画を発表していた。
今回の増資で農林中金は、金融機関の新しい自己資本規制であるバーゼルII基準の自己資本比率が15%程度になるという。08年12月末の自己資本比率10・74%、TierI比率が6・80%とされるが、それぞれ10%、6%が米国のFHC(金融持ち株会社)として自己投資の自由度を維持するには必須とされる。これに照らせば、まさに瀬戸際だった。
また、格付けが引き下げられると市場でカウンターパーティリスク(取引相手方のリスク)が認識され、スワップ市場などから締め出されるおそれもあった。今回の増資を受けてムーディーズ・インベスターズは、格付けAa2を据え置くと発表。もっともスタンダード&プアーズはA+を付けており、系統組織全体を単一の経済事業体と見なし、身内からの増資は系統内の資本の付け替えにすぎないと否定的だ。
国際分散投資モデルを変えられない理由
運用による巨額含み損が世間から揶揄されているが、河野次期理事長は「国際分散投資のビジネスモデルは捨てきれない」と語る。なぜか。構造的問題があるからだ。
各市町村にある農協の貯金規模は実に82兆円。うち40兆円が都道府県単位の信連を経て農林中金に余剰資金として集まってくる。小口では効率が悪く、農協や信連には運用のノウハウもないからだ。この受け皿が農林中金だが、組織自体が小さいため運営費用は少なくて済む。こうした理由から系統組織に対しては「奨励金」という名目で、市場平均を超す高金利を提供してきた。
ただし、農林中金には企業向け貸し出しの基盤やマンパワーがない。かつて系統の余剰資金は、不動産市場やノンバンク市場に流れ、不良債権化したこともある。国債市場でも農林中金の資金量は大きすぎるゆえ身動きが取りづらい。金利も低いため、奨励金を払うだけの必要な利益を上げられない。結局、ベストな選択とされたのが国際分散投資であり、流動性の高い米国の信用市場だった。現在は為替リスクをヘッジしつつ資金の5割近くを外貨建ての有価証券で運用している。
しかし、世界的な株価暴落で、巨額の含み損を抱える結果となった。08年12月末時点での有価証券全体の含み損は非開示だが、証券化商品の保有が約6兆円、評価差額は3851億円で、今期すでに2446億円の損失が出ていることは開示している。
今後さらに膨らむことは確実だが、時価会計の緩和に伴い、一部の有価証券を市場での取引価格ではなく理論価格に替えている。増資発表の場でも、「時価が市場混乱で下落しているだけ。証券化商品はすべて担保となっている資産のキャッシュフローが出ており、9割は元本毀損の恐れがない」と主張した。
年度末にはかなりの金額の証券化商品の区分を「その他有価証券」から「満期保有目的の債券」に変更することが予想される。評価損をバランスシートに計上する必要がなくなり、損失額を固定できるからだ。すでに信金中央金庫は農林中金と同じ新日本監査法人の認可を得て、08年12月末で変動利付国債の他に企業ローン証券化商品も満期保有目的に変えている。変更できるものは限られるが、一定の歯止めはかけられる。
河野次期理事長は会見で、巨額増資の“恩義”に対し、利息・配当金を中心とする利益は「内部留保でなく系統へ目いっぱい還元する」と繰り返した。「投資銀行のようだ」ともてはやされた運用部門も当面、鳴りを潜める。ただ今後、償還される資金や新たに系統から上がってくる資金をどう高利回りで運用するのか。運用環境が大きく悪化した中、その打開策は見えないままだ。 
●1兆5000億円損失農林中金 それでも経営者責任取らない不思議 2009/1/19
全国津々浦々にあるJA(農協)を傘下にもつ農林中央金庫(農林中金)が巨額の含み損を抱えて四苦八苦している。にもかかわらず、上野博史理事長の経営責任がうやむやになりそうだ。各都道府県にある信用農業組合連合会(県信連)やJAが出資することで賄う、いわば「身内」増資でピンチを逃れようとしているからだ。
傘下のJAに助けてもらうしかない
農林中金は2008年9月期にもの有価証券含み損を抱えた。このため、08年11月に1兆円を超す資本を「自力」で調達する方針を発表した。資金を出す肝心の県信連やJAの経営も厳しいが、「親」のピンチに、増資に応じるJAは結構出てきそう。増資が成功すれば、理事長らの経営責任も放免ということになりそうだ。
農林中金の2008年9月期の純利益は104億円で、前年同期に比べて92%も減少した。世界的な金融危機で保有している有価証券の価格が大きく下落、9月末の有価証券含み損は1兆5000億円に膨らんだ。損失の規模は国内金融機関で最大になる。
全国の農家がJAに預けた資金などを吸い上げて、国内外の株式や債券、証券化商品に幅広く投資する、「国内最大の投資銀行」である農林中金は、38兆8000億円もの預金量がありながら、貸出金は8兆8000億円しかない(08年9月末)。その残りを、さまざまな運用商品に投資している。経営破たんしたリーマン・ブラザーズにみられる欧米の投資銀行と同様に、債務担保証券(CDO)などへの積極投資が裏目に出て、資金を焦げ付かせた。
1兆円を越す増資について農林中金は、2009年1月15日のJ-CASTニュースの取材に、「増資の期限は3月末までなので、今まさに各JAで検討してもらっているところ」(広報課)と話す。
グループ内で資本を融通しあうのは本来「禁じ手」だ
金融機関の資本増強には「禁じ手」がある。金融グループ内で資本を融通しあうやり方で、共倒れにならないようにするために設けたルール、いわゆる「ダブル・ギアリング規制」がある。
