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安倍自民党 空手形を乱発
やる気の軽重 国政とは別世界を証明


 
 
 

「国難突破解散」 国民の信を問いたい
自由民主党希望の党立憲民主党公明党日本共産党日本維新の会自由党社会民主党日本のこころ・・・公約比較
安倍政権まじめで愚直な政策史共産党重点政策
 
 
 
 
 
自由民主党

 

●公約要旨1
北朝鮮・安全保障
北朝鮮に対する国際社会による圧力強化を主導する。すべての核・弾道ミサイル計画を放棄させることを目指し、拉致問題の解決に全力を尽くす。イージス・アショア等の導入を含め、弾道ミサイル対処能力の向上、島嶼(とうしょ)防衛の強化など態勢を整備する。
アベノミクスの加速
ロボット・IoT・人工知能といった最先端のイノベーションを起こし、「生産性革命」を実現する。「人づくり革命」を力強く進めていくため、消費税10%時の増収分を子育て世代への投資に集中し、「全世代型社会保障」へとかじを切る。増収分などを活用した2兆円規模の新たな政策を年末までにまとめる。2020年度までに、3歳から5歳までの幼稚園・保育園の費用を無償化。0歳から2歳児も低所得世帯は無償化する。待機児童解消のため20年度までに32万人分の保育の受け皿を整備。同一労働同一賃金の実現など働き方改革を推進するとともに、最低賃金1千円を目指す。
財政再建
財政健全化の旗は明確に掲げ、不断の歳入・歳出改革努力を徹底する。基礎的財政収支を黒字化するとの目標は堅持。債務残高対GDP比の安定的な引き下げも目指す。
エネルギー
原子力は安全性の確保を大前提に、重要なベースロード電源との位置づけのもと活用。新規制基準に適合すると認められた場合、関係者の理解と協力を得つつ原発の再稼働を進める。
憲法改正
国民の幅広い理解を得つつ、自衛隊の明記、教育の無償化・充実強化、緊急事態対応、参議院の合区解消の4項目を中心に、党内外の十分な議論を踏まえ、初めての憲法改正を目指す。 
●公約要旨2
北朝鮮の脅威、少子高齢化の二つの国難を前に、明日を守り抜く重大な決断と実行力が問われている。
北朝鮮
北朝鮮に対する国際社会による圧力強化を主導する。拉致問題の解決に全力を尽くす。日米同盟をより一層強固にする。陸上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の導入など弾道ミサイル対処能力を向上させる。
経済
アベノミクスの加速で、景気回復・デフレ脱却を実現する。人工知能(AI)など技術革新を活用した「生産性革命」を通じて所得を増やす。2020年までの3年間を「集中投資期間」として、大胆な税制、予算、規制改革などの施策を総動員し、企業の収益を設備投資や人材投資に振り向ける。長時間労働の是正や同一労働同一賃金の実現など「働き方改革」を実行する。
教育・子育て
20年度までに3〜5歳までの子どもたちの幼稚園、保育園の費用を無償化する。0〜2歳児も所得の低い世帯は無償化する。待機児童解消のため、20年度までに32万人分の保育の受け皿を整備する。真に支援が必要な所得の低い家庭の子どもたちに限り、高等教育の無償化を図る。消費税率10%引き上げ時の増収分を子育て世代への投資に集中することで「全世代型社会保障」に転換する。「人づくり革命」に関する2兆円規模の政策パッケージを年末までに策定する。
財政再建
財政健全化の旗は明確に掲げつつ、不断の歳入・歳出改革努力を徹底する。基礎的財政収支の黒字化目標は堅持する。
地方創生・復興
外国人旅行者4000万人を目指す。東日本大震災による地震・津波被災地域の復興を20年度までにやり遂げる強い意志を持って全力で取り組む。
憲法改正
自衛隊の明記、教育の無償化・充実強化、緊急事態への対応、参院の合区解消など4項目を中心に、党内外の十分な議論を踏まえ、憲法改正原案を国会で提案・発議し、初めての憲法改正を目指す。
規制改革
国家戦略特区は、透明性を向上し、国民に分かりやすい運用をしつつ、残された岩盤を打破する。特区で実現した規制改革はできるだけ早期に全国展開する。
カジノ
カジノを解禁する統合型リゾート(IR)推進法に基づき、万全な対策を講じて「日本型IR」をつくり上げる。
原発
原子力規制委員会により新規制基準に適合すると認められた場合には、立地自治体等の理解と協力を得つつ、原発の再稼働を進める。
国土強靱化
地下シェルターの整備を進める。 
●公約要旨3
北朝鮮対応
北朝鮮に対する国際社会による圧力強化を主導し、完全で検証可能かつ不可逆的な方法ですべての核・弾道ミサイル計画を放棄させることを目指すとともに、拉致問題の解決に全力を尽くす。日米同盟をより一層強固にすることで、わが国の抑止力を高める。ミサイル対処能力の強化をはじめ、国民保護を最優先に対応し、国民の生命と財産を守り抜く。
アベノミクス加速
わが国の経済は確実に回復している。この流れを確かなものにするため、「生産性革命」と「人づくり革命」の2つの大改革を断行することによって、力強い消費を実現し、経済の好循環を完遂する。
生産性革命
2020年までの3年間を生産性革命の「集中投資期間」として、中小企業・小規模事業者も含め、大胆な税制、予算、規制改革などあらゆる施策を総動員して、企業の収益を設備投資や人材投資へ振り向けていく。中小企業・小規模事業者の円滑な世代交代・事業承継に資するよう、税制を含め徹底した支援を講じる。ロボット・IoT・人工知能(AI)といった生産性を劇的に押し上げる最先端のイノベーションを起こし、「生産性革命」を実現する。
人づくり革命・教育無償化
子育て世代への投資、社会保障の充実、財政健全化にバランスよく取り組みつつ、「人づくり革命」を力強く進めていくため、消費税率10%への引き上げに伴う増収分などを活用した2兆円規模の新たな政策を本年末までにとりまとめる。幼児教育の無償化や介護人材の確保などを通じてわが国の社会保障制度を全世代型社会保障へ大きく転換するとともに、所得の低い家庭の子供に限った高等教育無償化やリカレント教育の充実など人への投資を拡充する。幼児教育無償化を一気に加速する。20年度までに、3歳から5歳までのすべての子供たちの幼稚園・保育園の費用を無償化する。0歳から2歳児も、所得の低い世帯に対して無償化する。待機児童解消を達成するため、「子育て安心プラン」を前倒しし、20年度までに32万人分の保育の受け皿整備を進める。
働き方改革
働き方改革を推進することで、長時間労働を是正するとともに、賃金などの待遇について、雇用形態ではなく、職務内容によって公正に評価される仕組みを導入する。長時間労働の是正や「同一労働同一賃金」の実現など多様なライフスタイルを実現する働き方改革を推進するとともに、最低賃金1000円を目指す。
消費税
19年10月に消費税率を10%に引き上げる。その際、「全世代型社会保障」への転換など「人づくり革命」を実現するため、消費税率10%への引き上げの財源の一部を活用する。19年10月の軽減税率制度の導入に当たっては、基礎的財政収支を黒字化するとの目標を堅持する中で、「社会保障と税の一体改革」の原点に立って安定的な恒久財源を確保する。
財政再建
基礎的財政収支を黒字化するとの目標は堅持する。同時に債務残高対国内総生産(GDP)比の安定的な引き下げも目指す。引き続き歳出・歳入両面からの改革を進め、目標達成に向けた具体的計画を策定する。
地方創生
中小企業・小規模事業者の生産性向上に向けて、きめ細かなあらゆる政策を総動員して支援する。若者や意欲のある農林漁業者が夢や希望を持てる「農政新時代」を切り開く。
災害復興
東日本大震災による地震・津波被災地域の復興は、復興期間が終了する20年度までに必ずやり遂げる、という強い意志をもって全力で取り組んでいく。原子力災害からの復興を目指す福島については、復興期間後も国が前面に立って中長期的、計画的な見通しのもとに支援を継続し、避難しておられる方々が安心して帰還できるよう取り組む。
憲法改正
現行憲法の「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」の3つの基本原理は堅持しつつ、憲法改正を目指す。憲法改正については、国民の幅広い理解を得つつ、衆議院・参議院の憲法審査会で議論を深め各党とも連携し、自衛隊の明記、教育の無償化・充実強化、緊急事態対応、参議院の合区解消など4項目を中心に、党内外の十分な議論を踏まえ、憲法改正原案を国会で提案・発議し、国民投票を行い、初めての憲法改正を目指す。
エネルギー戦略
「エネルギー基本計画」を踏まえ、徹底した省エネ、再生可能エネルギーの最大限の導入、火力発電の高効率化などにより、原発依存度を可能な限り低減させる。
観光立国
外国人旅行者20年4000万人・旅行消費額8兆円を目指し、訪日プロモーションの強化やビザ緩和、免税店の拡大や電子化等利便性の向上、空港・港湾のCIQ強化等、多様なニーズに応じた受け入れ体制の整備・強化を図る。
東京五輪・パラリンピック
「復興五輪」として被災地が復興を成し遂げつつある姿を世界に発信するとともに、競技開催地だけのイベントとすることなく、日本全体の祭典となるよう、参加国・地域との交流を全国的に展開する。
農林業
「森林環境税(仮称)」の創設に向け、本年中に結論を得る。併せて林業の成長産業化を実現する。意欲と能力のある経営者に森林の管理経営を集積・集約化するとともに、市町村が森林を管理する新たな森林管理システムを構築し、路網整備等を重点的に支援する。
受動喫煙
望まない受動喫煙をなくすため、法整備も含め受動喫煙対策を徹底する。がんの予防、治療・研究、患者の雇用継続や療養生活の質の維持向上に取り組む。
国土強靱化
地下シェルターの整備等の国民保護関連施策の強化に加えて、公共・民間の既存の地下空間を活用して緊急避難場所を確保するための新たな取り組みを早急に進めるとともに、国民保護にも大きな効果を発揮する国土強靱(きょうじん)化の取り組みを加速する。
外交
自由貿易や国益に即した経済連携交渉、投資協定・租税条約の締結を推進して諸外国の活力をわが国の成長に取り込み、力強い経済成長を達成するとともに、国益確保の観点からグローバルなルールの策定への貢献を推進する。
安全保障
イージスアショア等の導入を進め、わが国の弾道ミサイル対処能力の向上や、南西地域への部隊配備等による島しょ防衛の強化など、重大かつ差し迫った脅威や不測の事態に対処できる態勢を整備する。また、より実践的な住民避難訓練の実施等、新たな段階に応じた国民保護の態勢を確立する。
海上保安
わが国の領土・領海の堅守に万全を期し、国民が安全・安心に暮らすことができる平和で豊かな海を守り抜くため、海上保安庁の海上法執行能力、海洋監視能力、海洋調査能力の強化を図る。 
自民党「政権公約2017」
10月6日、総選挙公示まで残り4日。現在、急ピッチで選挙公約の印刷・製本作業が進んでいます。現在、私は、党・政務調査会において、岸田文雄政務調査会長の下、副会長兼事務局長を務めていますが、実は、今回の公約は、私が事務局長の立場でとりまとめさせていただきました。今日は、その概略について、説明させていただきます。明日以降、項目ごとの詳細についても、ご報告します。
さて、今回の公約では、メインとなる公約として、6本柱を掲げています。何といっても一丁目一番地は、「この国を守り抜く」、「北朝鮮への対応」です。弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮、脅威は重大かつ差し迫ったものとなっています。このため、国際社会一致した隙の無い圧力をわが国が主導していくこと、そして、徹底した外交努力によって解決を図っていくことを記しています。「北朝鮮の立場にたって対話を」といった意見がありますが、「対話のための対話」が何の結果ももたらさなかったことは歴史が証明しています。今こそ「意味ある対話」へ北朝鮮を引き出すために「圧力」が必要なときです。同時に、ミサイル対処能力の強化についても全力で取り組みます。
北朝鮮に続く第2の柱が、「アベノミクス」です。アベノミクス5年、成果は着実に出ています。特に雇用面では、有効求人倍率は1.52、正規雇用でも初の1倍超えとなり、景気は戦後第2位の長さで回復しています。しかし、実感がない。影を落としているのが、「少子高齢化」の大きな壁です。
この壁を乗り越えるためにあるのが、第3、第4の柱です。先ず、第3の柱として、「劇的な生産性向上を通じて国民の所得を増やす」ことを掲げています。この中で、ロボット・AIの活用などとともに特筆すべきは、中小・小規模事業者の円滑な世代交代・事業承継への支援です。我が国の雇用の7割を担う中小・小規模事業者の経営者の多くが今後数年〜10年内に世代交代の時期に入ります。この世代交代・事業承継を円滑に進めることが生産性向上の大前提となります。あわせて、「長時間労働の是正」の働き方改革も不可欠です。
続いて4本目の柱として、少子高齢化の壁を乗り越えるため、「未来を担う子どもたちに、保育教育の無償化を実現する」ことを掲げています。3歳〜5歳の全ての子供たちの幼稚園・保育園の費用を無償化するとともに、2020年までに32万人分の保育の受け皿整備を進めます。
そして、第5の柱が地方創生です。農林水産業、観光業、若者の地方での就学・就業の促進などとともに、東日本大震災そして熊本地震からの復興に引き続き全力を傾けます。
最後が、憲法改正です。現在、党の憲法改正推進本部では、自衛隊の明記、教育の無償化・充実強化、緊急事態対応、参議院の合区解消など4項目を中心に議論を進めていますが、引き続き党内外での十分な議論を行い、「国民の幅広い理解を得て、憲法改正を目指す」ことを示しています。
以上の公約を貫く精神は「未来に責任を持つ確かな政策で、さらなるステージへ」です。スローガンだけではない「確かな」政策、「今大衆受けすればよい」ということではなく「未来に責任を持つ」、政権を担う責任政党として、「誠心誠意、政策で」選挙戦を戦いぬいていきます。 
自民公約「憲法に自衛隊明記」 財政健全化の時期は削除
自民党は2日、衆院選公約を発表した。安倍晋三首相(総裁)が打ち出した憲法への自衛隊明記や、消費税率を10%に上げた際の増収分を教育無償化などに振り向ける方針を盛り込んだ。政権復帰後の公約で掲げていた財政健全化の目標時期は削除した。
公約では、憲法改正を柱の一つに据えた。首相が5月の憲法記念日に言及した自衛隊の明記と教育無償化に加え、緊急事態対応や参院選の「合区」解消の4項目を列挙。これを中心に「党内外の十分な議論を踏まえ、憲法改正原案を国会で提案・発議」することをうたった。2014年衆院選公約の「憲法改正」の部分では、具体的な項目には踏み込んでいなかった。
安倍首相は9条1項、2項を残して自衛隊を明記する案を示していたが、2項の交戦権の否認や戦力の不保持を削除すべきだとの党内の異論も強く、「2項維持」には触れなかった。
3歳から5歳までの幼稚園・保育園の費用無償化や32万人分の保育の受け皿整備の2年前倒し、低所得世帯に限定した高等教育無償化などもうたい、こうした施策に消費増税の増収分を充てる方針を示した。政策経費を借金なしで賄えるかを示す基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)を20年度までに黒字化する、との目標は削った。 
自民党の選挙公約 再び検証を欠く上書きか
自民党がきのう衆院選の公約を発表した。
北朝鮮の脅威を強調して指導力を強くアピールし、消費税増税の増収分を新たに教育無償化に振り分けることを訴えたのが柱だ。安倍晋三首相(自民党総裁)の意向を強く反映した内容といえる。だが、唐突な衆院解散表明からわずか1週間である。どこまで党全体で議論され、共有された方針なのか。疑問がある。
自民党は2014年衆院選で大胆な金融政策や成長戦略などの「三本の矢」を旗印にアベノミクス推進を公約した。2年後の16年参院選では「1億総活躍社会」を掲げ、待機児童対策を重点化した。アベノミクスを「最大限ふかす」とも約束した。今回は「生産性革命」「人づくり革命」という新たなフレーズをアベノミクスのエンジンと位置付ける。あの手この手で看板を差し替えては耳目を引こうとしてきたのが安倍自民流の選挙公約である。
一方で、国と地方の基礎的財政収支黒字化目標の「20年度」は削除され、女性の活躍の文字も消えた。過去の公約を総括せずに新たな政策を繰り出しても、また中途半端に終わるのではないか。そんな疑念を持たれても仕方ないだろう。
とくに、消費税の扱いはあまりに乱雑だ。14年衆院選で10%への引き上げを1年半延期し、16年参院選では世界経済の不透明感を理由にさらに2年半先延ばしした。現時点での増税時期は19年10月だ。ところが、こんどは、その世界経済が好転する展望があるのかどうかの説明もないまま、2年先の増税を前提に使途変更に踏み込んだ。そうかと思うと、「希望の党」代表の小池百合子東京都知事が消費増税凍結に触れると、首相は「リーマン・ショック級の緊縮状況」が起きれば再延期もあり得ると発言した。無責任な議論ではないか。
憲法改正は、首相提案に基づき9条への自衛隊明記を含む4項目を盛り込んだが、条文案を示していない。党内議論が熟していないことも背景にあろう。
検証を欠いたまま上書きしただけの公約、という印象は否めない。  
自民と希望、増税・原発で対立…憲法改正は一致
10日公示・22日投開票の衆院選に向け、立憲民主党が7日、衆院選公約を発表し、各党の公約が出そろった。
政権を争う自民、希望の両党は、消費増税や原発政策などをめぐって対立する。一方、両党は憲法改正を目指す点では一致しており、衆院選の結果次第では、改憲論議が活発化する可能性もある。
消費増税
2019年10月の消費税率10%への引き上げの是非を巡っては、与野党の対立構図がそのまま持ち込まれた。自民、公明両党は予定通り引き上げ、飲食料品などへの軽減税率導入を掲げる。両党は増税分の使い道を見直し、子育てや教育などに重点配分する方針も打ち出した。
これに対し、希望、日本維新の会の両党は「凍結」との立場だ。共産党も引き上げ中止を掲げ、立憲民主は「直ちに引き上げることはできない」と見送りを主張した。
ただ、野党側が消費増税に代わって確保すると主張している財源については曖昧さも残る。希望は、企業利益の蓄積に当たる「内部留保」への課税を盛り込んだが、「法人税との二重課税になる」との指摘があり、実現性を疑問視されている。
原発政策
自民が公約で、原発を「重要なベースロード電源」と位置付けるのに対し、野党側は「脱原発」を掲げた。
希望は公約で再稼働に柔軟姿勢を示すものの、原発は新設せず、「2030年までに原発ゼロ」を目指すとした。共産は「原発再稼働の中止」、立憲民主も「一日も早い原発ゼロ」を掲げ、「原発ゼロ基本法」の策定を目指す。
憲法改正
自民や希望、維新は憲法改正に積極姿勢を示している。
自民は「自衛隊の明記、教育の無償化・充実強化、緊急事態対応、参議院の合区解消」の4項目で改憲を目指すとした。希望も「憲法9条を含め改正論議を進める」と明記した。9条改正については自民、希望、維新が前向きだが、共産や立憲民主は「9条の改悪反対」を掲げ、反対姿勢を強めている。 
金融緩和出口で違い鮮明、自民・希望の公約 識者の意見も二分
自民党と希望の党の公約を見比べると、マクロ政策で最も際立つ違いは、金融政策の方向性だ。自民はデフレ脱却まで現在の超緩和策を継続するとしているのに対し、希望は当面は維持しつつ出口を模索すると掲げた。
政府関係者の一部は尚早な出口模索は円高を招き、アベノミクス効果が失われると危機感を持つ。ただ、一部の識者は、マクロ政策の方向転換の議論のきっかけになるのではないかと見ている。
希望の党が6日に公表した公約には「日銀の大規模緩和は当面維持したうえ、円滑な出口戦略を政府・日銀一体となって模索する」との一文が盛り込まれた。
政府高官の一人は「デフレ脱却と経済再生が、まだ実現していない段階で、金融緩和の出口に向かうというのは、アベノミクスを取り下げることに等しい」と指摘する。
特に「円高が起こる恐れがある」として、企業部門への打撃を懸念している。
複数の政府・与党関係者によると、足掛け5年に及ぶ超金融緩和の継続でも、デフレ脱却に至らず、その効果について政府・与党内でも疑問を指摘する声があったという。
中でも野田聖子総務相らは、中長期的な視点で金融政策を考えるべきと主張。先々の軌道修正を意識すべきと述べていた。
ただ、出口政策を自民党の公約に乗せるような党内議論はなかったと話す。
あるエコノミストは「期限のない金融緩和の継続は、政府の財政規律へのスタンスを甘くすることになる。その意味で、希望の主張によって、ようやく出口論の争点化が可能になってきた」とみている。
一方、消費増税をめぐっても、自民・希望の対立は先鋭化している。希望は増税凍結と代替財源に企業の内部留保への課税を提案。小池百合子代表(東京都知事)は6日の会見で、安倍晋三首相が使途変更を衆院解散の理由の1つにしていることに対し「政府が説明し、国会で議論すればよいこと」と述べ、安倍首相の主張に反論した。
この希望のスタンスについて、ある政府関係者は「内部留保課税をしたからといって、企業が投資や賃上げをするとは限らない。むしろ自社ビルを建てたり接待に使ったり、生産性向上にはつながらない使い道に逃げることもあるだろう」として、効果に疑問を投げかけた。
社会保障政策では、さらに大きな違いが出た。自民は「全世代型社会保障」として教育無償化や子育てへの支援策を厚くすると主張。
これに対し、希望はベーシックインカムとして国民にあまねく最低限の生活保証金を手当てする政策を掲げた。
政府関係者の1人は「安倍政権が進める保育所整備や医療介護費用削減が簡単に進まないなら、いっそお金を配る方が手間もかからず、貧困層にはメリットも大きいのではないか」と、ベーシックインカムの導入を否定しえないと話す。
だが、野村総合研究所・金融ITイノベーション研究部長の井上哲也氏は、希望の公約に対し「全体として、マクロ政策が一貫していないようにみえ、その方向性は不明。何のために消費増税を凍結するのか、金融緩和の出口を模索する理由は何か、わかりにくい」と述べる。
ベーシックインカムの導入については、社会保障給付にほかならず、同制度全体の議論から始める必要があるとの声も、政府関係者の中から出ている。
さらにエネルギー政策では、希望が30年までに原発ゼロを目指すとし、自民党との違いが際立った。
また、特区の事業者選定過程の全てを公開することや、企業団体献金の全面的な禁止など希望が自民党を意識して、正反対の政策を打ち出している項目が少なくない。
だが、ある金融関係者は、希望の公約全般について「既得権を持っている人の反発は強いだろう。実現可能性を考えると、ポピュリスト的な政策ともみえる」と述べている。 
 
 
 
 
希望の党

 