そもそも外部から資金を調達せずに、グループ内で資本を持ち合うこと(ダブル・ギアリング)は、グループ内で資金が還流されるだけなので、結果的には財務基盤の強化にはならない。
農林中金と信連やJAのような「親子関係」にある協同組織金融機関の持ち合い基準は、信用金庫や信用組合の場合、「親」金融機関の資本全体の「20%未満」であれば認められる。ところが、農林中金の場合はこの基準の対象外なので、JAからいくらでも資本を調達でき、その分を自己資本としてカウントできるのだ。つまり、資本増強の効果は微妙だが、増資が成功する可能性はかなり高いと言っていい。
08年11月、巨額損失にもかかわらず理事長に高額報酬が払われていたことが明るみになったことや、改正金融機能強化法による公的資金の資本注入に、農林中金を対象に加えるかどうかで批判の矢面に立った上野博史理事長は、2000年から現職に就いている「長期政権」で、09年6月に任期満了を迎える。
農林中金は現在、上野理事長以下13人いる理事らの報酬を見直す方向で検討に入っていて、「3月までに決める」という。しかし、増資が成功すれば、公的資金の資本注入も必要ないし、経営責任が問われることもない。増資完了後の3月すぎの辞任説もくすぶるが、経営責任を追及する声はしぼんでしまいそうだ。 
 2008

 

●農林中央金庫 1兆円丸損の超お馬鹿ぶり 2008/12/2
日本の「お馬鹿銀行」と言ったら「慎太郎銀行」の愛称で知られる「新銀行東京」が有名である。当初から内輪で融資のバラ撒きをやり1000億円の損失を出したが、そんなのは「ノーチュー」に比べれば可愛いものだった。 「ノーチュー」は何と!1兆円である。
1兆円の穴をあけた 農林中金のおバカぶり
「“ノーチュー”と言えば、ニューヨークのウォール街では即座に通じます。日本のメガバンクではこうはいかない。農中の知名度の高さは抜群です」
外資系金融関係者が海外での農中の存在感をこう語る。農中は、もともと農林漁業関係者への融資を行う政府系金融機関としてスタートしたが、今や「投資銀行」に変貌し、61兆円ある総資産のうち融資は10兆円程度に過ぎない。株や債券への投資が主たる業務で合計36兆円にのぼり、そのうち25兆円が外国の有価証券。サブプライム関連商品も相当額含まれている。
「ノーチュー」は農協を背景とした天下り機関である。
農林中央金庫
農林中央金庫は、1923年に設立された金融機関であり、国内最大規模の機関投資家である。特殊法人であったが、1986年に特別民間法人となり、農林中央金庫法を根拠法とする純粋な民間金融機関となった。しかし1986年以降も理事長は歴代農水省事務次官の天下りポストになっていたり、銀行免許を持つ金融機関でありながら金融庁ではなく農水省の所管となっているなど、通常の民間金融機関とは異なる側面を持っている。
特殊法人、独立法人、財団法人(天下り集団)に年間12兆円が特別会計から(税金)...
心ない連中から「アホウ首相」と蔑まれている麻生氏が2兆円のバラ撒きを計画したが、そんなことをしなくても政府は天下りに12兆円バラ撒いている。天下り連中が何もしないでただ報酬を貰っているだけなら、国家の損失は12兆円に留まるのだが、実際には特殊法人、独立法人、財団法人は大幅な「赤字」を出している。つまり「お仕事」をしているのである。その結果約40兆円規模の無駄金が国民の懐から(税金や徴収金などで)毎年消えているのである。国家予算規模の金額がこんなアホなことで消えているとは俄には信じられないだろうが…。
農林中金、理事長報酬4100万円 金融強化法案の対象
○ NYウォール街では「安物買いの銭失い」「ゴミ箱」と陰口
「ウォール街の金融マンの中には、常軌を逸した農中の買い方を心配する人もいましたが、何でも買ってくれる農中を“ゴミ箱”と呼んでいました」
1兆円規模の増資は、ムチャクチャな投資失敗の穴埋めというわけだ。農中は融資先であり、会員でもある全国の農協や漁協、森林組合、これらの連合会などから薄く広く集める構想だが、交渉にあたって紛糾するのは避けられない。ヘタをすれば、未曽有の金融危機の引き金になりかねない。
○ 外資のカモ・農林中金…1兆円増資でも足りない実態
「農林中金は約3兆円の自己資本に対し、損失が発生する恐れがある証券化商品を約10兆円も抱えている。これは、自己資本を吹き飛ばすのに十分な規模だ。“導火線”に火がつく前に、公的資金を予防的に資本注入できるようにしておこうというのが、国会で審議されている金融機能強化法改正案の狙いだ」と金融関係者は指摘する。
○ 農林中金、1兆円超増資へ…国内金融機関として最大級
農林中央金庫(農中)が1兆数千億円規模の増資を検討していることが26日、分かった。農中は資金を米国などで積極運用しており、世界的な金融市場の混乱で保有する有価証券の価格が下落。自己資本を手厚くすることで対応する。1兆円超の増資は、国内金融機関では最大級となる。 
●日本最大の機関投資家・農林中金の巨額な「隠れ損失」 2008/11/25
米国発金融危機で、政争の渦中に立たされたのが農林中央金庫(上野博史理事長)である。地域金融機関に対する公的資金の注入を可能にする金融機能強化法改正案をめぐり、国家審議が紛糾した。資本注入の対象となっている農林中金と傘下のJAバンク(農協)について、民主党が「政治的中立性の担保」を求めたのに対し、与党が「農協外しだ」と反発を強めたためだ。
結局、選挙で農家の支持を失いかねないとして妥協が成立する見込みだが、その過程で、あぶり出されたのが農林中金の経営の問題点。農林中金は昔のような農協の総元締ではない。ハイリターンが期待できれば、ハイリスクな資金を出す日本最大の機関投資家だったのである。