●公約要旨1
消費税
一般国民に好景気の実感はない。景気回復を確実にするため、2年後の消費税増税を凍結。引き上げの前提として、(1)議員定数・報酬を削減(2)国会改革を実現(3)ワイズ・スペンディング(税金の有効活用)の観点からインフラ整備を見直し。増税凍結の代替財源として、大企業の内部留保への課税を検討。
ユリノミクス
金融緩和と財政出動に過度に依存せず、民間活力を引き出す「ユリノミクス」を断行。ベーシックインカム(最低限所得保障制度)を導入。日銀の大規模金融緩和は当面維持し、円滑な出口戦略を政府・日銀一体となって模索。2020年度までに基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化する財政健全化目標は現実的に訂正。
憲法
9条を含め、時代に合った憲法のあり方を議論。安全保障法制は憲法にのっとり適切に運用。衆参両院の対等統合による一院制の実現。地方自治に関する第8章を改正し、地方分権、課税自主権などを位置づける。
原発
原発が日本の将来を担うエネルギーと考えず、30年までに原発はゼロへ。新規原発の建設中止。総合的な安全性を原子力規制委員会が厳しく確認し、確実な住民避難措置が取られることを前提に再稼働を容認。原発ゼロの憲法への明記を目指す。 
●公約要旨2
税・財政
金融緩和と財政出動に過度に依存せず、民間活力を引き出す「ユリノミクス」を断行する。2019年10月に予定されている10%への消費税引き上げは凍結する。消費増税の代替財源として、約300兆円もの大企業の内部留保への課税を検討する。ベーシックインカム導入で低所得層の可処分所得を増やす。20年度までに基礎的財政収支を黒字化する目標は現実的な目標に訂正する。
成長戦略
人工知能、ビッグデータ活用の分野で競争力を高めるため、専門人材の育成・獲得をする。民泊などシェアリングエコノミーの推進、自動運転の実現に向けた規制改革を断行する。特区等における事業者選定において、選定過程を国民に全て開示する。
教育・子育て
「待機児童ゼロ」の法的義務付け。配偶者控除を廃止し夫婦合算制度へ移行する。幼児保育・教育の無償化、大学の給付型奨学金を大幅拡充する。
働き方改革
正社員雇用を増やした中小企業の社会保険料負担を免除する「正社員化促進法」を制定する。働き方改革、再就職支援制度の抜本拡充で成長分野へ人材移動を円滑化する。
憲法
憲法9条を含む憲法全体の見直しを与野党協議で進める。自衛隊の存在を憲法に位置付けることについて国民の理解が得られるか見極めた上で判断する。国民の知る権利、地方自治の分権を明記する。一院制により、迅速な意思決定を可能とする。
環境・エネルギー戦略
新規原発の建設をやめ、40年廃炉原則を徹底し「原発ゼロ」の30年までの実現を目指す。原発ゼロを憲法に明記することを目指す。再生可能エネルギーの比率を30%まで向上。省エネを徹底しエコ社会を実現する。オリンピック・パラリンピック開催国として国際標準の「受動喫煙ゼロ」規制を実施する。
外交・安保政策
安保法制をめぐる与野党の不毛な対立から脱し、厳しい安全保障環境に党派をこえて対応する。緊張の高まる北朝鮮への対応やミサイル防衛などを含め、現行の安全保障法制は憲法にのっとり適切に運用する。拉致被害者全員の即時帰国に全力で取り組む。日米同盟を深化させる一方、基地負担軽減など地位協定の見直しを求める。
地方
道州制導入を目指し国の権限と財源を移す。農業関係の補助金を大胆に廃止し、農家への直接払いに一本化する。 
●公約要旨3
公約1 消費税増税凍結
=景気回復を確実にするため、2年後の消費税増税を凍結
財政の立て直しは極めて重要な課題。アベノミクスによる株高・円安、失業率の低下は認めるが、一般国民に好景気の実感はない。前回の消費税増税が消費に与えた影響を考えると、10%への増税は一度立ち止まって考えるべきだ。その前に国会が自ら身を切り、公共事業をはじめまずは歳出削減を行い、国有資産の売却なども徹底すべきだ。300兆円もの大企業の内部留保への課税なども検討し、プライマリーバランス(基礎的財政収支)の改善を図る。
公約2 議員定数・議員報酬の削減
=国会議員の身を切る改革を断行し、「しがらみ政治」から脱却
国会議員の歳費は世界最高レベルの年約2200万円。さらに月100万円の文書通信交通滞在費が支給される。近年の議員定数削減は2014年に480人から475人に、今年から465人になるが、抜本改革とはいえない。もっと大胆な定数削減、議員報酬削減を提案する。将来の1院制の導入論議も始める。
公約3 ポスト・アベノミクスの経済政策
=徹底した規制改革と特区を最大活用し、民間の活力を生かした経済活性化を図る
アベノミクスは民間活力を引き出す規制改革が不十分。おともだち厚遇ではない抜本的な規制改革を進める。AI(人工知能)、フィンテック、自動運転など先端分野での競争力を高め、起業を促進し、経済の自律的成長を目指す。政府系金融機関と官民ファンドは可及的速やかに廃止する。東京五輪・パラリンピック成功に万全を期す。日本と東京をアジアナンバーワンの国際金融センターとして復活させるため、規制や税制の見直しを断行する。
公約4 原発ゼロへ
=「2030年までに原発ゼロ」を目指す。徹底した省エネでエコ社会に変える
13年9月16日から約1年11カ月は稼働原発ゼロだった。現在稼働している原発は全国で57基中5基。原発が日本の将来を担うエネルギーだとは考えない。残すべき原子力技術の保持方法を確保し、30年までに原発はゼロへ。再生可能エネルギーの比率を30%まで向上させ、省エネを徹底したエコ社会を実現する。
公約5 雇用・教育・福祉の充実
=正社員で働ける、結婚できる、子どもを育てられる社会に少子化問題解決のカギがある
長時間労働を規制し、正社員を増やす企業を応援する。親の所得に関係なく子どもが希望を持てるよう、保育園・幼稚園の無料化と、返済不要の奨学金を増やす。医療、介護、障害福祉の毎月の自己負担額を合算し、上限額以上を負担しなくてよい「総合合算制度」を導入する。
公約6 ダイバーシティー社会の実現
=すべての人が輝ける社会を目指す。特に女性、シニアの力をさらに生かす
性別、性的指向、年齢、人種、障害の有無などに関わらず、すべての人が輝ける社会を目指す。女性が主役の社会を目指し、待機児童ゼロの義務付け、育児休暇取得の支援、長時間労働規制、同一価値労働同一賃金などを実現。LGBTに対する差別を禁止する法律を制定する。セカンドキャリアやセカンドラーニングなど、意欲旺盛なシニアに生きがいの場を提供する。
公約7 地域の活力と競争力の強化
=道州制を導入し、地域が自分で決めればムダもなくなる
地域が元気になるため、国依存体質から脱却する。道州制導入を目指し、国の権限と財源を移す。市町村間の競争も必要。既得権を守ろうとする業界の要望よりも、地域住民の提案を生かした新たな発想でムダをなくす。農業補助金を大胆に廃止して農家への直接払いとし、これからの時代に勝てる農政に転換する。
公約8 憲法改正
=憲法9条を含め憲法改正論議を進める。国民の知る権利、地方自治の分権を明記する
自衛隊の存在を含め、時代に合った憲法のあり方を議論する。知る権利を明確に定め、国や自治体の情報公開を進める。地方自治の「分権」の考え方を明記し、「課税自主権」「財政自主権」も規定する。憲法全体の見直しを与野党の協議で進める。
公約9 危機管理の徹底
=外交・安全保障はもとより自然災害対策も強化し、国民の生命と主権を守る万全の備えを整える
安全保障法制をめぐる与野党の不毛な対立から脱却し、日本の厳しい安保環境に党派を超えて取り組む。緊張の高まる北朝鮮への対応やミサイル防衛など、現行の安保法制を憲法にのっとり適切に運用する。サイバーテロ対策など、現実主義に立脚した外交・安保体制を構築する。
●政策 私たちが目指す「希望への道」
1 政治に希望を
・国会と国の行政機関の情報公開のあり方を抜本的に見直す。公文書管理法を改正し、行政文書の恣意(しい)的な廃棄を禁じて「隠蔽(いんぺい)ゼロ」を断行
・特区などの事業者選定過程をすべて開示
・「企業団体献金ゼロ」を法的に義務付け
・国会議員の文書通信交通滞在費の使途公開義務付け
・衆院と参院の対等統合による1院制
・「天下り規制法」の制定
・国家公務員総定員の2割削減
2 経済に希望を
・金融緩和と財政出動に過度に依存せず、民間の活力を引き出す「ユリノミクス」を断行=(1)消費税増税凍結と内部留保の社会還元(2)家計における教育費と住宅費の負担を下げ、医療・介護費の不安を解消。ベーシックインカム導入で低所得層の可処分所得を増加
・日銀の大規模金融緩和は当面維持し、円滑な出口戦略を模索
・特区でサンドボックス制度(新技術を実証するための規制改革)を積極的に活用
・民泊などシェアリングエコノミーを推進
・事業再編税を強化
・電柱の地中化で災害対策を強化
3 中小企業に希望を
・正社員雇用を増やした中小企業の社会保険料を免除する「正社員化促進法」の制定
・ブラック企業を公表
・国と職種を限定して外国人労働者の受け入れを拡大
・金融機関に「経営者保証に関するガイドライン」を徹底
4 家計に希望を
・2019年10月に予定されている10%への消費税引き上げを凍結
・消費税引き上げの前提として、議員定数と報酬を削減。不要不急のインフラ整備の徹底的な見直し
・約300兆円もの大企業の内部留保に課税を検討。税収増と経済成長の両立を目指す
・高齢富裕層から若者への所得移転を促進
・20年度までに基礎的財政収支を黒字化するという非現実的な目標は、達成可能で現実的な目標に訂正
・マイナンバーのフル活用と歳入庁創設で、税や保険料納付に関する脱法行為と徴収漏れの防止を徹底
5 雇用・教育・福祉に希望を
・20年までに指導的地位にある女性の比率を30%に
・「300円タクシー」を全国規模で実現し、「移動困難者ゼロ」を目指す
・大学での高齢者学生の受け入れ推進
・ヘイトスピーチを含む人種など差別禁止法の制定
・犬や猫の「殺処分ゼロ」を義務付ける法案を制定
6 地球に希望を
・新規原発の建設をやめ、40年廃炉原則を徹底
・原子力規制委員会が総合的な安全性を厳しく確認し、確実な住民避難措置をとることを前提に、原発の再稼働を認める
・将来、政権が交代しても原発ゼロの方針が変わらないよう、原発ゼロの憲法明記を目指す
・地球温暖化対策の徹底、「ゼロエミッション車」化の加速
・公共投資のあり方を拡張型から維持補修型に抜本的に見直す
・国際標準の「受動喫煙ゼロ」規制を実施
・「フードロスゼロ」を目指す
7 地方に希望を
・地方自治に関する憲法第8章を改正し、分権の考え方、課税自主権、財政自主権などを位置付ける
・政令市が都道府県からの独立性を強める特別自治市を実現
・食料自給率50%
・新規就農者を育成、支援し、中核的な担い手に農地を集積、集約
・税制措置などで都市農業を振興
・「花粉症ゼロ」を目指す
・空き家を抜本的に活用
・東日本大震災からの復興については、復興特区制度の有効活用、行政のワンストップサービス化などに最優先で取り組む。熊本地震や各地の豪雨災害の早期復旧、復興を進める
・地方大学を核に地域活性化を図る
・東京都内23区の学生数を抑制する文部科学省告示を廃止
・東京、名古屋、大阪が密接な連携を深め、大経済圏「東海道メガロポリス」を誕生させる
8 憲法に希望を
・幼児教育から高校までの教育無償化、緊急事態における国政選挙の先延ばし、私学助成の位置付けを明確にする第89条の見直しを検討
・自衛隊の存在は国民に高く評価されており、これを憲法に位置付けることについては、国民の理解が得られるかどうか見極めて判断する
9 世界に希望を
・北朝鮮に対しては、日米韓を中心に中国、ロシアを含め国際社会と緊密に連携し、制裁の厳格な実施を働きかける。制裁と圧力は対話を導く手段
・拉致被害者全員の即時帰国に全力で取り組む
・日米同盟を深化させる一方、基地負担軽減など地位協定の見直しを求める
・北方領土返還を目指す。尖閣諸島を守り、竹島についても公正な解決を目指す
・テロ対策として出入国を厳格に規制し、対外情報収集機能を強化
10 民主主義に希望を
・立候補の壁である供託金制度の見直しや、大学構内、駅周辺での投票など投票の利便性を図ることによって、国民が政治に参加しやすい環境を整備
・全国で電子投票を実現。ネット投票も検討
・被選挙権の年齢引き下げを実現
・国会の男女同数を目指し、必要な法案を提出  
希望の党、衆院選公約を発表 3本の柱と希望への道しるべ12のゼロ 
東京都の小池百合子知事が代表を務める希望の党は、6日午前9時から東京都内のホテルで会見し、10月10日に公示される衆院選に向けた公約を発表した。
小池百合子代表のあいさつ
福田:それでは皆さん、大変お待たせをいたしました。希望の党の政策発表の会見を行わせていただきたいと思います。進行は私、公約担当の福田が務めさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。それでは、まず希望の党代表の小池百合子よりごあいさつ、兼、公約、政策につきましての説明をさせていただきたいと思います。
小池:皆さん、おはようございます。希望の党代表、小池百合子でございます。早朝よりお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。これより希望の党、今回の総選挙に臨みましての公約を発表させていただきます。まず冒頭、昨日はグッドニュースが飛び込んでまいりました。それは日系イギリス人、石黒一雄さんがノーベル賞、文学賞を受賞されたということでございます。日系イギリス人、そしてまた以前、ノーベル賞を同じく青色LEDダイオードで受賞されました中村修二さんも確か、途中からアメリカのほうに国籍を変えられて研究を続けておられるということだと思います。
何を申し上げたいかというと、石黒さんのノーベル賞受賞がうれしいと同時に、研究者の中にはもう日本を出て、そして研究をしていこうという、そういう方々が若干増えてるのではないかということ。それから、今後のノーベル賞を受賞する日本人の方々、教育の現場、研究の現場がいったいどういうなっているのか。これらのことを考えますと、今後の日本のかじ取り、そしてまた日本の最大の資源である人材をどのようにして生かしていくのか。こういった大きな根幹の部分を今、政治は問われているのではないかと、このように思うからでございます。
そしてまた、このたびの総選挙でございますが、北朝鮮情勢がこのように厳しい中において、この総選挙をやっているということ自体、私たちは本当にいまだに、この段階で総選挙というのはいかがなものかと思わざるを得ません。国家の安全保障、重要でございます。安全保障において私どもの政策、これも自然災害も含めまして、しっかりと危機管理を行っていくということは当然でございます。そしてまた、安全保障ともう1つ保障、これは社会保障でございます。セキュリティー、どちらもナショナルセキュリティーであり、そしてもう1つがソーシャルセキュリティーである。この安全保障とソーシャルセキュリティーのこの2本柱、この大きなところを、私たち希望の党はほかの党がこれまで言えなかったようなこと、そして、打ち出したくてもなかなか打ち出せなかったような部分、ある意味ではタブーに挑戦するぐらいの気持ちで思い切った案をこの公約に盛り込ませていただきました。
その理由は、私たち保守の政党といたしまして、これまでの伝統や文化はしっかり守りますが、一方で大きく改革をしていかなければ、守るべきものも守れなくなるといった思いでございます。そういったことから改革、そしてまた寛容な保守、この2つが2本柱となって私ども希望の党、日本に希望を、そして人々に希望を提供できる、そのような柱を公約として、皆さま方にご提示をさせていただきます。前置きが長くなりましたけれども、座らせていただきます。
希望の党の理念
まずあらためまして理念の部分。まず、こちら持っていただけますか。この希望の党といたしまして、私たちが希求するものは党の利益ではございません。議員の利益でもございません。国民のため、つまり国民が納められる皆さま方の税の恩恵を、全ての国民にお届けする仕組みを強化することにございます。国政を透明化していきます。そして情報公開は常に行っていく。国民と共に進める政治を実現してまいります。既得権益やしがらみ、不透明な利権を排除して国民ファーストの政治を実現する。国民1人1人、日本に、未来に希望を生むためにこの理念を、まずはご紹介をさせていただきます。
政権公約、3本の柱
次に3本の柱をご紹介しておきます。まず消費税の増税を凍結いたします。さまざまな経済指標が出ておりますけれども、しかしながら好景気の実感、1人1人の国民の皆さまが十分抱いているかというと、まだまだその実感を伴っていない。そもそも2019年の秋に消費税を8%から10%へ引き上げるという予定となっていたわけでございますけれども、しかしながら、この好景気の実感がないままに経済の約6割を占めるという、この消費ですね、個人消費がまだまだ改善をしていない、実感を伴っていない。そしてまた消費税だけでなくて、さまざまな社会保障についても不安がある。そういう中において、今回の、予定どおりに引き上げていくことに対していかがなものか、よって、ここは2年後の消費税増税を凍結し、さらに2025年には団塊の世代の皆さま方がいよいよ後期高齢化、後期高齢者の仲間入りをしていく。そういう中において、これまでの社会保障の枠組みだけで良いのかどうか。ここはいったん消費税の問題については立ち止まって、社会保障全体の在り方を見直す、その時間を有効に活用すべきではないかと考えるところでございます。
2本目の柱。原発ゼロ。2030年までに原発ゼロを目指してまいります。そしてまた徹底した省エネ、そして再生エネルギーの活用ということから電気の、電力の構造そのものをあらためて考え直すということでございます。原発ゼロにつきましては、これまでもさまざまな議論はございます。しっかりとした工程表を作りながら、原発ゼロへの道をご提示をしていきたいと考えております。
3本目でございますが、私どもは憲法9条を含め、憲法改正論議を進めていきたいと考えております。そしてまた9条のみならず、憲法はまさしく国民にとりましての背骨と言えるものでございます。これまで憲法を巡っては護憲か改憲かといったこの議論だけでずっと続いて、議論そのものも深まってまいりませんでした。むしろ国民の知る権利や、そしてまた第8章の中にありますように、地方自治の分権というものをしっかりと明記する必要があるのではないか。よって、憲法改正の議論を、これを堂々と行っていこうではないか。このことを私ども希望の党はお訴えをし、そしてこれを公約として進めていきたいと考えております。
希望への道の道しるべ、12のゼロを目指す
また、経済のアベノミクスでございますけれども、これまでの大胆な異次元の金融緩和、そして、また財政出動という、この2本柱と共に成長戦略が挙げられてきたわけでございますが、これらのマクロ経済と同時にもっと景気を本物にしていくために、さらに国民の皆さま方の魂にも突き刺さるような、そんなきめの細かい経済政策、そしてまた社会改革、行っていかなければならないのではないかと考えております。これを、これまでのアベノミクスに変わりましてと申しましょうか、それに加えましてといったほうが正しいかもしれませんが、マクロ経済にもっと人々の気持ちを盛り込んだ、そういったユリノミクスとでも称します、こういった政策をしっかりと入れ込んでいきたいと考えております。
そういう中で希望への道の道しるべとして、12のゼロを目指したいと考えております。こちらにございますが、先ほど申し上げました、原発ゼロを目指す。2030年を目途といたします。
それから、情報公開をもっと進めていかなければなりません。今回の特区に関しますさまざまな忖度や、お友達の疑惑などが語られてまいりましたけれども、徹底した情報公開を行っていくということから、隠ぺいゼロという、この課題を2つ目に挙げさせていただきました。それから各総支部での企業団体の献金を受けないということをベースにいたしまして、企業団体献金をゼロということを打ち出させていただきます。
4つ目、これは地域によって事情も異なりますが、例えばこの首都圏などにおきましては、深刻な課題となっております待機児童でございます。待機児童の分だけ意欲のある女性の力が十分生かされていないと。子育てもしたいし仕事もしたいという、そういう女性の力、これを生かすためにも待機児童ゼロ、これを目指してまいりたいと存じます。
そして5番目には受動喫煙ゼロ。これを目指してまいります。折しも昨日、東京都議会におきましては議会、議員の提案によりまして、子供の受動喫煙を防止する、そのような条例が成立をいたしました。国によります受動喫煙ゼロに向けました法律の案の制定がまだまだ遅れている中におきまして、2020年の東京オリンピック・パラリンピックのホストシティーである東京といたしまして、IOCやWHOからの要請に基づきます受動喫煙ゼロということを、国に先駆けて進めているところでございます。
6番目、満員電車ゼロ。これも首都圏など、大都市部に多い課題でございますけれども、これらの働き方に関する環境づくり、これをしっかり進めていくことによって、生産性を高めていくという、そちらに結び付けてまいりたいと考えております。そして今や、子供さんの生まれる率、数字よりもペットの数のほうが多いという日本でございます。そういう中で、ペットの殺処分ゼロ。これはすでに東京では犬に関しては達成ができておりますが、こういった命を守るという観点からペットの殺処分ゼロを目指してまいります。そしてまたフードロスゼロ。これも大きな課題でございます。食、食べ物の廃棄分を加えますと、カロリーベースによる自給率も大きく大幅にアップするということでございます。
9番目、働き方改革の一番大きな部分でございますが、激しい残業などによって亡くなる方まで出て、過労死という言葉がアルファベットでそのまま海外の報道で使われるというこの働き方、もう一度見直していくためにもブラック企業ゼロを訴えてまいりたいと存じます。次、10番目でございますが、花粉症ゼロ。とても身近な課題かと思いますけれども、これによりまして社会的なある種のロス、それを考えますと、多くの花粉症ゼロの方々、これをまず林や森などの問題から、根源的な問題から、さまざまな医療、医薬品などの開発なども含めて、花粉症ゼロというとても身近な課題、これについても取り上げてまいります。
移動困難者ゼロ。最近は地方におきましては、例えばお年を召した方々の運転免許が次々と返還されるような事態に陥っている。ということは逆に申しますと、移動が困難な方が多いという中で、今、地方では300円タクシーなどがだんだんと普及してきて、移動するのが困難な方々も自由に移動ができるように、それをバックアップしていくということでございます。
最後の12番目の電柱ゼロというのは、この電柱の林が当たり前の後継になっておりますいが、しかしながら、東日本の大震災や、阪神大震災に見られましたように、この電柱は単に景観の問題ではなくて、この電柱によって救助などが遅れるというケースがございます。よって災害対策としての電柱ゼロも、これも徹底して進めてまいりたいと考えております。
3本の柱、そしてまた、希望への道しるべ、12のゼロということ。これらのことを国民の皆さま方、有権者の皆さま方にお訴えをして、日本にはいろんなものが売っている、買おうと思ったらいくらでもものが買える、こういった中において、今、日本に足りないもの、それは希望ではないか。1つでも国民の皆さま方が、きょうよりもあした、あしたよりもあさってに希望を見いだせるような、そんな政策。これまでにどこも言えなかった、言いたくても言えなかった、そんな政策を私たちは提供させていただき、有権者のご判断を仰ごうと、このように考えているところでございます。
私のほうから主な柱、そしてまた、国民の皆さま方に身近な政策につきまして、ご紹介をさせていただきました。以上でございます。 
「希望の党」が公約を発表 小池百合子代表 首相9条改憲案に否定的
新党「希望の党」の小池百合子代表(東京都知事)は6日午前、都内のホテルで記者会見し、衆院選公約を発表した。憲法改正は9条を含めた改正議論の推進を打ち出したが、小池氏は、戦力不保持などを定めた9条1、2項を残し、別に自衛隊の存在を明記する安倍晋三首相(自民党総裁)の提案について「これまで自衛隊は合憲とされており、3つめを加えるのは屋上屋にならないか」と述べ、否定的な見方を示した。
公約では、「憲法9条を含め改正論議を進める。自衛隊の存在を含め時代に合った憲法の在り方を議論する」と記し、安全保障関連法は「憲法に則り適切に運用する」とした。国民の「知る権利」や地方自治に関する「分権」の考え方も憲法に明示する。
小池氏は会見で「9条のみならず改憲論議をしていきたい。護憲か改憲かの議論が続き、深まってこなかった」と語り、国会の憲法審査会などで積極的に議論する姿勢を明確にした。
公約の冒頭には、「景気回復を確実にする」として平成31年10月に予定する消費税率10%引き上げの凍結を掲げ、国会議員定数や議員報酬の削減といった「身を切る改革」や公共事業の削減などを優先するよう求めた。原子力発電政策は「2030年までの原発ゼロ」を目標に、再生可能エネルギーの比率を30%まで引き上げる、という。
小池氏は同日午前、民進党の前原誠司代表とともに都内の連合本部を訪れ、神津里季生会長と会談した。希望の党の候補への支援を求めたとみられる。 
希望の党公約の内部留保課税は「二重課税」 麻生太郎財務相
麻生太郎財務相は6日の閣議後の記者会見で、希望の党が選挙公約に掲げた企業の内部留保への課税について、「内部留保は税金を払った後のお金で、(さらに税を課すと)二重課税になる」との認識を示した。
ただ麻生氏は、内部留保が大きく積み上がり、現預金の比率が高いことを問題視。「金利のつかない金を貯めて何をするのか。給与や設備投資に回したらどうか」と指摘した。
麻生氏は合わせて、ペンス米副大統領との日米経済対話の第2回会合を16日に米ワシントンで開催すると発表した。「国益を守りながら、経済関係をいっそう深めていけるよう建設的な議論をしたい」と語った。
経済対話は4月に東京で初会合を開催して以来となる。経済対話は4月に東京で初会合を開いて以来。11月のトランプ米大統領の来日を前に、経済分野の懸案を話し合う。
冷凍牛肉を対象に日本政府が発動した緊急輸入制限(セーフガード)も議題に上がる見通し。麻生氏は、「運用を変えるだけで、今起きている問題は避けられる」と述べ、制度改正は必要ないとの考えを示した。 
希望公約を一斉批判=「実現性疑問」「政権の補完」
与野党は6日、希望の党(代表・小池百合子東京都知事)が発表した衆院選公約を一斉に批判した。与党は、消費税率引き上げ凍結や2030年までの原発ゼロの実現性を疑問視。共産党は、希望が憲法改正や安全保障関連法を容認したことを取り上げ「安倍政権の補完勢力」と非難した。
菅義偉官房長官は記者会見で「(希望は)エネルギー政策を現実的にどうするのか。政策を具体的にどう実現していくのか説明する必要がある」と攻撃。安倍晋三首相(自民党総裁)周辺は、希望が「アベノミクス」に代わる「ユリノミクス」を掲げたことに関し「いずれ枯れる」と語った。
公明党の山口那津男代表は「民主党政権で果たし得なかった主張が焼き直しで出てきている」と皮肉った。
共産党の小池晃書記局長は「改憲政党だとはっきりした。どこから見ても自公両党、安倍政権の補完勢力だ」と訴えた。
立憲民主党の枝野幸男代表は「違憲部分を含む安保法制を前提に自衛隊を(憲法に)明記すれば、違憲のものを追認することになる」と語り、社民党の吉田忠智党首は「憲法改正に9条を含めて前のめりだから相いれない」と述べた。
一方、希望と連携する日本維新の会の松井一郎代表(大阪府知事)は、「小池氏と話す限りは同じ方向を見ている」と評価した。 
希望公約 内部留保課税に相次ぐ批判 
 経産相「会計学上正しくない」 日商会頭「二重課税おかしい」
新党「希望の党」が6日発表の衆院選公約に盛り込んだ企業に対する「内部留保課税」の導入検討に対し、政財界から批判の声が上がっている。小池百合子代表(東京都知事)が狙うのは企業による投資の促進や、安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」の弱みの追及。しかし安倍政権の閣僚や産業界からは「二重課税になる」との反発が広がっており、衆院選の注目点になりそうだ。
「(企業に)ためられてきたお金が設備投資や配当に回る」。小池代表は6日の記者会見で内部留保課税について高い経済効果が期待できるとの認識を示した。
内部留保とは、企業が稼いだ最終的な利益のうち、株主への配当や設備投資に回さず社内に蓄積した資本。平成28年度の内部留保は過去最高の約406兆円に達し、24年度から102兆円も膨らんでいる。
この巨額の内部留保に目を付けた小池代表には、企業が利益を手元にため込み、賃上げで家計に恩恵が十分に広がっていないというアベノミクスの弱点を突く思惑がある。
法人企業統計によると、金融・保険業を除く全産業の28年度の経常利益は前年度比9・9%増の約75兆円で、第2次安倍政権が発足した24年度から約27兆円増加。一方、厚生労働省がまとめた残業手当などを除いた正規雇用の月額の「所定内給与」は28年で平均32万1700円と、24年からの上昇率は1.5%にとどまった。
また希望の党は内部留保課税を、同時に公約として打ち出した消費税増税凍結の代替財源としても位置づけている。ここでも消費税率10%への引き上げを目指す安倍政権との違いを明確にした形だ。
しかし安倍政権の閣僚からは、内部留保課税に批判的な意見が相次いでいる。世耕弘成経済産業相は6日の閣議後会見で「内部留保の増加自体を問題にするのは、会計学上、正しくない」と指摘した。また、ここ数年、内部留保の急増にたびたび苦言を呈してきた麻生太郎財務相も6日の会見で、「内部留保は税金を払った後のお金で(導入すれば)二重課税になる」と否定的な見解を示した。
産業界からの反発も強い。日本商工会議所の三村明夫会頭は5日の会見で「税金を払っているのに、税金を再度かけるというのはおかしい」と批判した。衆院選では内部留保課税への評価も問われそうだ。 
ユリノミクスで消費増税凍結、内部留保課税検討も
希望の党(代表・小池百合子東京都知事)は6日、衆院選の公約を発表した。安倍晋三政権のアベノミクスは民間活力を引き出す規制改革が不十分だとして、新たな経済政策「ユリノミクス」を提唱。2019年10月からの税率10%への消費増税凍結や大企業を対象にした内部留保課税の検討も明記した。
「ユリノミクス」については「金融緩和と財政出動に過度に依存せず、民間の活力を引き出す」と説明。日本銀行の金融政策については「大規模金融緩和は当面維持した上、円滑な出口戦略を政府日銀一体となって模索する」と記載した。
公約は、株高・円安・失業率の低下などアベノミクスの成果を認めたものの、「一般国民に好景気の実感はない」と強調した。消費増税は「一度立ち止まって考えるべきだ」として凍結する方針を明記し、実行する前に歳出削減、国有資産売却を徹底すべきだとの考えも示した。「300兆円もの大企業の内部留保への課税」なども検討して、基礎的財政収支(プライマリーバランス)の改善を図るとした。
慶応大学大学院の岸博幸教授は希望の党が消費増税凍結を公約に掲げたことについて「それ自体は悪くないと思う」としながらも、景気回復後の再増税時期などについて「何も言っていない」と指摘。企業経営者の日本経済に対する先行き懸念を払しょくしないままで内部留保課税を訴えても、「それで本当に問題が解決できるかというと多くの経済学者はた多分反対だ」と批判した。
小池代表は会見で、公約には「他党がこれまで打ち出せなかったこと、 タブーに挑戦するぐらい思い切った案」を盛り込んだと語った。自身の衆院選出馬に関しては国政と地方の連携を進める上で「私が都政に身を置いているのはプラスの効果がある」と改めて否定した。
民間主導の事業再編や起業を促進するため、政府系金融機関・官民ファンドの「可及的速やかな廃止」も訴え、事業開始の元手となる資金「シードマネー」の提供を誘発する制度改革を進めて国内の独立系企業再生ファンドやベンチャーキャピタルを育成する方針も打ち出した。
2030年までの「原発ゼロ」を目指し、再生可能エネルギーの比率を30%まで向上させる方針も明記。「原発ゼロ」をいったん政府が決めた場合は政権交代によって変わることがないよう憲法に明記することを目指すとした。
改憲については「自衛隊の存在を含め、時代に合った憲法のあり方」を議論すると提唱。地方自治の「分権」の考え方を明記し、「課税自主権」「財政自主権」についても規定する案を唱えた。
北朝鮮への対応など安全保障政策については「党派を超えて取り組む」とし、集団的自衛権の行使を条件付きで認める現行の安全保障法制も「憲法にのっとり適切に運用」すると明記した。
自民党の片山さつき政調会長代理は6日、ブルームバーグのインタビューで、希望の党の公約は消費増税凍結という国民にとってインパクトの強い項目はあるものの、これまでいろいろな党が掲げてきた政策を「切って貼って配置しただけに見える」と指摘。「全体の一貫性が全然見えない」と批判した。 
希望公約、増税凍結の財源不透明=安保、自民と連携に余地
希望の党が6日発表した衆院選公約は、消費税率10%への引き上げ凍結や2030年までの原発ゼロを明記し、自民党との差別化を図った。ただ、社会保障や教育無償化の財源をどのように確保するのかは不透明だ。一方、安全保障法制を容認するとともに、憲法9条改正を議論する姿勢を示し、自民党との連携の余地を残した。
公約は消費税増税が消費に与える影響を考慮し「一度立ち止まって考えるべきだ」と主張。安倍晋三首相(自民党総裁)は増税実施を前提に、増収分の使途を変更して教育無償化などに充当することを衆院選の争点に据える考えなのに対し、希望は同じ土俵に乗らず、増税そのものの是非を国民に問う戦略だ。
希望は増税凍結に伴う代替財源として、300兆円を超える大企業の内部留保への課税や、公共事業などの歳出削減を挙げた。内部留保は法人税を納めた後に残る利益剰余金で、財務省は「二重課税になる可能性がある」と否定的だ。歳出削減は旧民主党政権も取り組んだが、十分な予算を捻出できなかった。自民党の閣僚経験者は「大衆迎合的で、旧民主党の二の舞になる」と指摘する。
エネルギー政策では、原発再稼働を推進する安倍政権に対し、30年までの原発ゼロや再生可能エネルギーを3割に引き上げる目標を掲げた。だが、莫大(ばくだい)な費用がかかる原発廃炉の具体的な財源や行程表は示さなかった。
安全保障に関しては「現実主義に立脚した体制を構築する」と表明。改憲では「自衛隊の存在を含め時代に合ったあり方を議論する」との方針を示した。これらのテーマでは自民党のスタンスと重なっており、選挙後に同党と連携する場面もありそうだ。 
 
 
 
 
立憲民主党

 

●公約要旨
暮らしを立て直す
アベノミクスの成果は上がらず、中間層を激減させたままだ。将来的な国民負担を議論することは必要だが、直ちに消費税率10%へ引き上げることはできない。実質賃金の上昇で中間層を再生する。児童手当・高校授業料無償化とともに所得制限を廃止する。
原発ゼロ
原発ゼロは未来に対する私たちの世代の責任だ。再稼働は現状では認められない。原発がなくても日本経済は成り立つ。もはや原発ゼロはリアリズムだ。具体的なロードマップを示し、原発ゼロを一日も早く実現する「原発ゼロ基本法」を策定する。
支え合う社会
性的少数者(LGBT)差別解消、選択的夫婦別姓などを実現。手話言語法制定を推進。マネーロンダリング(資金洗浄)の温床となり治安を悪化させるカジノ解禁に反対。
情報公開
安倍政権誕生から、政治は一部の権力者に私物化され、大切な情報が隠蔽(いんぺい)されてきた。特定秘密保護法の廃止と情報公開法改正による行政の透明化などにより、オープンでクリーンな政治を実現する。
立憲主義
2015年に強行採決された違憲の安全保障法制の問題をうやむやにしたままに、理念なき憲法改正が叫ばれている。専守防衛を逸脱し、立憲主義を破壊する安保法制を前提とした憲法9条の改悪とは徹底的に闘う。領域警備法の制定と憲法の枠内での周辺事態法の強化を目指す。解散権の制約や知る権利など憲法論議を進める。 
民進 枝野代表代行 「立憲民主党」結成を表明
民進党の枝野代表代行は記者会見し、衆議院選挙に向けて、事実上の合流方針を決定した希望の党について、目指してきた理念と政策の方向性が異なるとして、新党「立憲民主党」を結成する意向を表明しました。
この中で、民進党の枝野代表代行は、衆議院選挙に向けて、事実上、合流する方針を決定した希望の党について、「さまざまな提起や動きがあったが、残念ながら、理念や政策は、目指してきた理念や政策の方向性と異なるものだと判断せざるをえない」と述べました。
そのうえで、枝野氏は、「日本国民の生活の安心、立憲主義、民主主義、自由な社会をしっかりと守っていくために、『立憲民主党』を結成することを決意した」と述べ、新党「立憲民主党」を結成する意向を表明しました。枝野氏は、「私たちの目指すべき社会の在り方、理念や政策の方向性を応援してくれた皆さんにとって、選択肢がない状況になってしまっている。多くの国民から『枝野がたて、その選択肢を作れ』という激励を頂いた」と述べました。そして、衆議院選挙について、「1日も早く安倍政権を倒さなければならない。おかしな政治運営と国民生活にマイナスな政策を、より明確により厳しく指摘し、戦う集団にしていきたい」と述べました。
また、枝野氏は、民進党の最大の支持団体である連合について、「『生活者や納税者、働く者の立場に立つ』ということは、『立憲民主党』においても、私たちの立ち位置となる。連合とさまざまな形で連携しながら積み重ねてきた理念や政策なので、理解、賛同してもらえるものだと確信している」と述べました。
民進党の菅元総理大臣は、2日夜、東京都内で街頭演説し、衆議院選挙に向けて、「立憲民主党」に参加したいという意向を明らかにしました。
一方、民進党内では、野田前総理大臣、岡田元代表、安住前代表代行、江田前代表代行が、希望の党とは考え方が異なるなどとして、衆議院選挙に無所属で立候補する意向を表明しています。 
「立憲民主党は生活の安心、立憲主義、民主主義を守る」
民進党に離党届を提出した枝野幸男元官房長官は2日、東京都内のホテルで記者会見し、新党「立憲民主党」を結党すると表明した。要旨は以下の通り。
【結党の理由】 国民の生活の安心、立憲主義、民主主義、自由な社会をしっかりと守っていくために、立憲民主党を結成することを決意した。この総選挙で安倍晋三政権をストップさせる。そのための大きな役割を果たす。選挙に備えてきたのに、残念ながらこのままでは戦えない。民主党から民進党へと積み重ねてきた理念と政策の方向性をさらにブラッシュアップしながら、国民の皆さんの声を受け止める。残された時間は多くないが、国民に自信を持って政策と理念を訴えて、その期待に応えていく。
【野党共闘】 1人区では(与野党候補が)1対1の構図が望ましい。民進党の大島敦幹事長に対し、市民から「各選挙区でできるだけ1人に絞って、安倍政権の暴走、立憲主義の破壊をとめてほしい」という申し入れがある。その点は全く同じ思いなので継承していきたい。
【衆院選の争点】 立憲主義の破壊や格差拡大など、安倍政権の暴走をとめることが唯一にして最大の争点だ。
【希望の党】 希望の党の理念や政策は、私たちが目指す理念や政策の方向性とは異なるものだと判断をせざるを得ない。政治家にとって理念や政策は何ものにも替えがたく、譲ってはならない。(希望の党に公認申請した民進党出身者は)同じ綱領のもとで衆院選に向けて準備してきた仲間だ。一緒に戦えると思っている。「一緒にやりたい」という声があれば、どなたであれ排除することなく、共に戦わせていただきたい。
【憲法改正】 民進党は「憲法の議論は積極的に進める」「国民とともに未来志向の憲法をつくる」という立場だ。ただ、違憲部分を含んでいる安全保障法制が存在する中で自衛隊を明記すれば、その部分を追認することになるので、許されない。
【消費税増税】 将来的な国民の負担をお願いしていくことについては堂々と訴えるべきだが、現下の経済状況、使い道で(平成31年10月の10%への引き上げを)予定通り実行することは国民の理解を得られない。
【エネルギー政策】 一日も早く原発ゼロを実現する。難しいプロセスだが、もはや原発ゼロはリアリズムだ。具体的な工程表をしっかり示すことができる。一定程度、民進党でその作業が進んできているので、より早く国民に示す。
【連合との関係】 「働く者の立場」は立憲民主党においても私たちの立ち位置だ。これまで連合とさまざまな形で連携してきたので、理解、賛同をいただけると確信している。
(2日午前に会談した)神津里季生会長には「新しい党を立ち上げる。その際にはご支援を頂きたい」と話して、理解、賛同をいただけたと理解している。 
枝野新党「理念譲れぬ」「立憲民主党」結党
「立憲主義、民主主義を守る。理念、政策は譲れない」−。民進党の枝野幸男代表代行は二日、東京都内で開いた「立憲民主党」の結党会見で、小池百合子都知事が率いる「希望の党」とのスタンスの違いを強調した。首都圏では態度を保留していた閣僚経験者らが次々と参加を表明。ただ民進党の分裂が決定的となり、有権者からは期待と冷ややかな反応が入り交じった。
百人以上の報道陣が詰め掛けた東京都内のホテル。枝野代表代行はやや高揚した声で「『希望の党』の理念や政策は私たちと異なる」「安倍晋三首相の掲げる九条改憲は許されない」と語った。
「民主、民進党で積み上げてきた理念、政策を自信を持って訴えていく」とも強調。希望の党との合流に進み、たもとを分かつことになる前原誠司代表らに対し本流意識をのぞかせた。
質疑では、リベラル系前職の「排除」を進める希望の党の小池代表についての質問が続いた。枝野代表代行は明確な批判は避けながらも「こういった結果になったことは大変残念」「残念なプロセス」と繰り返し、悔しさをにじませた。
党代表選後、わずか一カ月での分裂については「この状況を喜んでいたらおかしい」。一瞬天井を仰ぎつつ「新たな出発をすることは大きな可能性があり、ピンチはチャンスと受け止めている」と話した。
これを受けて、前職らは相次いで態度を明らかにした。菅直人元首相(東京18区)は東京都武蔵野市内で街頭演説し「リベラルの旗をしっかり掲げて戦う」と立憲民主党への参加を宣言。元厚生労働相の長妻昭選対委員長(同7区)や海江田万里元民主党代表(同1区)も取材に応じ「小池氏には賛同できない」などと合流を表明した。
新人や元職も参加の意向を示した。新人の松尾明弘さん(同2区)や北條(きたじょう)智彦さん(同13区)らは「中道とリベラルを包み込む政党が必要だ」。元職の生方(うぶかた)幸夫さん(千葉6区)は取材に「全員が希望の公認を得るなど、できないことが分かっていて話をしたのでは」と前原代表への恨み節も漏れた。
一方、野田佳彦前首相(千葉4区)はこの日、報道陣に「僕はリベラルというくくりではない。穏健な保守」と無所属で臨む立場を説明し、江田憲司前代表代行(神奈川8区)も記者会見で「しがらみない立場から選挙戦を戦う」と新党には合流しないと明言。立憲民主党の広がりには不透明さも漂っている。
有権者は… 「立憲民主党」の結党について、東京都内で有権者に聞いたところ、評価は分かれた。北区の無職湯本勲さん(73)は「野党として、堂々と政策論争するのはいいことだと思う。人気の党にすり寄るよりはいい」と評価。武蔵野市の会社員河田誠さん(44)は「期待したい部分もあるが規模が民進より小さくなるし、野党は足並みがそろっていない。得するのは自民党ではないか」と指摘した。新宿区の会社員東良子さん(70)も「希望の党が今後どうなるか分からない。枝野さんが新党を立ち上げるのは分かる」としつつ「多勢に無勢で、安倍さんを倒すのは難しいのでは」と話した。板橋区の会社員高野雅俊さん(30)は「(考え方が)正反対の『希望』に行くと言っていたのに、今度は入れなかったから新党をつくるようで、打算的にしか見えない」と突き放した。 
立憲民主党は、孤児たちの新「駆け込み寺」に
「選挙になると政治家は正気を失う」というのが永田町の定説だが、"狂気の沙汰"ともみえる野党第一党・民進党の希望の党への「身売り」と、小池百合子都知事の「排除宣言」で絶望の淵に追い込まれた民進リベラル系が、2日に枝野幸男元官房長官が結成宣言した立憲民主党に希望を見いだそうとしている。何やら古臭い党名だが、安倍晋三首相と小池氏による2大保守対決の流れに埋没しかけたリベラル勢力の「救命ボート」だ。
排除の論理への怨念もエネルギーに換えて選挙戦での生き残りを狙うもので、行き場を失ったみなしごたちの「新たな駆け込み寺」でもある。政界の左隅で革新の旗を振り続ける共産、社民両党は歓迎し連携する構えで、自民vs.希望という「1対1」の選挙戦の構図を「1対1対0・5」に変えることで、立憲民主党は「絶望からの反撃」を目指す。
民進3分裂で選挙戦も三つ巴の構図に
民進党代表代行だった枝野氏は2日夕、都内のホテルで記者会見し、自らが代表となる立憲民主党結成を宣言した。希望の党代表の小池氏から「排除」されそうな民進系の議員や立候補予定者の受け皿づくりだ。民進リベラル系を糾合することで「反安倍」の市民団体とも連携し、共産、社民両党などとの「野党共闘」の再構築が目標だ。
「たった1人で」という枝野氏の新党結成宣言だったが、間を置かずに菅直人元首相や長妻昭元厚生労働相が呼応した。赤松広隆元衆院副議長、海江田万里元民主党代表、辻元清美元国土交通副大臣ら民進有力者も参加を表明するなど、1週間後の選挙公示日をにらんで入党希望者が相次ぐ。「1日も早く安倍政権を倒すための戦う集団」を目指す枝野氏だが、24年間も続いた「盟友」の前原誠司民進党代表だけでなく、野田佳彦元首相、岡田克也前代表、江田憲司前代表代行、安住淳元財務相ら民進党実力者は無所属での立候補を選択する構えだ。
これにより、民進党は「希望の党」「立憲民主党」「無所属」に3分裂することになる。10日公示、22日投開票の衆院選も、それぞれ共闘・連携する「自民・公明」「希望・維新」「共産・社民・立憲民主」の三つ巴の構図となることがほぼ固まった。
枝野氏は記者会見で、希望の党に対し「方向が違うと判断せざるをえない」と強調する一方、安全保障法制の容認などで「踏み絵」を迫る小池氏の政治手法への不快感もあらわにした。そのうえで憲法9条での自衛隊明文化を目指す「安倍改憲」については「安保法の違憲部分の追認になる」と批判する一方、2019年10月の消費税10%の増税は「現下の経済情勢では国民の理解を得られない」と反対を明言した。
民進党を離党した枝野氏ら立憲民主党参加者は3日、新党結成を総務省に届け出た。菅氏ら有力議員に追従する形で、民進党が公認を内定していたのに希望の党から「排除」された議員や立候補予定者も次々参加表明している。このため公示前には「全国で比例当選も狙える50人規模の公認候補」(枝野氏周辺)に膨らむ可能性も出てきた。
民進党3分裂という異常事態に、同党最大の支持団体だった連合は対応に苦慮している。小池氏ら希望の党幹部の「候補者選別」に怒りを隠さない神津里季生連合会長は、2日の役員会で希望の党とも立憲民主党とも政策協定などは結ばず、両党が公認した立候補者を個別に支援する方針を決めた。連合内には「原発ゼロ」に反発する組織団体もあり、選挙区事情も考慮した選挙戦略だ。
小池氏、「民進貯金」と「連合組織」はとらぬ狸に 
一連の動きについて小池氏は「わかりやすくなった」と歓迎する素振りを見せた。だが、同氏が狙ったとされる、民進党の政党助成金を貯めた約140億円の「資金」や選挙の手足ともなる連合という「組織」の全面活用は難しくなった。希望の党は立候補のための供託金や選挙活動資金については「自前」で賄うよう公認候補らに通告し、2日の小池氏とのツーショット写真撮影でも候補者に3万円の支払いを求めた。
各マスコミが連日実施している世論調査結果を分析すると、希望の党をめぐる混乱の影響からか「小池旋風」も失速の兆しを見せている。これに対し小池氏は2日、中央マスコミの連続インタビューに応じ、「今回の選挙で政権を狙いたい。まずは単独政権だ」と衆院過半数の233人以上の公認候補擁立を目指す考えを強調、その一方で都知事を辞職しての衆院選出馬については「100%出ません」と明言した。
単独政権が実現した場合にも党首が首相指名の対象にならないという事態は「自己矛盾」(自民幹部)との批判も呼ぶが、小池氏は「ふさわしい方はたくさんいる」ととぼけている。
枝野氏の新党結成は、同氏の「排除」を決める際に「小池氏も織り込み済みだった」(希望の党幹部)とされる。しかし、それによって「小池代表の思いとは違う(悪い)イメージが広がった」(同)ことが誤算となったことは間違いない。
もちろん、「政党の命は理念と政策」という原点に立てば、小池氏の対応は「筋論としては正しい」(自民長老)ともいえるが、「政権交代を目指すなら、広範な反自民勢力の結集が大前提」(同)となるのは当然だ。このため政界では「政権交代という目標は選挙戦を盛り上げるための小池氏の大風呂敷だったのでは」(共産幹部)との見方も広がる。
首相ら政府与党首脳の間にも「これで恐れていた自民党の半数割れもなくなった」(選対幹部)との安堵感が広がる一方、突然の立憲民主党というリベラル新党の登場で「小池新党に代わって枝野新党がブームを巻き起こすのでは」(同)との不安も拭えない。ただ、「野党陣営の分裂は与党を利する」(希望の党幹部)ことは間違いなく、有権者への"刺激"を避けるためか、首相らの「小池攻撃」もトーンダウンしている。
民進党「名を捨てて つかんだ実は"毒の泡"」
そもそも、こうした事態を招いた最大の原因は、希望の党への民進党合流を決める際の小池・前原会談での「認識のズレ」だ。小池氏サイドは「初めから理念や政策で(候補者を)選別することを伝えた」とするが、前原氏の受け止め方は「事実上の民進党丸ごと合流」だったとされる。だからこそ、いったん希望の党支援に舵を切った神津連合会長が激怒して方針転換したのだ。
1996年の民主党結党以来、21年間、「大政党」として自民党と対峙してきた民進党はとうとう分裂・解体となった。1997年の金融危機で廃業に追い込まれた山一證券の最後の社長は廃業会見で「社員は悪くありませんから」と涙で絶叫したことで知られるが、民進党内には「『党の議員は悪くない』と前原氏が涙で謝罪すべきだ」との怒りの声も広がる。永田町では「名を捨てて つかんだ実は"毒の泡"」という笑えない川柳が関係者の無念を伝えている。
前原氏とともに無所属での戦いを選択する野田、岡田、安住各氏は、枝野氏や今回希望と民進の候補者調整を手掛ける玄葉光一郎元外相と合わせて「民主党6人衆」と呼ばれ、鳩山由紀夫、菅直人、小沢一郎3氏による「第1世代」に続く「第2世代」として2009年政権交代後の民主党政権を支えた。6氏はそれぞれ政治・政策理念を超えて信頼関係で結ばれていたが、今回、やむなく袂を分かつことになる。
政界で「カラオケ大魔王」と呼ばれる枝野氏は、希望の党からの同氏の「排除」が明らかになった際、「1人カラオケに行きたいよ。『不協和音』を歌うんだ」とつぶやいて夜の闇に消えた。「不協和音」とは人気女性グループ「欅坂46」のヒット曲だ。歌詞の中には「不協和音を僕は恐れたりしない 僕には僕の正義があるんだ」というくだりがある。枝野氏のやるせない気持ちにピッタリのフレーズだ。民進党代表選の遊説での移動の際に、自らiPodにダウンロードして練習した曲の1つとされる。
菅内閣の官房長官として、2011年春の東日本大震災や福島第一原発事故対応での政府スポークスマンを務めた枝野氏のテレビ画面からもにじむ不眠不休の奮闘ぶりに「菅起きろ、枝野寝ろ」との国民の声が相次いだのは記憶に新しい。永田町では今回の「小池劇場」の魔訶不可思議な展開を「保守勢力による民進党の解体と連合の分断を狙ったリベラル潰しだ(社民党幹部)と憤る向きも少なくない。
第2次安倍政権発足以来、インターネットでの「つぶやき」などからも若年層の保守化・右傾化が際立つ。ただ、戦争を知る高齢世代を中心とするリベラル勢力はまだまだ健在だ。「新たな女性の独裁者から排除された中年男の悲壮感」(民進長老)が日本人特有の"判官びいき"という琴線に触れれば、昔の名前のような立憲民主党が「革新勢力の星」に躍り出る可能性もある。 
 
 
 
 
公明党

 

●公約要旨
教育無償化
2019年までにすべての0〜5歳児の幼児教育を無償化▽年収590万円未満の世帯を対象に私立高校の授業料を実質無償化
経済・働き方改革
19年10月の消費税10%への引き上げ時に軽減税率を確実に実施▽長時間労働の是正▽「ブラック企業」「ブラックバイト」対策を強化▽月曜午前を半休にする「シャイニングマンデー」(仮称)の普及▽IoT、AI、ビッグデータの研究開発を推進▽自動運転技術の実用化を推進
社会保障
低所得の年金生活者への年6万円の給付金を前倒し実施▽低所得の高齢者の介護保険料を軽減▽待機児童解消へ保育の受け皿を拡大
復興・災害対策
社会インフラの老朽化対策を強化▽「災害庁」の設置を視野に災害対策の専門人材を確保▽東北の観光復興を強力に後押し▽新産業を集積させる「福島イノベーション・コースト構想」の推進
外交・安全保障
北朝鮮問題は国際社会との連携で制裁決議の実効性を高める▽安全保障関連法を適正に運用し実績の蓄積を目指す▽持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた取り組み強化▽中国と継続的な首脳会談、ハイレベル交流を活発化
政治・行財政改革
政治資金規正法を改正し秘書など会計責任者への政治家の監督責任を強化▽国の公文書管理の厳格化▽被選挙権年齢の引き下げを目指す
憲法改正
環境権、地方自治の強化、緊急事態条項などを「加憲」の対象として議論▽自衛隊の憲法への明記は意図は理解できないわけではないが、自衛隊を憲法違反とは考えていない 
公明 衆院選公約に教育負担軽減 憲法改正は盛り込まず
公明党は衆議院選挙の政権公約=マニフェストを発表し、幼児教育や私立高校の授業料の無償化など、教育負担の軽減に取り組むことを打ち出しました。一方で、憲法改正については公約そのものには盛り込まず、党としての考え方を提示するにとどめ、自民党が目指す自衛隊の存在の明記には慎重な姿勢を示しています。
公明党は山口代表が記者会見し、衆議院選挙の政権公約=マニフェストを発表しました。
それによりますと、再来年(2019年)までに、0歳児から5歳児までの幼児教育を無償化することや、私立高校に通う年収590万円未満の世帯の生徒の授業料を実質無償化することなど、教育負担の軽減に取り組むことを打ち出しています。
また仕事を終えてから次の日の仕事を始めるまでに一定の休息時間を確保する「勤務間インターバル」の導入など、「働き方・休み方改革」を実現することや、消費税率を10%に引き上げる際に導入される、食料品などの税率を低くおさえる軽減税率を確実に実施することなども盛り込んでいます。
一方、憲法改正については公約そのものには盛り込まず、「基本姿勢」として党の考え方を示すにとどめています。
この中では、新たに憲法に書き加える「加憲」の議論の対象となる項目として環境権や緊急事態条項などを例示する一方、自民党が目指す自衛隊の存在の明記については「多くの国民が自衛隊を憲法違反とは考えていない」として慎重な姿勢を示しています。
山口代表は記者会見で「子育てに奮闘している世代を幅広く応援するというメッセージはこれからの社会の基礎に活力を与え、経済成長にも役割を果たしていく。引き続き、安定した政治の一翼を担う政党として、国民の暮らしを守り希望ある日本の未来を開いていくことを約束する」と述べました。また山口氏は憲法改正について「新しい2つの政党が憲法に関する考え方も主張するようなので、改めて基本的な考え方を示した。自民党も意見を集約していない段階であり、議論を見守りたい。公明党の基本姿勢は変えずに選挙戦に臨む」と述べました。 
公明党が公約発表 憲法自衛隊明記に慎重姿勢
公明党は5日、衆院選の公約を発表した。安倍晋三首相(自民党総裁)が提案した憲法への自衛隊明記について「多くの国民は自衛隊を憲法違反の存在と考えていない」として慎重な姿勢を強調した。重点政策の筆頭には「教育負担の軽減」を掲げ、幼児教育から高等教育までの無償化を打ち出した。
自衛隊明記を含む改憲を重点6項目に掲げた自民党に対し、公明党は公約の最後に記述した。必要な理念を加える「加憲」の立場は維持したが、自衛隊明記を加憲の検討対象とした平成26年の衆院選公約から後退し、改憲をめぐる自民、公明両党の温度差が浮き彫りになった。9条1項、2項については堅持する考えを明記し「平和安全法制の適切な運用と実績を積み重ねて、国民の理解を得ていく」と強調した。
山口那津男代表は5日の記者会見で改憲について「自民党が意見を集約していない。公明党は基本姿勢を変えずに臨む」と述べた。国会での改憲議論の現状に関しても「深まっていない」と述べ、国民の理解を得るため議論を重ねるべきだとの考えを示した。
教育分野では、年収590万円未満の世帯を対象に平成31年までに私立高校授業料の実質無償化を目指す。0〜5歳児の保育や幼児教育の無償化も図る。「福祉の党」として低所得高齢者の支援も重視し、介護保険料の負担軽減拡充と低年金者への給付金を前倒しする。財源は消費税率を10%に引き上げた増収分を充てる。 
公明が衆院選公約を発表 9条改憲に慎重姿勢「国民は自衛隊を違憲と考えていない」 教育負担軽減をアピール
公明党の山口那津男代表は5日の記者会見で衆院選公約を発表した。安倍晋三首相(自民党総裁)が示した、自衛隊を憲法9条に明記する提案には「多くの国民は自衛隊を憲法違反とは考えていない」として、慎重な姿勢を打ち出した。重点政策のトップに「教育負担の軽減」を掲げ、私立高校授業料の実質無償化などを強くアピールした。
憲法改正をめぐっては、必要な理念を加える「加憲」の考え方は維持したが、平成26年の衆院選公約で「検討する」としていた9条への自衛隊明記の表現は後退した。山口氏は「自民党が意見を集約していない。見守り、干渉しないという基本姿勢で選挙に臨む」と述べた。
教育分野では、消費税率を10%に引き上げた際の増収分を教育に充当し、私立高校の授業料を31年までに年収590万円未満の世帯で実質無償化し、大学の教育費負担も軽減する。0〜5歳児の幼児教育や保育の無償化を図る。保育士の処遇改善も進める。
低所得の高齢者を支援するため、介護保険料の負担軽減拡充や低年金者向け給付金は予定を前倒しして実行する。消費税増税時は食料品などに軽減税率を確実に導入すると主張した。働き方改革の一環として、月曜午前を休みにする「シャイニングマンデー」の普及促進も打ち出した。
原発新設は認めず、再生可能エネルギーや火力発電の高効率化で原発ゼロを目指すとした。基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化する財政健全化の目標時期には触れなかった。 
公明、首相改憲に距離 教育負担を軽減 公約発表
公明党の山口那津男代表は5日午前、党本部で記者会見して衆院選公約を発表した。憲法改正については他の公約とは切り離し、巻末に党の「基本姿勢」を掲載。安倍晋三首相が主張する自衛隊の明記について「理解できないわけではない」と距離を置き、「多くの国民は憲法違反の存在とは考えていない」と首相方針について慎重な姿勢を示した。改憲を公約の重点項目に格上げした自民党との温度差は明白だ。重要政策では、表紙に「教育負担の軽減へ」を掲げた。
山口氏は会見で「自公政権で経済は大きく好転した。安定政権で引き続き国民の暮らしを守り、日本の未来を切り開く」と衆院選への意気込みを語った。
公約集では憲法を「優れた憲法」と評価。改憲について、「施行時に想定できなかった課題」が規定の不備で解決できない場合に、新たな条文を加える従来の「加憲」の立場を改めて示した。憲法9条の1項と2項は「堅持する」と記し、安全保障法制を適切に運用することで「さらに国民の理解を得る」のが大事だと記載している。改憲案の国会発議は「多くの政党の合意形成に努めていくべきだ」とし、与党のみによる発議に慎重な姿勢を示した。
公約は教育など六つの柱で構成。2019年10月の消費税率10%への引き上げの増収分の使途を変更し、教育費の負担減に充てるとし、0〜5歳児の幼児教育の19年までの無償化や保育士の処遇改善を打ち出した。私立高校授業料も年収590万円未満の世帯を対象に19年までの実質無償化を実現すると盛り込んだ。
介護保険料の負担軽減の前倒しや、待機児童解消、消費増税時の軽減税率導入も明記した。原発新設を認めず、「原発に依存しない社会・原発ゼロ」を目指すとも記した。 
「農協の役割」を尊重 公明が公約
公明党は5日、衆院選公約を発表した。来年からの米の生産調整の見直しに向け、飼料用米の本作化など水田フル活用の予算確保や、需要に応じた米生産のための全国組織の設立支援を明記。農協改革は、「農協等がこれまで果たしてきた役割」を重視し、自己改革を後押しする方針を示した。
来年産から行政による生産数量目標の配分が廃止されるため、需要に応じた米の生産をどのような仕組みで行うかが課題となっていた。石田祝稔政調会長は、全国組織の狙いについて「全国で(需要に応じた米生産を)調整できる再生協議会の全国版が必要だという意見があり、そういう動きを支援していきたい」と説明した。
一方、農協改革に関しては「農協等がこれまで果たしてきた役割や現場の実態に即した自主的な取り組みを後押しする」とした。農協法改正で都道府県中央会は2019年9月末までに「連合会」に移行するが、その際にかかる法人税の扱いについて「所要の措置を講じる」と明記した。
さらに、農業経営のセーフティーネット(安全網)となる収入保険制度の円滑な導入や農林水産物・食品の輸出拡大、中山間地域や離島など条件不利地の農業振興も盛り込んだ。日本と欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)への対応では畜産クラスター事業など「万全の対策を検討・実施する」とした。
農林水産関係の公約は全14項目。自民党と足並みをそろえた内容だ。
山口那津男代表は同日の記者会見で、「われわれは掲げたことを着実に実現している。裏付けのある政策実現力を強く訴える」と述べた。 
 
 
 
 
日本共産党

 

●公約要旨
憲法
安倍政権による9条改定に反対。現行憲法の前文を含む全条項を守る。
違憲立法
安全保障関連法、特定秘密保護法、「共謀罪」法の三つの「違憲立法」を廃止し、立憲主義、民主主義、平和主義を取り戻す。集団的自衛権行使容認の閣議決定を撤回する。
原発
原発ゼロを政治決断し、原発再稼働を中止。全ての原発で廃炉プロセスに入る。
税制
消費税率10%への増税を中止する。法人税減税を中止し、安倍政権以前の税率に戻す。「富裕層」に対する「富裕税」を創設する。
教育
義務教育期間中の(給食費など)教育費負担を解消する。幼児教育・保育を無償化する。高校授業料を完全無償化する。
森友・加計学園問題
安倍昭恵首相夫人ら関係者を証人喚問し、真相を究明する。内閣人事局を廃止する。
核兵器禁止条約
7月に国連で採択された核兵器禁止条約に日本政府が署名する。
沖縄
米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移転中止。普天間飛行場の無条件撤去を要求する。 
日本共産党の総選挙政策
4日発表した日本共産党の総選挙政策「安倍政権に退場の審判をくだし、力あわせて新しい政治をつくろう」と、財源提案「社会保障・教育の財源は、消費税にたよらずに確保できる」は次の通りです。
安倍首相は、臨時国会の冒頭解散に打って出ました。「森友・加計疑惑隠し」をねらった前代未聞の党略的な暴挙です。憲法53条の規定に基づき、野党4党が行った臨時国会召集要求を3カ月間も放置したうえに冒頭解散を行って、この要求を葬り去りました。
安倍首相が、こんな暴挙に出たのは、国民の世論と運動によって追い詰められた結果です。今度の総選挙は、追い詰められた安倍政権を退場に追い込む歴史的なチャンスです。市民と野党の共闘を前進させるとともに、日本共産党の躍進で、安倍政権を退場させ、新しい政治を国民の手でつくる選挙にしようではありませんか。
憲法破壊、民意無視、国政の私物化―安倍政治に退場の審判を
憲法破壊、民意無視、国政の私物化の安倍暴走政治をこのまま続けさせていいのか、それとも、国民が退場の審判をくだすのか――これが総選挙の最大の争点です。
安倍政権ほど、憲法をないがしろにしてきた政権はありません……言論・報道の自由と国民の知る権利を奪う特定秘密保護法を強行する、「憲法9条のもとでは集団的自衛権行使は許されない」という長年の政府の憲法解釈をひっくり返し、安保法制=戦争法を強行する、国民の内心を処罰する共謀罪法を強行する、いずれも憲法違反の法律です。そして、三つとも日本を「海外で戦争する国」にするための法律です。
民意をこれだけ踏みつけにした政権もありません……沖縄県民の圧倒的な民意を踏みにじる辺野古の米軍基地建設の強行は、およそ民主主義の国で許されるものではありません。どの世論調査でも反対が5〜6割と多数となっているにもかかわらず、原発再稼働に突き進んでいます。原発ゼロの日本こそ国民の願いです。この民意にこたえることこそ政治の責任です。
行きついた先は、国政の私物化です……森友・加計疑惑とは、安倍首相夫妻の「お友達」に特別の便宜をはかるために行政がゆがめられた疑惑です。こんな国政私物化の疑惑がそのままにされたら、日本は法治国家といえなくなってしまいます。
憲法を壊し、民意を踏みつけにし、国政を私物化する――暴走政治をこのまま続けさせるわけにはいきません。数におごった安倍政権に、総選挙で退場の審判をくだし、政治を国民の手に取り戻しましょう。
安保法制=戦争法の廃止、立憲主義を取り戻す―市民と野党の共闘の大義をかかげ、力を合わせて安倍政権に立ち向かいます 
安倍暴走政治を変える力はどこにあるのでしょうか。安保法制=戦争法の廃止と立憲主義の回復を原点に、この2年間、安倍暴走政治と対決してきた市民と野党の共闘にこそ、その力があります。
総選挙にあたり、市民連合のみなさんが、野党4党に対して、「安倍政権を倒すという同じ方向性をもって、衆議院議員総選挙を全力で闘うことを求めます」として以下の点を要望し、野党4党は共通政策として確認しました。
1、これまで憲法違反を重ねてきた安倍政権がさらに進めようとしている憲法改正とりわけ第9条改正への反対。
2、特定秘密保護法、安保法制、共謀罪法など安倍政権が行った立憲主義に反する諸法律の白紙撤回。
3、福島第一原発事故の検証のないままの原発再稼働を認めず、新しい日本のエネルギー政策の確立と地域社会再生により、原発ゼロ実現を目指すこと。
4、森友学園・加計学園及び南スーダン日報隠蔽(いんぺい)の疑惑を徹底究明し、透明性が高く公平な行政を確立すること。
5、この国のすべての子ども、若者が、健やかに育ち、学び、働くことを可能にするための保育、教育、雇用に関する政策を飛躍的に拡充すること。
6、雇用の不安定化と過密労働を促す『働き方改革』に反対し、8時間働けば暮らせる働くルールを実現し、生活を底上げする経済、社会保障政策を確立すること。
7、LGBTに対する差別解消施策をはじめ、女性に対する雇用差別や賃金格差を撤廃し、選択的夫婦別姓や議員男女同数化を実現すること。
日本共産党は、安保法制・秘密保護法・共謀罪法という違憲3法の廃止、安倍政権による憲法9条改悪ストップなど、市民と野党が確認した共通政策を実現するために、力を合わせてたたかいます。民進党が自民党の補完勢力にすぎない「希望の党」に合流すると決定したことによって、市民と野党の共闘には、逆流が持ち込まれました。しかし、この大義をかかげた市民と野党の共闘を前進させることこそ、安倍暴走政治を退場させ、立憲主義を回復する唯一の道です。  
日本共産党の重点政策
1、森友・加計疑惑を徹底究明し、国政の私物化を許しません
2、安保法制=戦争法、特定秘密保護法、共謀罪法を廃止し、立憲主義・民主主義・平和主義を取り戻します
3、北朝鮮問題の「対話による平和的解決」のイニシアチブを
4、消費税10%増税の中止。格差をただし、くらしを応援する経済政策に
5、安倍政権による9条改悪に反対し、憲法9条にもとづく平和の外交戦略を確立します
6、核兵器禁止条約――唯一の戦争被爆国、日本政府は署名せよの審判をくだそう
7、米軍の新基地建設を中止し、基地のない平和で豊かな沖縄をつくります
8、原発の再稼働反対。原発ゼロの日本、再生可能エネルギー先進国をめざします 
9、女性への差別、格差をなくし、人権をまもり、自由と民主主義を発展させます
10、災害から国民のいのちと財産を守る政治に
 