巨額な農協マネー
一般にはなじみがなかった農林中金が大変身するのは2002年1月のJAバンク法の施行から。農林中金、農協、信連(信用農業協同組合連合会)の個別の金融機関が「JAバンク」として1つの金融機関にリニューアルした。
かつて農林中金の融資先は、雪印乳業(前身は北海道酪農協同組合)、ニチロ(現・マルハニチロホールディングス)など農水関連会社がほとんど。それが変貌するきっかけになったのが、住専(住宅金融専門会社)問題。
バブル期に不動産融資にのめり込んだ住専7社に、信連(信用農業協同組合連合会)などの系統金融機関は5.5兆円貸し込んだ。これが回収不能になれば、全国の信連がバタバタ倒産してしまうピンチ。農協を救済するために税金が投入され、信連は5,300億円だけ放棄することで政治決着した。
住専問題の反省から、セーフティネット(安全網)としてつくられたのが農林中金、信連、農協の系統金融機関を一体化させるJAバンク。「本店」が農林中金、都道府県レベルの「地域本部」が信連、市町村の「支店」が農協と理解すればわかりやすい。
JAバンクになった結果、全体の運用資金110兆円、預金82兆円という「メガバンク」が誕生した。うち、農林中金の運用資金は61.0兆円、預金は38.8兆円だ(08年3月末)。
農林中金は農林債券(ワリノー、リツノー)を販売して資金調達していたが、これも昔の話。農林中金の預金は主に信連や農林水産業に関連する企業、公共団体からのものだ。特に、農協に集まった貯金82兆円のうち33.8兆円が信連を通じて預けられている。農林中金の預金の87.1%が農協マネーだ。
農林中金が巨大化したのは、農協が集めるJA貯金にある。JAバンクは、全国に張り巡らしたリテール網から潤沢な資金を集めているのだ。
機関投資家に変貌
農協マネーを集めたのはいいが、溢れるばかりの資金の運用は農林中金にとって悩みの種。農林中金の役割は法律上「農林水産業への資金の提供」であるが、農業・漁業は衰退、企業からの資金需要も低い。となれば、有価証券で運用するしか手はない。
農林中金は預金や農林債券の販売で調達した61.0兆円を何に運用しているか。株式や債券だ。有価証券投資は44.2兆円で、貸出金の9.8兆円を大きく上回る。02年までは貸出金のほうが多かったが、JAバンクになり、有価証券投資に大きく舵を切った。
44.2兆円の有価証券投資がいかに巨大なものかは、巨大金融機関と比べるとわかる。日本生命保険の運用投資有価証券は34.0兆円、三菱UFJフィナンシャル・グループは40.8兆円(いずれも08年3月末)。農林中金の有価証券投資は、日生や三菱UFJをしのぐ。農林中金は日本最大の機関投資家に生まれ変わったのである。
機関投資家に変貌した農林中金の投資戦略はハイリスク、ハイリターンへと質的に転換。米国発の金融危機で、投資構造の歪みが露わになった。
米住宅金融会社と一蓮托生の運命
農林中金は09年3月期決算(単体ベース)の経常利益を、当初予想より71%減の1,000億円に大幅に下方修正した。世界的な金融危機の影響で、保有している株式や債券が下落し1,013億円の損失が出るためだ。問題は、その程度の損失でおさまるかだ。
農林中金のサブプライムローン関連商品などを含めた証券化商品への投資残高は6兆8,230億円。3月末より7,823億円増え、市況の悪化で価格が下落し、810億円の損失が出た。これとは別に、米住宅金融会社である連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)の住宅ローンを担保にした証券の保有残高が3兆4,568億円ある。売却や満期償還を迎えたことで3月末比、2兆1,758億円減少したが、それでも巨額投資は半端ではない。 
米証券大手のリーマン・ブラザーズが破綻するほんの1週間前に、米国政府はファニーメイとフレディマックの両社に公的資金を注入する方針を発表。当面の破綻を回避した。しかし、米国政府が住宅債券の金額償還を保証したり、肩代わりするわけではない。両社が再建できなければ、住宅債券の保有者である金融機関に泣いてもらうしかない。死に体の米住宅金融機関と農林中金は一蓮托生の運命で結ばれた。農林中金は、いつ破裂するかわからない時限爆弾を抱えたのだ。
公的資金注入の準備
農林中金は、貸出金が異常に少なく、有価証券の投資に偏っていることが公的資金の注入をめぐる論議の争点になった。本来の業務である農水産業への融資で損失を出したわけではない。投資銀行をマネた有価証券投資の失敗を税金で支える必要があるのか、という疑問。マネーゲームの尻拭いを税金でやるのかというわけだ。
農林中金は、完全民営化によって建て前上は、役員は自主的に選出されることになっているが、経営トップは相変わらず農林水産省が押さえていることも槍玉に挙がった。
農林中金の理事長は歴代、農水省事務次官出身者の指定席。上野博史理事長は、農水省事務次官退官後、外郭団体の農林漁業信用基金理事長を経て、00年6月に農林中金理事長に就任した。年俸4,080万円は、日銀総裁(3,500万円)より高い。「天下りの受け皿」を税金で救済するのか、という批判も強い。
それでも、農林中金は公的資金注入の対象金融機関に組み込まれるだろう。住専問題のとき、農協を潰すわけにはいかないと税金が投入されたのとまるっきり同じ構図。農協票を握るJAパワーは政治には滅法強いのである。 
●天下り農林中金理事長“2億円豪邸” 2008/11/4