 
 
 
日本維新の会

 

政策
1 憲法改正への取り組み
70年前に施行されて以来一言一句の改正も行われていない現行憲法を、時代の変化に合わせ、わが国が抱える具体的問題を解決するために改正する。わが党は、教育無償化、統治機構改革、憲法裁判所の設置という3点に絞り込み憲法改正原案を取りまとめた。憲法改正に前向きな国会議員が衆参両院で3分の2以上を占め、改正の発議が現実的となった今日、議論を深めて国民に選択肢を示すため、各党に具体的改正項目を速やかに提案することを促し衆参両院の憲法審査会をリードして行く。
2 身を切る改革を含む政治改革
まず議員が身を切る改革を実践し覚悟を示す。1 議員の定数を削減し、議員報酬も削減する。 2 領収書のいらない第二の報酬と言われている国会議員一人あたり月額100万円の文書通信交通滞在費の使途を公開する。 3 企業団体献金を禁止し、繰り返される政治と金に纏わる疑惑の元を絶ち政治に対する国民の信頼を取り戻す。 4 議会の古い慣習を改め、政策論争の場としての議会を実現する。 5 いたずらな日程闘争や反対のための反対を排除し、議員のための議会ではなく真に国民のための議会となるよう議会運営を抜本的に改革する。
3 徹底した行革
議員は身を切り、行政は無駄を省く。1 公務員の人員を削減、人事院勧告制度を見直し、勤務評価の適正化と年功序列制度を排除、官民給与格差を是正し公務員の人件費を削減する。 2 政府関係法人の完全民営化を進め役所の既得権となっている独立行政法人等を改廃する。 3 公務員管理職にあった者は、原則、独立行政法人や特殊法人等への再就職、いわゆる天下りを禁止する。
4 財政政策・制度
1 行政の縦割りを排除し歳入庁を設置。徴税と社会保険料の徴収を一元化し、行政の効率化を図りつつ納税者の公平・公正感を醸成する。 2 官民ファンド、基金、特別会計等を整理し硬直化した予算配分を見直す等、歳入と歳出の抜本的な見直しにより財政の健全化を図る。 3 消費税の10%への増税は、身を切る改革と歳出削減の成果などを前提とし、時期を特定せず経済状況等を見極めつつ弾力的に実施する。
5 教育・子育て・労働・社会保障
1 経済格差が教育格差とならぬよう教育機会平等社会を実現する。 2 教育予算の対GDP比を他の先進国並みに引き上げる。 3 幼稚園や保育園をはじめ、全ての教育を無償化する。 4 保育士給与の官民格差を是正し民間保育所の保育士の待遇を改善する。 5 保育サポーター制度を導入する。 6 労働市場のニーズを踏まえ、公的職業訓練を時代に即したものに見直す。 7 労働時間ではなく仕事の成果で評価する時間給から成果給へ。 8 労働契約の終了に関するルールを明確化し、解雇紛争の金銭解決を可能にする。 9 雇用の7割を担う中小企業の振興策を強化する。 10 医療費に関わる消費税制の見直し。 11 公的年金制度は払い損がなく世代間で公平な年金積立方式を導入する。 12 高齢者の雇用を創出しつつ年金の支給開始年齢を段階的に引き上げる。
6 規制改革・地方分権
1 規制緩和を断行し、新たな民間活力を育成し産業の振興と経済の活性化を図る。 2 保育サービス・介護サービスに係る各種規制を緩和し、地域の実情に応じた保育・介護サービスが可能となるよう地方に権限を移譲する。 3 医療、介護及び保育に関わる事業への株式会社の参入を可能とする。女性が子育てしながら働き続けるため多様な支援サービスを受けることができるよう障壁となる規制を緩和する。 4 株式会社の農地所有を解禁する。 5 既得権化している電波の割り当てを、競争を原則としたオークション等を活用し再配分する。 6 大規模災害時には被災地方公共団体の長に復旧復興についての一部権限を時限的に委譲する。 7 教育行政について、国と地方の役割分担を見直し地方の判断で適切な体制を選択できるようにする。 8 社会経済活動に関するあらゆる分野における徹底した規制の撤廃及び緩和のための措置に関する法律を制定し、我が国経済の成長の促進を阻害する規制は原則撤廃、撤廃しないこととする規制に関してはその理由を国会に報告する。 9 道州制への移行のための改革を推進するため、統治機構抜本改革基本法を制定する。 10 予測される東京都周辺の大災害に備え、首都機能のバックアップとして副首都を定め多極分散型国家を実現する。
7 外交安保
政権を担える政党として現実的な外交と安全保障政策を展開する。1 日米同盟を基軸とし、日米のチームワークで我が国の防衛力を強化し世界の平和に貢献する。 2 アジア地域の安定のため、日本と中国が戦略的互恵関係の原則に立脚し、緊密に対話を重ねていくことが重要。日本と韓国には歴史問題等に関して意見の違いはあるものの、未来志向の関係を再構築する。 3 北朝鮮による核、ミサイル、拉致問題等への対策は日米中韓の連携が肝要である。TPP協定は新大統領により米国の離脱が表明されたが、二国間の自由貿易協定(FTA)も視野に入れつつ、粘り強い交渉が必要である。 4 我が国の安全保障に係る重要な土地取引を規制する。 5 水源の保全等に関わる土地取引の規制を強化する。 6 現行の平和安全法制の違憲の疑いありと指摘されている点について、自国防衛を徹底する形で、あいまいな「存立危機事態」を限定する。武力攻撃に至らない侵害、いわゆるグレーゾーン事態が発生した場合、警察機関及び自衛隊が状況に応じて切れ目なく迅速に対応ができるよう国境警備法を制定する。 
2017維新八策
1 身を切る改革で財源を生み出す。 身を切る改革・徹底行革・財政再建
1議員報酬3割カット、議員定数3割カット 2文書通信交通滞在費の使途公開 3政務活動費のネット公開 4個人献金を促す制度創設、企業団体献金廃止 5国家公務員の人員削減、人件費2割カット 6人事院勧告制度の見直し、官民給与格差の是正 7政策投資銀行、商工組合中央金庫等政府関係機関の完全民営化 8公務員制度改革(身分から職業へ)、天下りの禁止 9歳入庁を設置し徴税と社会保険料の徴収を一元化 10官民ファンド、基金、特別会計を整理 11プライマリーバランス黒字化の目標設定 12公共工事の拡大ではなく日本の競争力を高める徹底した競争政策を実施。GDP成長による財政再建
2 機会平等社会のための教育無償化。 教育・子育て支援
1機会平等社会を実現するための教育完全無償化 2保育バウチャーの導入 3新規参入規制の撤廃、規制緩和 4保育士給与の官民格差是正による保育士の待遇改善 5社会的基盤の整備によるワークライフバランスの推進 6正規、非正規を問わない同一労働同一賃金の実現により、特に女性の待遇改善をはかる 7子どもの数が多いほど税負担が軽減される「N分N乗方式」の導入
3 “働く”を支援する生涯活躍改革。 働き方・社会保障改革
1働いても年金が減らない制度構築 2高齢者の「働く」、「学ぶ」を支援 3高齢者の雇用創出、年金支給年齢の段階的な引き上げ等年金制度の再構築 4社会保険としての受益と負担を均衡させる 5世代間再配分から世代内再配分へ 6公的年金制度を賦課方式から積立方式に移行 7労働契約の終了に関するルールを明確化
4 時代に適した“今の憲法”へ。 憲法改正
1教育の無償化 2道州制の実現を含む統治機構改革 3憲法裁判所の設置 4憲法改正国民投票で、現行憲法が未だに国民投票を経ていない等の問題点を解消 5国際情勢の変化に対応し、国民の生命・財産を守るための9条改正
5 徹底規制緩和で日本経済を強化。 規制改革・成長戦略
1すべての産業分野で競争政策3点セットを徹底 ・供給者から消費者優先へ ・新規参入規制の撤廃、規制緩和 ・敗者の破綻処理→再チャレンジが可能な社会づくり 2農業・林業、医療・福祉、保育の成長産業化 3観光インフラ(空港、都市型民泊等)の拡充 42025年国際万国博覧会の大阪誘致 5周波数オークションの導入 6中小企業の円滑な事業承継の実現に向けた税制の抜本見直し 7下請法や独禁法の運用強化
6 大規模災害に対応できる仕組み改革。 震災復興・エネルギー政策
1ハード偏重からソフト重視の復興支援策に転換する 2大災害対応は都道府県と国の出先機関の協議会を作り、トップを都道府県知事とする 3復興財源は議員歳費、公務員給与の削減及び特別会計の剰余金等を活用し復興増税は行わないことを原則とする 4西日本の大規模災害に対応可能な大阪消防庁を設置。東日本の東京消防庁とあわせて、全国で頻発する異常気象による災害対応等が可能な体制を充実・整備する 5先進国をリードする脱原発依存体制の構築 6原子力損害賠償制度の確立 7原発稼働に係る都道府県の同意を法制化 8電力自由化の一層の推進 9再生可能エネルギーやコジェネレーション等の導入促進 10水素エネルギーやメタンハイドレート等海洋資源の開発、実用化を推進する
7 中央集権打破による地方の自立。 統治機構改革
1地方分権(道州制)・(究極的には)一院制・首相公選制 2大阪都構想の実現 3東京一極集中から多極型国家へ 4消費税の地方税化。交付税制度等の見直しにより地方共有税の創設 5内閣の機能強化(予算編成権・組織編成権の内閣への一元化) 6参議院の抜本改革(自治体首長と参議院議員の兼職禁止規定を廃止) 7選挙制度改革(被選挙権年齢を18歳に引下げ)
8 現実に即した安全保障を。 外交・安全保障
1集団的自衛権行使の要件を厳格化。日本周辺の米軍防護に限定 2普天間基地の負担軽減と日米地位協定の見直し 3防衛費のGDP1%枠の撤廃 4ミサイル防衛体制を強化 5北朝鮮の核・ミサイル・拉致問題の解決に向け日米韓中の連携をさらに強化 6我が国の安全保障に係る重要な土地取引を規制する 7ポストNPT核軍縮に向け新たなテーブルを構築 8ODA予算の有効活用。途上国との友好と経済安全保障を促進 
日本維新、公約に9条改正 希望と主要政策重複
日本維新の会の次期衆院選マニフェスト(公約)の概要が29日判明した。国会議員の報酬・定数の3割削減や2019年10月の消費税率10%への引き上げ凍結、教育無償化を含む「現実的な憲法改正」など、主な内容は連携を進める希望の党の政策や主張と重なる。また、改憲項目として9条改正を初めて公約に盛り込んだ。30日に正式に公表する。
マニフェストは「2017・維新八策が拓(ひら)く新しい日本」と題し、冒頭で消費増税凍結と教育無償化を提案。「新・維新八策」として、行財政改革や統治機構改革、規制改革・成長戦略や憲法改正など八つの柱を立てた。
企業団体献金の廃止や公務員の天下り禁止を進め、税と社会保険料の徴収を一元化する「歳入庁」を設置。先進国をリードする脱原発依存体制を構築し、原発を稼働する際に都道府県の同意を法制化する。憲法改正は9条や教育無償化のほか、道州制の実現を含む統治機構改革や憲法裁判所の設置も挙げた。
集団的自衛権の行使は日本周辺の米軍の防護に限定して要件を厳格化。日米地位協定の見直しや、北朝鮮の相次ぐミサイル発射を受けたミサイル防衛体制の強化も盛り込んだ。
25年国際博覧会(万博)の大阪誘致や、大阪市を廃止し特別区を設置する「大阪都構想」の実現も記し、東京一極集中を打破し地方創生を進めることを強調した。 
維新、公約に憲法9条改正 消費増税凍結・教育無償化も
日本維新の会(代表=松井一郎・大阪府知事)は30日、衆院選で掲げる公約を発表した。消費増税の凍結、議員報酬と議員定数の3割削減、大学・大学院までの教育無償化を盛り込み、「国際情勢の変化に対応し、国民の生命・財産を守るため」として、憲法9条の改正を訴えている。
公約は「新しい日本を拓(ひら)く!2017維新八策」と題し、憲法改正の項目で、昨年の参院選で掲げた教育無償化と道州制を含む統治機構改革、憲法裁判所の設置の3点を改めて記載。昨年はなかった9条改正も盛り込んだが、具体的な改正内容は記さなかった。
安全保障では、集団的自衛権の行使を日本周辺の米軍防護に限定することや、日米地位協定の見直しを主張。「ミサイル防衛体制を整備するためタブーなき議論が必要」と記し、浅田均政調会長は会見で「是非はさておき、日本の核保有も議論は必要」と述べた。
ほかには将来的な一院制の導入と首相公選制、被選挙権の18歳以上への引き下げを提唱。「脱原発依存」や、国家公務員の削減と人件費の2割削減などを盛り込んだ。浅田氏は「消費増税凍結が自民との対立軸になる」との考えを示した。 
 
 
 
 
自由党
 

 

自由党の小沢共同代表、無所属で衆院選立候補へ
自由党の小沢共同代表は3日、記者会見し、22日投開票の衆院選に岩手3区から無所属で立候補すると表明した。
自由党は衆院選に公認候補は出さず、幹事長の玉城デニー前衆院議員(沖縄3区)も無所属で出馬する。小沢氏は「安倍政権と対峙たいじし、政権交代するという一点で結集する以外ない」と述べ、野党が結集する必要があるとの考えを示した。
自由党の参院議員は4人。小沢、玉城両氏は党籍を残したまま出馬するため、1人でも当選すれば、政党要件は維持される。 
自由党、衆院選で擁立見送り 小沢共同代表は無所属で出馬
自由党の小沢一郎共同代表は3日、国会内で記者会見し、衆院選で同党からの候補擁立を見送る方針を明らかにした。側近の樋高剛元環境政務官ら3人が希望の党の公認候補になったことを踏まえた。自らは「無所属で出馬する」と明言した。公認済みの他の候補者については、それぞれの判断に委ねる。
小沢氏は会見で、民進党が希望の党に事実上合流することに触れ「野党結集を訴えてきた。われわれも同じような方向で選挙戦に対応する」と語った。
無所属で出馬することに関し「民進党の前原誠司代表と同じだ」と説明。解党するかどうかについては「選挙後のことは分からない」と述べるにとどめた。 
自由党の衆議院総選挙への対応について [森ゆうこ]
10月10日公示、22日投開票の衆議院総選挙への自由党の対応について、この間皆様には大変ご心配をおかけしましたが、本日下記のように決定いたしましたのでご報告申し上げます。
小沢一郎代表、玉城デニー幹事長は自由党籍のまま「無所属」で戦います。他の元職や新人の公認予定候補者は、選挙区の事情等により本人の判断で、無所属(立憲民主党に参加する可能性あり)が3人、希望の党の公認が3人となります。
私を含めた参議院議員4人は、引き続き自由党参議院議員として、同志の全員当選を目指して、あらゆる野党勢力と共闘してまいります。
この度の総選挙においては、自由党の旗を掲げることができなくなりました。各党に同志がいるため、比例代表に自由党は候補者を擁立いたしません。
これまで共に闘い、ご支援をくださっている自由党 党員・サポーター、YMF会員を始め、全国の支援者の皆様に心からお詫びを申し上げます。
自由党は、安倍総理の独裁政治を終わらせ、「政権交代」によって民主主義と立憲主義を回復し、国民の生活が第一の政治を実現して、子どもたちに平和な未来を約束するために、この間「結集」をスローガンにして活動を続けてまいりました。
小選挙区制度は、たった一度の衆議院選挙で、まるでオセロゲームのように、政権交代を実現できる制度です。
政権交代を可能にするためには、安倍一強に対して、野党が結集して候補者を一人に絞って戦う必要があります。そのため、小沢一郎代表を先頭に、様々な違いを乗り越えてお互いを尊重するオール野党の結集と共闘を呼びかけてまいりました。
去る9月17日に予定されていた民進党・自由党・社民党による3党首会談では、結集への大きな前進が図られることになっていましたが、直前にキャンセルされてしまい、共産党を含む野党と市民の共闘で政権交代を実現する大きなチャンスを逃してしまったことは、残念でなりません。
その2日後に希望の党が設立され、民進党前原代表と希望の党小池代表の会談が行われ、その後、民進党は希望の党と事実上合流することを両院議員総会において全会一致で決定しました。
小沢一郎代表は、前原・小池会談には参加していません。従って、会談の中身が具体的にどのようなものであったのか知ることはできませんでしたが、民進党を中心にした野党の結集とオール野党共闘を提唱してきたことから、民進党の決定に添って自由党も連携を模索して今日に至りました。
この一週間あまり、正直に申し上げれば、「結集」とは間逆の「排除」という言葉に驚いたこともありました。しかし、もう後ろを振り返ることはできません。
結集は間に合いませんでしたが、共闘することはできます。 
自由党
日本の政党。略称は自由。新聞やメディアでは自民党と混同しないよう由と記される場合もある。前身は「日本未来の党」→「生活の党」→「生活の党と山本太郎となかまたち」。
2012年12月に日本未来の党の党名を「生活の党」に改称する形で発足した。民主党の小沢グループと鳩山グループ、新党きづな、国民の生活が第一の出身者を中心に結成され、党シンボルマークも「国民の生活が第一」のものを引き継いだものが使用されていた。後に、2014年12月の第47回衆議院議員総選挙で政党要件を失ったが、12月26日に無所属の参議院議員山本太郎が入党し、政党要件を回復させるとともに、党名を「生活の党と山本太郎となかまたち」に改めた。2016年10月12日に「生活の党と山本太郎となかまたち」から「自由党」に政党名を変更する届を総務省に提出した。それに伴いロゴマークや党則も変更した。
政策
○ 「日本国憲法の四大原則は、現在においても守るべき普遍的価値であり、引き続き堅持すべき」としつつも「時代にあった憲法」にするために「憲法の規定を一部見直し、足らざるを補う」ことを表明している。党としては「加憲」の立場。
○ 原発の再稼働・新規増設は一切容認せず、2022年までに原発を全廃する。
○ 深刻なデフレ下では消費税の増税をしない。内需拡大と完全雇用を目標とし、財政出動を継続的に行う。
  ○ 財政出動において、相当部分を地方の裁量に任せる。
  ○ デフレ解消のために、日銀による金融緩和を行う。
  ○ 中小企業支援のために融資支援制度の拡充、税制措置、行きすぎた規制緩和の見直しを行う。
○ 中央官庁の権限を地方に移管する。
○ 自由貿易のために自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)を積極的推進するが、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)には反対。
○ 終身雇用。ワークシェアリングの導入と普及。
○ 2013年には他党と共同して「過労死等防止基本法案」を衆議院に提出。「過労死や過労自死の防止対策を総合的に推進すること」を目指す。
○ 中学卒業まで子ども一人当たり年間31万2000円の手当を支給。高校無償化は堅持。
○ 中国、韓国をはじめとするアジア諸国との信頼関係の構築、連携を強化する。また、アジアの平和維持のため、日本が調整役を果たす。
○ 日本の安全保障の根幹は日米同盟であり、日米両国の相互信頼関係を築き、対等な真の日米関係を確立する。
○ 国連憲章や日本国憲法前文の精神に則った安全保障基本法を制定し、国連平和維持活動への参加を進める。
○ 日本への武力攻撃、大規模災害、テロに備えて、内閣に国家非常事態対処会議を設ける。
○ 集団的自衛権については、日本への直接攻撃、および周辺事態法における日本の安全が脅かされる場合にのみ、米国と共同で対処するものとする。自民党の憲法解釈の変更には反対する。 
 
 
 
 
社会民主党
 

 

9条改正反対=社民公約
社民党は5日、衆院選公約を発表した。「憲法を生かす政治」として自民党が公約に明記した9条改正に反対。「森友・加計学園」問題の徹底究明や「行政の私物化」につながるとして国家戦略特区廃止も打ち出した。
外交では、核・ミサイル開発を進める北朝鮮への対応について「徹底した対話による平和的解決」を掲げた。消費税率引き上げに関しては「国民生活や景気の悪化を招く」として反対した。
吉田忠智党首は5日の記者会見で「日本で唯一の社会民主主義政党として埋没しないよう存在意義をしっかり訴えたい」と強調。小選挙区・比例代表で合わせて5議席以上の獲得を目標とした上で、立憲民主、共産両党と候補者調整を進める考えを示した。 
 
 
 
 
日本のこころ
 

 

日本のこころ
日本の保守政党。総務省届出略称は日本、報道などでは「こころ」「日ころ」「日こ」を用いる場合が多い。日本維新の会が2014年(平成26年)6月22日に分党を決定し、7月31日に解党したことを受け、当時同党の共同代表を務めていた石原慎太郎支持派のグループ(石原グループ)によって8月1日、次世代の党として結党された。2015年(平成27年)12月21日、日本のこころを大切にする党に党名を変更。2017年(平成29年)2月7日、党名を日本のこころに変更した。
綱領
○ 日本が長い歴史の中で育んできた風俗、習慣、文化に息づく日本のこころを大切にし、家族を基底においた明るく温かな社会を実現する
○ 経済力、外交力、国防力を高め、文化の力によって世界の平和に貢献し、世界から信頼される国を創る
○ 真の保守政党として、日本の独立と繁栄を守り、国民の手による自主憲法を制定し、豊かで誇りある日本を築いていく
基本政策
1. 長い歴史と伝統を持つ日本の国柄と日本人のこころを大切にした、日本人の手による自主憲法の制定
2. 家族を基底においた温かな社会を創り、国民ひとりひとりが夢を持ち、充実した日々を過ごせる国の実現
3. 人口が減少する中で、子育て世代を支援し、安心して子供を産み育てられる環境の整備
4. 正しい歴史観と道徳観を持ち、国際的に高水準の学力を持つ日本人を育てる教育
5. 経済の成長戦略を推進し、個人所得の向上を図り、豊かな社会を実現すること及び社会基盤(インフラ)の強化を徹底して推進
6. 医療制度、公的年金制度、介護制度等の改革を行い、生涯にわたり安心して暮らせる社会保障制度を構築
7. 外交力及び国防力の強化による確固たる安全保障の構築を目指す。また、北朝鮮による全ての拉致被害者の早期救出
8. 統治機構(立法、行政、国と地方)の抜本的改革
9. 日本各地で、国際文化交流の祭典を催し、日本が、世界の文化が輝き、溢れ、交流する場となることを目指す 
日本のこころ・中山恭子代表が「小池新党」参加へ
日本のこころの中山恭子代表(77)=参院比例代表=が、小池百合子東京都知事の側近らが結成する国政新党に参加する意向を周辺に伝えていたことが24日、分かった。中山氏は同日午後、東京都内で小池氏と会談する。関係者によると、中山氏の夫の中山成彬元文部科学相も新党に加わり、10月の衆院選に出馬する意思を示している。 
「消滅する党…どこかで生かしていけたら」
日本のこころの中山恭子代表は24日午後、小池百合子東京都知事と都内で会談し、小池氏側近らが結成する新党に参加する意向を伝えた。会談後の中山氏と記者団のやり取りの詳報は次の通り。

「私どもの党、日本のこころが衆院選の後、投票日の段階で消滅する党だということがございまして、その後、これまで活動してきた事柄について、やはり国政の中で、どこかで生かしていけたらなという思いが私の中にはございまして、そのことも含めて小池知事と話した」
−−新党への合流についての具体的な合流の話は
「私ども、やはり拉致問題、国が一体となって拉致被害者を救出するということをずっとやってきているので、そのあたりについてしっかりとした意見を同じ方向を向いていてほしいと、向いているのであれば動けるかと。さらには経済問題で、まだまだ所得が増加しているというほどではない段階で、環境が整うまでは消費税は上げないという方向を打ち出してきた。さらに言えば憲法も、独立国家として次の新しい日本を作っていくために、基本となる国家の基本法をしっかり見直しましょうということを行ってきたので、こういった考え方が新しい党の中でもし生かせるのであれば、進められるのだろうなということで小池知事と、そんな話をしたところだ」
−−新党に参加するということか
「そのあたりはしっかりとした形で、私どものこれまで考えていることなどを新党の中で生かせるのであれば、消滅するよりは、次の日本の新しい社会を作っていくことに生かせることであれば、一緒に活動していきたいと」
−−正式な合流は今後の話になるか
「そうですね。小池知事が『(新党を結成する)若狭勝衆院議員に伝えます』と言っていたので、きっとそのあたりでどんな回答が来るか待っていたいと思う。同じ方向を向いて私どもの政策考え方が生かせるのであれば、一緒に活動していきたいと思っている」
−−日本のこころはどうなる
「この党の名前は変わるが、その思いというのはそちらの新しい党で生かしていきたいということになる」
−−日本のこころは解党となるのか
「消滅するしかない」
−−合流したいと伝えたということか
「きょうの、その考え方の打ち合わせをしたところだ。小池知事と話している中で、党としてというより、小池知事ご自身の考えとは非常に一致するところはたくさんあったということは確かだ」
−−どちらからの呼びかけか
「やはり、消滅する中で自分たちを生かしていくためにどうしたらいいか、これまでずっと党の中で議論してきた。一緒に活動している者の多くがやはり小池知事と話をしてほしいとの要望が強くあったので、確かにそうだと思って小池知事と話をする機会を作っていただいた」
−−次の衆院選に出馬するのか
「いえいえ。私自身はありませんが、自分と一緒にこれまで一緒に、非常に小さな党だが真剣に誠実に愚直にこの政治活動をしてきた人が私の仲間だ。国を思って活動してきている人々なので、政治家なので、その政治家たちをなんとか次の政治活動に生かしていきたいという思いは私自身にはある」
−−どういった人が衆院選に立候補するのか。ご主人(中山成彬元文部科学相)か
「も、ありますし、他にも国政支部長を務めている人もいるし、政治家として日本のこころの考えで動きたいと言ってきた人たちがたくさんもいる」
−−現職もいるのか
「現職は私と中野正志幹事長しかいない」
−−ご主人以外には
「何人か、それはこれから調整する形」
−−中野氏は
「違う方向で動いていくと思う。この後、相談する」
−−拉致問題や憲法で協力したいということだが、自民党ではないのはどういう理由からか
「やはり、憲法についても新しいところで、私どものほうは憲法原論を提案しているが、それにこだわるというのではなくて、いい憲法だと思っているが、憲法そのものについてしっかり議論できる人々だと考えている。9条だけではなくて、当然のことだが憲法の前文、ここから検討していきたい思いがある」
−−合流するとなれば次期衆院選には何人が出馬するか打診はしていないか
「多くの仲間からその希望は出ているが、具体的な事柄はまだ」
−−希望人数は
「まだ、これから」
−−会談で小池氏の新党のかかわりについて話はあったか
「小池知事が新党とどう関わるのかすら分かっていないので、今回はそういう話はなかった」
−−小池氏に声かけをしてこの場を持ったのか
「そうですね、はい」
−−小池氏に代表になってほしいか
「個人の感触でよければ、私自身はそう思っている」
−−それを小池氏に伝えたか
「いえいえ。そういう話は出なかった」
−−これまでは安倍晋三政権に近い立場にいたが、今後は
「憲法についても、改正というのか自主憲法というのか、方向は同じだと思っているので、同じ形で動ける部分はぜひ一緒に動いていきたいと思いますし、ただ、これまでの自民党では新しい動きに動いていくのは非常に難しいかもしれないので、そういった意味では私どもの方から新しい動きを作っていけるように努力したいと思っている」
−−必ずしも対決というわけではない
「そうですね。いいところはいいところでもちろん一緒に動いていくことになると思うし、ただ、今までの通りでいいかというと戦後70年超えて、拉致被害者もまだまだそのままということであればもっと新しい動きをしていく時期にきているという思いがある」
−−参院では自民党とこころで会派を組んでいる。「自公に変わる受け皿を作るために新党を」と言っている細野豪志元環境相との見解の相違は
「会派については、参院だけの会派なので、この後、中野先生と相談して、どのように対応していくか考えていきたいと思う」
「希望を持って動いていきたいと思っているところだ。新しい日本、安全な日本、平和な日本ということを目指して希望をもって動いていきたい。私自身というより、仲間がそう伝えてきている」 
 
 
 
 
 
 
公約比較

 

社会保障をどうする 負担増から目を背けるな
日本の社会保障は先進国の中で最も危機的な状況にある。これだけ急激な高齢化と人口減少が同時に進むのはかつてないことだ。安倍晋三首相は衆院解散にあたって少子高齢化を「国難と呼ぶべき事態」と述べた。しかし、この問題は10年以上前から繰り返し議論されてきたことであり、降って湧いたように言うのはおかしい。
医療や介護費用の多くは75歳以上に費やされている。2025年には最も人口の多い団塊世代が75歳を過ぎる。あと数年後に介護費用は現在の2倍に膨れ上がる。
一方、支える側の現役世代は急速に減っている。50年後の人口は8808万人、現役世代は4割も減る。25年には介護職員だけで37万人以上が不足すると予想されている。
医療や介護が破綻するのではないかという不安が国民の間に広がるのは当然だ。それが消費を手控え貯蓄に回す心理を生み、経済全体にも悪影響をもたらしている。
場当たり的な安倍政権
目の前の高齢化に対処しつつ、同時に少子化対策を進め、将来の不安を払拭(ふっしょく)しなければならない。難しいかじ取りを政府は迫られている。
消費増税は社会保障を持続可能にするためなのに、安倍政権は2度も延期した。今度は消費税の使途を変更し幼児教育の無償化などに充てるという。高齢者に偏った社会保障を「全世代型」に変えるというのだ。子育て世代を支援し、出生率を上げて将来を支える世代の地盤沈下を防ぐことは必要だ。ただ、その前に立ちはだかる高齢化の急坂を乗り越える政策も示さないといけない。
幼児教育無償化の財源を、消費増税による借金の穴埋め分に求めるというのは、形を変えた教育国債の発行にほかならない。将来世代に借金を回すことになる。
希望の党は消費増税の凍結を主張している。負担を嫌う大衆心理に迎合して負担増を避け続けてきた政治に逆戻りするのでなく、しっかりと現実の危機を見据えた政策を打ち出すべきだ。
「女性が活躍できる社会」「希望出生率1・8」「待機児童ゼロ」などのスローガンを安倍政権は次々に掲げてはきた。しかし、場当たり的でピント外れのものが多かったことも否定できない。「17年度末までに保育所の待機児童ゼロを実現する」と宣言したものの、待機児童数は3年連続で増加している。公約の3年先送りを表明せざるを得なくなった。自治体によって待機児童の定義が異なり、正確なニーズを把握しないまま甘い見通しを立てたためである。女性の活躍を推進するために打ち出した「3年間抱っこし放題」という育児休暇延長案も、働く女性が3年も休んだら職場復帰したくてもできなくなる現実を知らず、女性の神経を逆なでしたとの批判を浴びて引っ込めることになった。
確かなデータの蓄積を
当事者の置かれている状況やその心情を理解し、確かなデータと長期的な視野に立った構想力がなければ、どんな社会保障制度も破綻する。消費増税に関する「3党合意」が成立したのは民主党政権のときだが、福田康夫政権時の「社会保障国民会議」で年金・医療・介護について多岐にわたるデータを分析し、何通りもの将来的な見通しを出したことが議論の土台となった。「全世代型」を構想するためには、保育需要の予測や育児休業補償のニーズと効果など詳細なデータの分析と多角的な議論が必要だ。
ただ、出生率が改善しても、生まれた子が社会を支える側になるのは20年以上先だ。その前に到来する「25年問題」に対処するための労働力と財源の確保は喫緊の課題であることを重ねて指摘したい。先細りしていく現役世代だけでなく、経済的に余裕のある高齢者にも応分の負担をしてもらわなければ社会がもたない。消費税はもちろん、相続税や年金への課税などあらゆる方策を検討し、負担についても「全世代型」にする必要がある。
負担増の不人気政策は選挙のたびに各党から敬遠されてきた。ようやく成立した消費増税の「3党合意」も、すっかり忘れられようとしている。それが現在の危機を招いた原因であることを各党は自覚すべきだ。安心できる医療や介護を守るためには厳しい政策も必要だ。どの党が誠実に向き合っているのか、有権者は見極めるべきである。 
改憲・消費税、違いくっきり=各党主要政策比較
10日公示の衆院選に向け、与野党の主要政策がそろいつつある。自民、公明、希望、日本維新の会4党は憲法改正を支持し、立憲民主党と共産党は慎重・反対の立場だ。一方、2019年10月からの消費税増税については、自公両党が実施を訴えるのに対し、希望や立憲民主党は先送りを主張。項目によって違いがくっきりと表れている。
選挙戦は、(1)自公(2)希望・維新(3)立憲民主、共産など−の3極が争う構図が固まりつつあるが、各党の主張は必ずしもこうした対立の図式と重なり合わないのが今回の特徴だ。
自民党は公約に、9条改正などを国会発議し、改憲を目指すことを明記した。公明党も公約骨子で、憲法に関する党の基本姿勢を打ち出す方針。希望は公認候補に改憲支持を約束させており、維新を含む4党が主な「改憲勢力」と位置付けられそうだ。
ただ、安倍晋三首相が打ち出した自衛隊の根拠規定を追加する9条改正について、希望の小池百合子代表(東京都知事)は「3項を付け加えるのは理解に苦しむ」と疑問を呈した。各党の改憲項目の優先順位は主張を吟味する必要がある。
立憲民主党の枝野幸男代表は、改憲自体を否定はしないものの「安全保障法制という違憲部分を含んだものが存在する中で自衛隊を明記すれば、違憲部分を追認することになる」と指摘。9条改正反対で共産党と足並みをそろえる。
安保関連法に関する各党の主張も、憲法をめぐるそれぞれの立ち位置と重なる。希望も基本的には安保法支持の立場だ。
一方、憲法、安保政策の各党の立ち位置とがらりと変わるのが消費税増税をめぐる問題だ。
自民党は19年10月の消費税増収分の使途を変更して教育無償化にも充当するプランを掲げ、公明党も同調している。
これに対し、希望は「ただ増税では消費を冷え込ませるだけだ」(小池氏)と主張。立憲民主党も「増税を予定通り実行することは国民の理解を得られない」(枝野氏)とし、維新を合わせたこれら3党は増税凍結の立場でそろう。
原発政策でも、希望は「30年原発ゼロ」を掲げ、自公両党との違いをアピールする構えだ。希望は原発政策ではむしろ、民進党の政策を引き継ぐとしている立憲民主党や共産党に近い。(
小池氏は「暴走仲間」
共産党・志位和夫委員長(党本部での中央委員会総会で) 安倍暴走政治と対決する論戦ができるのは共産党と共闘勢力だ。希望の党は「リセット」と抽象的に唱えることができても、暴走政治の批判は決してできないだろう。小池百合子代表自身が自民党政治の中枢にいて、安倍晋三首相とともに暴走政治を進めてきた暴走仲間だからだ。
立憲民主は「第2社民党」
日本維新の会・松井一郎代表(大阪府庁で記者団に) 立憲民主党は、民進党の中の「憲法は絶対に一言一句変えるべきではない」「日米同盟はいかがなものか」と考える人たちの集まりだ。参加する辻元清美氏は元社民党員だ。立憲民主党は第2社民党ということだ。
今の自民は保守か
立憲民主党・枝野幸男代表(東京・JR有楽町駅前で街頭演説) 今の自民党は保守なのか。1億総中流と言われ、世界一治安が良いと言われ、お隣近所、地域社会がお互いさまに支え合っていた日本社会を壊してきたのは誰か。日本社会の良き伝統を壊している保守なんかあるはずがない。 
驕れるメディアは久しからず
 朝日・毎日のベテラン記者の噴飯質問に思わず赤面してしまった… 
8日の日本記者クラブ主催の党首討論会は、会場にいて赤面する思いだった。学校法人「加計学園」をめぐるベテラン記者(記者クラブ企画委員)らの質問があまりに噴飯もので、聞くに堪えなかったからだ。例えばこんなやりとりがあった。
安倍晋三首相「朝日新聞は(獣医学部新設の審査に一点の曇りもないと証言する)八田達夫・国家戦略特区諮問会議議員の報道はしていない」
朝日新聞・坪井ゆづる論説委員「しています」
安倍首相「ほとんどしていない。ほんのちょっとですよ。アリバイづくりでしかない。加戸守行・前愛媛県知事が(7月10日の国会でゆがめられていた行政が正されたと)証言した次の日は全く報道していない」
坪井氏「しています」
安倍首相「本当に胸を張って(報道を)しているということができますか」
坪井氏「できます」
会場から笑い声が漏れる中、坪井氏はあくまで、社の論調と異なる加戸氏らの意見もきちんと報道していると言い張っていた。安倍首相も苦笑を浮かべつつ、国民に新聞のファクト・チェックをするよう求めるにとどめていたが、実際はどうだったか。
7月11日付の朝日新聞と毎日新聞の朝刊は、加計学園誘致を進めた当事者である加戸氏の証言について、一般記事中で一行も取り上げず、審査の詳報の中でごく短く触れただけだった。
朝日がいかに「(首相官邸サイドに)行政がゆがめられた」との前川喜平・前文部科学事務次官の言葉を偏重し、一方で前川氏に反論した加戸氏らの証言は軽視してきたかはもはや周知の事実である。それなのに、どうして胸が張れるのか全く理解できない。
また、毎日新聞の倉重篤郎専門編集委員の安倍首相の返答をさえぎりながらの傲岸不遜で稚拙な質問も、テレビ視聴者らに不快感を与えたのではないか。
「あなたのお友達が、獣医学部の新設を認められたこと、行政的な厚遇を受けたことについてあなたは何のアレもないんですか。反省もないんですか。問題も感じないんですか」
加計学園の理事長が、安倍首相の友人であることで行政的な厚遇を受けたといつ証明されたのか。ここ数カ月の不毛な議論や報道を振り返っても、そんな「事実」は見当たらない。
しかも、倉重氏は質問の中で「安倍さんが関与したかしないかは分かりません」と認めている。事実の裏付けもなく相手に問題があると仮定の上に仮定を重ねて決め付け、反省を強いるのが記者の仕事だと思われたらかなわない。
常日頃、安倍政権の「おごり」を糾弾しているマスメディア側のほうが、よほどおごっているのではないかと感じる寒々しい光景だった。 
希望の党の小池百合子代表の期待値に陰り
 横文字のオンパレードで実相糊塗 第三極は「共闘」にすきま風も
与野党8党首による8日の党首討論会で際立ったのは、希望の党の小池百合子代表(東京都知事)の「失速」だった。リアル、パラダイム、ダイナミック…。空疎な横文字のオンパレードは、にわか仕立ての政党の限界を印象づける。選挙戦は3極が争う構図だが、野党第一党・民進党をのみ込んだ「第二極」に黄信号がともり始め、「第三極」の共闘もすきま風が吹いている。
横文字連発…具体性欠く
安倍晋三首相(自民党総裁)と小池氏の直接対決が注目された討論会だが、ふたを開けてみれば、各党からやり玉に挙げられた小池氏が苦しい釈明を繰り返す場面の連続だった。
まず矛先が向いたのは、安全保障法制を実質的に容認する希望の党に、安保法制を「違憲」と断じてきた民進党から大量の前職らが合流している矛盾だ。
公明党の山口那津男代表が「プラカードまで掲げて反対した民進党から100人を超えて公認を出した」と指摘すると、小池氏は民進党出身者をこう擁護した。
「野党の立場で『政府を追及する』ということで厳しく対処されてきた」
与野党の立場が逆転すれば政治的主張も変わる、と公言したに等しい珍説だ。小池氏は「リアルな政治を進めていこうということで(民進党出身者と)一致している」と釈明してみせたが、野合の実相を横文字で糊塗する姿勢は空々しい。
希望の党が公約に掲げたベーシックインカム(最低所得保障)などの財源を首相から問われた際も、小池氏は「要はパラダイム(概念)を変えていきましょうということです」。質疑では財源に関する質問が挙がったが、小池氏は「かなりエッジの効いた提案をさせていただいている」「ベーシックインカムは実験的な部分もある」といった曖昧な答えを繰り返し、具体的な展望には踏み込まなかった。
希望の党の首相指名に関する質問にも「選挙の結果を見ながら進めていく」と答えをはぐらかし続けた。
温度差鮮明…苦笑いも
一方、衆院選での候補すみ分けが進む「第三極」の立憲民主、共産、社民3党も温度差を露見させた。
「共闘の力で国民的な多数派を作る努力をしたい」
選挙戦での連携に最も前のめりな共産党の志位和夫委員長は「共闘」という言葉を繰り返し口にした。
これに対し、立憲民主党の枝野幸男代表は「選挙協力」や「共闘」という表現は一切用いなかった。共産党と政権をともにすることはないという立場を堅持する立憲民主党としては、政権選択選挙である衆院選での協力関係がクローズアップされるのは避けたいところだ。
とはいえ、立憲民主党には「民進党の左派色を先鋭化させた政党」(旧民主党閣僚経験者)というイメージがついて回る。社民党の吉田忠智党首は「左傾化」をこう歓迎してみせた。
「立憲民主党ができて、だいぶ社民党の政策に近づいたという実感はある」
「日本流保守」を標榜する枝野氏は首をかしげ、苦笑するほかなかった。 
選挙違反で537件警告、衆院選 警察庁まとめ
警察庁は9日、衆院選公示2日前となる8日時点の選挙違反の取り締まり状況を発表した。各都道府県警が公選法違反の疑いがあるとして警告したのは537件で、2014年の前回衆院選時と比べて185件増加した。摘発はなかった。
警察庁のまとめでは、警告の内訳は、一部の場所に集中して多数のポスターを張るといった「文書掲示」が483件、有権者に投票を依頼するような文書を配る「文書頒布」が33件、名前を連呼するといった「言論」が17件などだった。
インターネットを利用した違反は、公示前に事前運動をするなどの4件に警告した。 
安倍政権5年へ審判を下す衆院選
衆院選があす公示され、22日の投票日に向けて選挙戦が始まる。選挙直前に新党がふたつ誕生し、何が何だかわからないという有権者も少なくないだろう。ここは政治の基本に立ち返り、約5年間に及ぶ安倍晋三首相の政権運営への審判を下す場と考えればよいのではなかろうか。
1996年の衆院選から小選挙区制が導入され、政界の枠組みは自民VS新進〜民主〜民進の二大政党体制が続いてきた。
方向性が不透明な希望
その民進党がふたつに分裂し、保守系は東京都の小池百合子知事がつくった希望の党に合流し、リベラル系は立憲民主党を立ち上げた。共産党などを含めた野党の大同団結を期待する市民運動勢力からは失望の声が出ている。
だが、考え方の違う勢力が「非自民」だけをスローガンにして一緒になっても結局はうまくいかない例を何度も見てきた。かつては右も左も包含するキャッチオール型だった自民党も近年は保守系にほぼ収束した。非自民を名乗らなくても、政策で対立軸をつくることは可能だ。
問題は、希望の党の方向性が不透明なことだ。日本記者クラブが開いた8党首の討論会で、小池氏はゴルフになぞらえて「フェアウエーど真ん中で有権者に選択肢を示す」と説明した。
立憲民主党を結党した枝野幸男代表らを排除したことで、左寄りでないことはわかった。しかし、それと希望の党が掲げる「寛容なる改革保守」はどうつながるのか。そもそも寛容と改革の関係がよくわからない。安倍政権より右寄りと目される候補もいる。
加えて、わからなさを助長しているのが、首相候補の不在である。党首討論で小池氏は「しっかり戦い抜くのがまずあって、その結果としての判断だ。安倍1強政治を変えていくのが大きな旗印だ」と繰り返すにとどまった。
非自民という言い回しをしないところから類推すると、自民党に打撃を与え、安倍首相を退陣に追い込んだうえで、新総裁と連立するということなのだろうか。
小池氏は希望の党の公約発表の際、経済政策は「アベノミクスに代わるというか、加えてといった方が正しい」と語った。同じ保守同士で政策的な違いはさほどないとしても、選挙後に自民党と組むことも視野に入れているならば、明言して選挙を戦うべきだ。
自公政権打倒を期待する有権者が希望の党に投票し、選挙後に裏切られたら、政治不信はますます高まろう。
立憲民主党も何がしたいのかが見えてこない。党首討論で、枝野氏は「誰かがどこかで決めて、多くの国民が従わなければならない」と強調した。安倍政権の国会運営がやや強引なのはその通りだが、多数を握った与党が公約したことを推進するのはある意味で当たり前である。
何でも反対だった社会党が消滅したことを考えれば、抵抗型の政党が長続きするとは思えない。立憲民主党は「安倍政権のもとで格差が広がった」と攻撃するのであれば、具体的な社会保障政策などで違いを打ち出すべきだ。
森友加計の説明丁寧に
政権選択選挙は、ときの政権の継続を望むのか、望まないのかという選択肢を示すのが本来の姿だ。野党で最も多くの候補を立てる希望の党が与野党交代を目指しているのかが不透明な現状では、安倍政権への通信簿のつもりで投票するしかあるまい。
党首討論で、安倍首相は突然の衆院解散の大義について「北朝鮮の脅威」を挙げ、「圧力をかけていくことに国民の信を得る」と発言した。外交政策は重要な争点のひとつだが、この選挙が有事への白紙委任であるかのような表現には違和感がある。
解散表明時の記者会見でほとんどの時間を費やした消費増税分の使途の変更と優先順位が変わった理由も知りたいものだ。
森友・加計疑惑については「私自身が何度も説明した」「妻については私が代わって十分に話した」と述べるにとどめた。理解を得るためにはもっと丁寧な説明をする必要がある。
今回の衆院選は、18歳選挙権が導入されて最初の政権選択選挙である。与野党ともこんな程度の説明で、高校生が納得すると思っているのだろうか。 
安倍首相が掲げる幼児教育無償化 得するのは?
安倍晋三首相が掲げる幼児教育・保育の無償化には最大約1兆1700億円が必要という政府の試算が出されている。衆院選で消費税率を10%への引き上げることで得られる増収分の用途を変更し教育無償化に2兆円規模で充てる方針だ。
消費税が増税となり幼児教育が無償化されることで一般家庭にはどのような影響があるのか考えてみよう。安倍首相は2020年度までに3歳から5歳の子供の幼稚園、保育園の費用を全て無償化して、0歳から2歳児に対しても所得の低い家庭においては全面的に無償化することが検討されているので、小さい子供がいる家庭は恩恵に預かることができるが、それ以外の家庭は負担が増えるだけというイメージもあるだろう。消費税が2%上がることで、月3000円程の税の負担が増えると予測される。
年収400万円の単身家計でシミュレーションをすると年間で3万7920円負担が増えると言われている。それに対して年収400万円の夫婦、幼児1人がいる家計でシミュレーションをすると年間で8万4960円の負担が減ると考えられる。文部科学省が子供の学習費調査を行った結果、公立幼稚園の場合は費用が月1万円程かかり、無償化された場合はこの費用分が子育て世帯の家計の負担から浮くことになるので、消費税増税分の3000円を差し引いても月額で7080円、年間8万4960円の経済的な負担が減るということだ。
同じく年収500万円と年収600万円の家庭での負担をシミュレーションした結果、年収500万円の単身家計では年間4万3920円負担が増えるが、子供がいる夫婦の場合は年間で8万2560円の負担が減ると考えられる。
年収600万円の単身家計だと年間5万1120円の負担が増え、子供がいる夫婦だと年間7万3680円もの負担が軽減される。また年収600万円の家計で2人の子供がいる場合は、年間19万3680円ものの負担が軽減されるといいシミュレーション結果が出ている。
5歳までの幼児がいる家庭では大きく負担が軽減されるが、単身者や子供がいない、あるいは5歳以上に成長した子供がいる家庭では負担増となる。少子高齢化に歯止めをかけるという点では効果が期待できる政策と言えるが、一方で増税も避けられない。今度の総選挙の争点の1つとなるだろう。 
増税、子育てなど舌戦過熱 衆院選、党首ら列島走る 10/11
与野党幹部は衆院選公示翌日の十一日、各地で街頭演説などを行い、消費税や社会保障などを巡り、党が公約に掲げる政策への理解を求めるとともに、支持を呼び掛けた。安倍晋三首相(自民党総裁)は二〇一九年十月の消費税率10%への引き上げによる増収分を未来に投資すると主張。希望の党の小池百合子代表(東京都知事)はデフレから脱却できなくなるとして、増税凍結をアピールした。二十二日の投開票に向け舌戦が本格化した。
首相は静岡県焼津市で街頭演説し、消費税増税に関し「使い道を大胆に変え、子どもたちの未来に投資し、少子高齢化を乗り越える」と述べた。北朝鮮問題にも触れ「国民の命と財産を守れるのは自公連立政権だ」と強調した。
小池氏は盛岡市で、国民に景気回復の実感は行き渡っていないとした上で「増税は消費拡大の足を引っ張り、デフレ経済が直らなくなる。希望の党は立ち止まって凍結する」と語った。
公明党の山口那津男代表は、横浜市の民家で子育て世代の母親と意見交換。「教育負担を軽くするのは時代の要請だ」として、幼児教育や私立高校授業料を無償化するとした公約を訴えた。
共産党の志位和夫委員長は川崎市で、安全保障関連法は憲法違反だとの立場から「これほど憲法をないがしろにした政権はかつてない。権力が憲法を無視している」と首相を批判した。
立憲民主党の枝野幸男代表はさいたま市で「アベノミクスで株価は上がり、一部の企業は潤ったが国民生活はどうなったか。格差が拡大し社会が分断された」と指摘。森友、加計(かけ)学園問題を巡る安倍政権の姿勢を批判し「国民と新しい政治の流れへの第一歩を踏み出す」と語気を強めた。
日本維新の会の松井一郎代表は鹿児島市で「国会議員が優遇されている。日本に金のなる木はない」と述べ、身を切る改革の必要性を説いた。
社民党の吉田忠智党首は熊本市で、森友、加計問題などに触れ「首相は国会での議論を回避した。厳しい審判を下そう」と呼び掛けた。 
与野党訴え 街頭演説などで独自政策 10/11
与野党幹部は11日、街頭演説などで独自政策を掲げ、支持拡大に全力を挙げた。安倍晋三首相(自民党総裁)は核・ミサイル開発を進める北朝鮮への圧力強化を訴えた。希望の党の小池百合子代表(東京都知事)は2030年の原発ゼロ実現に向け、再生エネルギーの徹底活用を呼び掛けた。
首相は愛知県安城市で街頭演説し「あらゆる手段で高度に圧力を高め、北朝鮮の政策を変えさせなければならない。強力な外交力で問題を解決する」と力説した。アベノミクスの成果として経済指標を列挙し「東京株式市場は20年ぶりの高値だ。株式市場で年金も運用している」と語った。
小池氏は福島県郡山市で東日本大震災からの復興に関し「不十分だ。福島に必要なのは『希望』の2文字だ」と強調。「脱原発と同時に省エネを徹底する。工程表もしっかりと描いて原発ゼロを目指したい」と述べた。
公明党の山口那津男代表は横浜市で北朝鮮問題に関し「安全保障関連法があるから日米は協力して訓練や給油ができる。この安心感をつくり出したのは自公連立政権だ」と指摘した。共産党の志位和夫委員長は川崎市で「北朝鮮への制裁強化だけでは解決できない。外交努力こそ緊急に求められている」と語った。
立憲民主党の枝野幸男代表は千葉県浦安市で、集団的自衛権行使を容認した安保法は「立憲主義の破壊だ」と批判した。日本維新の会の松井一郎代表は福岡市で「まずは徹底的に役所の無駄遣いを見直すべきだ」として、消費税増税の凍結を主張した。社民党の吉田忠智党首は東京都内の会合で、憲法9条の改正阻止を訴えた。 
改憲・安保法、希望に曖昧さ=共立社は対決色、衝突避ける安倍首相 10/11
衆院選(22日投開票)で争点となっている憲法9条改正や安全保障関連法をめぐり、希望の党の曖昧な姿勢が目立っている。同党は改憲論議を進める方針を打ち出す一方、9条改正の具体案は示していない。安保法を容認しつつも、かつて反対した民進党からの合流組を抱え、主張にぶれも見られる。保守層と無党派層から幅広く集票したい思惑が背景にあるが、他党からは批判の声が上がっている。
希望は「寛容な保守」を掲げる一方、小池百合子代表は9日の決起大会で「私たちが狙うのはフェアウエーのど真ん中だ」として、中道の無党派層の取り込みを目指す考えを強調した。
希望は公約に「9条を含め改憲論議を進める」と明記。だが、安倍晋三首相が提起した9条への自衛隊明記案に対し、小池氏は11日のテレビ討論で「文民統制の観点から明確に疑義がある」と述べ、距離を置いた。
一方、希望は民進党出身者を公認するに当たり、安保法容認を迫る協定書に署名させた。協定書には同法の「不断の見直し」を行うとも記載し、合流組に配慮を示した。しかし、公約では「憲法にのっとり適切に運用」と容認方針を明記したが、「不断の見直し」の文言は入れなかった。
小池氏は11日の仙台市での街頭演説で、「日米安全保障を基軸に防衛対策を進めるのは当たり前だ。国、主権、安全を守っていく」と述べるにとどめ、改憲や安保法に言及しなかった。小池氏は選挙後に自民党と連携する可能性を排除しておらず、障害となる発言を避けたいようだ。
これに対し、共産、立憲民主、社民3党は9条改正と安保法への反対を鮮明にしている。共産党の志位和夫委員長は川崎市で演説し、自衛隊明記案に関し「9条が空文化、死文化する。海外での武力行使が無制限になる」と強く批判。共産党は希望を「自民党の補完勢力」と位置付けて対決姿勢を強めている。
立憲民主党は集団的自衛権行使を認める安保法を「違憲」と主張。枝野幸男代表は千葉県松戸市での演説で「積み上げてきた憲法解釈を勝手に変えることを認めたら、(権力が)憲法に縛られている意味がなくなる」と語った。
与党は、希望が民進党出身者を多数受け入れたことに矛先を向け、「安保法反対から一夜にして(容認に)変わった」(菅義偉官房長官)などと厳しく批判している。
ただ、首相は、改憲や安保政策で希望や日本維新の会との連携を視野に入れており、これらのテーマでの衝突は避けたい考え。静岡県焼津市での演説では「北朝鮮の脅威からいかにして国民の命と幸せな暮らしを守り抜くかを問う選挙だ」と述べたが、改憲と安保法には触れなかった。
9条改正では、公明党が公約で「多くの国民は自衛隊が憲法違反の存在とは考えていない」と指摘。与党内に温度差が生じている。
憲法改正・安保政策に関する各党公約
【自民】
 〔憲法〕自衛隊の明記、教育の無償化・充実強化、緊急事態対応、参院の合区解消の4項目を中心に憲法改正原案を国会で提案・発議し、国民投票を行い、初めての改憲目指す。
 〔安保〕安全保障関連法により、あらゆる事態への切れ目ない対応や邦人救出などの新任務が可能となったことを受け、態勢構築や能力向上を加速する。
【希望】
 〔憲法〕自衛隊の存在を含め時代に合った憲法の在り方を議論。国民の知る権利を明確に定め、国や自治体の情報公開を進める。地方自治の「分権」の考え方を憲法に明記する。
 〔安保〕安保関連法をめぐる与野党の不毛な対立から脱却し、党派を超えて取り組む。現行の安保関連法は憲法にのっとり、適切に運用する。
【公明】
 〔憲法〕多くの国民は現在の自衛隊活動を支持し、違憲の存在とは考えていない。
 〔安保〕自衛隊の安全確保含め安保関連法の適正運用を積み重ね、実績の蓄積を目指す。
【共産】
 〔憲法〕安倍政権による9条改定に反対する。現行憲法の前文を含む全条項を守る。
 〔安保〕違憲の安保関連法を廃止する。集団的自衛権行使容認の閣議決定を撤回する。
【立憲民主】
 〔憲法〕専守防衛を逸脱し、立憲主義を破壊する安保関連法を前提とした9条改悪反対。
 〔安保〕領域警備法の制定と憲法の枠内での周辺事態法強化により主権を守る。
【維新】
 〔憲法〕教育無償化、道州制実現、憲法裁判所設置、国民の生命・財産を守る9条改正。
 〔安保〕集団的自衛権行使の要件を厳格化し、日本周辺の米軍防護に限定。
【社民】
 〔憲法〕憲法を変えさせない。
 〔安保〕安保関連法を廃止。
【こころ】
 〔憲法〕自主憲法の制定。
 〔安保〕敵基地攻撃能力の保有。 
 
 
 
 
 

 


 
2017/10
 
 
安倍政権まじめで愚直な政策史

 

 
 
 
 
特定秘密保護法 2013 
「その他」の数だけ 闇から闇へ 
大臣役人の好き勝手  拡大解釈はお手の物 
煩わしいことは全て 特定秘密保護法「その他」を適用 
プライバシーの侵害  
秘密保護法には、「特定秘密」を取り扱う人のプライバシーを調査し、管理する「適性評価制度」というものが規定されています。調査項目は、外国への渡航歴や、ローンなどの返済状況、精神疾患などでの通院歴…等々、多岐に渡ります。秘密を取り扱う人というのは、国家公務員だけではありません。一部の地方公務員、政府と契約関係にある民間事業者、大学等で働く人も含まれます。その上、本人の家族や同居人にも調査が及ぶこととなり、広い範囲の人の個人情報が収集・管理されることになります。
「特定秘密」の範囲  
「特定秘密」の対象になる情報は、「防衛」「外交」「特定有害活動の防止」「テロリズムの防止」に関する情報です。これはとても範囲が広く、曖昧で、どんな情報でもどれかに該当してしまうおそれがあります。「特定秘密」を指定するのは、その情報を管理している行政機関ですから、何でも「特定秘密」になってしまうということは、決して大袈裟ではありません。行政機関が国民に知られたくない情報を「特定秘密」に指定して、国民の目から隠してしまえるということです。  
例えば、国民の関心が高い、普天間基地に関する情報や、自衛隊の海外派遣などの軍事・防衛問題は、「防衛」に含まれます。また、今私たちが最も不安に思っている、原子力発電所の安全性や、放射線被ばくの実態・健康への影響などの情報は、「テロリズムの防止」に含まれてしまう可能性があります。これらが、行政機関の都合で「特定秘密」に指定され、主権者である私たち国民の目から隠されてしまうかもしれません。  
その上、刑罰の適用範囲も曖昧で広範です。どのような行為について犯罪者として扱われ、処罰されるのか、全く分かりません。
マスコミの取材・報道の自由への阻害  
「特定秘密」を漏えいする行為だけでなく、それを知ろうとする行為も、「特定秘密の取得行為」として、処罰の対象になります。マスコミの記者、フリーライター及び研究者等の自由な取材を著しく阻害するおそれがあります。正当な内部告発も著しく萎縮させることになるでしょう。
秘密保護法・監察室は補佐的役割、第三者機関と隔たり  
特定秘密保護法に基づく特定秘密の指定や解除を検証する監視機関として、菅義偉官房長官が5日に設置を表明した「情報保全監察室」(仮称)が、事務次官級の「保全監視委員会」(同)の補佐的役割にとどまることが分かった。同日の自民、公明、日本維新の会、みんなの党の4党合意では、監察室は「独立した公正な立場で検証、監察する新たな機関」(同法付則9条)との位置付けだったが、合意を受けた実際の制度設計は「第三者機関」にはほど遠く、チェック体制は何ら強化されていないことになる。  
4党合意は法案修正に携わった実務者レベルの署名にとどまっており、独立性の強い機関を主張する維新から「骨抜き」と批判が出る可能性もある。  
政府案によると、情報保全監察室は内閣府に設置し、警察庁や外務、防衛両省の官僚20人程度で構成する方向。同じく内閣府に新設する審議官級ポスト「独立公文書管理監」(仮称)の下部組織とするが、内閣府設置法3条は内閣府を「内閣官房を助ける」と定めており、4党合意も監察室の所掌事務を「同条に基づく」としていることから、実際は保全監視委員会の補佐が主になる。  
保全監視委員会は行政機関の長による特定秘密の指定や解除などをチェックし、運用に問題があれば、首相が各機関を指揮監督する。一方、情報保全監察室は4党合意を踏まえ、指定や解除の適否などを検証、監察するが、独立性はない。森雅子特定秘密保護法担当相が6日の記者会見で「特定秘密の中身をしっかり見られるようにしないと、違法な指定をしているか判断できない」と述べたのも、監察室を政府の一組織にすることを想定しているためだ。  
本来、監察権限を持つ第三者機関を設置するには法律が必要だ。しかし、政府はもともと第三者機関に消極的で、4党合意でも監察室は「政令で設置する」ことになっていた。菅氏は5日の参院国家安全保障特別委員会で、維新の室井邦彦氏に対し「高度の独立性を備えた機関への移行のため、内閣府設置法の改正も検討していく」と答弁したが、自民党幹部は「公正取引委員会や消費者庁のような内閣府の外局にはなるわけがない」と語っている。 
特定秘密保護法案とうとう強行採決
ついに特定秘密保護法が12月6日深夜、成立した。世論調査の結果でも「慎重に審議を尽くせ」との声が多数にもかかわらず、「年はまたがない」という強い意志のもと、安倍政権は強行突破。採決後には、自民党・石破茂幹事長(56)から差し入れのアイスクリームが届き、居合わせた幹部らで簡単ながら甘い甘い祝勝会が始まった。
政府、自民党にとってはまさに思惑どおりの国会運営ではあったが、弛緩しきった雰囲気も漂っていた。
まずは石破幹事長がブログで市民団体のデモを「テロ行為」と同一視。マスコミから集中砲火を浴びると、「何とかしてくれないか」と周囲に懇願する始末。
委員会採決当日には、委員会室の応援席に座った1年生議員たちが、緊張感のかけらもなく談笑。開会前には女性議員が答弁席に立ち答弁のまねごとをし、傍聴席から「遊びでやってるのか」との声が漏れた。
また計算どおりとはいえ、同じ党内からも「無理をしすぎ」(閣僚経験者)との声が出る国会運営で、盤石と思われてきた政権基盤が傷ついたのは確かだ。
「成長戦略実行国会」と安倍首相自らが呼びながら、今国会でのトルコ、UAEとの原子力協定の承認は時間切れ。原発輪出は安倍政権が成長戦略の柱としていただけに、「特定秘密保護法案に政治的パワーを使いすぎた。思わぬ誤算」と自民党幹部は振り返る。
そして6日、内閣不信任案や問責決議案が飛び交った後に成立。この幹部は「強行イメージがますます増幅して、内閣支持率は5、6ポイント下がるだろう」とも口にした。今回の国会運営が政権の体力をそぎ落としたのは確実だろう。
こうした強引な国会運営は、第1次安倍政権の命取りにもなった。姿見に映る第2次安倍政権は、そのころと相似形になっている。 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
平和安全法制 2015 