金融機能強化法改正案で、公的資金の投入対象に「農林中金」を含めるかどうかが焦点になっている。自民党は支持基盤を救済しようと、何が何でも公的資金を投入するつもりだ。しかし、農林中金のトップは年収4100万円というベラボーな給与をもらっている。こんな金満金融機関を国民の税金で救う必要があるのか。
「農林中金だけが、セーフティーネットから外れれば、他の金融機関との競争条件が同一でなくなる」。10月31日の衆院財務金融委員会。参考人で出席した上野博史・農林中金理事長(70)は、公的資金投入対象の「辞退」を求めた民主党委員に対し、こう声を荒らげた。
ここまで公的資金投入に強くこだわるのは、世界金融危機で財務状況が相当、傷ついているからだとみられている。
「農協マネーをかき集めた『日本最大の機関投資家』を自称する農林中金は、ハゲタカファンドの口車に乗せられて大量の有価証券に手を出した。政府管理下に置かれた米国のファニーメイやフレディマックの債券を5兆5000億円も保有している。これは三菱UFJフィナンシャルを2兆円以上も上回る額です」(民主党関係者)
しかし、このまま“無条件”に税金投入なんて冗談ではない。農林中金の運用資金60兆円のうち、融資が10兆円なのに対し、投資はその3倍以上の36兆円にも上る。農家支援という本業を忘れ、カジノ資本主義に傾注したツケを税金で穴埋めなんて許されない。
しかも、理事長ポストは代々、農水省事務次官が天下りして独占し、巨額の報酬を得てきた。現理事長の上野氏の報酬は、他の特殊法人や独法のトップをはるかに上回る年収4100万円。川崎市麻生区の小田急線・新百合ケ丘駅から徒歩10分の高級住宅街にある新築の自宅も豪邸だ。
4年前にキャッシュで購入した75坪の土地に、クリーム色の外壁の2階建ての家。玄関前の車2台分の駐車スペースには、銀色の高級車だ。地元の不動産業者が言う。
「一帯は旧第一勧銀(現みずほ)が手がけた高級住宅地。坪単価で今でも120万〜130万円は下らない。4、5年前なら150万円ほど。新築なら、軽く見積もって2億円近くはしたでしょう」
贅沢三昧しておいて、イザとなったら税金でヨロシク――なんてフザケるにもほどがある。 
●金融機能強化法で改めて問う、農林中央金庫の意義 2008/10/28
10月24日に掲載した「金融機能強化法が復活、農水官僚が支配する農林中金の巨額損失救済の疑惑」については、大きな反響をいただいた。その中で、記事への質問、疑問もいただいたので、代表的なものについて、改めて筆者の考えを述べてみたい。
【疑問1】農林中金はJAに出資していないので、親銀行という表現は事実関係の誤りではないか?
疑問のとおり、確かに農林中金は、JAに対する出資はなく、いわゆる”親会社”と子会社の関係にはない。
しかしながら、農林中金はJAを会員に持ち(農林中央金庫法<以下「法」>第8条)、会員たるJAは一口以上の出資をしなければならないほか(法第9条)、JAと信連(県段階の信用農業協同組合連合会)が集めた貯金は系統預け金として農林中金に集約されている。
こうして農林漁業者等から集められた資金は、「JAバンクシステム」の下で保全される仕組みとなっている。同システムでは、農林中金と全中(全国農業協同組合中央会)監査が、信用事業の経営が困難に陥っているJAを早期発見し、運用制限や信用事業の譲渡等を指導することとされている。
以上の通り、農林中金とJAは対等の関係ではなく、指導する・される関係、上位・下位の関係にあることは間違いなく、これをもって”親銀行”と表現しても、言い過ぎではないのではないか。
【疑問2】農林中金は、100%民間組織であり、政府系機関ではない。農林中金だけが公開していないという指摘はあたらないのでは?
農林中金は、役員の任命に対する国の関与がなく、国の出資も受けていない限りにおいて、確かに政府系機関ではない。
しかし、農林中金は、その前身である産業組合中央金庫(大正12年の産業組合中央金庫法)の時代から一貫して、農林漁業関係協同組合の中央金融機関として、特別の法律に設立根拠を持つ組織であって、他の民間金融機関と同列に論じることは適当ではない。
そもそも、法第81条6項に「業務及び財産の状況を知るために参考となるべき事項の開示に努めなければならない」と規定されている。しかし、農林中金に対する農水省の指導の有無や役員給与等に関する情報は、一貫して、他の民間金融機関との競争を考慮して、公開されていないのが実情だ。
民間銀行の役員報酬については、元来より高額批判がつきまとっており、2000年には大阪の市民団体が住友銀行(当時)の株主総会で情報公表を求めるなど、国民の関心は決して低いものとはいえない。
公共性を有する事業を展開する農林中金にあっては、他の民間金融の公表の如何に関わらず、むしろ率先して情報を公表すべきではないのか。
農水省は、役員報酬の公開が他の民間金融との競争において支障があるとすれば、それは具体的にどんな支障があるのか、正しく説明する必要があろう。
【疑問3】記事における「平成20年度で…理事長は1億円近く貰っている可能性もある。」は推測に過ぎないのでは?
上記で指摘した通り、農水省が明確な理由もなく公開しない以上、推測以外に方法はない。いくら農水省に”普通の”会議などでお聞きしても調べてくれない。回答が法的な拘束力を持っている国会質問主意書を出している。現在、農水省の回答待ちである。
ちなみに上記農水省OBが金融の経験をもつかどうかについても質問しているところだ。
【疑問4】市町村単位の貸し出しはJAが行い、農林中金は県をまたぐような案件しか貸し出しを行わない仕組みである。資金の主な需要家である農家は、市町村単位の事業者なので、仕組み上、農林中金の貸し出しが少ないのは当然ではないか?