 

9月19日を新しい祝日とします  「憲法の命日」 
憲法は 時々の政治家により 
いかようにも解釈変更できることとなりました  黙祷

「我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律」、通称平和安全法制整備法と「国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律」、通称国際平和支援法の総称である。平和安全法制関連2法とも。マスメディア等からは安全保障関連法案、安保法案、安保法制、安全保障関連法、安保法と呼ばれる他、この法律に批判的な者や政党(民主党(現・民進党)、日本共産党、社会民主党等)が主に使用する戦争法という呼び方も存在する。
「我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案」(平和安全法制整備法案)は、自衛隊法、周辺事態法、船舶検査活動法、国連PKO協力法等の改正による自衛隊の役割拡大(在外邦人等の保護措置、米軍等の部隊の武器保護のための武器使用、米軍に対する物品役務の提供、「重要影響事態」への対処等)と、「存立危機事態」への対処に関する法制の整備を内容とする。
また、「国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律案」(国際平和支援法案)は、「国際平和共同対処事態」における協力支援活動等に関する制度を定めることを内容とする。
第3次安倍内閣は、2015年5月14日、国家安全保障会議及び閣議において、平和安全法制関連2法案を決定し、翌日、衆議院に提出した。
衆議院では、同年5月19日、我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会を設置して平和安全法制関連2法案が付託され、審議が開始された。7月15日、同特別委員会で採決が行われ、賛成多数により可決。翌7月16日には衆議院本会議で起立採決され、自民党・公明党・次世代の党(現:日本のこころを大切にする党)などの賛成により可決。参議院へ送付された。
参議院では、9月17日には、我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会で採決が行われ、賛成多数により可決。同日午後8時10分に参議院本会議開会。翌々日の9月19日午前0時10分には参議院本会議が改めて開会された。17日の参院特別委員会で採決が混乱し、野党側は無効だと指摘したが、鴻池祥肇委員長は本会議の冒頭、「採決の結果、原案通り可決すべきものと決定した」と報告。その後、各党が同法に賛成、反対の立場から討論を行った後、記名投票による採決がされ、自民党・公明党・次世代の党・新党改革・日本を元気にする会などの賛成多数により午前2時18分に可決・成立。さらに、政府は平和安全法制による自衛隊海外派遣をめぐる国会関与の強化について5党合意を尊重するとの閣議決定をした。同月30日に公布された。
政府は、平和安全法制関連2法が「公布の日から六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する」としていることを踏まえ、2016年3月22日の閣議で施行日を同月29日とする政令と自衛隊法施行令をはじめとする26本の関連政令を改正する政令を制定する閣議決定をした。2016年3月29日午前0時から施行した。
安保法案で野党が批判する「強行採決」とは? 
7月15日、集団的自衛権の行使を可能にすることなどを盛り込んだ安全保障関連法案が、衆議院の特別委員会で採決されました。民主党、維新の党、共産党は、委員会に出席はしたものの、政府案の採決には応じなかったため、与党のみで採決をする「強行採決」という形が取られました。国会の周辺では、この「強行採決」に反対するデモの声が響き渡りました。しかし、議会制民主主義は多数決で物事を決定していくシステムです。昨年の総選挙で多数を獲得した与党は、「民意」にしたがって決を取ったに過ぎないと考えることもできます。一体「強行採決」は、何が問題なのでしょうか。
法案1本あたりの審議時間は10時間?
「強行採決」とは、マスコミが作り出した用語であり、法律に定められているわけでもなく、厳密な定義もありません。実は、日本の法律は、そのほとんどが多数決ではなく「全会一致」で成立しています。与野党がきちんと議論をして修正をした上で、各党が共通して支持する法案が、圧倒的に多いのです。また、与野党で法案に対して部分的に賛否が分かれた場合でも、そのほとんどは、審議を打ち切ることについての与野党の合意があった上で採決をします。
しかし、法案の内容をめぐって与野党の主張が真っ向から対立する、いわゆる「対決法案」では、お互いに妥協の余地があまりありません。採決をするに足りる十分な議論ができていないとして、少数派である野党が採決をすること自体を拒否すると、多くの場合に与党側である委員長の職権で、与党だけでも採決を行うことができるルールになっています。この委員長職権による採決は、慣例上極めて例外なものとして位置づけられているため、話し合いを続けることを拒否する非民主的な方法という批判を込めて、「強行採決」というネーミングがされているのです。
与野党で主張が真正面から対立する「対決法案」の場合は、最終的に質問や討論で意見の違いを埋めることはできないため、議論をし続けることに意味はなく、多数決を取る事は何の問題もないと考えることもできるでしょう。しかし、中央大学法科大学院の佐藤信行教授(公法・英米法)は次のように指摘します。
「民主主義だから多数決で決めればいいというだけなら、極端な話、選挙で多数派が決まった時点で審議をやる必要もないし、国会も不要かもしれません。しかし、法案審議で丁寧な議論を尽くすことが重要なのです。野党があらゆるケースを想定して質問をし、与党がこれに対して明確に回答して行くことで、法案における利害関係の調整が適切かどうか、見落としていた論点はないか、制度の問題点はないかを明らかにできます。さらに、こうした議論を重ねることによって、法律が国会の手を離れて実際に執行される時に、どのような運用がされるのかについての基準をあらかじめ形作るという機能を有するのです」
今回の審議は、閣僚によって答弁の内容が異なるなど、不安定で明確性を欠くことも少なくありませんでした。また、具体的なケースを想定した質問がなされても、与党は曖昧な回答に終止しました。安保法案がどのように執行・運用されていくのかを統制する議論が十分になされていたかは、疑問があると言わざるを得ません。
そして、事実上の慣行として、平均すると一本の法案に対する審議には、80時間程度の時間が費やされます。与党は、今回の法案について、審議を110時間行ったから、「審議は十分尽くされた」という説明をしています。しかし、今回は「安保法案」という形でくくられているものの、その中身は11もの法律に及びます。単純に割れば、1つあたりは10時間程度となってしまい、審議時間が明らかに足りないとも考えられるのではないでしょうか。
中身のある議論はできていたのか
これに対して、前衆議院議員の三谷英弘弁護士は、次のように語ります。
「今回の法案は、大きく分けて、自衛権行使、後方支援、領域警備という3つのテーマに分類できると思います。具体的な数字としては11の法案ですが、論点が重なる部分もありますから、全てが個別の法案と考えることは適切ではないでしょう。一方、『安保法案』という1つの法案だというのはさすがに無理があります。議員経験から考えると、審議時間は110時間では十分とはいえず、全体として150時間くらいは必要だったのではないかと思います。」
しかし、単純にここから30〜40時間増やして審議すれば解決したのかというと、そうとはいえません。本質的な問題は、“中身のある”審議ができなかったことでした。今回の審議では、「自衛権」の中身を再定義した、維新の党の対案が出てきた事に、大きな価値があったと三谷弁護士は指摘します。
「維新の対案は、今回の法案について、『個別的自衛権』と『集団的自衛権』のどちらで説明するかといった言葉の問題という面もありましたが、『自衛権』の行使をどこまで統制するかということが具体的な論点として上がるきっかけになっていたのです。しかし、この対案が出されたのは、審議も終盤に差し掛かった、7月8日になってからでした。審議の場で法案の理解が深まったのは、この採決前の一週間に過ぎません。維新も、審議終了の間際になってからではなく、もっと早くに対案を出して審議時間を目一杯活用して堂々と議論をするべきでした」
今回は、与党が審議の時間をきちんと取っておらず、適切な答弁をしていないまま「強行採決」に踏み切ったということも、もちろん問題です。しかし、審議が始まった当初から80時間くらいは、野党も「戦争法案」などといったレッテル貼り・印象論に終始し、あまり具体的な議論が出すことができていなかったともいえます。三谷弁護士は、「与党にも猛省を求めたいですが、野党も闘い方が極めて稚拙だったと言わざるを得ません。両者とも強く批判されるべきです。有権者の皆さんも、印象論で賛成か反対かを考えるのではなく、国会の審議がきちんと議論の場になっているかを見定める姿勢を持って欲しい」と言います。
「強行採決」という言葉は否定的なイメージが強く、それ自体に目が行きがちですが、今回の問題の本質は、中身のある実質的な議論が十分にされなかったということに尽きます。採決がなされる瞬間、野党の議員が「自民党 感じ悪いよね」と書かれたプラカードをカメラに向かって掲げる光景は、今回の法案審議を象徴するものとして極めて印象的でした。民主主義は、議論のプロセスを充実させることに意義があるということを、改めて考えさせられます。 
安全保障法制改定法案の参議院強行採決と法案成立に抗議 東京弁護士会
本日未明、参議院本会議において、平和安全法制整備法案及び国際平和支援法案の採決が与党によって強行され、同法律が成立した。
しかし、これらの法律は、これまでも当会会長声明で繰り返し述べたとおり、他国の武力紛争にも加担して武力行使ができるようにする集団的自衛権の実現や、後方支援の名目で他国軍隊への弾薬・燃料の補給等を世界のあらゆる地域で可能とするもので、国際紛争を解決する手段としての戦争の放棄を定めた憲法9条に明らかに違反する。このことは、従前の政府の解釈でも確認されていたことである。
また、法律の専門家である元最高裁判所長官及び元判事や元内閣法制局長官、全国の憲法学者・研究者の大多数、及び全ての弁護士会も本法案を憲法違反と断じているのであり、にもかかわらず、安倍内閣は昨年7月の政府解釈を一方的に変更する閣議決定に基づき本法案を強引に国会提出してきたもので、このようなやり方は憲法をもって政治権力への統制規範とする立憲主義にも明らかに違反している。
さらに、直近の衆議院総選挙でも、本法案は争点とはなっておらず、国民は現政府・与党にこのような法案の成立まで委託したわけではない。そうであればこそ、各マスコミの世論調査によれば国民の約6割が法案に反対を表明し、約8割が「説明不足」だとしているのである。にもかかわらず、これらの声を無視し強引に本法案の成立を強行することは、国民主権の理念にも反するものである。
かかる状況下において、政府及び与党が衆議院に引き続き参議院でも本法案の採決を強行し、憲法9条・立憲主義・国民主権に違反する法律を成立させたことは、憲政史上の汚点であり、到底許されることではなく、強く抗議する。
今回、法律が成立したと言っても、それが憲法違反である以上、法律の効力は無効である。このような無効な法律に基づいて政府が政策を立案・実行していくことは到底許されるものではない。よって、違憲・無効な平和安全法制整備法及び国際平和支援法を、可及的に速やかに廃止するよう強く求めるものである。 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
お友達内閣 

 

 「電波停止・・・」
 森友学園 昭恵名誉校長
 「国有地、適切に処分した ・・・」
 「腹心の友」
 共謀罪審議
  「防衛省とし・・・お願いしたい」 
  「長靴業界はもうかった」
  TPP審議
 「東北で良かった」 
 「さっさと死ねるように」
  「ヒトラー 動機正しくてもダメ」 
 
 
 
 
 
テロ等組織犯罪準備罪 2017 

 

共謀罪 変じて  テロ等組織犯罪準備罪
特定秘密保護法  用意済み
どんな社会を目指しているのでしょうか
治安維持法で守られた  一党独裁の 「美しい国」
テロ等準備罪 共謀罪と連続性強い
「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案を巡って国会の議論が激しさを増している。テロ等準備罪は、過去3度廃案になった共謀罪の構成要件を絞り込んだものだ。国際組織犯罪防止条約を締結するのに本当に新たな法律が必要なのか。こういう法制度が市民生活に悪影響を与えることはないのか。課題や疑問はまだ解消されていない。政府は3月にも法案を閣議決定する予定だ。
犯罪集団、認定に裁量
条約は締結国に共謀罪か参加罪の法整備を求めている。日本は共謀罪を選択し、その場合、死刑または無期、もしくは長期4年以上の懲役・禁錮の罪が対象となる。国内の対象犯罪は676に及ぶが、「犯罪の内容に応じて対象を選別することはできない」との答弁書を政府は2005年に閣議決定し、国会で説明し続けてきた。
共謀罪を盛り込んだ法案が国会で焦点になっていた約10年前、与野党の実務責任者だった2人の元衆院議員の話をまず紹介したい。
「対象犯罪を百数十に絞る案を外務省や法務省の担当者と何度も検討して練り上げたのです。最低でもそこを出発点にしてほしい」
そう語るのは、09年まで自民党の衆院議員を務めた弁護士の早川忠孝氏だ。
3度目の法案が継続審議中だった07年、早川氏は自民党法務部会条約刑法検討小委員会の事務局長だった。その際、対象犯罪数を100台に絞っても条約の締結は可能との結論に政府担当者との間で至り、修正案の骨子をまとめた。
政府は閣議決定の内容に反し2年後、与党との間で大幅な対象犯罪の絞り込み作業を進めていた。
思い切って絞り込んだのはなぜか。共謀罪は、犯罪の合意だけで罪に問うものだ。既遂や未遂を罰する日本の刑事法の原則を大きく変える。拡大解釈によって内心の自由が侵害されるおそれが強い。
当時、自民、公明両党は衆院で3分の2以上を占めていた。ただし、後に政権交代する民主党には勢いがあった。自民党としても国民の不安の声に耳を傾けなければならないという緊張感があったと早川氏は振り返る。
「対象が広くても適用することはあり得ない」との政府担当者の説明をうのみにはできず、テロや銃器犯罪などに限定した。
ところが、修正案は小委員会限りで封印された。共謀罪の国会審議の動きが止まったためだ。早川氏は「自民党内に当時の議論を生かそうとする動きが見えないのは残念だ」と語る。
06年当時、民主党法務委員会の筆頭理事を務めていた弁護士の平岡秀夫氏は「政府は意図してうその解釈を貫いてきた」と厳しく批判する。
条約は「自国の国内法の基本原則に従って必要な立法措置をとる」と定め、各国の事情に配慮した法整備を認めている。04年に国連が各国の参考に作成した「立法ガイド」も同様に定める。米国のように共謀罪条項を留保して条約を締結した国もあった。
平岡氏は、殺人など重大犯罪に予備罪や準備罪の規定がある日本では新たな立法の必要性はないと考えたが、「条約を締結するためには法整備が必要だ」との政府サイドの説明にはね返された。
結局、そうした説明が足かせになり、民主党は当時、対象罪種を政府案の半数の約300にしか減らせない修正案をまとめた。06年の通常国会終盤では、自民党が民主党案の丸のみを打診し、最終的に決裂する騒動も起きた。
条約の締結のためには対象犯罪の選別ができないとしてきた過去の政府答弁との整合性は、やはり大きな論点だ。丁寧な説明が政府には求められる。
テロ等準備罪は、合意だけでなく実行の準備行為も要件に加え、犯罪主体を「組織的犯罪集団」に限定した点で、従来の共謀罪と根本的に異なると政府は強調する。
ただし、準備行為が加わったとしても、犯罪を共謀し計画することが罪とされる本質は変わらない。組織的犯罪集団の定義も極めて難しいと平岡氏は指摘する。
06年当時、与野党で共謀罪をめぐる法案の修正協議をしている段階で、既に組織的犯罪集団という言葉は登場していた。だが、「何をもって犯罪集団とするのかうまく定義づけられなかった」と平岡氏はいう。
実際、今回の法案を巡っても、民間の団体などは当たらないと政府は説明してきたが、「犯罪を行う団体に一変した場合は処罰の対象になる」と、最近になり微妙に見解を修正した。結局、警察や検察の認定次第ということだ。
国際的な連携の輪に加わるため、条約の締結は必要だろう。テロ対策の強化に異論をとなえる人もいないのではないか。
だが、捜査機関の裁量で、合意段階の罪を幅広く罰することができるような法制には、やはり慎重であるべきだ。捜査機関の判断を外からどうチェックできるのかも検討する必要があると考える。
具体的な事例に即した議論も活発化させてほしい。3日の衆院予算委員会では、政府が現行法では対処できないとした具体例が取り上げられた。犯罪組織が殺傷能力が高い化学薬品の原料を入手した場合や、航空機テロを計画し、航空券を予約した場合だ。
民進党の山尾志桜里氏は、サリン等人身被害防止法やハイジャック防止法の予備罪が適用できると指摘したのに対し、金田勝年法相が答弁に窮したり、議論がかみ合わなかったりした場面があった。
日本弁護士連合会で共謀罪の問題を担当する海渡雄一弁護士によると、警察庁の実務者が著した解説書や刑法の解説書を確認すると、原料入手や航空券の予約は予備罪の適用対象になると明確に書いてあるという。
海渡氏は「現行法制下でも共謀や予備、準備などで罰せられる罪は多数ある。また、銃の所持が比較的自由な米国と比べ、日本は銃刀法などで所持そのものが厳格に罰せられテロ防止に役立っている。法制全体を見て新たな立法の必要性を判断すべきだ」と述べる。
仮に条約締結やテロ対策のため現行法に欠けている部分があるならば、個別に検討し補うのが望ましい。国会は、具体的な議論を積み重ねることで、必要な立法のあり方を探るべきだ。

国際組織犯罪防止条約 / 国境を越えて発生する組織犯罪を防止することを目的に2000年に国連総会で採択された。日本も03年に国会承認されたが、政府は国内の法律が整っていないとして締結していない。187の国・地域が締結しており主要7カ国で未締結は日本のみ。 
「テロ等準備罪」新設法案 衆院通過 本会議で賛成多数で可決
「共謀罪」の構成要件を改めて「テロ等準備罪」を新設する法案は、5月23日、衆議院本会議で採決が行われ、自民・公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決され、参議院に送られました。
「共謀罪」の構成要件を改めて「テロ等準備罪」を新設する法案は、先週、衆議院法務委員会で、「テロ等準備罪」の取り調べの際の録音や録画の在り方を検討することなどを盛り込む修正を行ったうえで、自民・公明両党と日本維新の会の賛成多数で可決されました。
衆議院議院運営委員会は23日、理事会を断続的に開き、本会議で法案の採決を行うかどうか協議しましたが、与野党が折り合わず、佐藤委員長が職権で23日に採決を行うことを決め、予定よりおよそ2時間遅れて午後3時すぎから本会議が開かれました。
最初に行われた討論で、自民党は「テロを含む組織犯罪を未然に防止し、これと戦うための国際協力を促進するための国際組織犯罪防止条約の締結は急務であり、法案の不安や懸念は払拭(ふっしょく)された」と訴えました。
これに対し、民進党は「国連の特別報告者が人権への悪影響が懸念されると指摘するなど、『共謀罪』法案は悪法、欠陥法であり、可決することは将来に禍根を残す」と主張しました。
このあと投票による採決が行われ、法案は、自民・公明両党と、修正合意した日本維新の会などの賛成多数で可決され、参議院に送られました。
一方、自由党と社民党は、法案は委員会に差し戻すべきだとして、本会議を欠席しました。
法案は、テロ組織や暴力団などの組織的犯罪集団が、ハイジャックや薬物の密輸入などの重大な犯罪を計画し、メンバーの誰かが、資金または物品の手配、関係場所の下見、その他の準備行為を行った場合、計画した全員を処罰するとしていて、成立すれば、公布から20日後に施行されます。
法案の衆議院通過を受け、与党側は、参議院で速やかに審議に入り、今の国会で確実に成立させる方針なのに対し、野党側は「法案は人権侵害につながるものだ」として、引き続き徹底した審議を求め、廃案に追い込みたい考えで、論戦の舞台は参議院に移ります。
各党の反応
自民党の竹下国会対策委員長は、記者会見で「正常な採決で参議院に送ることができた。来月18日の会期末までの厳しい日程の中で、参議院にはこれから懸命の努力をしていただき、何としても会期内に可決・成立させてもらいたい」と述べました。
民進党の蓮舫代表は、記者団に対し「いとも簡単に数の力で押し切り、納得できない。野党の存在を全く無視して、軽んじ、『熟議は不必要だ』という姿勢は非常に残念だ。法案審議が深まらなかったのは、一にも二にも金田法務大臣の答弁能力のなさが理由だ。法案の構造も乱暴で、既存の刑法体系と整合性がとれるのかも、一切、金田大臣は答えていない。参議院ではしっかり慎重に審議すべきだ」と述べました。
公明党の井上幹事長は、党の代議士会で「法案の必要性について、国民の理解は相当進んでいると思うが、なお懸念を持っている方もいるので、参議院での議論を通じて、一層国民の理解が進むように丁寧に説明責任を果たしていきたい」と述べました。
共産党の志位委員長は、記者会見で「採決強行に断固抗議したい。金田法務大臣が1つ答弁をすれば、1つ問題点が増えるというような状況で、法案の根幹部分はぼろぼろになっている。恣意的(しいてき)な運用によって、国民の権利が侵害されるのではないかという不安が広がりつつある。国民的な戦いと野党の共闘を発展させ、参議院での論戦で必ず廃案に追い込みたい」と述べました。
日本維新の会の馬場幹事長は、記者会見で「法案を修正し、テロ等準備罪の容疑者の取り調べの『可視化』を確実に行うという方向性を位置づけ、一歩、二歩、正しい方向に進めることができたと自負している。今後とも『是々非々』で与党と対じしていく。わが党は、ほかの野党と共同歩調をとらないわけではないので、民進党は態度を改めて、『国民ファースト』でやってほしい」と述べました。
金田法相「引き続き丁寧に説明」
金田法務大臣は、記者団に対し「審議がしっかりと行われ、衆議院で法案が可決されたことは非常に意義深い。国民の安全と安心、そして明るい社会のために、ぜひとも必要で重要な法案だと、ご理解いただけた結果だ。これからも引き続き、法案の重要性と必要性を丁寧に説明していく」と述べました。
日弁連会長 廃案求める声明
「共謀罪」の構成要件を改めて「テロ等準備罪」を新設する法案が、23日、衆議院本会議で可決されたことを受けて、日弁連=日本弁護士連合会の中本和洋会長は、「法案は、監視社会を招き、市民の人権や自由を広く侵害するおそれが強く、法務委員会での審議で計画よりも前の段階から尾行や監視が可能となることが明らかになった。マンション建設反対の座り込みなども処罰対象となる可能性があり、テロ組織や暴力団だけでなく、一般市民も捜査の対象となり得るという懸念は払拭できない」として廃案を求める声明を出しました。 
究極の強行採決
犯罪を計画段階から処罰できるようにする「共謀罪」の趣旨を含む改正組織的犯罪処罰法が6月15日午前7時46分、参院本会議で自民・公明・日本維新の会などの賛成多数で可決、成立した。
「テロ等準備罪」法案をめぐっては、与党は今国会の会期末(18日)までに成立させることを目指していた。会期末が迫る中、与党が法案成立を磐石なものとするために用いたのが「中間報告」という手法だった。
これに対して、野党側は「乱暴なやり方だ」と反発。衆院で内閣不信任案を提出するなど、与野党の攻防は15日未明から朝にまで及んだが、最終的には与党側の採決強行で幕を閉じた。
自民党から中間報告の提案を受けた民進党の榛葉賀津也参院国対委員長は、国会審議の否定につながるとして「究極の強行採決だ」と批判した。 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
忖度の「闇」 2017  

 