農林中金は、農林漁業関係の融資機関としての顔と、機関投資家としての顔の二つを併せ持つが、設立の趣旨から言えば、金融のグローバル化が進む現在であっても、一義的には「農林漁業協同組合を基盤とする金融機関として、これらの協同組織のために金融の円滑を図る」(法第1条)ことがメインでなければならないはずだ。
しかしながら、実態は、もはや協同組織のための金融機関よりも、年々メガバンク化し、「融資は減少、資金運用は急増」の傾向が顕著だ。さらには2007年には念願の全国銀行協会加盟も果たした。
貸出の内訳を見ても会員と農林水産業者を合わせて1兆円もなく、関連産業法人を合わせてやっと4兆円と状況です。60兆円の資産のうち約7%しか、農林漁業者の金融の円滑化に役立っていないともいえる。
このような資金運用偏重の農林中金の実態について、農水省はたびたび「民間金融の一つとして、外部経済との接点に立って最大限効率的に運用して農家に還元させる」と擁護し、本来あるべき農林漁業金融への転換を推進せずにきている。そのツケが今回の米国サブプライムローン問題による1000億円超の損失であり、会員組合からの資金調達による3000億円の増資だ。
農林中金に対する公的資金の投入の是非を論じるに当たっては、政治的な思惑は別として、本来の農林漁業協同組合を基盤とする農林中金のあり方が厳しく検証されなければならないのではないか。  
●金融機能強化法復活、農水官僚が支配する農林中金の巨額損失救済 2008/10/24
「金融機能強化法案」の国会提出決定
10月24日に政府は「金融機能強化法案」を国会に提出することを閣議決定した。
金融機能強化法は、「金融機能の強化のための特別措置に関する法律」(2004年6月18日法律第128号)に基づいて2004年8月に成立し2008年3月末までの時限立法で、地方の金融機関の経営安定化を図るため、政府が金融機関に資本参加できるようにするものだ。
筆者は、本法の申請期限が切れた時点で、国会で本法の継続を主張した(4月23日の経済産業委員会)。しかしながら金融庁は必要ないとの回答をし、この国会でも同じ質問を行い、今回は「法制化を進める」との回答を得ることができた。
地方の金融機関が倒産すれば、地方の中小企業は連鎖倒産を免れない。この法律は金融機関のためではなく中小企業のために必要だと筆者は考えている。
多くの問題が!
政府の法案を聞くと、期限が切れた前の法律と大きく二点が変わる。
まず、資本参加(注入)を行う金融機関の経営者責任をほとんど問わなくなる(前法から経営責任の4条5項及び6項を削除)
そして、農林中央金庫というJAバンクの親玉も支援の対象に加えられる。
この二点が大きな問題だ。
我々の税金を使うので、間違った経営を行った経営者はやはりなんらかの責任を問わなければならない。当然、迅速な対応が必要ですので、「金融機関からの申請ベース」ではなく「政府がある程度強制的に資本を注入できる勧告権を持たせる」ことも検討が必要である。
また、農林中金に大きな問題がある。
農林中央金庫の問題
農林中央金庫は、農林中央金庫法という農水省の法律に基づき設立された金融機関で約1万店舗あるJAバンクの親銀行(※→関連記事:金融機能強化法で改めて問う、農林中央金庫の意義)である。
JAバンクが集めた約60兆円の資産を持っている。
この農林中央金庫の問題点として
【1】天下り
農林中央金庫のトップは歴代全て農水省の事務次官OB。また、役員にも農水省のOBが入っている。そしてこの役員の報酬は政府系機関(※→関連記事:金融機能強化法で改めて問う、農林中央金庫の意義)であるにもかかわらず公表されていない。
他の政府系機関はすべてなんらかの形で役員報酬を公開しているが、この農林中央金庫だけが役員報酬を公開していない(平成20年度で役員13人で4億3000万円とだけ公開本日口頭で公開され。単純計算でも一人3400万円。理事長は一億円近く貰っている可能性もある)。
【2】貸し出しが異常に少ない
61兆円の資産(2008年3月時点)のうち、貸出しは9兆円、全体の16%しかない。つまり、農業や企業への資金提供にはあまり役に立っていない。
ちなみに農林中央金庫の役割は法律上「農林水産業への資金の提供」である。本当にこの役割を果たしているのかはなはだ疑問である。 
【3】有価証券に投資し過ぎ
一方で有価証券は36兆円の59%となっている。投資銀行のようになっている。すでに多額の損失が発生している。
この投資の失敗を税金で支えることが本当に必要なのか? 疑問である。
有価証券投信の中でも、特にリスクが高い債務担保証券の残高が2兆7170億円もあり、リーマンブラザーズ問題が起こる今年の6月末時点でさえも4329億円の損失を計上している。
現状でどこまで損失が膨れ上がっているか、まったく見えない状況だ。
これからこれらの問題が国会で議論されることとなろう。
是非、なし崩しの金融救済、特に農林中央金庫のどさくさにまぎれた救済は深い審議が必要である。 

 

●今の金融市場は絶好の投資機会=農林中金専務理事 2008/4/8
農林中央金庫は足元の市場環境を「絶好の投資機会」とみて、積極的な有価証券投資を行う。同社の高谷正伸専務理事は8日、同社や野村ホールディングス(8604.T)が出資するプライベート・エクイティ・ファンド・リサーチ・アンド・インベストメンツの開業記念セミナーで「ここは絶好の投資機会とみており、相当量の投資をすることを決めたばかりだ」と述べた。
具体的な投資対象や投入額については言及しなかったが、足元では「金融株を買いに入っている」ことを明らかにした。
農林中金は積極的な有価証券運用で知られており、07年3月期の総資産68兆円のうち、有価証券が52兆円を占めている。「10年前に大きくグローバルな分散投資に舵(かじ)を切った」(高谷氏)結果、有価証券の5割程度を海外分が占めている。
07年9月中間決算ではサブプライム関連商品で384億円の償却を実施するなど、サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)問題による打撃も受けているが、「日本のような成熟経済では貸し出し需要がそうは増えないとの見通しは変わらない」(同氏)ため、今後も国際分散投資を続ける方針という。 
高谷氏によると、同社のポートフォリオは債券が約50%、株式が10%、クレジットが20%、不動産が7%、オルタナティブが2.3%などとなっており、オルタナティブのほぼ半分がプライベート・エクイティ(PE)で残りがヘッジファンド。
同社はPE投資を96年に開始するなど、オルタナティブ分野でも他の国内勢に比べ先進的。高谷氏によると、PEは当初2年は運用成績がマイナスだったが、その後は好調で「10年あれば7年がプラス20%、3年がマイナス20%という感じで、10年間投資するならこのアセットを積んだ方がいい」との見方を示した。
同氏は「グローバル分散投資には、いいものと悪いものが必ず混在していて悪いものを許容することも大事」と指摘。「伝統的アセットについては(運用の悪化を)許容するのに、新しいアセットについては損失が出ると『なぜ』となる。運用者はしっかり防御しないといけない」と述べた。 農林中金はポートフォリオの三分の1を外部の運用会社に委託しており、ヘッジファンドやPEについては全て外部ファンドに委託している。委託分については多額の手数料を支払っているが、高谷氏は「世界のいろいろなアセットクラスのマネージャーを雇うことができたので、この10年で大きく(ポートフォリオを)変えることができた」と指摘した。
今後のPE投資については、サブプライム問題による信用収縮で世界でPE案件が減速しているため、「今年はお休みの年」になるという。ただ、一連の混乱が収束し、景気が上向く局面では再び投資の好機が来るとみており「今は力をためて次の展開に備える準備をする時期」と述べた。  

 

 
 
 

 

●農業は死の床か 再生の時か 〜こうして日本農業は腐った〜 
JAは紛うことなく日本農業の背骨であり、それが故に日本農業の矛盾の縮図でもあります。なぜ、日本農業の自給率がひどいことになっているのか、なぜかくも低い生産効率なのか、なぜWTOの場でコメの関税700%超という高関税を守る代償に、MA米を大量に買わされねばならないのか、それとコメ農家の大部分となってしまった兼業農家がどのように関わってくるのか、減反という前時代的な生産トラストをなぜ維持しなければならないのか、そして離農や高齢化といった内部崩壊がなぜ止まらないのか・・・・。
これらすべての日本農業の欠陥にJAは深く関与しています。そしてこのJA−農水省−農水族議員の鉄の三角同盟が、日本農業の構造です。が、故にJAを語ることは、同時に日本農業そのものを問うことと同義なのです。
今回はおおざっぱにこの問題のスケッチをしてみましょう。
農相連続辞任事件からかいま見えたもの
旧聞になりますが、遠藤農相が辞任しました。わずか数日間の任期でした。赤城氏、故松岡氏と並んで続けざまに3人です。私はこの事件でとても憂鬱になりました。自民党のワルの首が 取られて民主党政権が接近したなどとという気分には到底なれないのです。
皆さん、この事件でなにを感じられましたでしょうか?自民党政権の腐敗?いえいえ、そのような表層のことだけではなく日本の農業そのものが根っこから腐っていることをお感じになりませんでしたか? なぜ、かくも農相ばかりに不祥事が続発するのか、しかも今まで比較的に地味だと思われていたこのポジションに続発するのか。3回連続というのはタダごとではない。
日本農業は金まみれです。これほどまでに税金が注ぎ込まれた産業分野は他に知りません。
あきれるほど多種多様な戸別農家への補助金、巨額の基盤整備事業、農業団体や農業共済団体への補助などは他の産業には見られないものです。都市の商工業者で、そうですね、たとえば板金プレスの町工場が機械を買い換える時に補助金がつきますか?運送業者がトラックを買い換える時に補助金がもらえますか?国民金融公庫や信金にお百度参りをして融資をもらっています。それどころか少し前までは貸しはがしなどという目にもあってきました。多くの商工業者は買い換えのための資金を積み、コスト計算をして経営をしています。
町工場の親父が、機械の8割はタダになるよ、いや倉庫だってほとんどタダだよ、同業者のハンコを借りてきて組合をデッチあげて、いったんもらっちゃえばあとは監査なんか事実上ないよ、と聞いたら目を剥くでしょう。こんな馬鹿げたことがあった、いや今でもあり続けているのが、わが農業の世界です。
農業、かくも幸福な稼業?
農家の倉庫に行ってみて下さい。仮に大きなトラクターがあるとしますね。そのトラクターには「平成○○年度農業基盤強化促進事業」だとか補助事業の名前が書いてあるかもしれません。あるいは書いていなくとも、そこに跡取りがいるなら多くは後継者資金で1%程度の低利で、しかも2年据え置きつきで買ったものが多いのです。
それどころか、倉庫自体も近代化資金で半額以上の補助をもらって作ったものかもしれません。やれ、家畜糞尿が社会問題だといえば「家畜糞尿等適正処理事業」(仮名)ナンジャラなどという補助がでて搬出用トラックがほとんどタダで買え、それを耕種農家に置かせてもらう堆肥場がいるとなれば今度は農家の側にも補助がつき、切り返すタイヤシャボが欲しいとなればこれまたタダ同然で買ってもらえる。このご時世にこんな「幸福」な業種はほかにあるでしょうか?