森友学園問題の真相は財務省による「忖度」
学校法人「森友学園」(大阪市)が大阪府豊中市の国有地を評価額より大幅に安く取得した問題で、森友学園が小学校の設置認可を求めた申請を取り下げた。学園理事長の籠池泰典氏は、理事長を退任する意向を示したが、国有地売却を巡る「政治家の関与」は否定した。
14億円相当の国有地が実質200万円で売却された不可解な経緯に、政治家の関与があるのではないかと、野党は厳しく追及してきた。森友学園の要望が次々と実現した背景に、政治家の口利きがないというのはあり得ないとする見方が広がる一方で、それを示す確たる証拠は未だに出てきていない。安倍晋三首相は「私と家内、事務所も一切関わっていないと申し上げた。もし関わっていたら私は政治家として責任を取る」と明言している。
本稿は、安倍首相など閣僚級の政治家の関与はなかったのだろうと考える。むしろ「安倍首相に近い」とされる保守系の団体からの強い要求を、財務省が首相の意向を「忖度」して認めていったように思われる。しかし、安倍首相を支持しているとされる保守系の団体が、日本社会で不思議な影響力を持っているとするならば、それは「政治家の口利き」のような単純な話よりも、はるかに根が深く、嫌な問題になってくるのではないだろうか。
地方レベルの「政治家と保守系団体」の日常の付き合いとは
森友学園と政治家が、実際にどこまで接触していたのかを推測してみるところから始めてみたい。一般的に考えて、日常レベルで様々な接触があったと考えるのが自然だ。日本の地方政治の日常を見れば、運動会など学校行事等に地方政治家や国会議員が、選挙対策として顔を出すのはよく知られていることだ。特に、自民党や維新の会のような「保守」であれば、一応思想的にも近い。塚本幼稚園に顔を出し、「教育方針が素晴らしい」などリップサービスを交えた来賓祝辞もしていた政治家がいたことは、容易に想像できることである。
筆者は、大学のキャンパスが大阪にあるので、大阪の地方自治体・議会と若干なりとも交流がある。そこで、「維新の会」についての話を聞くことがある。ご存じの通り維新の会は、「既得権打破」「二重行政打破」を強く主張したきた。一方、「日本会議」のような、いわゆる「新しい保守」系の団体は、最近までいわば「マイナー」な組織に過ぎなかった。そういう意味で、同じくマイナーな存在同士であった、維新の会の地方議員と接近するのは容易に想像できる話だろう。
維新の会は地方レベルではいろいろなバックグラウンドを持つ議員がいる。自民党から維新に移ったコテコテの「土建屋政治家」の古株議員もいれば、若手には、流行りの言葉でいえば「オルタナ右翼」のようなレベルの議員も少なくないようだ。彼らと「新しい保守」系の団体とは、思想的な親和性もあり、互いに警戒することはほとんどなく、むしろ惹かれ合うように接近していったように思われる。
今回の件で、橋下徹元大阪市長や松井一郎大阪府知事など、維新の会のトップレベルと森友学園の深い関係が噂されている。しかし、それは松井知事の「面識がある程度」という説明を、素直に受け取っていいのではないだろうか。むしろ、それ以前の現場レベルでの、日常の付き合いがかなり密接にあったと考えるほうがいい。
地方政治家、鴻池氏、近畿財務局は動かず財務省理財局で土地取得は決められた
しかし、そんな日常的な付き合いが割と気楽に続いているうちに、森友学園側が「小学校を設置したい」と、いろいろな政治家に言い出すようになった。最初は地方議員に陳情を繰り返し、話がなかなか進まないと鴻池祥肇元防災担当相のような国会議員に陳情をしていったということだ。「学校の認可・設置に関する政治家への陳情」というだけならば、どこの地方でもよくあることで、「政治家が相談に乗る」「役所の担当者を紹介する」程度のことなら、別に珍しい話ではないだろう。ただし、今回はそれとは別次元の、土地取得に関するあまりに不可解な話がある。これについては、よくある話と片付けるわけにはいかないものである。
今回の件に関しては、鴻池事務所に対する籠池理事長の「陳情報告書」の記録が出てきている。そこには、鴻池元防災相の元秘書・黒川治兵庫県議会議員(自民党)や、中川隆弘大阪府議会議員(維新の会)らの名前が出てくる。彼らは、再三再四に渡って、籠池理事長から「鴻池事務所につないでほしい」と依頼を受けていた。そして、「相談に乗ってあげてよ」という形で、鴻池事務所につないだという。ここまでは、まだ通常の陳情の範囲内だ。
しかし、2016年3月に森友学園が、杭打ち工事を行う過程で新たな地下埋蔵物が発見されたことをきっかけに、資金不足のために土地を賃貸することから、突然購入に方針転換してからは、陳情攻勢のしつこさが尋常ではなくなった。報告書には、「うちはコンサル業ではありませんので」「うちは不動産屋と違いますので。当事者同士で交渉を!」「どこが教育者やねん!」「大阪府の担当者は、土地以外の(生徒募集)を一番懸念されているようですが」などと、籠池理事長のあまりにしつこい陳情に、鴻池事務所が呆れかえっていた様子が記されていた。
そして、籠池理事長は、要求に応じない近畿財務局を飛び越えて、財務省理財局を訪れて直談判に及んだ。その際、理事長は鴻池事務所にアポ取りを依頼したが、断られていた。しかしノーアポで理財局に乗り込み、ゴミ処理代を8億1900万円とする内諾を得て、評価額9億5600万円の国有地を、1億3400万円で購入したのである。
要するに、籠池理事長は地方・国の様々な政治家に接触し、近畿理財局にも掛け合ったが、国有地を安く購入することはできず、財務省理財局訪問のアポ取りさえ断られていた。理事長が理財局に直談判して、初めて森友学園の要求が通ったのである。つまり、地方議員も鴻池元防災相も、ルールに従って事務的に対応していた近畿理財局を動かすことはできなかったのだし、そもそも動かす気がなかったように思われる。全ては財務省理財局で決められたのであり、そこに政治家の関与、それも鴻池元防災相を超える「大物」が関与したかに焦点が絞られることになる。
安倍首相があえて保守系学校法人の土地取得に関与するとは考えられない
要するに、突き詰めると「安倍首相夫妻が森友学園の土地取得に関与していたか」が焦点となるわけだ。しかし、筆者は「現時点では」安倍首相夫妻の直接的関与はなかったと考えている。安倍首相は、第一次政権(2006年9月〜2007年9月)をわずか「365日」の短命政権に終わるという失敗を経験している。その一因は、「年金未納問題」や度重なる閣僚の「スキャンダル」などで支持率が低下し、求心力を失ったからだ。筆者は、スキャンダルが頻発したに背景には、「教育基本法改正」など、首相が保守的な信念を貫こうとして、左翼勢力を本気で怒らせたからだと考えている。
安倍首相は、2012年12月に政権復帰するにあたって、この第一次政権期の失敗から様々な教訓を得ていた(本連載2015.3.5付)。それは、政敵に隙を与えないために、「守り」を固めるということだ。例えば、首相は、自身の保守的な思想信条を表明するのに、非常に慎重である。もちろん、「特定秘密保護法」(2013.12.6付)、「安保法制」(2015.9.19付)など、「やりたい政策」を実現してきた。それでも、「アベノミクス」による経済重視を打ち出して、愚直に政策実現を目指した第一次政権期と比べれば、相当に慎重に振る舞ってきたのだ(2014.12.18付)。
そんな慎重な安倍首相が、保守系の学校法人の土地取得に関与するなど、危ない橋を渡るはずがないと思うのだ。本人ではなくても、スタッフが関与したというかもしれないが、本人以上にスタッフが慎重なはずで、ありえないことだ。もし本当に関与しているならば、即刻「内閣総辞職」に値する愚行であろう。
従って、森友学園が「安倍晋三記念小学校」という名称を使って寄付集めをしたことに抗議したことや、「何度も何度も断ったのに、しつこかった」という首相の国会での説明は、嘘を言っていると決めつけることはできないと思う。日頃の首相の慎重な行動から理解できる範囲のものだ。
一方、安倍昭恵夫人が、森友学園の小学校の名誉校長に就任し、講演会でその教育方針を賛美したことは、軽率であったと言わざるを得ない。しかし、擁護するわけではないが、端的に言えば、夫人が世間知らずで「天然ボケ」のお嬢様だったというだけの話だ。これも一般論になるが、政治家やその関係者に講演や取材の依頼は日々いろいろ来るものである。事務所は、相手の思想信条などあまり考慮せずに引き受けることはある。逆に、依頼を断るのは案外に難しいものである。
そして、講演になれば、目の前に座っている人たちに、ある種の「リップサービス」をすることはよくあることだ。例えば、首相・閣僚レベルでも、有名な森喜朗氏の首相在任時の講演での発言「日本は神の国」や、麻生太郎財務相が「ナチスの手口をまねたらどうかね?(会場から笑いが起こった)」と口が滑ったりしたような話である(2013.8.30付)。
それは、森氏や麻生氏が時代錯誤なとんでもない思想信条の持ち主だというより、その言葉だけ取り上げず、講演の前後の文脈も併せて聴けば、目の前の人を単純に笑わせただけだとわかる。安倍夫人の発言も、そういう類の話で、「今後気を付けてください」という厳重注意で済む話だ。それが直ちに、首相夫妻の土地取得やその他の便宜への関与の証拠というわけではない。「アッキード事件」というのは、明らかに限度を超えているだろう。
保守派は影響力があるという「空気」を断ち切らなくてはならない
そうすると、誰が関与して森友学園の国有地取得が実現したのかだが、基本的には政治家は誰も「口利き」はしていないのではないだろうか。財務省理財局が、籠池理事長の直談判を自らの判断で受け入れてしまったのだ。要は、籠池理事長が安倍首相と「近い関係にある」と思い、安倍首相の意向を「忖度」して、理財局の判断だけで話を通してしまったのではないだろうか。
これも一般論から入りたいと思うが、日本社会では、「うるさい人」がやってきたら、いちいち理屈で抵抗しないで、できるだけ触らない、関わらないということで話を通してしまうということがよくある。まして、権力を持つ人がバックにいるとなれば、なおさらである。
籠池理事長が財務省理財局に直接乗り込んできて、「安倍首相がバックにいる」とか、あることないことを言って圧力をかけたことは容易に想像できる。理財局からすれば、本当に首相がバックにいるのかどうかはわからない。しかし、杓子定規に断った後で、本当に首相が出てきたら面倒な話になってしまう。
麻生財務相が国会で「適切に処理した」と再三答弁しているように、国有地の売却自体は、財務省理財局の権限でできるもので、違法ではないのだろう。だから首相などに確認することもなく、通したということだろうか。それならば、至って「日本的な話」だということになる。
しかし、もう一歩踏み込んで考えると、話はもっと深刻なものになるかもしれない。安倍政権が長期政権化していき、次第に首相が特定秘密保護法、集団的自衛権から共謀罪、そして憲法改正へと「やりたい政策」を着実に進めていくようになると、それを支持する「日本会議」など保守派が、なんとなく政界に影響力を持っているような「空気」が流れているように思える(2016.11.8付)。
前述のように、政治家は地方でも中央でも、日常の活動において、日本会議の関連など保守的な団体に「いい顔」を見せて、その思想信条を素晴らしいなどと「リップサービス」を繰り返すようになっている。その空気は、中央の官僚組織の中心である財務省までもが、強く感じるようになっているのではないだろうか。そして、安倍首相に何も頼まれているわけではないのに、きっと首相が望むことだと「忖度」してやったことだとすれば、物事は単なる「政治家の関与」よりも、より根深く、面倒なものになるのではないだろうか。
さらに言えば、籠池理事長と財務省が接触した時期は、安倍首相と財務省が「軽減税率」を巡って激しい攻防戦を繰り広げた後であった(2015.12.22付)。そして、首相がノーベル経済学賞の受賞者を官邸に招き、「消費増税延期のお墨付き」を得ようとした時期でもある(2016.4.12付)。財務省と首相の関係が悪化していた時期だったといえる。財務省が首相のご機嫌を取り、関係改善のために行ったことが、「首相を支持する保守的な団体の国有地取得に便宜を図ること」だったとすれば、大問題であろう。
おそらく、この問題は籠池理事長の辞任と、小学校の認可申請取り下げで、幕引きを図る方向に向かうのだろう。安倍首相など「政治家の関与」も、確たる証拠は出てこないだろう。しかし、野党は追及の手を緩めるべきではない。前回論じたように、この機会に、自民党と保守派の不適切な関係を絶たせるべきである(2017.2.28付)。単なる政治家のスキャンダルという以上のより深刻な問題が、日本社会の地方の現場レベルから、中央政界・官界にまで静かに広がりつつあることを、見逃すわけにはいかないのではないだろうか。 
 
 
 
加計学園疑惑

 

岡山県に本拠を置く加計学園グループ。複数の大学、幼稚園、保育園、小中高、専門学校など様々な教育事業を配下に収める一大教育グループで、現理事長の加計孝太郎氏は、安倍首相の30年来の親友だ。
首相は加計氏のことを「どんな時も心の奥でつながっている友人、腹心の友だ」と、昭恵夫人は加計学園が運営する認可外保育施設の「名誉園長」を務めていた。
親友が経営する大学を、政府が国家戦略特区に定めて規制緩和。本来、認可されるはずのない新学部の設置を認め、約37億円の市有地がこの大学に無償譲渡されることになった。
経緯
加計学園はもともと、10年前から今治市に岡山理科大獣医学部キャンパスの新設を申請していたのだが、文科省は獣医師の質の確保を理由に獣医師養成学部・学科の入学定員を制限しており、今治市による獣医学部誘致のための構造改革特区申請を15回もはねつけてきた。ところが、第二次安倍政権が発足すると一転、首相は2015年12月、今治市を全国10番目の国家戦略特区にすると決め、16年11月には獣医学部の新設に向けた制度見直しを表明するなど、開校に向けた制度設計を急激に進めた。
今年1月4日、国が今治市と広島県の国家戦略特区で獣医師養成学部の新設を認める特例措置を告示、公募を開始した。募集期間は僅か1週間。案の定、応募したのは加計学園だけ。首相を議長とする国家戦略特区諮問会議は、1月20日、同学園を事業者として認可し、今治市はこれを受け、市有地約17万m2(約37億円)を加計学園に無償譲渡することを決定した。
周辺
首相の側近的役割を務めた官僚の加計学園天下り。
行政による隠蔽疑惑。[「(文部科学省)国家戦略特区等提案検討要請回答」、その内容及び省庁の回答などすべて「非公表」とされている。]
感想
直接的な金銭授受はなくとも、経緯の本質は「収賄」「あっせん収賄」と同じ。
官邸は「事実ではない」と根拠も示さず切り抜けようとしている。政権が事実認定する、「政権が言うことが事実であり、正しい」というやり方は、大昔の独裁政治の論法では。
前川発言の背景
2014年発足の内閣人事局が、霞が関の幹部人事権の全てを握るようになり、全省庁が完全屈服の状態になった。  
 

 

 

 

 
 
日本共産党の重点政策

 