このやり方は実に簡単です。3軒農家が集まってハンコを借りて組合のひとつでもデッチ上げ、それを受け皿にして補助金を呼び込むだけです。もらった後は、形式的な監査しかありませんから事実上私物化しても誰も文句は言わない。酒を一本もっていって、別な時に自分のハンコを貸してやるだけです。
どうして年間売り上げが多くて1000万円かせいぜいが2000万円ていどの農家が、アタッチメント(付属品)まで入れれば800万円以上もするトラクターを買えるのでしょうか。もし、真剣に農家経営の回転を考えたら、そのような重装備が経営破綻をもたらすのは目に見えています。にもかかわらず、できてきた、それをやらせてきたのが補助金農政なのです。
わずか1反、2反の水田に6条植えの田植え機やコンバインを皆が買い込み、年に数日しか使わず、いつもは自分は街に働きに出かけている。こんな農家ともいえない農家を増やしたのもまた補助金農政です。
減反と引き換えに大豆や麦を植えるだけ植えて、手もかけず「捨て作り」にしてたいした収穫にもならないが、できようとできまいと国が所得補償をしてくれる、こんな経営ともいえない農業経営を許してしまったのも同根です。
このようなことを1960年代以降綿々と50年間、2世代に手が届く長きに渡ってやって、農民がダメにならなかったらかえって不思議です。今や日本農民には何か国が「してくれて」あたりまえ、いったん切れると泣いたり怒ったりするという奴隷根性がしみついてしまいました。まず、自らの足で立とうとする前に、補助金を頼りにして、自前の経営を組み立てる前にハナから税金の補助金を当て込んで考えてしまう。
農水省やJAが産地指導と称してなにを作れ、産地形成しろというと、自分でマーケティングもせずに盲従してしまい、失敗すると農政を恨んでしまう。
利権の巣窟
さて、この農民を半世紀かけてダメにした補助金の支払い窓口の大部分は農協JAです。JAの場合、単に支払い窓口というだけではなく、自らもひとつの農業団体として多額の補助金をせしめています。ある農協など2つの行政区に分かれていることを幸いにすべての補助金を二重に取っていました。この農協は高層ビルのような本所をもっています。これはもちろん違法ですが、罪の意識などまるでありません。
このように農業補助金は、今や魑魅魍魎、複雑怪奇、なにがなんだか農業関係者でもよくわからない巨大構造物のようです。農業委員クラスでも一部しか把握しておらず、農政課に聞いても鳩首協議、ほんとうに分かっているのはJAの一部のプロパーだけだというのがどうやら今の日本農村なようです。
こんな目先の、ある意味使途が分かるものはまだいいというべきでしょう。
ウルグアイ・ラウンドによる農家補助金は当初3兆5千万円だったものを、故松岡利勝前農相が切り込み隊長のようなまねをしてどさくさで実に倍の6兆円にまでに上乗せしたしたのでした。そして、この6兆円はどこに行ったものか、なんと気が抜けることには、そのごく一部しかわからないのです。減反補助や転作奨励、水田基盤整備に使われたのはごく一部、大部分は使途不明に近い闇の中に消えていました。なぜなら故松岡氏の剛腕による一種のつかみ金のような性質だったからです。
松岡氏の自殺は緑機構からの収賄容疑のみならず、この巨額のウルグアイ・ラウンドにまつわる裏金に検察のメスが入ることを恐れたものだというのは衆目の一致することです。安倍氏もよりによってとんでもない人を「美しい国」づくりの起点に据えたものです。これに比べれば、遠藤氏が関わった農業共済補助金の50万円未返還事件など、こう言ってはナンですが、まぁ鼻くそのようなもんでしょう。赤城氏の事務所費用も似たりよったり。
農水省は日本農業に不要です
年間3兆円にも登る予算をもちながら、なにをしているのかわからない巨大官庁、コアな仕事を持たない官庁、それが農水省です。
一昨年の茨城トリインフルエンザ事件の時に、地元の家畜保険衛生所の職員がこう嘆いていました。
「農水省は現場に来ない、というよりみごと何もしませんね。現地の家保が防護服を着て何カ月も奮闘して入院する者すら出たのに、東京で学者を集めて会議をするだけ。その報告書も研究者に丸投げ。たった一回だけ来ましたが、家保の事務所で昼飯を喰って帰ったようなものです。小川町にも行っていないんですよ。文書だけで指導も調査もまったくしないで、大企業有利の防疫方針の転換をやらかしてくれるんだから、現場の足を引っ張っているだけの官庁ですよ」
農水省は農業現場をまるで知りません。地方の農業事務所も外に出ません。電話聞き取りなどをしているようです。眠い職場でしょう、たぶん。ましてや中央官僚は霞が関の空調の効いた部屋で考えているだけです。農業がなにに突き当たっているのかも実感がありません。なにを苦しんでいるのかわかりません。統計数字を見ているだけです。官僚にとって農民は「わけのわからない人達」なのかもしれません。
だから、かえって農民を甘やかせてしまうのです。あるいは、JAに丸投げしてしまう。
結果、農水省は農業者保護を謳いながら、結局は農業者を腐らせてしまいました。農業者を甘い菓子に群がるアリのようにさせ、その自立心を奪い、まともなコスト計算をする経営マインドを失わせ、税金にたかることを覚えさせ、もらい得をあたりまえだと思うような奴隷根性を植えつけてしまった。残したものは、農村にある立派な農道、見事な倉庫、大きな機械、立派な農協本所のビル、使われていない研修設備、裏腹に、離農が止まらない疲弊していくばかりの農村ではないですか。農民をダメにしたのはほかならぬ農業を育てるべきポジションであるはずの農水省そのものです。
また、農水省は補助金を迂回させて政治家の懐に入るシステムを作りました。年間3兆円以上という税金は回り廻ってロンダリングされながら地元政治家、農水族の政治資金になっていきました。この農業補助金と旧建設省予算事業の政治風土の上に権勢を誇ったのが旧田中派、経世会です。ですから、農水省はわずかGDPの1%にも満たない存在でありながら、数兆円もの金をバラまくことによって、永田町に対して隠然たる無視すべからざる政治力を発揮できたのです。