1、森友・加計疑惑を徹底究明し、国政の私物化を許しません
安倍首相の昭恵夫人が名誉校長だった森友学園に、国有地が8億円も値引きされてタダ同然で払い下げられていました。安倍首相の「腹心の友」という加計孝太郎氏が長年にわたって要望してきた獣医学部新設が、安倍首相が議長の国家戦略特区会議で唯一例外的に認められました。安倍首相夫妻の「お友達」に、行政がゆがめられて特別の便宜が図られたという、重大な国政の私物化疑惑です。
国民の7〜8割が安倍首相の説明に「納得できない」と言っています。「資料は捨てた」「記憶にない」を繰り返しながら「手続きは適正」と開き直る、批判をする者は「悪者」扱いして権力を使ってつぶそうとする、都合の悪い事実が明らかになると「私は知らない」「秘書官や役人が勝手にやった」と部下に責任を押し付ける――こんな説明に国民が納得できないのは当然です。
真相究明の最大の障害になっているのは、安倍昭恵夫人、加計孝太郎氏という2人のキーパーソンが口をつぐんで何も語ろうとしないことです。日本の行政を法治国家としてまともな姿にするためにも疑惑の徹底究明は不可欠です。
―安倍昭恵氏、加計孝太郎氏ら、関係者の証人喚問をはじめ、国会の強力な国政調査権を使った真相究明を求めます。
―「国民の知る権利」の立場にたって、公文書管理と情報公開のあり方を根本からあらため、公正・公平な行政を確立します。
―内閣人事局を廃止し、「全体の奉仕者」としての公務員にふさわしい人事制度を確立します。
2、安保法制=戦争法、特定秘密保護法、共謀罪法を廃止し、立憲主義・民主主義・平和主義を取り戻します
立憲主義をこわし、「海外で戦争する国」づくりをさらにすすめるのか、それとも立憲主義と民主主義、平和主義を取り戻し、「個人の尊厳」を守り大切にする社会を築くのか――いま日本の政治に鋭く問われています。
立憲主義とは、憲法によって権力を縛るということです。国会で多数を持つ政権党であっても、憲法の枠組みに反する政治を行ってはならないということです。これを破壊した政治は、権力行使に抑制がなくなり、強権・独裁政治となります。
安倍政権は、2013年12月、国民の目、耳、口をふさぎ、戦争に動員する秘密保護法を強行しました。2015年9月、「憲法9条のもとでは集団的自衛権は行使できない」という戦後60余年にわたる政府の憲法解釈を百八十度覆して、安保法制=戦争法を強行しました。そして、今年6月、国民の思想や内心まで取り締まる共謀罪法を強行しました。
この三つは、すべてが憲法違反の法律であり、すべてが「海外で戦争する国」づくりの道具立てにほかなりません。
国民が知らないところで戦争に参加する安保法制=戦争法の廃止は急務です
安保法制=戦争法には、(1)「戦闘地域」での米軍等への兵站(へいたん)の拡大、(2)戦乱が続いている地域での治安活動、(3)地球のどこでも米軍を守るための武器使用、(4)集団的自衛権行使という、自衛隊の海外での武力行使を可能にする四つの仕組みが盛り込まれています。アメリカが起こす戦争に、世界中で、切れ目なく、自衛隊が参戦する道を開くものです。憲法違反の安保法制=戦争法は、きっぱり廃止しなければなりません。
菅官房長官は、北朝鮮問題にかかわって、「安保法制を成立させて本当に良かった」といい、小野寺防衛相は、「我が国の安全も一層確実なものになった」とのべています。しかし、現実は全く反対です。安保法制=戦争法の存在が、日本を深刻な危険にさらしています。
この間、安倍政権は安保法制の発動として、北朝鮮の核・ミサイル開発で軍事的緊張が高まるなか、海上自衛艦による「米艦防護」、「燃料補給」を実施しています。
重大なのは、国民が全く知らないところで、こうした活動が実施されていることです。政府は、国会で聞かれても、「米軍等の活動への影響と相手との関係」を理由に具体的な内容を明らかにすることを拒否しています。
こうした日米軍事一体化の推進は、地域の軍事的緊張の悪循環をひどくすることになります。万一、米朝間で軍事衝突が起こった場合、日本が自動的に参戦し、戦争の当事国となる危険が現実のものになっています。国民が知らないところで日本が戦争の当事国になることは絶対に許せません。北朝鮮問題とのかかわりでも、安保法制=戦争法を廃止することは、喫緊の課題となっています。
―市民と野党が力をあわせ、安保法制=戦争法、秘密保護法、共謀罪法――三つの違憲立法をそろって廃止し、日本の政治に立憲主義・民主主義・平和主義を取り戻します。
―集団的自衛権行使容認の「閣議決定」を撤回します。
3、北朝鮮問題の「対話による平和的解決」のイニシアチブを
北朝鮮が核実験、弾道ミサイル発射を繰り返していることは、絶対に許すわけにはいきません。強く抗議・糾弾します。
同時に、戦争を絶対におこしてはなりません。トランプ米大統領が「米国や同盟国の防衛を迫られる事態になれば、北朝鮮を完全に破壊するしか選択肢はない」と恫喝(どうかつ)し、北朝鮮も「史上最高の超強硬な対応措置の断行を検討する」と恫喝でこたえるなど、恫喝と恫喝の応酬となっていることは、たいへんに危険です。
今、一番危険なのは、米朝の軍事的緊張の激化のもと、当事者たちの意図にも反して、偶発や誤算から軍事衝突が起こり、それが戦争へと発展し、周辺国や日本に波及することです。万一、戦争となれば、その戦争が核戦争になる危険があります。それをいかに回避するかが緊急の課題となっています。
北朝鮮問題の解決の唯一の道は、経済制裁強化と一体に「対話による平和的解決」に知恵と力を尽くすこと、これ以外にありません。「対話による平和的解決」は、国連安保理決議にも明確にうたわれています。世界の多くの首脳、ドイツのメルケル首相、フランスのマクロン大統領、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領なども「対話による平和的解決」を主張しています。
ところが、安倍首相は、「対話ではなく圧力を」と異常な「対話否定論」を繰り返しています。「すべての選択肢はテーブルの上にあるという米国の立場を支持する」とアメリカによる軍事力行使を公然と容認しています。安保法制=戦争法を発動し、日米軍事一体化をすすめています。こうした態度こそ一番危険です。
―北朝鮮が、核実験・弾道ミサイル発射を繰り返していることは絶対に許せません。断固抗議・糾弾します。
―国際社会が、国連安保理決議に基づき、経済制裁の強化と一体に「対話を通じた平和的解決」をはかることを強く求めます。
―米朝両国が、軍事的緊張をエスカレートさせる行為を自制するとともに、危機打開のために直接対話に踏み出すことを強く求めます。
―日本政府が、「対話否定論」にしがみつく態度を改め、「対話による平和的解決」をはかるイニシアチブを発揮することを強く求めます。
4、消費税10%増税の中止。格差をただし、くらしを応援する経済政策に
消費税10%増税の中止を求めます
安倍首相は、「増税の一部を教育・子育てにまわす」などと、切実な願いを逆手にとって、2度も延期した消費税率10%への大増税を、今度こそ国民に押し付けようとしています。安倍政権が行った2014年4月の8%増税は何をもたらしたでしょうか。増税後の41カ月で家計消費が前年同月を上回ったのは、たった4カ月で、37カ月はマイナスです。政府は増税の影響は「一時的」と言いましたが、3年以上経過しても、深刻な消費不況が続いています。こんな時に、10%への大増税をやれば、経済もくらしもどん底に突き落とします。
―国民のみなさんと力をあわせ、消費税10%増税を中止させます。
1%の富裕層・大企業のためでなく、99%の人々のために――経済民主主義の改革をすすめます
「アベノミクス」によって、株価は2倍に上がり、円安差益や大企業減税で、富裕層や大企業は巨額の利益をあげましたが、賃金は上がらず、消費税増税と社会保障改悪の連続による負担増で、国民のくらしは痛めつけられ、格差と貧困はますます拡大しました。
いま求められているのは、大企業や富裕層ばかりを応援する経済政策を転換して、格差と貧困をただし、国民のくらしを応援する経済民主主義の改革をすすめることです。日本共産党は、そのために「四つの改革」をすすめます。
(1) 税金の改革――消費税増税の中止。大企業と大資産家に応分の負担を求め、財源を確保するとともに、格差を是正します
安倍政権は、消費税を増税する一方で、大企業には4兆円もの大減税を行いました。株式配当や譲渡益への課税は低く抑えられているために、富裕層の税負担は大幅に軽減されています。
所得税は累進課税で、本当ならば所得が多いほど負担率が高いはずなのに、所得が1億円程度を超えると、逆に負担率が下がってしまいます。富裕層の所得の大部分を占めている株のもうけへの税率が低いからです。
法人税の実質負担率も、中小企業では19%前後なのに、大企業は12%程度にしかなりません。もっぱら大企業だけが利用している優遇税制がたくさんあるからです。
こうした税制のゆがみをあらため、「能力に応じた負担」の原則に立った改革をすすめれば、格差を是正しながら、社会保障や教育、くらしの予算のための財源を確保することができます。当面、大企業や富裕層優遇の仕組みをあらためることで、歳出改革とあわせて17兆円を確保できます。
―研究開発減税、受取配当益金不算入制度、連結納税制度など、もっぱら大企業が利用している優遇税制を大幅に縮減します。29・7%まで引き下げられた法人実効税率を、中小企業を除いて、安倍政権以前の水準(37%)まで戻します。こうした改革で、大企業の実質負担率を中小企業と同水準に引き上げることになります。
―20%と低い証券優遇税制の税率を欧米並みに引き上げ、配当は総合累進課税とし、株式譲渡所得は、高額の部分に30%の税率を適用します。最高税率を所得税・住民税は55%から65%に、相続税は55%から70%に戻します。富裕層の資産に対して低率で毎年課税する「富裕税」を創設します。
―厚生・共済年金や健康保険、介護保険などの標準報酬額の上限を引き上げ、富裕層に応分の負担を求めます。
さらに、景気を回復させ国民の所得が増え、社会保障や教育の抜本的改革に取り組む段階では、所得税に累進的に上乗せして6兆円、安定的な経済成長によって10年間で20兆円程度の税の増収も見込めます。
(2) 予算の改革――社会保障・教育・子育て・若者を優先し、格差と貧困の是正に役立つ予算を増やします
日本の国民1人当たりの公的社会支出は、ドイツの8割、フランスの7割です。社会保障給付費の対GDP比は、1990年代以来、高齢化によって上がり続けてきましたが、2012年末の安倍政権発足後、3年連続で下がりました。
日本の教育への公的支出(対GDP比)は、先進国で最低レベルの状態が長年続いています。ところが安倍政権が組んだ今年の教育予算は、5年前より600億円削っています。
日本は、「高齢者への社会保障に偏っている」のではなく、経済の実力に比して、高齢者にも、子育て世代にも、若者にも、国民全体に冷たい政治が続いてきたうえに、安倍政権がさらにひどくしたのです。社会保障、教育、子育て、若者への支援など、格差と貧困を是正し、国民のくらしと日本の将来に役立つ支出を名実ともに“予算の主役”にすえる改革に踏みだします。
社会保障削減を中止し、拡充へと転換します
安倍政権は、この5年間で社会保障予算の「自然増」を1兆4600億円削減し、社会保障を劣悪にしながら、“小泉内閣を上回る規模で社会保障費を削った”と自慢しています。安倍政権の「自然増削減」は、医療費の負担増、介護の利用料値上げ、生活保護費の切り下げなど、社会保障制度の基盤を掘り崩し、国民生活に深刻な打撃を与えています。「自然増削減」以外にも、「すでに決まっていた」ことだからと、年金額の1兆7000億円削減や年金保険料の値上げを冷酷にすすめました。これらをあわせた国民が受けた被害――負担増と給付減は、6兆5000億円にものぼります。
日本共産党は、年金・医療・介護・福祉を大本から立て直し、憲法25条の定める生存権保障にふさわしい制度へと改革していきます。
―年金削減をストップし、低年金を底上げして“減らない年金、頼れる年金”を実現します。最低保障年金制度をめざします。
―国民健康保険料(税)の1人1万円(4人家族で4万円)値下げ、医療費の窓口負担の引き下げをすすめます。後期高齢者医療保険料の値上げをやめ、高齢者差別の制度を廃止します。
―診療報酬の引き上げ、医師・看護師の増員で「医療崩壊」を打開します。保険外負担・混合診療の拡大をやめ、保険診療を拡充します。
―特養ホームなど介護施設を増設し、「介護難民」を解消します。介護サービスの取り上げをやめ、保険給付を拡充し、利用料・保険料の負担減免をすすめます。介護報酬を引き上げ、介護・福祉労働者の賃上げと労働条件の改善をはかります。
―障害者・児の福祉・医療の「応益負担」を撤廃し、無料化をすすめます。
―生活保護の改悪をやめさせ、国民の命と人権をまもる制度として改善・強化します。
―雇用保険の拡充、失業者への生活援助、再就職支援をすすめます。
―望まない受動喫煙の全面禁止に向けた法改正をすすめます。
教育の無償化をすすめます
大学の学費は世界でも異常に高く、奨学金はきわめて不十分です。憲法で「無償」と定められている義務教育でも、制服や教材、部活動、給食費などで年間十数万円の保護者負担があります(文科省調査)。
日本の教育への公的支出(GDP比3・2%)を先進国の平均(同4・4%)並みにすれば、あと6兆円の公的支出が増えることになります。教育・子育てに予算を使う政治に変えていきます。
―義務教育期間中の教育費負担を解消します。
―幼児教育・保育の無償化を、待機児童解消とともに進めます。
―高校授業料を完全無償化します。
―高等教育の無償化をめざし、当面10年間かけて国公私立の学費を半額にします。給付制奨学金の抜本拡充と、貸与制奨学金の無利子化に取り組みます。
―少人数学級の推進をはじめ教育条件の整備をすすめます。教員の多忙化解消に取り組みます。臨時教員の待遇改善と正規化をすすめます。
保育園待機児問題の解決を
公約していた「2017年度までの待機児解消」はできないと白旗をあげた安倍政権の新たな待機児解消策の目玉は、企業主導型保育と幼稚園の2歳児預かりの推進です。企業主導型保育は、有資格の保育士が半数でもよい認可外施設です。「保育園に入れない」という保護者の願いにこたえる本筋は、認可保育所の増設です。そのためにも、保育を支える要となる保育士・保育所職員の抜本的な処遇改善が必要です。
―公立保育所をはじめ30万人分の認可保育所を緊急に増設します。
―保育所の建設や分園設置などを助成する新たな財政支援の制度を創設し、廃止された運営費の国庫負担分を復活します。
―保育士・保育所職員の賃上げをすすめ、専門性にふさわしい処遇に改善します。非正規保育士の正規雇用化をすすめます。
―学童保育の待機児を解消し、指導員の処遇を改善します。大規模化と詰め込みを解消し、子どもたちが安全にのびのびとすごせる場として充実させます。
史上最大規模に膨れ上がった軍事費と無駄な大型開発にメスを入れ、くらしに回します
―安倍政権が5年連続増額し5兆2千億円にまで膨れ上がった軍事費を削減します。イージス艦やオスプレイ、F35ステルス戦闘機、無人機グローバルホークなど、「海外で戦争する国」づくりに向けた軍拡や、アメリカの軍需産業から高額な兵器を買わされている問題にメスをいれます。米軍への「思いやり予算」を廃止します。
―安倍政権になって、1件当たり10億円以上の大型工事が1・5兆円も増えています。大型開発中心の公共事業を、生活密着・安全対策優先に切り替えます。
(3) 本物の働き方の改革――8時間働けばふつうにくらせる社会に
政府は総選挙後の国会に、残業代ゼロ法案と、「過労死ライン」までの長時間労働にお墨付きを与える法改悪を一本化した労働基準法改悪案を上程しようとしています。
安倍政権がすすめる「働き方改革」は、過労死の根絶や安定した雇用で人間らしい労働を実現するものではなく、財界・大企業の利益を追求する経済対策にすぎません。
安倍政権は、「賃上げ」を言いながら、逆に実質賃金を年間10万円低下させました。その一方で、安倍政権のもとで大企業の内部留保は、労働者1人当たりで825万円、年平均で約200万円増えています。増えた分の1〜2割程度を回しただけで、月額2万円の賃上げが可能になるのです。
日本共産党は、安倍政権の雇用・労働・賃上げ政策を根本から転換し、長時間労働と過労死をなくし、まともな賃上げを実現して、「8時間働けばふつうにくらせる社会」の実現をめざします。
長時間労働をなくし、安定した雇用を創出します
―「残業代ゼロ法案」に断固反対します。「残業は週15時間、月45時間、年360時間まで」という大臣告示を法制化、終業から翌日の始業まで最低11時間空けるインターバルの確保など、労働基準法を改正します。
―1日2時間を超える残業、連続3日以上の残業は、残業代の割増率を現行の25%から50%に引き上げ、長時間・連日残業の常態化を防ぎます。
ブラック企業、ブラックバイトをなくします
―違法な「サービス残業」が発覚したら残業代を2倍にして払わせるなど、「ただ働き」を根絶します。
―離職者数や過去の労働法違反の経歴など、労働条件や職場環境の実態がわかる企業情報を公開させます。
―パワハラ行為を行った企業には、労働基準監督署などが助言、指導、勧告を行い、勧告に従わない企業名を公表します。
雇用のルールを強化し、非正規から正規への流れをつくります
―労働者派遣法を抜本改正し、派遣労働は臨時的・一時的業務に限定して、正社員の派遣労働への置き換えをなくします。
―同一労働同一賃金、均等待遇を、労働基準法、男女雇用機会均等法、パート労働法、労働者派遣法に明記するなど、非正規への不当な差別・格差をなくします。
まともな賃上げを実現します
―大企業が企業内部にためこんだ巨額の内部留保を賃上げに回すことを求めます。
―最低賃金を時給1000円に引き上げ、さらに1500円をめざします。社会保険料減免や賃金助成など、中小企業の賃上げに本格的な支援を行います。最低賃金の地域間格差を是正し、全国一律最低賃金制に踏み出します。
―公契約法(条例)をつくり、官製ワーキングプアをなくします。
(4) 地域経済の再生――大都市と地方、大企業と中小企業の格差を是正します日本経済の根幹である中小企業を応援します
中小企業基本法が1999年に改悪され、まがりなりにも掲げていた中小企業と大企業の「格差是正」が投げ捨てられました。「市場まかせで生き残れば経済は強くなる」という政策のもとで中小企業の淘汰(とうた)がすすみ、423万あった小規模事業所は、4分の1が減りました。賃金は、中規模事業所(従業員30人〜99人)で大企業の6割、小規模事業所(同5人〜29人)では5割という大きな格差があります(製造業、常用)。
―中小企業を日本経済の根幹にふさわしく振興します。大企業と中小企業との公正な取引のルールを確立し、中小企業で働く人の賃金格差を是正します。
―「選別と淘汰」でなく、中小企業全体を視野に入れた振興・支援策に転換し、国の中小企業予算を1兆円に増額します。
農業を基幹産業に位置付け、地域振興策の柱として振興します
農業は2000年代に入って、15年間の平均で総産出額が7%減となり、農業所得は13%ものマイナスとなっています。10年間に中心となる担い手(基幹的農業従事者)が、52万人(26%)減りました。先進国で最低レベルの食料自給率は、さらに悪化して38%です。ところが安倍政権は、農業でも「競争力強化」と言いながら、農業経営を支えてきた所得補償を農業者の反対の声を無視して廃止しようとしています。
―安倍政権による米の直接支払交付金制度の廃止をやめ、農産物の価格保障・所得補償を抜本的に強化します。新規就農者支援法を制定し、新たな担い手を増やす取り組みを強化します。食料自給率を50%まで引き上げることを目標とし、農林水産業を再生させます。
―農林漁業の振興を地域振興の柱にすえます。農業と地域経済の継続・発展に、地域をあげて共同して取り組みます。
―公共建築への国産材利用促進など林業振興策をすすめます。魚価安定対策の強化や資源管理型漁業など、漁業経営をささえます。
―TPPの“復活”交渉はきっぱり中止し、各国国民のくらし、食料主権、経済主権を互いに尊重する公正・平等な貿易と投資のルールをつくるよう強く求めます。
―安倍政権がすすめている日欧EPAの締結に反対し、「大枠合意」の撤回を求めます。交渉経過を秘密にし、国民のくらしや地域経済への影響も明らかにしないまま締結を急ぐことは許されません。農林分野でTPPを上回る譲歩をしていることも大問題です。 鉄道路線の廃止に歯止めをかけ、住民の足と地方再生の基盤を守ります――国がJR北海道の路線廃止を食い止める緊急対策を行うなど、全国の鉄道網を維持するために国に責任をはたさせます。公共交通基金を創設し、全国鉄道網を維持するための安定的な財源を確保します。
カジノ導入に反対します――刑法で犯罪として禁止されてきた賭博行為の解禁は許されません。地域経済に貢献もせず、ギャンブル依存症を増やすなどの深刻な被害をもたらすカジノ導入に反対します。
5、安倍政権による9条改悪に反対し、憲法9条にもとづく平和の外交戦略を確立します
無制限の海外での武力行使を可能にする9条改憲を許しません
安倍首相は、5月3日、2020年までにと期限をきって「憲法9条1項、2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込む」などと主張しました。首相が、具体的な期限と条文を明確にして改憲の意思を明らかにしたのは、戦後初めてのことです。今度の総選挙は、初めて9条改定が問われることになります。安倍政権とともに、「維新」や「希望」も9条改定をとなえています。
9条に自衛隊を書き込もうという改憲案は、単に存在する自衛隊を憲法上追認するだけではありません。「後からつくった法律は、前の法律に優先する」というのが、法の一般原則です(後法優先の原則)。たとえ9条2項(戦力不保持・交戦権の否認)を残したとしても、別の独立した項目で自衛隊の存在理由が明記されれば、2項が空文化=死文化することは避けられません。世界に誇る平和主義をさだめた9条によって、逆に無制限の海外での武力行使が可能になってしまいます。これこそが、安倍首相の9条改憲の正体です。
首相が憲法9条に書き込もうとしている自衛隊とは、安保法制=戦争法によって集団的自衛権の行使が可能となった自衛隊です。これを憲法に書き込むということは、憲法違反の安保法制を合憲にするということにほかなりません。
―安倍政権による憲法9条改定に反対します。
憲法9条の精神にたった平和の外交戦略で、北東アジアの平和と安定を築きます
北東アジアには、北朝鮮によって繰り返される核実験やミサイル発射など、さまざまな緊張や紛争の火種がありますが、それらに対して、もっぱら軍事で構えたら「軍事対軍事」の悪循環におちいってしまいます。いま何よりも大切なのは、憲法9条の精神にたった外交戦略を確立することです。
日本共産党は、北東アジアに存在する紛争と緊張を、平和的・外交的手段によって解決する抜本的対案として、次の四つの目標と原則からなる「北東アジア平和協力構想」を提唱しています。
北東アジア平和協力構想
(1)紛争の平和解決のルールを定めた北東アジア規模の「友好協力条約」を締結する。
(2)北朝鮮問題を「6カ国協議」で解決し、この枠組みを地域の平和と安定の枠組みに発展させる。
(3)領土問題の外交的解決をめざし、紛争をエスカレートさせない行動規範を結ぶ。
(4)日本が過去に行った侵略戦争と植民地支配の反省は、不可欠の土台になる。
これは、すでに東南アジア諸国連合(ASEAN)がつくっている東南アジア友好協力条約(TAC)のような紛争を話し合いで解決する平和の枠組みを、北東アジアにも構築しようという提案です。
変えるべきは憲法でなく、憲法をないがしろにした政治です
日本国憲法は、憲法9条という世界で最もすすんだ恒久平和主義の条項をもち、30条にわたるきわめて豊かで先駆的な人権規定が盛り込まれています。変えるべきは憲法でなく、憲法をないがしろにした政治です。世界に誇る日本国憲法の進歩的な諸条項を生かした新しい日本をつくるために力をつくします。
―現行憲法の前文をふくむ全条項をまもり、とくに平和的民主的諸条項の完全実施をめざします。
6、核兵器禁止条約――唯一の戦争被爆国、日本政府は署名せよの審判をくだそう
今年7月7日、核兵器禁止条約が国連加盟国の3分の2にあたる122カ国の賛成で採択されました。
核兵器禁止条約は、核兵器の非人道性を厳しく告発するとともに、その「開発、実験、生産、保有、使用、使用の威嚇」などを全面禁止しました。核兵器が非人道的、反道徳的であるというだけでなく、人類史上初めて、核兵器を違法化し、「悪の烙印(らくいん)」を押すという画期的なものとなりました。日本共産党は、国連本部で行われた核兵器禁止条約の交渉に参加し、条約実現のために努力しました。
ところが、唯一の戦争被爆国である日本政府は禁止条約に背を向け、「署名、批准を行う考えはない」(安倍首相)として、世界の流れに逆行する恥ずべき態度を取っています。被爆者から激しい怒りの声が上がり、長崎の被爆者は首相に直接、「あなたはどこの国の総理ですか」と訴えました。アメリカの「核戦略」にしがみつき、被爆者はじめ国民多数の願いを無視する日本政府の立場が根本から問われています。
―日本政府に核兵器禁止条約に署名することを強く求めます。
―国民の力で禁止条約に署名する政府をつくることをよびかけます。
7、米軍の新基地建設を中止し、基地のない平和で豊かな沖縄をつくります
民意を踏みにじる米軍基地建設の中止を
沖縄では、名護市長選挙、県知事選挙、総選挙、参議院選挙と、繰り返し新基地建設反対の圧倒的審判がくだされています。にもかかわらず、安倍政権は「日米同盟の強化」を前面に打ち出し、名護市辺野古の新基地建設を強権的にすすめています。日米両政府は8月の安全保障協議委員会(2プラス2)で、辺野古の新基地建設が「唯一の解決策」と確認し、建設計画を乱暴に強行しています。
沖縄県の翁長知事は「県の再三の要請にも行政指導にも応じず、国ともあろう者が法令をすり抜けることに心血を注ぎ、強硬に新基地建設を推し進める姿勢は、法治国家という言葉にはほど遠い」と厳しく批判しています。「日米同盟」のためなら、沖縄県民の民意も民主主義も地方自治も踏みにじっても構わないというのでしょうか。
いやしくも民主主義国家を標榜(ひょうぼう)するならば、安倍政権は、県民の意思を重く受け止めて、新基地建設をきっぱり断念すべきです。普天間基地の閉鎖・撤去にただちに取り組むべきです。
―沖縄県民の民意を無視した新基地建設をストップさせます。
―普天間基地の無条件撤去を求めます。
―基地のない平和で豊かな沖縄をつくるために全力をあげます。
オスプレイの訓練中止、配備撤回を求めます
昨年12月、米海兵隊のオスプレイが名護市の海岸に墜落しました。その後も、オーストラリア沖やシリアでの墜落事故、大分空港や石垣空港への緊急着陸や機体から白煙を上げて飛び立てなくなるなどの事態が相次いでいます。ところが、米軍はいずれも詳しい情報を明らかにせず、「機械的、構造的、システム上の欠陥はない」などと繰り返し、日本政府は「理解」を表明しています。日本国民の安全よりも「日米同盟」を優先するもので、主権国家として恥ずべき態度です。
オスプレイは、日本全国の重大問題です。沖縄配備のオスプレイは、北海道での日米共同演習に参加したのをはじめ、横田、厚木、キャンプ富士、岩国などに飛来し、訓練を繰り返しています。全国六つの低空飛行ルートで、年間330回もの訓練が計画されています。米空軍が配備を予定しているオスプレイ、自衛隊が導入を決めているオスプレイを合わせれば、日米あわせて50機ものオスプレイが日本中を飛び回ることになります。
―オスプレイの配備の撤回を要求します。オスプレイの全国展開に反対し、無法な低空飛行訓練の中止を求めます。
―米軍に不当な特権を与えている日米地位協定を抜本改正します。
8、原発の再稼働反対。原発ゼロの日本、再生可能エネルギー先進国をめざします
再稼働せずに原発ゼロにすすみます
どの世論調査でも、再稼働反対は国民の中の揺るがない多数派です。約2年にわたって「稼働原発ゼロ」となり、日本社会が原発ゼロでやっていけることも証明されています。「原発ゼロ」をめざすのであれば、再稼働は必要ありません。しかも、原発を再稼働すれば、計算上わずか6年で、すべての使用済み核燃料貯蔵プールが満杯になります。「核のゴミ」(使用済み核燃料)の問題を深刻化させるだけです。再処理をすればプルトニウムが出ますが、日本は、すでに国内外に47トンものプルトニウムを保有しています。ほんらい核拡散防止の観点から利用目的のないプルトニウムの保有はできません。
―「原発ゼロ」の政治決断を行い、原発の再稼働を中止し、すべての原発で廃炉のプロセスに入ります。再稼働させた原発は、停止します。原発の輸出をやめます。
―核燃料サイクル(プルトニウム循環方式)からただちに撤退します。再処理工場などの関連施設を廃止します。
原発再稼働のために福島事故を「終わったこと」にする政治は許せません
東京電力福島第1原発事故から6年半たっても、6万8千人の福島県民が避難生活を余儀なくされています。福島の深刻な状況が続いているにもかかわらず、安倍政権は、原発再稼働と原発輸出のために、福島第1原発事故を「終わったこと」にしようとしています。
―被災者を分断する上からの「線引き」や「打ち切り」の押し付けをやめさせます。完全賠償と徹底した除染をすすめ、すべての被災者が生活と生業(なりわい)を再建できるまで、国と東京電力が責任を果たすことを強く求めます。
―東電まかせにせず、国の責任で、福島原発事故の収束に全力をあげること、徹底した情報公開を求めます。困難な作業にあたっている労働者の労働条件を改善します。
―子どもたちをはじめ、福島県民の健康をまもるため、国が責任をもって長期の健康診断を実施します。
―福島県民の総意である「福島第2原発を含む全基廃炉」を実行します。
2030年までに電力の4割を再生可能エネルギーで
再生可能エネルギーの普及は世界の大きな流れです。「原発ゼロ」に踏み出したドイツでは、再生可能エネルギーが2015年に発電量の30%に達しました。日本の再生可能エネルギーによる電力供給はいま14〜15%にすぎず、2030年度でも22〜24%にすぎません(政府の「需給見通し」)。「原発固執政治」が、再生可能エネルギー普及の最大の障害となっています。
―2030年までに電力の4割を再生可能エネルギーでまかなう目標をかかげ、省エネ・節電の徹底と、再生可能エネルギー大幅導入の計画を立てて、実行していきます。
―電力会社による再生エネルギー「買い取り拒否」をやめさせます。家庭や市民共同のとりくみに、適正な買い取り価格を保障します。
―乱開発にならないよう、環境保全や住民の健康に配慮しながら計画的に推進します。
9、女性への差別、格差をなくし、人権をまもり、自由と民主主義を発展させます
女性への不当な差別、格差をなくします
日本の男女平等の到達は、先進国のなかでもっとも遅れています。しかし、安倍政権が掲げた「女性の活躍推進」には、その要となる5賃金格差の是正や女性に対する差別の撤廃の政策はなく、もっぱら財界・大企業が要求する「成長戦略」のために、都合よく「女性を活用」するというものでしかありません。
―男女賃金格差・昇進昇格差別などの是正をはかり、職場での男女平等をすすめます。
―法律的にも社会的にも、女性の尊厳、人権が守られる社会をつくります。民法を改正し、選択的夫婦別姓を導入します。DV、性暴力被害の防止、被害者の保護と支援を充実させます。
―あらゆる政策・意思決定の場に女性の平等な参加を保障します。国会と地方議会の議員の男女同数化をめざします。
LGBTをはじめ誰もが個人として尊重される社会に――LGBT(性的マイノリティー)に対する差別と偏見をなくし、権利を守ります。
言論・表現の自由、教育の自主性を守ります、ヘイトスピーチを根絶します――放送・報道への権力的な介入に断固反対します。
―行政による「政治的公平」を口実にした市民の言論・表現活動や集会への不当な介入を許しません。
―民族差別をあおるヘイトスピーチを根絶します。超党派で成立させた「ヘイトスピーチ解消法」も活用して、政府が断固たる立場にたつことを求めます。
―すべての子どもたちの「人格の完成」を教育の根本目標にすえた、教育の民主的改革に取り組みます。教育の国家統制を許さず、教育の自由、自主性を守り抜きます。
―高校生の政治活動禁止・制限に反対し、主権者としての自由を守ります。
―政府による大学への干渉をやめさせ、「大学の自治」を尊重します。軍学共同に反対し、科学・技術の利用には非軍事と「公開、自主、民主」の原則をつらぬきます。
民意を反映する選挙制度に改革します――多くの「死に票」が生まれ、投票した過半数の民意が切り捨てられる小選挙区制を廃止し、衆議院、参議院、ともに、民意を正確に反映する比例代表中心の選挙制度に改革します。
―カネで政治をゆがめる企業・団体献金(企業・団体によるパーティー券購入を含む)を禁止します。政党助成金を廃止します。
10、災害から国民のいのちと財産を守る政治に
大地震と大津波、原発事故による放射能汚染という甚大な被害をもたらした東日本大震災に続き、熊本地震、全国各地での台風や豪雨の被害、火山災害など、深刻な災害被害が相次いでいます。災害に備え、被害を抑え、国民の安全と安心を保障することは、日本の政治の大きな責任です。
被災者の生活と生業の再建を支援します
―被災者生活再建支援法の支援金を300万円から500万円に引き上げるとともに、対象を半壊などに広げます。
―自宅避難者をふくめ当面の生活の維持への支援を行います。
―中小商工業者の事業の再建支援は、金融だけでなく事業用施設・設備などを直接支援の対象にします。農畜産業、漁業、林業では、農地の補修、畜舎、漁港の再建はじめ壊された施設・設備の再建・改修の支援を強化します。
―被災者の自立にとって大きな障害となっている既存ローンの負担を軽減します。
―被災住宅の被害判定は、浸水被害、液状化などの宅地被害にも対応し、失われた住宅としての機能を反映した判定基準にします。
災害に強い社会と国土に、防災・減災のまちづくりを
―土石流発生や堤防決壊、液状化被害などの危険箇所の点検と対策をすすめます。
―観測体制の整備をすすめ、消防や住民を中心にした地域の防災体制を強化します。
―防災を無視した乱開発をやめ、必要な防災施設の整備と安全点検を徹底する防災のまちづくりをすすめます。
市民と野党の共闘の前進と日本共産党の躍進を
市民と野党の共闘への逆流をはね返して前進しよう
この2年間、日本共産党は、市民と野党の共闘を発展させるために力をつくしてきましたが、衆議院が解散された9月28日に、突然、民進党が「希望の党」との合流を決めました。
民進党が合流するとした「希望の党」は、自民党政治の中枢にいた人、市民と野党の共闘に反対して民進党を離党した人、そしてウルトラ右翼の潮流の人が集まって結成されました。小池代表自身が、自民党の安全保障法推進本部の副本部長として、安保法制=戦争法という戦後最悪の違憲立法の強行を推進するなど、安倍暴走政治の重要な推進者でした。その政治的主張の要は、安保法制=戦争法を容認する、憲法9条を含む憲法改定を推進するという二つです。顔ぶれからも、政治的主張からも、自民党政治の補完勢力であることがはっきりしています。
市民と野党の共闘は、安保法制=戦争法の廃止と立憲主義の回復を原点に、安倍暴走政治を変えるために、努力を積み重ねてきました。民進党の決定は、これを否定するものです。そして、民進党の決定は、「国政選挙でのできる限りの協力を行う」「憲法違反の安保法制を廃止し、立憲主義を取り戻す」という、4野党の党首で何度も確認した公党間の合意を反故(ほご)にするものであり、市民連合のみなさんと合意した共通政策を投げ捨てるもので、重大な背信行為です。
市民と野党の共闘に逆流が持ち込まれたことは事実です。しかし、日本共産党は、市民と野党の共闘によって、日本の政治を変えていくという立場を堅持してすすみます。
こういう状況のもとでも、共闘の道を勇気をもって誠実にすすもうという政党、立憲民主党、議員、候補者の方々とは、共闘を成功させるために全力をあげる決意です。日本共産党と社民党との協力・連携をはじめ、この総選挙で、市民と野党の共闘を再生させ、安倍暴走政治をストップさせようとする動きは、全国で始まっています。日本共産党は、そのために知恵と力をつくします。
共闘の大義をかかげ、安倍政権と真正面から対決する日本共産党をのばしてください
日本共産党は、安保法制=戦争法、秘密保護法、共謀罪法――安倍政権が憲法を壊して強行した違憲3法の廃止、立憲主義と民主主義の回復をはじめ、共闘の“大義の旗”をかかげます。政治的立場や主張の違いを認め合いながら、一致点で力を合わせ政治を変える“共闘の旗”をかかげます。この日本共産党の躍進こそ、市民と野党の共闘をさらに前に進めるいちばんの力です。
日本共産党は、比例代表選挙で850万票15%の得票を獲得して、11の比例ブロックすべてで議席増を実現する目標でがんばっています。16の小選挙区を必勝区とし議席獲得に挑戦します。
前回の総選挙で、日本共産党は8議席から21議席へと大きく躍進させていただきました。国会での発言力が飛躍的に増え、安保法制や共謀罪の国会論戦で安倍政権を追及する大きな力になりました。森友・加計疑惑でも、日本共産党の論戦が安倍首相を追い詰めてきました。日本共産党の議席が増え、国会内での発言力が強くなることは、政党間の力関係を変え、市民と野党の共闘を前進させるうえでも貢献できたと考えています。
今度の総選挙は、日本の命運がかかった大事な選挙です。どうか、日本共産党を躍進させてください。安倍暴走政治に退場の審判をくだし、すべての国民が個人として尊重され、尊厳をもって生きていける日本を、ごいっしょにつくろうではありませんか。
社会保障・教育の財源は、消費税にたよらずに確保できる
日本共産党の財源提案
安倍首相は、消費税の10%増税分の一部を、「教育・子育ての財源に回す」と言い出しました。国民の切実な願いを人質にして、今度こそ10%増税を強行しようというのです。
消費税を増税すれば、必ず「増税不況」が起きます。暮らしと経済に重大な打撃を与える消費税の増税は、きっぱり中止すべきです。
消費税は、低所得者ほど負担の重い、不公平な税金です。財源を消費税にたよれば、格差をますます拡大することになります。
安倍政権のもとで、消費税増税で8・2兆円、年金削減や医療・介護の負担増など社会保障改悪で6・5兆円が国民に押し付けられ、国の教育予算も最近3年連続のマイナスです。その一方で、大企業には4兆円もの減税が行われ、軍事費は政権発足以来5年連続の増加となっています。
こうした税のあり方、予算のあり方を変えれば、社会保障や教育を拡充するための財源は、消費税にたよらずに確保することができます。
〈1〉富裕層や大企業への優遇をあらため、「能力に応じた負担」の原則をつらぬく税制改革や、歳出の浪費をなくす改革をすすめます 
本来、所得税は所得が高いほど負担率が高くなるはずなのに、実際には所得が1億円程度を超えると逆に負担率が下がってしまいます。法人税も、実質負担率が中小企業は19%前後、大企業は12%と、いちじるしい不平等になっています。富裕層や大企業には、さまざまな優遇税制が適用されているからです。こうした不公平税制をあらため、「能力に応じた負担」の原則に立って税制を改革すれば、大型公共事業や軍事費などの歳出の浪費をなくすこととあわせて当面17兆円、将来的には23兆円の財源を確保できます。
大企業への優遇税制をあらためます
安倍政権のもとで企業向けの「租税特別措置」(租税特別措置法による優遇措置)が増え続け、中小企業向けを除いても1・7兆円と、過去最高の規模になっています。中でも「研究開発減税」は毎年6000億円前後にのぼり、トヨタ自動車1社だけで4年間に4000億円以上の減税を受けるなど、その恩恵は一部大企業に偏っています。租税特別措置以外にも、他の企業や海外子会社から受け取った配当の一部を非課税にする「受取配当益金不算入制度」や、グループ間の損益を相殺して税金を減らす「連結納税制度」など、もっぱら大企業が利用する優遇税制が多数存在します。こうした優遇税制を廃止または大幅に縮減すれば、4兆円の財源を生み出すことができます。
法人税減税のばらまきを中止し、安倍政権以前の税率に戻します
安倍政権は、法人税率の引き下げなどで、4兆円もの企業減税を実施してきました。しかし、こんな減税をしても、大企業の内部留保を増やすだけで、賃上げにも景気回復にもつながっていません。このようなばらまき減税をやめ、中小企業を除いて、税率を安倍政権以前の水準(37%)に戻します。この間に行われた法人事業税の外形標準課税の強化は赤字企業などへの増税となっており、これは元に戻しますが、この分を差し引いても2兆円の財源が生まれます。以上の二つの措置を行うことによって、大企業の実質負担率を中小企業並みに引き上げることができます。
大株主などの富裕層に、せめて欧米並みの負担をもとめます
富裕層の所得税の負担率が低いのは、富裕層の所得の多くを占める株の配当や譲渡益が分離課税とされ、住民税を含めても20%と国際的にも低い税率になっているからです。「アベノミクス」で株価が上昇し、株主への配当も増え、配当の分離課税による減税額は1兆円を超え、安倍政権発足前の3倍以上になっています。株式配当については、少額の場合を除いては分離課税を認めず、総合累進課税を義務づけます。これによって、富裕層の配当所得には所得税・住民税の最高税率が適用されます。株式譲渡所得に対しては、当面分離課税としますが、高額部分には欧米なみの30%の税率を適用します。
所得税の最高税率を引下げ前の水準に戻します
所得税・住民税あわせた最高税率は、99年に65%から50%に下げられ、その後5%上がりましたが、現在55%となっています。これを元に戻し、富裕層(10万人前後)の課税所得3000万円超の部分には、65%の税率を適用します。各種所得控除は、控除額に税率を乗じた額が減税となるため、税率の高い富裕層ほど有利になっています。人的控除の適用には所得制限を設けるとか、社会保険料控除額に上限を設けるなど、富裕層に有利になりすぎないように、改善をはかります。
「富裕税」の創設など資産課税を改革します
高額な株式や不動産などの資産を保有する富裕層に対して、毎年課税する仕組みの新しい資産課税として「富裕税」を創設します。中間層の負担増とならないよう、自宅用不動産や農地等には特例措置を講じたうえで、純資産で5億円を超える部分に低率で課税します。対象となるのは1000人に1人程度の富裕層だけですが、株式資産などが増加しているもとで、1兆円程度の財源が見込めます。相続税の最高税率は2003年に70%から50%に引き下げられ、現在は55%です。中間層の負担増にならないように基礎控除額を引き上げるなどの措置をとりつつ、最高税率を元に戻します。
タックスヘイブンを利用した「税逃れ」をやめさせます
税率がゼロもしくは低率の地域(タックスヘイブン=租税回避地)にペーパー会社を設立する手法による「税逃れ」が横行しています。タックスヘイブンとされる地域への日本からの投資は、公表されているものだけでも100兆円を超え、毎年数兆円の利益があると見込まれます。しかし、こうした地域に子会社をつくった場合に適用される「タックスヘイブン税制」の対象となった所得は0・4兆円程度にすぎません。海外投資に関するデータの収集と公表、タックスヘイブン税制の適用拡大などによって、「税逃れ」をやめさせます。
被用者保険の保険料上限を見直します
サラリーマンの年金保険料は月給62万円、健康・介護保険料は月給139万円で頭打ちとなり、それ以上は、月給が何百万円あっても保険料は増えません。16年度には上場企業で年間報酬1億円を超える役員が600人を超え、その報酬額は1300億円にもなりますが、本人が負担した保険料は推計十数億円、負担率は1%程度にしかなりません。しかも、社会保険料控除によって所得税・住民税が軽減される影響で、富裕層の実質負担率はさらに半分程度に低下します。こうした仕組みをあらため、高額所得者に応分の負担をもとめます。
為替取引税を創設します
多額の為替取引に対して低率で課税する「為替取引税」を創設します。東京外為市場の取引額は年間推計100兆ドル(16年)で、この18年間で3倍近くに増えています。投機マネーによる取引が増加しているからです。これに0・01%程度のごく低い税率で課税すれば、1兆円を超える税収になります。税率が低いので、通常の貿易や金融取引には影響がありませんが、短期間に多数回の取引を繰り返す投機マネーには負担となり、行き過ぎた投機の抑制にもつながります。
環境税を強化します
石油石炭税は、「地球温暖化対策の課税」が上乗せされていますが、国際的な水準などからみて、不十分なものにとどまっており、強化をはかります。同時に、原油の国際価格高騰などの際には、課税額が少なくともエネルギー消費抑制効果があることを考慮し、税率を変動できるような柔軟な仕組みを検討します。また、低所得者や寒冷地の負担軽減策をあわせて行います。
軍事費を大幅に削減します
安倍政権になってから軍事費は5年連続で増額となりました。イージス艦やF35戦闘機、オスプレイ、滞空型無人機グローバルホークなど、「海外で戦争する国づくり」に向けた軍拡であるとともに、アメリカの軍事企業から高額な兵器を押し付けられるなど、多くの問題が起きています。アメリカへの「思いやり予算」や米軍再編経費(あわせて年間4000億円)を廃止し、正面装備費(毎年6000億円前後)や自衛隊の海外活動予算などを大幅削減します。
大型開発中心の公共事業を、生活密着・安全対策優先に切り替えます
安倍政権になって公共事業予算は全体として増えていますが、とくに、1件当たり10億円以上の大型工事の割合が、4年間で17・4%から25・4%へ、金額にして1・5兆円も増えています。三大都市圏環状道路や国際コンテナ戦略港湾などの大型開発の予算が急増したからです。今後も、リニア新幹線など、大型開発の浪費計画が目白押しです。こうした大型開発を少なくとも安倍政権以前の水準に引き下げ、生活密着型の事業や、老朽箇所の改修など安全対策優先に切り替えます。農業予算も公共事業中心から価格・所得補償中心に切り替えます。福島第1原発の事故後も、国の原子力関係予算は減らず、4000億円前後の高い水準を維持したままです。安全対策や除染対策などを除いて、原発推進の予算は全額削除して、再生可能エネルギーなどの予算に切り替えます。
将来は「応能負担」の所得税改革をすすめます
以上の改革を実行すれば、消費税の増税なしで17兆円の財源が確保され、後述するように、安倍政権によって痛めつけられた社会保障の立てなおし・拡充や、教育・子育て予算の大幅拡充が可能になります。同時に、最低保障年金の実現や、医療費窓口負担の廃止、高等教育を含めた無償化など、社会保障や教育の抜本的な改革を行う将来の段階では、大企業や富裕層の負担だけでは足らず、多くの国民が能力に応じて負担する必要があります。次に述べる経済改革を実行して、将来、国民の所得が増えた段階で、その増えた所得の一部を税として負担していただくような改革をすすめます。その場合も、低所得者に負担の重い消費税によるのではなく、所得税を中心に、「能力に応じた負担」の原則をつらぬいて、税制改革をすすめます。所得税の税率について、累進的に1・5〜15%程度を上乗せすれば、6兆円程度の財源が確保できます。
〈2〉国民の所得を増やす経済改革で、税収を増やします
「アベノミクス」が失敗だったことは、多くの国民の共通認識になってきています。安倍政権発足以降の4年半の実質成長率は、民主党政権時代とほとんど変わらず、肝心の個人消費はむしろ低い伸びとなっています。円安差益や株高、大企業減税などで大企業は最高益を連続更新しても、賃上げにはつながらず、実質賃金が低下したからです。とりわけ、消費税増税の前後を比べると、勤労者世帯の実質可処分所得は月平均45万円から43万円に、実質消費支出は月33万円から31万円に、それぞれ2万円ずつも落ち込みました。GDPの6割を占める個人消費がこの状況では、安定した経済成長は実現せず、税収増も見込めません。実際、16年度の税収は、所得税も法人税も消費税も、前年度を下回ってしまいました。法人税は2年連続のマイナスです。日本共産党は、大企業と株主優先の「アベノミクス」と消費税大増税に反対し、国民の所得を増やす改革をすすめます。
人間らしく働ける雇用のルールをつくり、大企業の内部留保を活用して賃上げをすすめます
「残業代ゼロ法案」に反対し、残業規制の法制化、残業割増賃金の引き上げ、ブラック企業への規制強化、労働者派遣法を抜本改正して派遣労働は臨時的・一時的業務に限定するなど、雇用のルールを改めます。400兆円を突破して、労働者1人あたり3960万円(12年度)から4785万円(16年度)にも増えた大企業の内部留保を、賃上げに活用するよう求めます。最低賃金をいますぐ、どこでも時給1000円に引き上げ、さらに1500円をめざします。
確保した財源を活用して、社会保障や教育の拡充をはかります
前述した提案によって当面確保できる17兆円の財源を活用すれば、社会保障や教育・子育て予算の大幅な拡充が可能になります。社会保障分野では、国保料の1人1万円引き下げ(4000億円)、特養ホーム増設(5000億円)、介護職員の処遇改善(4000億円)などをすすめます。子育て分野では、30万人分の認可保育所増設(5000億円)で待機児童解消をはかりながら、あわせて、幼児教育・保育の無償化(1兆〜2兆円)をすすめます。乳幼児医療無料化(2500億円)、保育職員の待遇改善(6000億円)などを実現します。教育予算をOECD諸国並みに増やせば、義務教育の教育費負担解消(1・2兆円)、30人学級の実施(5000億円)、高校授業料完全無償化(1兆円)、大学授業料半減(1・1兆円)、給付型など奨学金拡充(4000億円)が可能になります。
国民の所得を増やす経済改革で、安定的な成長を実現し、税収増を実現します
こうした経済改革で、国民の所得を増やせば、それが消費につながり、経済を安定的な成長の軌道に乗せることができます。そうすれば、10年程度先には、国・地方あわせて20兆円前後の税収増が見込めます。
暮らしの充実と財政危機打開の両立をはかります
税制や歳出の改革で財源を確保しながら、社会保障や教育予算の拡充をすすめれば、消費税増税にもたよらず、国債発行を今以上に大きく増やすこともありません。さらに、経済成長による税収増があれば、国債発行額を減らすことも可能になります。もちろん、これだけでは、毎年の財政赤字をゼロにすることはできませんから、絶対額でみれば政府債務残高は増えていきます。しかし、安定的な経済成長が続けば、対GDP比でみた債務残高を減少させることが可能です。安倍首相は、「2020年度までに基礎的財政収支の黒字化」という政府の目標達成が絶望的になった今も「財政健全化の旗をおろさない」などといっていますが、大企業や富裕層への優遇税制や大軍拡などに手を付けずに「財政健全化」をはかれば、結局、消費税のいっそうの大増税や社会保障の乱暴な切り捨てをすすめることになります。これでは、ますます不況になって、逆に財政危機を深刻化させます。
日本共産党は、消費税大増税にストップをかけ、社会保障や教育の財源を「消費税にたよらない別の道」で確保するため、「二つの改革」の旗を高く掲げ、国民の暮らしをまもり、日本経済の未来をひらくために奮闘します。