農水省は日本農業に不要です。あることそのもので害悪を流します。ないほうがいい。解体して、環境省と統一すべきです。もし今後残るとすれば「農業企画庁」としてです。
農水省外郭団体としての 農協 JA
一方、JAは農水省の受け皿として、事実上の権益の農村での執行者でした。補助金や基盤整備事業にもっとも大きな力を持ったのが農協JAです。地元行政の農政課、農業委員会などと力量がけた違いです。農業委員会、農政課がしょせんは認可しかできないのに対し、JAは補助金を差配できました。金ヅルを握ったものは強いのです。そして二度と手放そうとは考えないようです。
JAは各種の補助金、基盤整備資金、組合員の農協金融を通じて、国の実質的な外郭団体、特殊法人となり、農村の権力そのものとなりました。あたかも国交省と道路公団の関係のようなお互いに甘い蜜を吸い会う関係といったらわかるでしょうか。事実、農水省の高級官僚の天下り先の多くは、JA、全農です。
私自身経験したことを思い出しました。かつて私のところに研修生夫婦がいたのですが、彼らが独立する時に新規就農者補助金をとろうと思いました。いくつかの新規就農のための資金はあたりました。農業改良普及所や農政課、農業委員会に行き、その指導されたとおりにしたのですが、最後の最後で形式的には単なる支払い窓口でしかないはずの地元農協がゴネて頓挫しました。その理由がふるっています。
「たったそれっぽっちの鶏で、食べられるはずもない。第一どこの馬の骨か」
今、そのJAに支援を拒否された研修生夫婦は、走り回って金を借り集め、毎年の返済もしながら経営を軌道に乗せています。新たな農業への血も拒否する、新しいことはやらない、前例踏襲、因循姑息、これもまたJAの体質です。言い方は悪いですが、国が村に出した金は一滴残らず村内で吸う。私がJAと関わりを持たず、ギルドという独自の農業団体を作ったのはこの経験もひとつにあります。
参院選のJAの「反乱」、あるいは連続した農相辞任事件は、農水官僚の当時の政権への忌避だと私は考えています。小泉-安倍政権が掲げる公務員制度改革路線は農水省の膨大かつ複雑な既得権益と対立するものでした。また、事実上の特殊法人であるJAにとっても郵政民営化路線の次に来るのは自分たちJAの株式会社化だろうという危機意識がありました。
さきほどの参院選を「農民の自民党政治へのノー」、「自民党の悪政に地方が叛旗を翻した」などというきれいごとではわかりません。その底流には、膨大な既得権の崩壊への危機感、たかり的な体質の変換を要求されることへの農民の怯えがあるのです。
この文脈の中で民主党の戸別農家所得補償制があり、今また自民党が言い出し始めた「地方格差の是正」というものの再浮上があります。日本農業には、このような腐った風土が根にある以上、これを断ち切らないと日本農業は絶対にまともになりません。私が「政権交代」といった短期の政局で農業を見るべきではないと言い続けている理由はここにあります。
この風土から自由になろうとしなければ、仮に民主党が政権を握ったとしても、なんら日本農業は変わっていかないことでしょう。
なにをしてくれなかったと恨むのではなく、
 恨むことしかできない農業にしてしまったことを恨みます
さてここで、私は今や農業問題は農民問題ではないとすら考え始めていることを白状します。別個に考えるべきだとすら思い始めています。
なぜなら、半世紀の長き、農水省によって去勢された農民には今の日本農業を変える力も、解決する能力もなくなりかかっているからです。民主党の戸別農家所得補償制に歓喜する同業者をみた時に私は心底失望しました。あれは単なるセーフティネットにすぎません。しかも実現可能とは思えない。WTOの黄色の政策(農家に対する所得補償は可、農業生産そのものに対しての補助は不可)に該当する可能性が高いからです。
これから50年先までそんな財政的なセーフティネットを張り続ける力が今の日本国にはあるのかどうか少しは考えてもらいたい。あるはずもないでしょう。あるはずもないのがわかっていて、短期的な失業対策的な社会保障を要求しているのか、それとも今後日本農業が生き残るための今ほんとうに必要な「未来の日本農業のためのコスト」を要求しているのか、そのかんじんな部分が日本農民自身もそれを統べるべきJA自身も分かっているとはとうてい思えません。
民主党が掲げる「暮らしが大切」的な社会政策的な金を農民が要求するのなら、それはもはや農業問題ではなく、単なる高齢者問題か、失対事業なのです。これからの50年は今までのそれとはまったく違います。日本農業を取り囲む状況は激変しているのに、いったんせしめた安楽な地位から尻をどかそうとしないのでは、国民の支持は得られません。仮に農水省の役人は残ったとしても、果たして農民や農業は生き残れません。
私は農水省がなにをしてくれなかったと恨むのではなく、このような恨むことしかできない農業にしてしまった農民の奴隷根性をこそ恨みます。たぶん、私のようなにわか百姓が農民づらをするのも腹がたつでしょうが、今後5年以内に、農民が農業をしていくのがあたりまえではなくなる時代へと移行します。次の日本農業のページは間違いなく、アメリカのように農業企業が農業生産をする時代になります。
わが同業の人達、現実を見てほしい。頼ることより、頼らない自分を育てて欲しい。誰かに泣き言をいう前に、ほんの少しでも立ち上がって、背筋を伸ばし、視線の先の時代を見て欲しい。そして、自ら生き残る術を考えて欲しい。生き残るために変わってほしい。
日本農民は半世紀にわたって農水省によって作られてしまった場所から立ち上がらねばなりません。
それが農業をわがものとする特権をもった農民という「選ばれし人々」のとれる数少ない道だと私は思います。